栄通記

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2012年 11月 26日

1887)「新谷史子 森と交わる人間と動植物の交差に関する考察展」 時計台 終了11月12日(月)~11月17日(土)



新谷史子 

   森と交わる
   人間と動植物の交差に関する考察展
  
        

 会場:時計台ギャラリー3階F室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年11月12日(月)~11月17日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.17)


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 狭い部屋に日本画がびっしりだ。重厚さと綺麗さ、あるいはエネルギッシュさと情感とが相半ばして、闘っているような日本画だ。

 濃いい青を基調にして、強い心象性や幻想性を表現している。画面一杯に手抜かりなく、一所懸命に情感を伝えようとしている。そこに堅さも感じられるのだが、その堅さは若さというエネルギーに成り代わった。僕にはエネルギーの方に強く惹かれた。この強さが、画面により強い緊張感と凛とした美を生むのかと期待した。
 画家は「作品を通して地域の特別な情感を感じていただければ・・・」と念じている。「情感」、僕は「情」もさることながら、作家の強い「主張」を感じた。

 
 画家はいろんな学校の非常勤講師をされている。今春から、京都造形大学大学院日本画分野(通信課程)在学中とのことだ。
 タイトルはまるで学術論文のようだ。今展は在学校の「第6回学生創作研究助成金制度の採択企画」とのことで、そのことと関係があるのだろう。個展のタイトルとしては良くはないが、いろいろと事情があるのだろう。



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          ↑:「遥かにに」。


 手前には眠り姫のような女性が描かれている。画家の人物描写力を見る参考になる。それはともかくとして、この構図、幻想性を醸し出す手段なのだろう。少し型にはまりすぎた感じで、リアルな「女」を思った。もっと自然に溶け込むような方法がないものか?そのアイデアと溶け込む技術、大いなる課題なのだろう。


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          ↑:「コノハズク」。



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          ↑:「冬の日」。


 冬の日なのだが、枝先の微妙な絡み合いは春だ。元気で明るい。幻想性や情感追究が今展の主なテーマのようだが、こういう健康的で前向きな強い絵の方が、画家の自然な味わいに思えた。



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          ↑:「瞬」。


 「ウトナイ湖が一面夕日に染まる一瞬の世界を創りました」と、あります。

 萌えるような夕陽色、力が湧いてきて頼もしい。



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          ↑:「夜想」。


 鹿の生命を表現した力感溢れる作品だ。一番の力作かもしれない。やはり、画家自身の若さというパワーが作品に乗り移っている。



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by sakaidoori | 2012-11-26 22:47 | 時計台 | Comments(0)
2012年 11月 21日

1876) 「久山春美 日本画展 『日々の彩り』」 (カフェ)北都館 終了11月12日(月)~11月18日(日)

   

久山春美 日本画展 

   「日々の彩り
     


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
      第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2012年11月12日(月)~11月18日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(11.17)

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 お昼に行ったのでお客さんでびっしりだった。作品はゆっくり見れなかったが、久山春美さんのお顔も久しぶりに見れた。元気で何よりだ。
 作品は素直な自然体そのもの。長く発表もしていなかった、いろいろとあったのだろう。これを機会にマイペースで制作されることを願う。そのうちに意欲作を見せてくれるだろう。まずは楽しい作品との出会いだった。


 以下、個別作品を載せますが、鑑賞と言うより眺めるだけだったので、感想すら書けそうもない。今回は個展の記録以上のものではありません。さわやか気分を楽しんで下さい。


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          ↑:「秋の彩り」。


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          ↑:「桃二つ」。


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     ↑:「りゅうきゅうまつ」、「きたごようまつ」。 

by sakaidoori | 2012-11-21 22:21 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2012年 06月 12日

1789)④「北の日本画展 第27回」 時計台 終了5月21日(月)~5月26日(土)

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○ 第27回 

    北の日本画展
  


 会場:時計台ギャラリー 2・3階全室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年5月21日(月)~5月26日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

○ 深川移動展 

 会場:深川アートホール東洲館
      深川市1条9番19号深川市経済センター2階
      (JR深川駅を降りて直ぐ左側のビル)
      電話(0164)26-0026

 会期:2012年6月1日(金)~6月15日(金)
 時間: 10:00~18:00
 休み:月曜日

 【参加作家】
 総勢62名。
 (DMを拡大して個人名を確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.26)

 1771)①、1773)②、1775)③の続き。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


3階のE F室。


 なぜだか全室をこまめに載せることになりました。こんなことはめったにありません。時にはいいでしょう。


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     ↑:ともに岡惠子(札幌)。
 左から 「古い人形(梅華模様)」・M25(額込み横幅75㎝)、「ミドリ色のボク達」・P30(額込み横幅90㎝
)。


