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2008年 09月 01日

746) ブックカフェ・開化 ①「栗田健・展 お店の紹介」 終了・8月4日(月)~8月31日(日)

○ 栗田健・展

 会場:ブックカフェ 開化・Kissa Kaika
    札幌市豊平区平岸3条9丁目10-1・第一恵信ビル2F
    (平岸街道と環状通りの交差点のすぐそば。平岸街道の東側に面す。豊平整形外科となり。)
    電話(011)842-0770
 期間:2008年8月4日(月)~8月31日(日)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:日・月・火・木→12:00~20:00
     金・土    →12:00~22:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・31)

 初めての訪問場所です。
 ブックカフェというので、漫画本中心の喫茶かと思いました。全然違っていました。本の編集作業室とか企画のミーティング・ルームのような感じです。オープンな雰囲気で、とても喫茶店とは思えません。
 昨年の10月頃のオープンと聞きました。そろそろ1周年です。


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 ↑:建物と1階の様子。


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 ↑:2階の様子。


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 室内の壁の一面には確かに本が並んでいます。NHKの「今日の料理」とかの雑誌と現代美術書です。
 喫茶店マスターの過去(あるいは現在?)の仕事は知りません。とても趣味で集めた美術書とは思えません。現代美術に関心のある方はお奨めのスポットです。
 美術書が仕事の一面としたならば、雑誌は趣味の世界だと思います。

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 ↑:マスターの作品。
 以前の仕事で活躍した鉛筆です。鉛筆を最後まで使い、それを残しておくという几帳面さと収集癖、それらをコラージュして記録に残す、別の世界を作ったのです。このエネルギッシュさと構想は完全な表現活動です。謙遜して語っていましたが、こういう作品はたまたまの思い付きではできません。

 文も書いた、本も読んだ、物も集めた、料理もできる、オリジナルな世界もこなす、要するに何でもできるのです、ここのマスターは。
 そして喫茶店も始められた。美術を語り合う場を作ったのです。いえ、美術を肴にしての人の語らいの場なのです。ここもマスターの作品の一つでしょう。一つ以上の夢の場なのです。
 


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 (栗田作品は②に続く。2、3日後になります。)

by sakaidoori | 2008-09-01 11:02 | (ブックカフェ)開化 | Comments(0)
2008年 08月 13日

723)NiCoビル ②「道都大中島ゼミ 『版’s展@狸小路』・第四週」 終了・6月30日(月)~7月27日(日)

○ 道都大中島ゼミ
    「版’s展 @狸小路」

 第四週⇒7月22日~7月27日 『いろいろ展』
   (漫画、絵画、イラストレーション、立体等の作品が所狭しと並びます)

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       
 会場:Hanaagura Gallery(ハナアグラ・ギャラリー)
     札幌狸小路マーケットNiCoビル2階 hanaagura
     中央区南3西2(狸小路2丁目)ニコービル2F
     電話
     お問合せ:道都大学中島ゼミ・(011)372-8240
 会期:2008年6月30日(月)~7月27日(日)
 休み:定休・水曜日
 時間:12:00~20:00(各展示の初日は18:00~、最終日は~19:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・22)

 会場風景と個々の作品を適当に載せていきます。
 どうしても知った学生中心になりました。もっと個別作品を載せたかったです。中島ゼミ作品は今後も載せて行きたいので、紹介学生も増えていくでしょう。

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 ↑:左から、犬養康太。藤澤大輔、「チャクラ」・シルクスクリーン。 
 僕はどうも犬養作品好みのようです。そのドロー-イングに磨きをかけて欲しい。彼は今春の法邑・出品では少し気合不足だったが、この版画展での一連の作品はなかなかよろしいと思う。

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 ↑:石井誠、「モドキカーニバル+α」。
 ここでもいろいろやっている石井誠君です。


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 ↑:右側のキングのトランプ模様の作品は松本直也、「KING 2.0」・ステンシル。
 小さい作品の中で大きく伸び伸びした作品があると気持ちが良い。左側の小さくて個性的な作品(岩本奈々・「neck lace」)との対比も良い。
 松本君はこの作品のように色なり線ををスポンと表現したり、いろいろと知的操作で画面構成をしたりと、使い分けているようです。

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 ↑:広場のテーブルと壁作品。
 今回の中島ゼミ展ではここのテーブルと壁を気持ちよく広々と使っていました。
 多人数参加と云うことでしたが、会場全体はそんなにゴチャゴチャ感はありません。版・テキスタイルと彼等学生の肩の力を抜いた、それでいて自分のしたいことの片鱗を披露した作品群ではなかったでしょうか。

