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栄通記

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2009年 02月 24日

920) ①タピオ 「平面と立体による2人展 鈴木悠高・林教司 『対磁』」 2月23日(月)~2月28 日(土)

○ 平面と立体による2人展
   鈴木悠高・林教司  『対磁』

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (南北に走る中通りの西側。)
    電話(011)251-6584
 会期:2009年2月23日(月)~2月28 日(土)
 時間:11:00~19:00

※ オープニング・パーティー:初日の18:00~

ーーーーーーーーーーーーーー(2・23)

920) ①タピオ 「平面と立体による2人展 鈴木悠高・林教司 『対磁』」 2月23日(月)~2月28 日(土)  _f0126829_21285053.jpg


 「黄色の人・鈴木悠高」と「鉄の人・林教司」の対磁する2人展だ。

 2人の持ち駒(出品可能作品)には始めから差がある。
おそらく鈴木悠高は昨年来からの描き貯めた作品を、しかも大半は発表済みの抽象油彩画を展示するだろう。実際そうだったし、コンビの林教司もそう思っていただろう。
 対する林教司は平面・立体と何でもこなしストックもある。黄色い世界に何を展示するかという、展示空間の決定権は林教司にある。2人の作業としては、林教司の主導の下での空間作りにしかない。

 林教司は棺桶を持ってきた。骨組みだけの鉄のイスが2脚とわずかな隠し味。「死」と「エロス」、「存在」を表現している。
 鈴木・抽象画は野原の風景のように茶色い棺桶を埋めている。本来壁面に並べて見られるものだが、壁と床にランダムに置かれている。この展示方法、意外にもその黄色の明るさ・陰影・グラデーションが一瞬にして目に入ってくる。見下ろすと云うことは面白い。緊張を強いること無く映像のように脳に焼きつく。・・・人が見上げて空や山を見るということは特異なことであり意識的な行動なのだろう。やや俯きに見える世界が自然な視覚野ということなのだろう・・・。

 黄色く花咲く野原に棺桶を置いたみたいだ。棺桶が若き生命力を吸い込んでいるようだ。若き生命力とは不思議なものだ。汲めども尽きることが無いようだ。
 鈴木油彩画、一望にして見た時にその軽さが目立つ。フワフワしている。初々しくもある。苦行僧が描いたような沈溺の世界は、棺桶の前では明るく余りにも若い。おそらく林教司は若き画家の生命力の前でどれほどの力があるかを試そうとしたのだろう。同時にそのエネルギーを奪い取ろうとしているのかもしれない。老いる自己に檄を飛ばしているのだ。

 無骨な男の2人展。
 若き青年が智者に投げキスをしているようだ。棺桶からまだまだ恋をするのだと呟いているようだ。沈溺が耽溺になるかもしれない。

 (写真は1枚しかありません。後日、記録のために写真風景を載せます。
 今週の土曜日までです。立ち寄って下さい。)
 

by sakaidoori | 2009-02-24 22:14 | たぴお


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