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栄通記

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2009年 02月 02日

880) STVエントランス・ホール 「鈴木秀明・展」 1月12日(月)~2月1日(日)

○ 鈴木秀明・展

 会場:STVエントランス・アート
    中央区北2条西2丁目・STV北2条ビル・1階ホール
    (東南角地、玄関は東向き) 
    電話(011)207-5062
 会期:2009年1月12日(月)~2月1日(日)
 時間:月~金 9:00~18:00
     土・日  9:00~16:00

ーーーーーーーーーーーー(1・31)
 
 (以下、敬称は省略。)

 1948年 旭川市生まれ。函館市在住。新道展会員。


 鈴木秀明の今展に寄せる情熱に圧倒された。

 画題は現代文明の破壊と混沌、それらを統合するルネサンス的宗教性ということだろう。
 氏の絵画世界には見る人の好みが鮮明に分かれるだろう。画題の配置がゴチャゴチャとして、余りにもシャープな機械性を感じる。現代文明批判を絵画化することの難しさを思う。少し観念的な所が強すぎると思っている。

 最近の絵画は変わってきた。
 今展でも分かるように、ゴチャゴチャしない部分を広く取っている。いわゆる背景部分が広く、その空間処理として単色の色を追求している。マチエールの追求としての色は空間の広がりや深みを与えている。
 そして、その対比としてメインの画題の人体などを面構成として、今までの秀明張りにくどく表現している。
 静と動、広がりと収縮、一色と多色、均一なマチエールとごちゃごちゃ表現、過去と現代、宗教と現代文明、美と醜、死と生。いろんな意味での対比による手法によって、より見せる絵画へと変化しつつある。
 この変化は絵画追及の結果ということもあるが、一人の画家が歳をとるという心境の変化も加味しているのだろう。

 今展の魅力は個々の作品だけにあるのではない。
 このエントランスホールを自分のものにしていることに驚かされる。全作がこの日の為の新作かもしれない。きっとそうだろう。
 ここを教会あるいは古代のギリシャ神殿に見立てて、緑色に統一された枠で壁画にしている!ヨーロッパの古代や中世、ルネッサンス美学への憧れを、手段としてけれんみも無く利用している。

 氏の世界に好悪の意見が分かれるだろう。だが、今展に傾ける画家の意欲・計画には学ぶべきものがあると思う。


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     ↑:「NECRO POLIS」(《特に古代都市の》大規模な墓地)・193.9×390cm 油彩(以下、全て同じ)。下は部分図。
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     ↑:「春を呼ぶ女」・116.7×90,9cm。

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     ↑:「地」・90.9×90.9cm。

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     ↑:「想」・130.3×162.1cm。

by sakaidoori | 2009-02-02 11:53 | STVエントランスホール


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