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 ↑:杉原友紀、消しゴムスタンプ。
 今回特に興味を引いたのは、杉原さんの消しゴムスタンプです。
 見てしまえばなんてことはない技法ですが、不思議に新鮮でした。そして、彫りやすく直ぐには磨耗しにくいという特徴を生かしてアラベスクな模様の作品を出品していました。原版の向きを変えてスタンプを押していけば、無限大に増殖していく装飾の世界が想像されます。
 作家がちまちまと彫っている姿を思い浮かべると、目の前の消しゴム原版がいとおしくなります。同時に限りない価値に見えてきます。

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 ↑:杉原友紀、「三匹のこぶた」・消しゴムスタンプ。

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 ↑:左から、(作家名が分かりません。教えていただければ幸いです。)「少しだけ笑顔がやぶけてしまったエリーの肖像。三上いずみ、「ワラビモ」(本です)。

by sakaidoori | 2008-08-13 12:09 | 4プラ・華アグラ | Comments(0)
2008年 08月 11日

721) 門馬 ②「『中原宣孝展 2008』 & 『ミナオ展 2008』」 終了・8月1日(金)~8月7日(木)

○ 中原宣孝(のぶたか)・展 2008
   上階にて同時開催:「ミナオ展 2008」(中原美奈)

 会場:ギャラリー・門馬 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38・(バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年8月1日(金)~8月7日(木)
 休み:日曜日
 時間:11:00~19:00
    (最終日は~19:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・7)

○ 中原宣孝さんの続き。小品を少しですが載せます。

f0126829_0121660.jpg ←:「虹色の貝」・121×79 cotman紙 鉛筆 透明水彩。

 写真のピンクがかった色は、支持体の白色として見て下さい。
 淡彩画。鉛筆の輪郭線の上から透明水彩で着色したものです。

 小さいですが、夢がびっしりと詰まっているみたい。螺旋の色階段から目が離せなかった。懐かしくも楽しい昔を偲んでしまった。もしかしたら、残りの人生も楽しい物になるのではと・・・そんな夢を見てしまった。
 大作がボリューム満点の肉食だとしたら、あっさりさわやかデザート・プリンといった感じで、とても息抜きになって、再び大作を力強く見ようという気にさせられた。


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 ↑:「SHORT/SWEAT/BANDEAU」・176×254 油彩。

 本当に写真のような作品です。そして、「写真のよう」という言葉を聞いて、中原さんはほくそ笑んでいると思う。

 この絵は「写真のように正確な描写」が中心テーマではないでしょう。写真の構成や色による表現に、「絵」として逆手にとって写真に挑んでいるのです。「写真家さん、画家は君達のしたいことを器械の力を借りなくて、肉筆でできるんだよ」と。だからといって写真や写真家を批判しているのではないでしょう。一種の画家の遊びです。中原さんには正確無比な大作画からくる印象とは違った、不思議な「画家としてのユーモア」を持っているみたいです。

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 ↑:「距離のないKHAOS」・296×296 油彩 日本画顔料。
 自画像です。会場でご本人を見れば自画像と分かります。この絵から作家を想像するのは無理です。
 自画像だけあって他の作品とは異質です。ユーモラスでもあり、画家の見えない内面の一つなのかもしれません。


 大作は今後が増す増す楽しみ、小品はどれをとっても面白い、というのが僕の印象でした。
 版画や鉛筆画もあったのですが割愛します。是非「鉛筆画展」あるいは「版画展」を開いてください。その時に紹介したいと思います。

 それから、中原さんとの会話で非常に印象的なことを一つ記しておきます。
 何かを説明する時に両手が自然に何かを表現するようにして語るのです。造形感覚が常に体からほとばしるというイメージです。決してオーバー・アクションではありません。軽くリズミカルに手が塊を作って、何かを表現しているのです。体が画家なんですね。

   -------------

○ ミナオ展

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 沢山の小品が2階に行儀よく並んでいます。とてもシンプルな絵です。
 イラストは可愛いくて、「二人」をテーマにした作品が目に止まりました。友達、恋人、親子・・・家族のつながりをいろいろな動物や人形で表現しています。上に載せた老夫婦は他の作品とはちょっと違っています。正直に人間を描いています。明るく楽しくいついつまでも・・・。


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by sakaidoori | 2008-08-11 20:49 | 門馬・ANNEX | Comments(0)
2008年 07月 18日

693)音威子府②「アジアプリントアドベンチャー ビッキー美術館」 終了・7月1日(火)~7月15日(火)

