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栄通記

sakaidoori.exblog.jp
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2009年 02月 09日

889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」

○ 常設コーナー
    道内遺跡地図、縄文土器クイズ、縄文土器早期

 会場:㈶北海道埋蔵文化センター
     江別市西野幌685番地1
     電話(011)386―3231
     ファクス(011)386―3238
 会期:2009年
 休み:基本的に月曜日
 時間:9:30~16:30
 料金:無料
 ※駐車場完備
ーーーーーーーーーーーーーーー(2・7)

889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」_f0126829_20535322.jpg


 久しぶりに開拓記念館へ行った。そして、いつものようにその帰り道に当館へ立ち寄った。

 入り口の特別展示室は「交流の考古学5・栽培植物からみた大陸と北海道」。こちらのことは今回はパス、奥の方の常設展をぶらっと見学です。

 入り口には国土地理院発行の20万分の1の地図に遺跡ポイントを赤い針で埋めています。大変な努力です。少しピンボケの写真ですが見て下さい。(後日差し替えます。)

889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」_f0126829_2152419.jpg

 こういう地図は見飽きない。
 僕は目に見えない妄想とか想像力には弱い。興味の湧く具体的な物に対しては考えずに長い間ボーっとするタイプだ。こういうのを見るのはほんとに嬉しい。

 赤いピンが人が多く住んだ所、足跡地帯と理解してしいいだろう。もちろん、未だ人目に触れられていない所も沢山ある。消えていった地帯もあるだろう。だが、古代人の気配の濃淡の姿であることは間違いない。

 関係者に伺ったところ、発掘に熱心な方のいる地方は発掘報告が多いとのことだ。具体的に何処とは言ってはいない。
 例えば羊蹄山麓、赤ピンが過密な感じがする。倶知安に長く住んでいた画家に聞いたことがある。「田んぼからは沢山遺物がでてきて、ダンボール2箱位たまった。教育委員会に預けたら、そのまま行方がわからなくなった。役所とは困ったものだ」と笑ってぼやいていた。その画家は昨年亡くなられた。

 全体図がピンボケなので、道南道央の部分図を載せます。

889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」_f0126829_21314253.jpg
 ↑:あたりまえだが、現在でも人の住みにくい海岸にはピンが無い。意外なのは上の国から南の海岸沿いは陸地を歩くのは大変なはずと思うが、満遍なく足跡がある。海が道なのだ。
 函館は平野部を囲うように埋まっている。昔はひどい低湿地帯だったのだろう。縄文海進の頃は海だったかもしれない。

889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」_f0126829_2139117.jpg


889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」_f0126829_2142337.jpg
 ↑:余市の海岸沿い、赤井川、羊蹄山麓のニセコに多い。

889) ①埋蔵文化センター 「常設コーナー」_f0126829_21462779.jpg
 ↑:札幌と苫小牧の低地帯を避けた東部にかけては遺跡のメインロードだ。
 札幌は開発が進んでいるし、比較的財政に恵まれているから沢山の遺跡があるとも言える。それはそうなのだが、やはり豊平川扇状地帯は昔から人が住み易いのは事実だと思う。もっとも、大昔は川の上流地域が人の住む中心で、時代が下るほどに川を下りて暮らすようになったと聞いている。
 北広島地域はもっと沢山あるはずとのことだ。宅地化の流れの速さに遺跡は無視された。近代化の前に小さな自治体は無視の態度を取ったのだろうか?
 この札幌ー苫小牧ライン、北はシベリアに繋がり南は本州の東北と結ばれ、西の北海道と接する一大交流地帯だ。

 石狩川の平野部には赤ピンが少ない。
 平野・野原というものは長い間日本人の住みかではなかったと思っている。小さくても安定した川が流れ、これまた小さくても木々に覆われた山を背景にする、これが日本人の原風景と思っている。
 「野ざらし」という言葉がある。人が死んだ時にそこにうち捨てられた場だ。この世とあの世の行き来する妖しげな恐い空間だ。草や葦が漂い広々とした景色に「良し」と思うのは近代の風景観だろう。

 (②は縄文土器の予定。)

by sakaidoori | 2009-02-09 21:46 | ☆北海道埋蔵文化センター


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