2009年 01月 31日
![]() 会場:さいとうギャラリー 中央区南1西3 ラ・ガレリア5階 (北東角地) 電話(011)222-3698 会期:2009年1月27日(火)~2月1日(日) 時間:10:30~18:30 (最終日は、~16:30まで) ※ 開催パーティー:1月27日(火) 16:30~18:30 【出品予定作家】 (DMで確認して下さい。) ーーーーーーーーーーーーーーー(1・11) ![]() ![]() ![]() 今年で10回目以上にはなる展覧会だと思います。いつも楽しみにしています。 今年の特徴は作品が小振りです。販売用の統一した小型の大きさの作品がありません。メルヘン過多とは言えないのですが、物語性の強い作品が多くなっているみたいです。若い女性が多いからかもしれません。 静かな落ち着いた展覧会とも言えるでしょう。 僕自身は日頃見られない本州の若手版画家達の技術や感性や感覚、最近のの傾向などを知る楽しみにしているので、もう少し大きめの作品を期待していた。そういう意味では少し寂しかった。 それと、定番の人というわけではないのですが、お気に入りの作家も見つけたのに不参加なのがこれまた残念なことだ。OB生は年々増えるわけですから、メンバーの入れ替えなども必要なことですし仕方が無いですね。 さて、個別作品を何点か紹介します。 ![]() 花鳥風月的な絵です。日本画的な画題ですが、古典的美を追求してばかりの作品ではないでしょう。友野・版画は茫洋とした輪郭でどこか捉えどころの無さがあります。 僕にとっての彼の魅力は明快です。ふんわりとした膨らみのある造形感覚です。ふんわりしているから、イメージとか空気感を現しているとも見れますが、確かにそれも付随しているのですがメインではないと思う。中が空洞になっていて、その空洞を包み込んだ存在感、絵画的リアリティーに魅力を感じるのです。 今展の作品も中央の白味の強い部分が画面からやや浮き出ていて、何となく無意味と思えるほどに円い空間を作っているのです。絵全体も空気の厚みを持たせたいのでしょう。 だが、彼は余りにも寡作家だ。まだ一度もまとまって作品を見たことが無い。是非そういう機会をお願いしたい。 ![]() 黒を追求している人です。黒それ自体の深みの世界と、白との対比で立ち現れてくる動きの世界。一度見れば記憶に残る印象的な画風です。 巴模様の太い部分は輪郭線はスッキリしていて、適当に茫洋とした部分がある。この黒、「生き物」としても見ることができる。心の動き、空気の気配、闇夜を徘徊する塊。造形それ自体として発展していくのか、作者自身の見る目(感性)の深まりとして変貌していくのか?5年単位での変化が気になる作家です。 ![]() ![]() ↑:川田竜輔、「コタツに乗ってー1・2」・103×72.8cm 木による平板 2009年。 コタツを愛する好青年、川田・ワールドです。 今回はうねうね感を追求しています。細さを感じた。穏やかな心境での作品では。乗っている生き物はコタツの精で自画像でしょう。ヒョウキンです。 ![]() 大きな作品です。人の顔を伸びやかかにダブらして表現している。このダブり、心の矛盾の現われではなさそうだ。感情の仄かな綾、静かな落ち着きや喜びのようにも見える。首を傾げて唄っている様にも見える。 顔だけの作品だが、全体像は裸体として想像してしまう。女性的な裸体美に向かうかもしれない。 ![]() メルヘン的な印象を受けるのですが、山並ラインの大らかさや個別の画題の配置が僕には好ましい印象を残す。何故だろう?ゴチャゴチャしていないアッケラカンさが良いのだろう。無造作に見える配置が見慣れない感覚を与えるのだろう。 ![]() ↑:林朝子、左から「嬰治の部屋」・77.5×59.5cm エッチング 2008年、「花のいたづら」・43×55cm 2009年。 このグループ展にしては珍しくサイケでエロチックな作品です。非常に漫画的というか大衆的なストレートさが目を惹く。大正ロマンあるいは江戸時代好みの趣味性があります。 もう少し書きたいのですが他の記事が書けなくなりそうです。余裕ができたら②へ追加ということにします。
by sakaidoori
| 2009-01-31 23:55
| さいとう
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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