○ アジアプリントアドベンチャー ’08 in おといねっぷ 

 会場:音威子府村内各会場
     電話・役所新興室(01656)5-3311
 会期:2008年7月1日(火)~7月15日(火)
 休み:無し
 時間:10:00~17:00(各会場にて変動あり)
 料金:無料。(ただし、ビッキーアトリエ3モアは無料でも見れるのかもしれませんが、実質的には美術館料金200円を払って美術館全体を見た流れで一室の作品展をみることになるでしょう。また、その方が格段にいいです。)

 ① 音威子府中学校(国道沿いの建物壁面)
 ② エコミュージアムおさしまセンター
    (BIKKYアトリエ3モア)
 ③ 音威子府公民館(メイン会場。外国人招待作家作品展示)。
 ④ 高橋昭五郎・彫刻の家(日本人作家作品の主会場。)
 ⑤ おといねっぷ美術工芸高等高校(玄関先のホールの展示。)
 ⑥ 手塩川温泉ギャラリー(温泉施設とは独立させた通路空間。)
 
 北星信金音威子府支店
 音威子府商工会館 他
 (数字を打った会場しか見ていません。以下、見た順番の報告&感想記です。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・13)

 「BIKKYアトリエ3モア」、素晴らしい公共美術館です。アトリエをそのまま残したかまぼこハウス、旧建築物をレイアウトして近代的美術意匠をふんだんに取り入れた美術館本体、何よりも自然に囲まれた美術館全体の雰囲気は腹の底から訪問の喜びが沸いてきます。自然は確かに素晴らしいのですが、そこに人智の結晶があるから僕を魅了するのだと思います。ただただ自然を誉めそやすのならば、登山の山中にはその魅力はかないません。「人ー作品ー自然ー訪問者」、この関係が素晴らしいと思うのです。

 イベント展覧会は美術館の逆周り無料で見れるかもしれませんが、200円を払って、ビッキー作品を見た後に、会場の最終口で見たほうが良いでしょう。実際、ほとんどの人はそうして鑑賞したのではないでしょうか。この美術館の感想は後日に記したいと思いますが、会場風景と美術館の流れの後で作品を紹介したいと思います。 


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 (↑:かまぼこハウスとその室内の前景。手前に工作機械などがあり、奥には長テーブルを真ん中にして大きな作品がデーンと置かれている)

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 (↑:美術館のほぼ全景。)

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 (↑:会場入り口。始めは細長い通路を淡々と歩みながらビッキー時間に同化されるのです。見慣れた小品ばかりですが、初めて出会う作品にビッキーの間口の広さを思い知ります。)

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 (↑:時間の回廊は祈りの部屋へと誘われます。)

 (前室の祈りの部屋はパブリックな部屋なのでしょう。次室にはビッキーの特大写真を暗がりに展示して、暗闇に格闘する画家を彷彿させます。)
 

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 (↑:作業場と小品の展示場。ビッキーに「25時の○○」という作品があります。明るくはあっても、あたかも真夜中にビッキの夢と戯れているような部屋です。)

 (次室の真っ暗な祈りそのものの部屋を最後に、イベント会場に入っていくことになります。)


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 小室で作品数お少ないのですが、非常に充実した部屋です。しかも、写真・C.G.・立体作品などがあり、「版画とは?」ということも考えさせます。

 
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 この写真作品はイベント作家とは関係ありません。ですが、関係者は「プリント展」を意識しての展示だと思います。
 一見、トリック(合成)のようですが、そうではありません。雪に埋もれた家屋に出入りするビッキーの立ち姿です。ファインダーを拡げれば、普通の写真になるでしょう。白が雪に見えない。暖かく包んでいます。真ん中の模様は樹木の種のようで、フワフワと浮かんでいるようです。実際、「亡き人・ビッキー」を想えば、葬送の一枚と言いたくなります。自然と対峙した作家が、自然に包まれてうらびれた家屋を何事もなかったかのように暮らしているのです。雪を挟んで向こうの世界で。

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 ↑:後藤和子。映像作品と三点の壁面作品。
 この場合、映像が「版」であり、後藤作品全体をプリント表現としてとらえようということだと思います。
 会場は非常に白い。掲載の写真は暗いですがそのつもり見て下さい。
 白い空間に後藤作品の一齣一齣が機械仕掛けのように踊りながら、いろいろな図像を綾なしています。壁面作品(絵画)はそれらの一齣一齣を層のように重ねて、時空を閉じ込めていると見るならば、仮想空間の中でそれらの一枚一枚が離れては重なり結ばれて、絵画の層の中の様子を表現しているようです。
 静かで白い部屋で、小さな映像の動きがとても印象的でした。