 今展でも印象深い作品だった。
 見た瞬間に人形作品が気に入った。何とも言えないリアリティーだ。渋くまとまった姿は、画家自身の年輪の反映だろう。どっしりとした安定感重量感に人形以上のものを感じた。

 「ミドリ色のボク達」、はじめはちょっと地味過ぎると思った。人形の世界は色合いは地味だが、見れば見るほど派手に感じて、作家の外に向かう力を思った。
 その目の後で緑色の世界に見やると、男が菩薩に見えてしまった。フックラとして余裕のある姿だ。画家が菩薩なり仏を意識して描いたかは知らない。が、男性にある種の理想のお姿を表現しようとしたと思う。おそらく年配作家だから、自然に仏ムードになったのだろう。


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          ↑:伊藤洋子(札幌)、「ベルギーの傘屋」・F30(72.7×90.9㎝)。


 隣近所には迷惑をかけないようにして、それぞれの品々がやさしく席を占めている。
 人はいないが、しっかり人の気配や余韻がたちこめていて、物語作品になっている。
 
 以前の伊藤作品はどこか冷たくよそよそしかった。絵としてはその緊張感が面白いのだが、何かを避けているようでいて、どうなるのかと見続けている。
 「何か」とは「人間」だ。避けていた人間臭が今作だと思う。さて、大作にもこの気分が反映するのか?


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          ↑:安栄容子(稚内)、「花の島にて」・F50



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          ↑:加藤仁彩(札幌)、「まちあかり」・F15(53×65.2㎝)



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          ↑:葛巻真佑(苫小牧)、「憩」・F6

 F6という小品です。これをそのまま大きくしても、絵としては大変でしょう。ですが、足と腰と手だけの絵もいいものです。



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     ↑:ともに、工藤真由香(札幌)。左から 「穀雨」・F20(72.7×60.6㎝)、「eau」・F20(同)

 今は表情の堅さが目立つが、いろんな意味で若さの証拠でしょう。ブルーな心象、それもやっぱり若さでしょう。

 (お名前を間違っていました。すいませんでした。)



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     ↑:中野邦昭(札幌)、「はるか Ⅰ」・F30。「はるか Ⅱ」・F30


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     ↑:紅露はるか(札幌)。
 「snow field」・変形(90×32㎝)、「snow field」・変形(90×32㎝)、「明るい部屋」・変形(75×30㎝)






 残り一部屋です。続く予定ですが・・・。

by sakaidoori | 2012-06-12 01:12 | 時計台 | Comments(1)
2012年 05月 28日

1771)①「北の日本画展 第27回」 時計台 終了5月21日(月)~5月26日(土)


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○ 第27回 

    北の日本画展
  


 会場:時計台ギャラリー 2・3階全室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年5月21日(月)~5月26日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

○ 深川移動展 

 会場:深川アートホール東洲館
      深川市1条9番19号深川市経済センター2階
      (JR深川駅を降りて直ぐ左側のビル)
      電話(0164)26-0026

 会期:2012年6月1日(金)~6月15日(金)
 時間: 10:00~18:00
 休み:月曜日

 【参加作家】
 総勢62名。
 (DMを拡大して個人名を確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.26)

 多くの日本画家が集い、沢山の日本画がある。見知った画家、面白い作品と多くを載せたい。
 2階から3階と部屋毎に順番に行きます。必然的に、3階の奥まった部屋は紹介できないでしょう。そして、僕の好みですから、載せる作家もお決まりかもしれない。付き合って下さい。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 それでは2階のA室から。


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          ↑:西谷正士(札幌)、「里」・F100。

 タイトルは「里」だが、画題を描いている人ではない。神域、ありいは聖域といえばわかりやすい。絵の中でポッカリ抜けた空虚な世界が画家のテーマだ。
 この絵の場合は、道の先の田んぼのあたりの空間だ。(写真では画家の意図が伝わりにくい。)絵画的には空間を表現する人、と言った方が分かりやすいかもしれない。しかし、それでは即物的で色気がない。「西谷正士にとっての絵画表現=空間=異次元世界=聖域」と形式化しておきます。
 ただ、彼の場合の異次元空間は、この絵の場合のように「道」などに誘われる場合がほとんどだ。決して「絵画の窓」ではない。バランスや構成で成り立っているのではない。そういう意味では誘導尋問的というか、作家の絵画的強制で作品がある。「ここを見よ!」と作家は露わに命令している。強い意志の作家でもある。
 表現したいこと、求める世界はずーっと同じだ。


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          ↑:吉川総子(札幌)、「残照」・M50(116.7×72.7㎝)

