888) 時計台 「道都大学建築学科・模型作品展 『本願寺駅逓』」 終了・2月4日（月）～2月9日（土）

○　道都大学建築学科・模型作品展
　　　　　「雨竜郡沼田町　本願寺駅逓」
　　　　　　（北海道指定 有形文化財）

　会場：時計台ギャラリー　２階Ｃ室
　　　　北１西３　札幌時計台文化会館・中通り南向き
　　　　電話（０１１）２４１－１８３１
　会期：2009年2月2日（月）～2月7日（土）
　時間：10:00～18:00
　　　　（最終日は、～１７：００まで）

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　建築学科の学生による道内歴史的建築物の模型作品です。
　一昨年は「北広島駅逓所」、昨年は「旧簾舞通行屋」、そして今年は沼田町にある「本願寺駅逓」です。微妙に名称は違いますが、歴史的に果たした役割は同じです。
　道路もどうにかできた頃、明治初期の北海道開拓時代の話です。重要道路の拠点拠点に、人や物の運搬や宿泊基地として運営されていました。幹線道路ですが始めの頃は人馬がやっ通れる状態だとも聞いています。














　↑：左側、「玄関」。入って左側の廊下に２階に上がる階段があります。
　↑：右側、「土間と帳場」。


　　　　　↑：１階（上）と２階の５０分の１の縮尺の平面図。

















　実物の１０分の１の模型です。長さが１．８ｍ弱もあります。昨年とは違って中も見れるようにして、実に精巧に出来ていて彼等の誇らしげな顔が目に浮かびます。何人で作ったかは知りませんがたいしたものです。資料としての設計図などはないので、現地に測量調査です。沼田町は遠いから何度も足を運べないでしょう。図面や写真をにらめっこしての作業、ご苦労さんでした。

　ところで、地図で確認すると現地は沼田市街から南西に３キロも離れた雨竜川と支流の幌新太刀別川（ほろにたちべつがわ。　ポロ・ニタッ・ペッ＝大きい・低湿荒野の・川：山田解）の合流する右岸にあります。国道２７５号線沿いの東側です。現在の中心街からはかなり離れている。
　この駅逓が出来たのは明治２７年です。明治３３年に留萌に通じる駅逓所として官許されたそうです。そして、沼田町の入植・開基は明治２７年の１８名の富山県人を始まりとしています。つまり、駅逓は入植と殆んど同時に建てられたのです。おそらく、沼田町の元町は川の流れが利用できて、氾濫が避けられるこの辺りから始まったのでしょう。現沼田市街はＪＲ石狩沼田駅付近です。この駅が出来たのは明治４３年で、深川ー留萌間の留萌本線開通の年です。
　おそらく、この年までに、この駅逓は本来の駅逓の使命を終えたのでしょう。その後はこの地域の中核となる建物として利用されたことと思います。ちゃんと利用されたからこそ今に残っているのです。模型で見ても実に立派なものです。初期入植者達の覇気が伝わる建物です。
　いささか勾配が緩い屋根です。沼田町は雪の多いい所と聞きます。毎年々一所懸命に地元の人達が雪を降ろしたことでしょう。

　以上は、僕の推測です。この施設は冬季間は休みです。雪が解けたら現地に行こう。沼田方面をドライブしよう。その屋根を見に行こう。