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 ↑:清水淑枝、「(ヒロインー序奏/42°の世界 左から冬・夏)」2008。
 この地を謳った作品だと思います。風景を写真として取り込んでいます。
 「冬」の作品、春を待つ春を悦ぶ作品でしょう。後藤さんの映像や絵画の一枚一枚のピースに応えたような画面構成です。後藤さんの場所に捉われないコスモポリタン性に対して、熱く音威子府の自然を讃えていて、不思議な気持ちの良い組み合わせでした。

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 ↑:左から今偉正(こん・いまさ)、「紙の彫刻(鮭)」・2008。蓬田やすひろ(よもぎだ・やすひろ)、「光景」・90×70cm。


 (会場のキャプションや図録にも個々の作品の版に関する情報はあまりありません。少し残念です。
 なおかつ、プロフィールは全文横文字ですから、作家のことを知るには非常に面倒です。不親切です。国際性のあるイベントといっても、この姿勢は支持しません。日本人に日本人を紹介するのに日本語のない文章ほど無意味なものはない。あえて言えば高慢な姿勢です。音威子府の児童・少年が作品を見て、「芸術って外国なんでね」という意識を生むばかりです。1000人にも満たない音威子府の住民が仮に全員が見たとしたら、どれだけの人が作家の画歴に関心を持つのでしょう?何人の日本語の読めない外人がこの地に見に来るというのでしょう?それは日曜日のだれもいない遊園地のようです。)
 
 
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by sakaidoori | 2008-07-18 23:50 | [音威子府] | Comments(0)
2008年 07月 18日

692)音威子府 ①「アジアプリントアドベンチャー 音威子府中学」  終了・7月1日(火)~7月15日(火)

○ アジアプリントアドベンチャー ’08 in おといねっぷ 

 会場:音威子府村内各会場
     電話・役所新興室(01656)5-3311
 会期:2008年7月1日(火)~7月15日(火)
 休み:無し
 時間:10:00~17:00(各会場にて変動あり)
 料金:無料。(ただし、ビッキーアトリエ3モアは無料でも見れるのかもしれませんが、実質的には美術館料金200円を払って美術館全体を見た流れで一室の作品展をみることになるでしょう。また、その方が格段にいいです。)

 ① 音威子府中学校(国道沿いの建物壁面)
 ② エコミュージアムおさしまセンター
    (BIKKYアトリエ3モア)
 ③ 音威子府公民館(メイン会場。外国人招待作家作品展示)。
 ④ 高橋昭五郎・彫刻の家(日本人作家作品の主会場。)
 ⑤ おといねっぷ美術工芸高等高校(玄関先のホールの展示。)
 ⑥ 手塩川温泉ギャラリー(温泉施設とは独立させた通路空間。)
 
 北星信金音威子府支店
 音威子府商工会館 他
 (数字を打った会場しか見ていません。以下、見た順番の報告&感想記です。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・13)

 この展覧会と天塩岳登山をメインの目的での旅行だったが、他の用事を優先することになったので、音威子府でのんびりすることが出来なかった。不手際も重なって見なかった会場もあり残念ではあったが、展覧会鑑賞としてはそれなりに充分見ただろう。

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 (↑:村内の中心街。黄色い線を右に行けば天塩川が直ぐにあり、筬島までは10k弱の距離。
 中学校や役場は道路右側で、その裏手には天塩川が流れている。川岸を散策できなかったのが心残りであった。次回の楽しみにしよう。)

 深夜未明の到着。道の駅で車泊。5時間ほどの睡眠で、村内の雑貨屋でパンを買っての朝食。壁画を見ながらである。

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 なかなか見事な壁画だ。ピンクの桜が清々しい。今展は「環境」が副題だから、自然をモチーフにしたのだろう。抜けるような表現でそれとなく鳥や蝶やラブ・マークが散りばめられている。

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 時間があったので役所の中やその辺を散歩。再び会場に立ち寄ると学生が作品の仕上げに余念がなかった。はた目には輪郭線を少しばかり描き加えれば完成と思っていたが、なかなか完成しないのが作品というものであろう。

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 尋ねれば、おといねっぷ美術工芸高校の学生だ。デザイン、作画は生徒自身によるとのこと。先生が総合監修兼雑役という役目なのだろう。先生のラフなスタイルと学生の薄青色の正装の対比が可笑しかった。先生から高校での展示も見るように薦められた。何でもない会話ではあったが嬉しいものだ。
 学生は男子ばかり。その時の当番の関係だったのだろうが、昨今は女性の美術活動が目立つので、不思議な感じがした。数時間後にこの場所を通ったら赤い服を着た女子学生が壁画の方に向かっていた。終日、交代で絵を描いていくのだろう。展覧会最終日に養生テープやビニールをはがしてお披露目となるのだろう。