 やや小振りな作品だが力作だ。
 異次元表現という言葉で吉川総子を見れないことはないが、彼女の場合は何かしら感触的だ。ムチッとしているというか、その部分を愛おしく触りたいという衝動にかられる。
 
 今作、抜かりなく全面を描き込んでいて、画家の意欲を思う。緑中心で明かりがテーマだが、それにしても地味な画題だ。日常の切り取りということが大事なのだろう。
 描かれた世界は地味だが、柱などで門にしている。あまりにもストレートな「門」だから、その作為に立ち止まりたくなる。そして門の上部あたりが絵画の光源になっている。やっぱり触りたくなってしまった。女性画家特有の感覚だろう。しかし、知性もある。というか、絵画を知的に作りすぎる時がある。それは構図の問題とは違うだろう。

 吉川絵画の知性と感触性、その重なりが大ききする時もあれば、小さくする時もある。こういう力のこもった作品を20枚ぐらい並べて個展されればと思う。展示空間を作るなどは考えずに、ひたすら作品のみを見せる作品展だ。



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          ↑:上田とも子(熊本)、「雪の降る街で」・F50

 見た瞬間、吉川総子の作品と勘違いした。
 素直な詩情と構図とが「若さ」で重なっている。絵が拡がっていて、実物の大きさ以上に大きく見えた。人のシルエットの軽さが良いのだろう。



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          ↑:伴百合野(札幌)、「鎮魂の構図.四神.」・変形(140×140㎝)。

 紐もあるから空飛ぶ凧を思ってしまった。和服の収納袋「たとう紙」が支持体だ。何だか盲点をつく取り組みだ。たとう紙は高級な和紙だし、日本画に合わないはずはない。しかも、拡げた形もユニークだし、軽い柄もある。何より時間が蓄積されている。描き始める出発の段階から相手との対話だ。軽く手垢に染まった紙を自由に料理する、いかにも自由人・伴百合野にはうってつけだ。
 
 しかし、たった一枚とは寂しい。グループ展だから仕方がない。
 大きな壁一面に踊る「たとう紙」だ。重なっては離れ、緩く激しく流れる「たとう紙・伴百合野」、一人で夢想した。



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          ↑:蒼野甘夏(札幌)、「雨鯉群泳図」・S100(162.1×162.1㎝)。

 日本画の花鳥風月的伝統しがらみを、今風デザインに置き換えている、楽しんでいる。色気皆無の可愛さが一大特色だ。男におもねる情欲排除は戦略なのか画家の体質なのか、軽く自由に泳ぎ回る画家だ。いつもニッコリ笑ってしまう。



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          ↑:高橋潤(札幌)、「Frest」・S120(182×182㎝)

 賑やかで明るく楽しく可愛い作品だ。女性が上を向いてこちらにほほ笑んでいる。こんなトリック構図をしなくても、充分に楽しめるのだが・・・。それよりも、この世界は10年前と同じだ。その後雑貨屋的画題を代えたり、女性に対するアプローチにもいろいろ取り組んでいた。今回は原点回帰なのだろうか?
 氏の特徴の一つは間違いなくわかる。欠点になりかねない特徴だ。女性の顔が同じなのだ。しかも童顔で可愛く明るい。その表情が絵を決めている。奥さんなんだろうか?好きな人を描いているのだろう。仕方がない、二人の関係に他者は入り込めないのだから。



 ①はこれで終わりです。①はまだA室。このペースではとても終わりそうにない。が、 >②に続きます。飛び飛びになります。

by sakaidoori | 2012-05-28 18:57 | 時計台 | Comments(8)
2012年 04月 14日

1705)「池田さやか 内藤まゆ・日本画二人展」 時計台 終了・ 1月9日(月)~1月14日(土)

     
○ 池田さやか 内藤まゆ・日本画二人展       


 会場:時計台ギャラリー 2階A室
         中央区北1西3 
         札幌時計台文化会館
         (中通り南向き)
        電話(011)241-1831

 会期:2012年1月9日(月)~1月14日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。) 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1.10)

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 新春のほろ酔い気分の展覧会でした。しかも日本画二人展です。
 内藤まゆさんは植物が画題です。、花鳥風月という伝統の流れですが、伝統とは異質な軽やかさ、あどけなさ、明るさですです。若い絵です。しかも苦もなくいろんな試みをしている。それは方向性が定まらないとも言えますが、むしろ、日本画の可能性を楽しんでいます。
 かたや、池田さやかさんは何から何まで内藤さんとは逆です。同じ生き物でも人や亀や動物が中心です。そして、ドロッとした肉の感触を楽しんでいます。爽やか系の内藤さんに対して、ドロドロ系と言えるでしょう。

