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栄通記

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2009年 03月 15日

934) ト・オン・カフエ 「谷口明志(あかし)・展」・終了 3月3日(火)~3月15日(日)

○ 谷口明志(あかし)・展
  
 会場:TO OV cafe(ト・オン・カフエ)
    (地下鉄中島公園駅から東に徒歩1.5分)
    中央区南9条西3丁目1-1・マジソンハイツ1F
    電話(011)299ー6380
 会期:2009年3月3日(火)~3月15日(日)
 休み:会期中は無休
 時間:月~土→10:30~21:00
       日 →10:30~20:00

ーーーーーーーーーーーーーーー(3・15)

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      (↑:屋外からの展示風景。)

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 初めてト・オン・カフェに行った。
 ギャラリー空間とカフェ空間が完全に分離している。ギャラリーは屋外からも眺めることが出来て開放的だ。展示者は外からの目と内からの目を意識しなければならない。2面の壁面と外との境界のガラス面、それとコンクリートの床に囲まれた空間が発表者の土俵だ。真新しい床だがひび割れがアクセントになっている。

 谷口明志といえばコンブのような作品を壁に展示する人だ。そのコンブ自体にどういう意味があるのかは大事な問題だが、作家の好みということにして不問にしよう。空間造形のための道具としてひとまず押さえておこう。絵画の境界線であり飾りである額が一人歩きをし始めたのだ。絵のない額を曲げたり伸ばしたりして壁や空間に置いたらどういうことになるのか?作家自身の確認行為の始まりだ。おー、空間が動き出した、オレの心も動きだした・・・。

 今回はドローイングの「線」としてコンブを使っている。描かれた世界は具体的なイメージを前提にしている。日本庭園を作ったのだ。「線」は水の流れのエッセンスだ。
 展示空間全体を見渡した時には地図も重なって連想してしまう。街を流れる川筋、等高線や街並のレイアウト、何かの境界線と「線」は多義にわたっている。静かにイメージは膨らんでいく。谷口村だ。

 今展は「コンブ」の両義性が幾分壊れたとも言える。
 表現願望として写実的イメージを避けたい作家だと思う。鑑賞者の想像力はお好きなようにというスタンスだと思う。その道具が「コンブ」なのだが、「コンブ」とイメージされることが微妙な問題を含んでいる。具象に対する愛情であり、なごりだ。表現の出発から抽象の中に具体的イメージを放り投げていたわけだ。
 今までの実験的展示から具体的イメージという性(さが)が反乱を起こした。「コンブ」が川になり筋のように流れていき物語や情緒を生み始めた。旅する「コンブ」になり始めた。


934) ト・オン・カフエ 「谷口明志(あかし)・展」・終了 3月3日(火)~3月15日(日) _f0126829_21463563.jpg まるで旅人のようにぽつねんと壁に立てかけられている。3人いる。そこは谷口村の境界点なのかもしれない。標識でもあるのだ。
 非常に綺麗な展示だった。普段とは違って、実に人間臭い展覧会でもあった。




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 画廊喫茶の楽しみに本があります。オーナーの美術ジャンルに対する好みを反映しているものです。
 ここには現代美術、美術評論、短歌、書、建築と幅広く重厚な本が並んでいます。

 画廊喫茶というよりも、本格的ギャラリー空間があり、その空間に合わせて喫茶室があるといった雰囲気です。
 中島公園に行かれる際には、ちょっと迂回してギャラリーを窓辺にしてみては。

by sakaidoori | 2009-03-15 22:19 | (カフェ)ト・オン


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