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by sakaidoori | 2008-07-18 19:09 | [音威子府] | Comments(0)
2008年 07月 11日

690)NiCo ハナアグラ「道都大中島ゼミ 『版’s展 @狸小路』」 6月30日(月)~7月27日(日)

○ 道都大中島ゼミ
    「版’s展 @狸小路」

 第一週⇒6月30日~7月6日  一文字Tシャツ展
   ゼミに関わる全員の、一文字をテーマに個性豊かなTシャツを展示
 
 第二週⇒7月7日~7月13日 版画展
   シルクスクリーン版画を主に、現役生・卒業生の作品の展示

 第三週⇒7月14日~7月20日 テキスタイル展
   型染め、シルクスクリーン、ステンシル等の技法を駆使した布作品の展示

 第四週⇒7月22日~7月27日 いろいろ展
   漫画、絵画、イラストレーション、立体等の作品が所狭しと並びます

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       
 会場:Hanaagura Gallery(ハナアグラ・ギャラリー)
     札幌狸小路マーケットNiCoビル2階 hanaagura
     中央区南3西2(狸小路2丁目)ニコービル2F
     電話
     お問合せ:道都大学中島ゼミ・(011)372-8240
 会期:2008年6月30日(月)~7月27日(日)
 休み:定休・水曜日
 時間:12:00~20:00(各展示の初日は18:00~、最終日は~19:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ギャラリーのオープン時の場所は狸小路からの階段を上がって直ぐのところにありましたが、中の方に移動しました。そんなに広い場所ではないので、グルッと会場を廻って探してください。

 道都大中嶋ゼミの4週間の連続展示です。今回は第2週の「版画展」です。27日まで続くので、一度は立ち寄ってはいかがですか。

 キオスク店舗のような黒塗りの狭い空間と、ビヤガーデン風の広場の壁面やテーブルへの展示です。


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 ↑:会場内部の風景。二枚をつなげればほとんど全景です。

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 ↑:外の広場の展示風景。かっこの良いニギニギしさです。どこかに渋さのある展示です。会場のムードがそんな気持ちになったのでしょう。
 テーブルは橘内さんの作品で、小品を沢山持ってきて心地良い自己顕示欲でした。


 以下、個別作品を何点か載せます。

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 ↑:八鍬淳二・左側は「夜明け」、右側は八鍬君自身が着ていたTシャツ作品。
 八鍬君はTシャツへのスルクスクリーン染めを専門にしているとのことです。「夜明け」は久しぶりでの版画作品とのこと。動物そのものや動物を連想する形にこだわっているようです。

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 ↑:左側は中村理紗・「五月病」、右側は住吉道直・「いいやつ」。
 両名とも低学年だと思います。


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 ↑:大泉力也。(タイトルは省略。)
 小品です。茫洋としてはいますがコンパクトにまとまっていました。値段が気になるところでした。
 作品によっては販売もしているとのことですが、会場に販売価格の明示があったほうが鑑賞者には親切ではないでしょうか。

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 ↑:関谷修平
 コーナーは関谷君が占めていました。小品を眼鏡をはずしてまじまじと見てきました。

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 ↑:犬養康太、「いやだちゃん」。
 これはなかなか良い作品だと思う。木版画風に背景に模様を付けたり、色もどぎつさを落して平均に見れる工夫をしたり、構図だとか、昨年とは違ってそつなく仕上げています。
 何といっても彼特有ののブラック・ユーモアが楽しめます。ベイビーは出刃包丁を持っているのです。


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 ↑:左から、岩井玄・「もみもみ」、山田祐輔・「ペンギン処理工場」。


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 ↑:松本直也、「バールのようなもの」。
 松本君らしい作品です。都会らしさは直線として収められ、スポーツ好みの躍動感に皮肉精神を織り込んでいます。


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 ↑:橘内美貴子、左から「ズン!ズン!ズン!」、「beeeee」。
 橘内さんはとにかく沢山の出品でした。小品が全体の流れを演出していたと思います。彼女も小品が多かったので、価格がきになりました。


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 ↑:通路壁面の橘内コーナー。

by sakaidoori | 2008-07-11 16:04 | 4プラ・華アグラ | Comments(2)
2008年 05月 10日

619) オリジナル画廊 「古林玲美・展」・版画 終了・5月1日(木)~5月10日(土)