 内藤まゆさんとは楽しい会話ができました。その人から載せていきます。


○ 内藤まゆ の場合


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     ↑:「花暦 1月白玉 4月花筏 6月梅雨 8月舞」・2011年。


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     ↑:「いつかの風景」・2012年。


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     ↑:「一会」、「庭」・2011年。


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     ↑:「経る時」・2008年。


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     ↑:左から 「咲」・2006年、「花鏡」・2009年。


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     ↑:「すみれの樹」・2011年。


 今、改めて見ても、その時の爽やかさを思い出します。「まゆの試み展」です。これを「実験」などと言うと興ざめな感じです。
 個人的には「すみれの樹」が一番のお気に入り。樹の中にいろんな物を詰め込んで、もっともっと大きな樹に成長させたい。樹のすみれがムクムクして、空のヒトデ型雲もムクムクして、どこもかしこもムクムクして、夢一杯、言葉一杯の樹にさせたい。


○ 池田さやか の場合

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     ↑:左から 「人間」・2011年、「牡丹」・2009年。


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     ↑:左から 「hunting」・2011年、「人魚」・2012年。


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     ↑:「左から 「secret garden」・2011年、「カシオペア」・2011年。


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     ↑:左から 「おー★」・2011年、「にんぎょ」・2011年。


 古風な言葉で言えば「エロ・グロ」です。迷いなし、この道一直線の爛熟誇張美です。更に進んで、超サイケデリックに行くのか、より大正浪漫っぽくネットリと暗めに行くのか?画家の若さからでしょう、どこかあどけない少女趣味も垣間見えます。画家があと5年、10年と年齢を重ねた時に、この生理開放型の絵画がどうなっているのでしょう?歳と共に爛熟さを期待してしまう。

by sakaidoori | 2012-04-14 10:24 | 時計台 | Comments(0)
2012年 04月 04日

1686)「『いわならべ』 北海道教育大学岩見沢校日本画研究室展」 時計台 終了・3月26日(月)~3月31日(土)

 

○          いわならべ 

       北海道教育大学岩見沢校日本画研究室展     


    会場:時計台ギャラリー 2階C室
         中央区北1西3 
         札幌時計台文化会館
         (中通り南向き)
        電話(011)241-1831

 会期:2012年3月26日(月)~3月31日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加作家】
 多数。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3.31)

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 OB展なのかどうか?道教育大学日本画の現役生がいるのかどうか?てっきりOB展と決めつけていたので、子細は不明です。仮に現役生がいても、気分は卒業生達の制作テンションのしも支えのような展覧会です。雰囲気なり、それぞれの工夫とか感覚を楽しんできました。


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     ↑:能村聡美。左側から、「それから・これから」、「流れてゆくもの」。

 当日、受付をされていて、がっちり会話をした能村聡美さん。
 青の色つやといい空気感といい、日本画の雰囲気満天です。今回はコラージュを試みていました。左側の上下の黒、右側の木やカラスなどは切り絵のようなコラージュ。そして、左側の黒の直線はコラージュで、右側の青の直線部分は肉筆で、左右を組に見せてその効果を確認しています。日本画特有の輪郭厳しい直線を避けて、いろいろと試しているのでしょう。試す中にも女性が主人公のようにして入る、この辺は北海道の日本画らしさだと思う。



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     ↑:打川大恵。左側から、「感謝の気持ち」、「向こう側」。


 初々しいピンク。その色が感謝の気持ちでしょう。そのピンクが「向こう側」で、着物姿でこちら側に手招きしているみたい。春です。


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          ↑:北村優実、「みかん」。


 このはち切れんばかりの丸さ、こちらも若さ一杯です。いろは渋いが元気一杯の「みかん」。誰はばかるところもなく、自然に生き生きしている。



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     ↑:須藤陽子、「Polca dots」。


 「ポルカ・ドッツ」、水玉模様でしょうか?作品は水玉模様と、デジタル模様を合わせた感じです。比較的几帳面な玉模様ですが、色合いと色雰囲気が軽快で、これがポルカ(ボヘミアン)調なのでしょう。日本画でこういう試みを見るのは珍しい。大いにいろいろと見せて下さい。来年は何が出てくるか、「須藤水玉袋」です。


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          ↑:須藤陽子、「鶏冠鶏頭」。


 やはり、ドットのリズムの好きな須藤陽子さんです。ただ、こちらは爽やかというよりも、鶏のトサカ的な肉々しさがあります。いろいろな引き出しのある須藤さんでした。




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          ↑:千葉哲平、「脈」。

 この日は円い作品がいたくお気に入り。その中でもこの作品が一番目を惹いた。小品ながら大胆です。余白の白さとボリュウーム、脈を見せる葉の姿、葉の輪郭の透けた美しさ、どれも小さい世界に大きく表現している。


