栄通記

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2009年 01月 31日

877) 大通美術館 「楢原武正・展」 1月27日(火)~2月1日(日)

○ 楢原武正・展

 会場:大通美術館 
    大通西5丁目11・大五ビル (東向き)
    電話(011)231-1071
 会期:2009年1月27日(火)~2月1日(日)
 時間:10:00~19:00
    (最終日は ~16:00まで)

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 会場の奥深くの広々とした空間を利用したインスタレーションです。光を全く当てること無く、洞窟の奥を覗き込む形での鑑賞になります。
 洞窟、まさにそこに林立する千仏羅漢像を見る思いです。

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     (↑:少しボケていますが全体像です。)
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 例年のようにエネルギッシュな展覧会です。いわゆる楢原パワーです。ですが、良し悪しあるいは好みを別にして、エネルギーの方向や深度はかなり異なっています。

 例えば、以前には御柱のような立体に釘をびっしり打ち込んで、それを野ざらしにすることによって錆色を作品に付着していた。まるで修行僧が岩をノミで穿つ一心不乱な執念の塊でもあった。野に晒す事によって、屈折した時間が作品に乗り移っていた。求心的作品群であった。

 今展の一つ一つの柱は芸術家が永年の修練で培った感覚での仕上がり具合であって、個別の作品にエネルギーを感じることはない。それらを沢山作り水平的に拡大することによって開かれたエネルギーを僕らは感じることができる。拡散型作品群ということだ。
 だが、壁に飾られた作品群を見ても分かるように、今回の楢原武正は「黒」に拘っている。立体作品を作る拘りが、絵としての黒色を出すことに拘っている。

 「大地/開墾」が氏の永久のテーマだ。
 ということは、黒とは大地を意味しているのだろう。だが、現実の大地は単一な黒色ばかりとは言えない。大地が黒色とはあくまでも日常会話における比喩的な言葉だ。僕は「黒」という言葉に白き雪に覆われた世界で、雪を払いのけて出てくる色を「黒」としてとらえ、その事が「開墾」という意味ではないかと思う。つまり、会場にはその痕跡が全く無いのだが、雪の白があたりを覆っているのだ。
 そして、いままでは「開墾」における労働に重点があって、エネルギーは集中的であった。氏自身の老齢化にともない、開墾の過程の労働から、結果として表に表れた大地の色を慈しむというのが今展の心境なのではないだろうか。だから、絵としての「黒」に拘り、絵肌感は楢原・自然観と一体化しようとしているのだろう。


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 畳の大きさまではないのですが、かなりの大きさの「絵画」が縦長に展示されています。色としての黒もそうですが、いろいろと細かく装飾されていて、それらの模様も目に優しかった。

by sakaidoori | 2009-01-31 22:51 | 大通美術館


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