○ 古林玲美(ふるばやし れみ)・展
     MOSAIC

 会場:オリジナル画廊
     札幌市中央区南2条西26丁目3-10
     電話(011)611-4890  
 会期:2008年5月1日(木)~5月10日(土)
 休み:日曜
 時間:11:00~18:00(最終日は16:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(5・10)
 
 1981年 北海道栗山町生まれ
 2005年 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース版画専攻卒業
 2007年 同上大学院芸術工学研究科修士課程修了
        現在札幌市在住


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 銅版画。エッチングが主体だと思うが、他にも腐食技法が使われているかもしれない。
 写真を見ても分かるように、約3cm四方の原版を縦横に並べて一版仕上げの版画だ。何が面白いかというと、相反することを同時に楽しめることだ。近くから見た時と離れて見た時の違い。個別に重きを置いて見るか、全体で見るか。技法としての版画としてみるか、イメージとしての絵画としてみるか。などなど。
 例えば、遠くから見ると何が描かれているかというよりも、全体の形や色のムードが気になる。隙間があるので不思議なデジタル装飾画になっていて、強烈な印象ではないのだが、見慣れない分だけ新鮮な感じ。それでいて奇を衒った手法と受け取られないのが好感度を2割ほど上げている。おそらく、作品全体から伝わる若さとそのエネルギーがストレートな感じだからだろう。隙間というのか並べ方がファージーなのもいい感じ。
 もっとも、この隙間に関してはバラエティーがあったほうが良いという意見もあるかもしれない。全体にもっと動きを求める人もいるかもしれない。将来の可能性としてはもっともな意見だと思う。でも、現時点では作家の問題意識はどうなのだろう?版画自体の可能性を工作風にいろいろと試みているのではないだろうか。原版の数だけ一版で多色刷りができる。腐食・非腐食技法など、いろいろな版画技法なども同時にできる。線を見せるか、ベタ塗りを見せるかということも一版で可能だ。仕上げは画家自身の感性でどうとでもできるだろう。技法を試すことによって、自然にでてくる自分自身の感性を確認しているのかもしれない。
 次に、近くに寄って何が描かれているかを好奇心をもって見ていくのだ。白い隙間が厚めの細胞膜、個々の作品は細胞だ。健全な細胞群だ。今度は全体に関係なく個別個別をあんぐりと楽しむのだ。殆んどは抽象的な線や色模様だ。小さい作品なのに細かな線描画がある。きっとドローイングの好きな人だろう。そうすると、このスタイルでドローイングを大きく表現したい衝動を持っているかもしれない。そういう気分はどう消化されていくのだろう。型にはまるのが嫌なモザイクもある。45度傾いて並べられている。そのわざとらしさが変に微笑ましい。

 細かさと大胆さ、この二つが更に大きく羽ばたくのを将来見れるかもしれない。壁一面を支持体にして、版画の部屋ができるかもしれない。

by sakaidoori | 2008-05-10 22:41 |    (オリジナル) | Comments(0)
2008年 04月 12日

※) af 「栗田健 絵画・版画展 『room』」 3月25日(火)~4月5日(土)

○ 栗田健 絵画・版画展
    『room』

 会場:札幌アリアンス・フランセーズ
    中央区南2西5 南2西5ビル2F・(入り口は西向き)
    電話(011)261-2771  
 会期:2008年3月25日(火)~4月5日(土)
 休み:3月30日(日)
 時間:10:00~19:00 (土曜日は18:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・5)

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 余地「room」

 音は耳を越えて鮮明な風景を描きだす事がある。
 それは肌のすぐ内側だか外側だかに何よりもたしかだ。
 
 風景は視覚をこえて音響は肌をなでる。
 内側だか外側だかよくわからない空間。

 空の箱の中から見る。空の箱を見る。
 境界線はぼやける。

 窓に近づけば、まだどちらかと言えるが、
 窓になれば、ただひびく、ただうつる。  (会場に張られていた散文詩)


 今展に対する作家の思いを綴った文章だ。イメージを謳ったものと思う。
 「対象ー五感ー認識」という文節的関係以前のイメージそのものが立ち上がっていく姿、それを詩としての言葉で展開している。作品はその絵画化されたもののようである。
 画家はイメージそのものを楽しんでいる感じだ。今はその方向性を見極めるというよりも、イメージの立ち現れる過程を一緒になって楽しむのが良いのだろう。彼のイメージを喚起するプロセスに、見る側のイメージ喚起能力が触発されるかどうか・・・。