 気楽に楽しんだのですが、一人一人が小さくキラリとしていたので、改めて当日の写真を見ていると沢山載せたくなります。が、他の展覧会もあることです。次を最後にしましょう。


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          ↑:尾崎明菜。左側から、「おうさまの耳」、「パンの耳」。


 可愛い耳です。その耳をかじりたいものです。



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by sakaidoori | 2012-04-04 21:56 | 時計台 | Comments(0)
2011年 05月 24日

1565)②「北の日本画展 第26回」 時計台 終了5月16日(月)~5月21日(土)

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○ 第26回 

     北の日本画展
  


 会場:時計台ギャラリー 2・3階全室

ーーーーーーーーーーーーーーー(5.23)
 
 (1561番①の続き。
 以下、敬称は省略させて頂きます。)

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          ↑:(A室)


・ 中野邦昭(札幌)、「道」・変 150×50㎝。

 上の写真の左側、青い背景の女性画の作品。(写真をクリックすれば拡大されます。)
 いつもはかわい系の美人画で、ロマンティック性が強かった。今作、より縦長になり、美女の似姿を通して、向こうの世界に歩み寄りたくなる。久しぶりに見る緊張感の強い作品だ。

 

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          ↑:西谷正史(札幌)、「遥か」・F100 130×162㎝。

 西谷正史は絵の中にポッカリと抜ける異次空間を描こうとする。もちろん「聖なる空間」だ。

 いつもは道の流れを利用して、道の先に何かがあるような描き方だった。悪く言えば「道」を手段として利用していた。道を象徴化し、道の流れの先の視覚幻想としての異次空間だ。
 今作、道を利用しているのは同じだが、利用の方向が逆で、しかも道の比重が減った。草原の真ん中に何とかして「異次空間・聖なる空間」を描こうとしている。凄いことだと思う。何にもないところに何かを画家は見つめ、何とかして視覚化しようとしている。草原の持つ不安とか恐怖感とか、そういう情動的なことを求めてはいない。あくまでも抜けた黄泉の世界だ。
 しかも、手段は普通の具象風景画だ。空気の中の目に見えぬ空間領域、その探求者・西谷正史だ。


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          ↑:伴 百合野(札幌)、「鬱怫」・105×182㎝。

 絵巻物画家と呼びたい伴百合野。
 「鬱怫(フツウツ)」とは難しいタイトルだ。意味を辞書で調べたら、「怫鬱(フツウツ)」ということばがある。気が塞いでむかむかする、という意だ。同意語の重ね言葉だから、逆に書いても同じ意味だとは思う。画家はあえて逆に書いて、逆の意味にして遊んでいるのかもしれない。「気持ち晴朗ににして、軽やか。涅槃の境地」、そんな意味を込めた絵なのかもしれない。


 ようやく3階の展示場に行くことにします。


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          ↑:野口裕司(恵庭)、「アニマ」・変 180×180㎝。

 光を背にしたその線描は、平面と言うより立体的であった。しかも、いつになくどっしりとしてて、泰山のような安定感と存在感があった。映像と光と線と白生地の「アニマ・シリーズ」、深化する野口裕司だ。


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     ↑:左側 百野道子(札幌)、「漂う」・F50 116.7×90.9㎝。

 絵としてはかなり迫力不足だ。
 何かにチャレンジしようとして、未だ見えない状態なのだろう。それでも悩む絵ではく、楽しむ絵にしようと念じているようだ。タイトル通り、「漂って」いるのは画家自身だろう。生まれいずる時期として、何かの誕生を待ち焦がれよう。


     ↑:右側 熊崎みどり(愛知)、「白い壁」・S40 100×100㎝。

 こちらは完成度においてはまだだが、画きたいことに信念を持って取り組んでいる。しかも難しいテーマだ。「壁」にチャレンジしている。見がいのあるテーマだ。
 花鳥風月的な世界から、ようやく現在に立った。


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          ↑:田村直子(小樽)、「うつる」・変 160×80㎝。

 サービス精神豊かな田村直子。
 今回は普通に明るい絵なのだが、あまりに手の込まないカラフルさに新鮮な印象だった。


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          ↑:蒼野甘夏、「梅は咲いたか」 「桜はまだか」・ともに91×91㎝。

 なかなか粋な絵だ。片岡球子の骨ではなく、風流でお披露目だ。この人の絵には酒がよく似合う。
 膝枕 愛でてはすすむ 盃よ。


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          ↑:谷地元麗子(江別)、「牡丹」 「花菖蒲と蝶」・S30。