 展示は版画と肉筆画の構成。今回の版は白黒ありなど、肉筆画のアクセントのような役割になっていた。面白いのは向こう側の作品群が色もくっきりしていて児童画のようで伸びやかなのだ。イメージ過多の他の作品とどういう関係なのかを考えてしまう。画家は完成した作品に至る過程のようなものだと言っていた。作家のコンセプトとは関係なく、ぼやけた作品とのコントラストが、会場全体に変化を生んでいたと思う。イメージもより一層膨らむ感じだ。

 画家は若い男性だ。まだ北海道には半年足らずの生活だ。今後見る機会が増えるだろう。どう深まっていくのだろう。

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 ↑:左側から、「輪郭の景色」・紙に油彩、「声」・パネルに油彩。

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 ↑:「花の窓」・紙に油彩&パステル。

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 ↑:左から、drawing「壁」・紙 水彩 パステル、「丘」・木版画 パステル。

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 ↑:drawing「公園」・紙 水彩 パステル。

※1981年 群馬県館林生まれ
  2004年 武蔵野美術大学油絵学科版画コース(リトグラフ専攻)卒
  2007年~ 札幌芸術の森版画工房専門員

by sakaidoori | 2008-04-12 23:55 | af | Comments(1)
2008年 04月 10日

593) 酒井博史(日章堂印房)の活版印刷ワークショップ

 以前に、弾き語りライブで紹介したことのある酒井博史君のことです。
 彼の生業は街の判子屋さんというか、印刷屋さんでもあります。印刷は活版印刷です。鉛でできた印字を組み合わせて製版、印刷するものです。いわゆる凸版という方法で、印刷された字の部分を触れば圧の関係で凹んでいるのが分かります。昔の印刷は全てこの方法だと思うのです。

 現在は、コンピューターを使って印刷原版を作って、印刷するのが主流になっています。つい先日北海道新聞夕刊の1面に記事になってご存知の方もいるかもしれませんが、肝心の活版印刷用の印字制作会社が制作中止を表明したのです。需要が少なくなって、商売として印字制作が成り立たなくなったというのが理由です。本州のメーカーから取り寄せたらいいのではと思うのですが、そうはいかないというのです。北海道は道内仕様の印刷で、道外の活字では大きさが違うと言うのです。おそらく、北海道開拓時代に道内の印刷業界の保護・育成のために、本州メーカーを排除した印刷組織を作ったことが原因だと思うのです。

 そんな訳で、活版印刷の日章堂印房は窮地に立ったのですが、こういう時代に何かできないかと思案しての取り組みが「活版印刷ワークショップ」です。名刺印刷の工程を体験するのです。小なりといえども、現役の印刷屋さんの活字を使って、自分の名刺印刷を体験しようというものです。参加費3000円(名刺100枚分込み)、各回の定員が3名というマン・ツー・マン体験印刷です。酒井博史君と彼のお母さんが指導員です。
 他にもいろいろと通常の商売の枠を超えた活動をしていますが、ここでは体験印刷に関する話だけにしておきます。めったに出来ない体験だと思うので記事にしました。関心のある方は彼のブログを参照して下さい。(追加日程等、適時記事にしていきたいと思います。)

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 ↑:①の作業。右側の活字の入ったスライド棚から字を拾うのですね。これは大変。近視、遠視、乱視を抱えての現在の眼鏡では僕には拾えない!
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 ↑:②の作業。字を拾った後に、組版を作るのですが、行間や隙間に入れる字のない活字が上の写真の下の部分。
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 ↑:③の作業。名刺用印刷機です。


【活版印刷ワークショップの概要】

○日時: 4月21日(月)     13時~
       4月26日(土)              19時~
       5月 6日(火・祝) ①13時~   ②16時~
       5月18日(日)   ①13時~   ②16時~

○場所:日章堂印房
       札幌市中央区南8条西9丁目(9条通り・南向き)
○内容:名刺印刷の工程(文選、組版、印刷、解版)の体験
○参加費:3000円(自分で刷った、自分の名刺100枚分込み)
○定員:各回3名(予約制) 
○問合せ:(011)521-4539  (平日9時半~16時、土曜9時半~14時)
○申込:問合せ先、あるいは酒井博史君のブログ「古い日記」からでもできます。

※ 駐車場はありません。地下鉄中島公園駅から西に10分歩けば着きます)
※ 各回の定員が少ないので、予約状況を確認して下さい。現在は5月までの予定ですが、その後も追加はあると思います。 