 とうとう最後です。
 蒼野甘夏・作品にほろ酔い、そして妖艶手前の谷地元ワールドだ。花は妖艶になりたそうだが、なかなか妖艶にしてくれない画家である。「生真面目さ」という弱さを持つ人なのか。もっと自由になればといつも思う。今回は小品で軽く楽しませてもらった。


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 会場受け付け付近では日本画の画材紹介コーナー。
 顔料は鉱物というのが普通だ。この赤、材料は虫とのことだ。見た目はわらじ虫色だ。これをつぶすと赤くなるとのことだ。昔々のお医者さんが薬草や鉱物で不老不死の試みを随分としたことだろう。この虫の「赤」の発見もそんなところか?
 あるいは、もっともっと古い昔、この虫を踏みつぶして、「赤」に気付いた古代人がいたのかもしれない。あまりの明るさに驚き、その赤を儀式に使ったのかもしれない。
 

by sakaidoori | 2011-05-24 22:32 | 時計台 | Comments(0)
2011年 01月 15日

1430)「第16回 みなもの会新春展 (日本画展)」・セントラル 1月11日(火)~1月16日(日)

○ 第17回 みなもの会新春展 


 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
     電話(011)231-1131
     中央区南1条西3丁目
      (東西に走る道路の南側)

 会期:2011年1月11日(火)~1月16日(日)
 時間:10::00~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1.11)

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 「中野教室には三つの大きな特徴があって、一つはモミモミ画法で、一つは・・・」と、かつて故黒田博子さんが教えてくれた。残り二つの特徴をしっかり聞いていなかった。そのうちにまた聞けるだろうと思っていたら、さくねん亡くなられた。当然、今年は彼女の作品は無い。


 そのモミモミ画法を赤裸々に表現した作品がめっきり減った。強い絵にする時には重宝だが、その強さにあった深みが絵にないと形式張った誇張に終わりかねないので、単純な利用を避けたからだろう。ゆったりした時間、まったりした空間で絵を楽しむには隠し技として暖めていた方がいいかもしれない。

 全部で100人近くの出品者だ。作品数は100点以上だ。好きな作品、気になった作品を何点か載せます。それで全体のムードなりこの会のあり方、実力を想像して下さい。


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          ↑:ルーシー教室・黒沢フク、「一五の春」。

 今展一のお気に入り。
 何と言っても朱のアッサリ感と輝きが良い。15歳、お色気を振る舞う歳でもなく、さりとて美しさを誇らない歳でもなく、遠慮がちに大振り袖を見せるが、振り袖自体が存在を主張している。朱の主張、恥じらう15歳、春ですね。


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          ↑:帯広・藤本喜久子、「三輪車」。

 自転車、子供、植物と皆なしっかり大きく描いているのが良い。饅頭のようにふっくらとしたボリューム感、皆なが対等に絵を作っている。


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          ↑:ルーシー・佐賀彩美、「五月爽風」。

 美しき懐かしき古里です。子供時代の風土は雨風強く、冬の雪は辛く厳しかったと思う。全ては綺麗な記憶となって絵に甦るのでしょう。
 一所懸命に細かい線を入れ色を重ねる。樹の枝振りの拙さが、かえって絵に子供心を注ぎ込んでいる。熱心さが時には絵を汚くもするものだが、綺麗な所で筆を止め、あくまでも全体に心を配ろうとしている。桃源郷でしょう。


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          ↑:ルーシー・山本美里、「森のささやき」。

 シロバナエンレイソウ(白花延齢草)、別名ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)か、あるいはオオバナノエンレイソウ(大花之延齢草)か。林内で群生して咲く。緑一色した中で、花弁の白さ白さが清々しい花だ。
 山本美里さんは花々のささやきを描いている。一草々の凛々しい立ち姿も描いている。語り合いと凛々しさ。
 僕はこういう絵を見ると、どうしてもある種の思いが先走る。細い茎がスクッと上に伸びて、花弁が何かを求めているような仕草、見果てぬ夢をどうしても絵に見てしまう。緑と白、緑という日常の世界から、白が何かに向かっている。それはこの絵の求めた事ではないのだが・・・。


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          ↑:こもれび・山崎良子、「浜菊の詩」。


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          ↑:こもれび・岸本泰子、「池塘」。

 濃密な池の描写に、淡泊で小振りな池に咲く花(コウホネ・河骨)、そしてトンボ。
 濃い川の描写に淡泊な花が負けている感じ。花の優しさをコンパクトに表現したかったのだろう。もっと花を大振りにするか、もっと花の数を増やして川の強さに負けないムードがあればと思う。
 おとぎ話のようなコウホネの花、子供心を誘う。