※ 21日は残り1名、26日は残り2名、5月6日は残り6名、18日は残り6名、ご参加いただけますーと、4月3日の予約状況です。

※内容に関して⇒名刺の印刷をします。
 使用する活字をひろう作業(文選)から、またもとの場所に活字をかえす作業までの一通りを行います。ただし、印刷機を扱う作業は危険を伴うので、安全のため一部こちらで行う作業もあります。またインクやホワイトガソリンを使うので、場合によってはにおいで気分が悪くなる可能性があります。
 服装は汚れても差し支えないものでお願いします。
 名刺一箱(100枚)を印刷し、それぞれ印刷したものは、お持ち帰りいただけます。


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 ↑:酒井博史君。「一緒に楽しくしましょう」と言っているわけではないのですが、多分そんな心境でしょう。

by sakaidoori | 2008-04-10 23:31 | ★その他 | Comments(0)
2008年 03月 24日

568)HOKUBU記念絵画館 「版画常設展」 11月8日(木)~2008年3月30日(日)

○ 版画常設展

 会場:HOKUBU記念絵画館
     豊平区旭町1丁目1-36
     電話(011)822-0306
 会期:会期:2008年1月24日(木)~3月30日(日)

 開館日:毎週木・金・土・日曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般300円、小中生200円 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・21)
 【出品作家と作品の抜粋】
 吉田遠志・「冬の富士山」、川瀬巴水・「大阪宗右衛門街の夕」、山村耕花・「三五朗の三人片輪オシ」、名取春仙・「武者」、橋口五葉・「鴨」・1920、石川寅治・「鈴の音」、吉田博・「動物園くるまさかおうむ」・1926、竹久夢二・「春」、ポール・ジャクレー・「喪中の少年」、石井柏亭・「東京12景 赤坂」、硲(はざま)伊之助・「南仏の田舎娘」、吉川観方・「三条大橋の朝霧」、小村雪岱・「おせん(縁側)」、伊藤深水・「美人画」、他

 場所の説明。
 豊平川、南七条大橋を街の方から北側の歩道を豊平に向かって渡って行きます。広い道路(中ノ島通)を横断すると、直ぐにパチンコ「太陽」が左側にあります。その辺りに鋭角に左に侵入する中小路に入れば、左側に三角形の駐車場を有した立派な3階立ての建物です。
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 300円を払って入場。2階3階が展示場。
 北武絵画館では版画の蒐集が美術館の原点。北武グループ総帥北武社長(代替わりしたかどうかは不明)の収集品を核にして、多くの絵画も有している。

 その版画の中でも、今展は新版画といわれる作品の展示。
 浮世絵は原画作家、刷り氏、彫り氏の分業制作です。原画作家、版元が最終決定をして作品化していました。
 明治時代にヨーロッパの創作版画の影響の下、原画、自刷、自刻を一人の作家だけによる版画の時代になりました。古典的版画技法は衰退の勢いでしたが、浮世絵などの複製版画の必要性、著名作品の販売の便宜のために、新たな分業体制で版画の制作がなされるようになりました。それが「新版画」と呼ばれるものです。版画そのものの創作性というよりも、高い技術にささえられた工芸的要素の強い版画です。作品もある程度の販売実績が予想される無難な美人画、風景画が多いのではないでしょうか。
 実際、今展ではそういう作品の展示になっています。版画の複製としての高い技術、原画そのもののクラシカルな美、そういうものを楽しむ展覧会ではないでしょうか。

 一方、3階には版画に混じって、2点の大きな油彩画があります。版画とは逆に、現在風の作品です。とても若い感覚の絵です。この作品を見るだけでも300円の価値はあると思います。どういう経路での収蔵作品なのか、関係者に伺って、物語を楽しみたいですね。

 ピンポイント作品掲載は出来ないので、会場風景だけでも載せます。

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 ↑:以上、2階の展示場。

 以下、3階の展示場。
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 ↑:伊藤深水の作品群。
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 ↑:右端の油彩画は、堤健二・「旅人たち」。目の描きかた、画面からは独特なムードが伝わってきます。色合い、画質感は道展の伊藤光悦さんを連想していただければ良いのでは。もちろん、テーマは随分違います。
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 ↑:図録などをゆっくり読めるテーブルも用意されています。向こうに見えるのが、鈴木健介・「旅の途中」。シュールなメルヘンとでも言えばいいのでしょうか。
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 ↑:伊藤深水・「手鏡」・1951。展示されている戦前の伊藤作品は見慣れた彼らしい美人画ばかりです。この作品は戦後で、マティスばりの線や色面がリズミカルに踊っています。鏡という小道具を使い、華やかな作品です。今後、伊藤深水を勉強すると思うのですが、こういう一面があるのを覚えておきましょう。

by sakaidoori | 2008-03-24 16:22 | ☆北武記念絵画館 | Comments(0)