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          ↑:北星学園高校OG・下谷鮎美、「春を楽しむ」。

f0126829_23185490.jpg 会場で少しばかり語り合う。

 鳥を一所懸命に描いた。この姿は春がいい。それに鳥に樹は付きものだ。春の花を描こう。沢山花を描いたら鳥が目立たない。チョット少なめにしよう。あ~、枝振りは難しい~、ムズイムズイ。こんなものかな?まぁ、いいか。さぁー、やっとバックだ。鳥を引き立たせよう。春らしく明るい青、そして贅沢に月を添えよう。

 部分部分は強いが、全体が淡泊になってしまった。やはり鳥に全生命をかけて描きすぎたようだ。
 細部に入魂する力を、内に働く力を、外に向けたらと思った。



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     ↑:北星学園高校OB・干場清順。左から、「終点より向こうにあった街」 「顕(あらわれ)」。

 一昨年だったか、教育大卒業展で初めて作品を見た干場清順・君だ。この会場で見れて驚いた。それ以上に嬉しかった。

 漫画チックさの全面細密画は愉快でもあり、無条件に圧倒された。
 さて、今作・・・少し悩ましい。「さすらいのジプリ」、とでも言うべきか、ユーモラスはどこに行ったのだろう?気分は「希望」?
 「終点より向こうに或った街」、それは始まりの街ではないか。次は「始まりから見える街」を待とう。


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     ↑:左側、朝日カルチャー・谷口満江、「苫小牧演習林」。
     ↑:右側、生協・佐久間登子、「秋の実り」。

 同じ日本画でも随分と違うものだ。
 通りすがりの見識豊かな人にその違いの理由を尋ねた。支持体の違いだとのこと。一方は画材が染み込まないで盛り上がっていく。だから洋画風になるのだろう。一方は画材が吸収されて平面な感じになる。水墨画のボカシも同じ理由なのだろう。今一意味不明なところがあるが、とてもいい話を伺った。

by sakaidoori | 2011-01-15 00:05 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2010年 01月 22日

1166) ②時計台 「第4回 にかわえ展」・日本画 終了・1月12日(月)~1月17日(土)

○ 第4回 にかわえ展 

 会場:札幌時計台ギャラリー A・B室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年1月11日(月)~1月16日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 朝地信介 池田さやか 今橋香奈子 笠嶋咲好 熊崎みどり 駒澤千波 富樫はるか 富山真佑 内藤まゆ 野口裕司 百野道子 藤山聡 丸野仁美 宮町舞子 村木愛 村木聡 吉川聡子・・・以上、16名
 

ーーーーーーーーーーーー(1・16)

 (1164番の①の続き。)

 続けて、個別作品を載せます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

○ 藤山聡の場合

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     ↑:①「ねぼけたボドリヤール」、F20 和紙 ミクストメディア。  

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     ↑:②「白壁のヒト科ヒト目サルの文字は夕陽に映える」・F8 木製パネル ミクストメディア。

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     ↑:③「比翼」。


 小品ばかりですがいろんな傾向の作品の出品。おそらく若い画家でしょう。タイトルが現代象徴詩のようで、少し懲りすぎな感じで、僕には意味不明。
 ①の自転車の車輪のリズムが心地良かった。何を画いても上手な方だ。さて、大作はどんな感じだろう?どういう方向を探求されるのだろう?


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     ↑:今橋香奈子「南風」・S40 鳥の子紙 岩絵の具 箔。

 絵とは不思議なものだ。いつもの今橋絵画とほとんど同じテーマなのだが、ほんのわずかな違いが印象的だった。
 今橋絵画の印象ーー立像の自画像らしき人物を中心テーマにし、その人物の廻りをびっしりと草花が美しく画き込まれる。やや細身の体躯、背景はその人の心象世界だろう、淡く美しく華やかに。人も背景も色も、どこまでも美しい。

 今作、わずかに人物が画面の面積に比して大きく見える。しかも、いつになくどっしりしている。顔も少し強い。装飾性の追求よりも、人の存在感そのものに向き合っている感じ。
 それはたまたま絵が小品で、背景が少なくなったという物理的理由だけかもしれない。そうであっても構わない。人そのものを画こうという意気込みが感じられて、僕には好ましかった。


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     ↑:吉川聡子、「私たちはここにいる」・910×233.4㎝ 鳥の子紙 水干 箔 他。

 実に明快な絵です。春爛漫、こうしてピンクを溢れるように使って、何の嫌味のないのが女流画家の良いところです。男は無用、開放感溢れる女の園。花に恋し、空気に恋し、風に、木々に・・・気分は怖いもの知らずです。あまりに眩しくて、恥ずかしくなりそう。

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     ↑:内藤まゆ、「季樹」・95×107㎝ 木製パネル 岩絵具。

 この屏風も明るくて楽しい。ちょっと恥ずかしいのですが、作品の前に座り、酒でも呑みたい。


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     ↑:駒澤千波、「夜気」・91×181㎝ 板 岩絵具 水干。

 画家はカラー・ウーマンでもあるが、黒あるいは闇を溺愛する人でもある。今回は淡い闇でなく、黒そのものにチャレンジした感じ。


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     ↑:池田さやか、「淵 Ⅱ」・73×120㎝ 鳥の子紙 岩絵具。

 オンナ・サンショウウオが淵で徘徊している。肩がつっぱていて餓鬼地獄の一歩手前みたい。ここまでくれば、もっともっと妖艶なのが見たい。爪はとがり、髪は伸び放題で淵を埋め尽くし、呼気吸気の口元に覇気迫る・・・。

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     ↑:池田さやか、「アスパラガス」・162×98㎝ 鳥の子紙 岩絵具。

 アスパラガス、こうして大作の主人公として見れるとは嬉しい限り。池田さやか、細く尖ったものがすきなようだ。


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 ↑:富樫はるか、「snow」・M25(2枚組) 布 岩絵具 水干。

 僕は左側の上部の半円を描いた構図というか、富樫ラインが好きなのです。なぜ好きか?そのうちに言葉にしてみたい。
 やはり富樫はるかは2枚組が良い。こういうグループ展では、メルヘンタッチの小品は目立たないのが残念。


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 左側の2点が朝地伸介(「ゆらゆら Ⅰ・Ⅱ」・S50 板 岩絵具 水干)。
 2年間、大作を連発して発表していた。今は静かにエネルギーを溜め込んでいるようだ。


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     ↑:野口裕司、「ながれ」・180×30×30㎝ アクリル板 墨 他。

 野口裕司は隣室で個展をされていた。近々、その様子を紹介します。

by sakaidoori | 2010-01-22 20:51 | 時計台 | Comments(0)
2010年 01月 22日

1165) ①時計台 「第4回 にかわえ展」・日本画 終了・1月12日(月)~1月17日(土)

○ 第4回 にかわえ展 

 会場:札幌時計台ギャラリー A・B室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年1月11日(月)~1月16日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 朝地信介 池田さやか 今橋香奈子 笠嶋咲好 熊崎みどり 駒澤千波 富樫はるか 富山真佑 内藤まゆ 野口裕司 百野道子 藤山聡 丸野仁美 宮町舞子 村木愛 村木聡 吉川聡子・・・以上、16名。
 

ーーーーーーーーーーーー(1・16)

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     (↑:A室)

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     (↑:B室)


 早いもので、今年で4回目です。見慣れた画家が多くいます。全体の印象は、特に目立つ作品は少なくて、スッキリした感じです。何となく春近いムードがあって、若い人が多いからでしょう。今回の企画の「うちわ」も華を添えている。でも、一つ一つの「うちわ」には力が入っている。そよ風というようりも、女性の強い香が発散している。

 さて、16名と多数です。5,6人の紹介に留めておきます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:熊崎みどり、「断片」・65×106㎝ 紙本着色。

 動物の絵を画くことの多かった画家ですが、今回は大胆な絵です。壁だけで何も画いてないように見える。花鳥風月的な古典的画題からはほとんど無縁で、驚いてしまった。「何も画いてない」ところが良い。実に良い。
 ただ、多人数のグループ展の中ではあまりにも地味で、人目につかないかもしれない。できれば、もう少しまとまった作品群の中で落ち着いて見てみたい。
 何も無いと言ったが、草がある。もし蔦のような草も無かったらどうなるのだろう?しかも、もっと大きめだっら?気をつけて次作を見よう。


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     ↑:百野道子、「悠」・木製パネル 水干 岩絵具。

 昨年の道展出品作。
 この作品も最近の百野道子らしくなくて、驚いてしまった。驚いたが、ようやく美人画ばかりから距離を置き始めたので、僕にとっては抜群に好感度が高い。このタコのように変幻自在に自由気まま、そこに墨も毒もはき出して絵の可能性を探究してもらいたい。
 できることならば、今回は「イカ」でも見たかった。「タコ」は昨年見て、僕は食べ尽くした。大変でしょうが、もう少し多作になって、もっともっと刺激を送ってもらいたい。

 (②に続く。。)

by sakaidoori | 2010-01-22 00:31 | 時計台 | Comments(2)