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2008年 09月 25日

763) アバウトの写真 17回目  立体展から・鈴木隆彫刻作品

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676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 鈴木隆、「フェイス」・2008年 180×140×210cm 木材・アクリルカラー。


 何と言っても今回はこの作品です。どうだと言わんばかりの顔です。その顔ににらっみこをしている青年がいるではありませんか・・・、というのは嘘で、会場で楽しんでいた青年に、モデルになってもらいました。有難う。全然知らない若者ですが、僕らはフェイス繋がりになったのです。(以上、本編、676番の記事から)

by sakaidoori | 2008-09-25 10:15 | ★アバウトの写真について | Comments(0)
2008年 09月 05日

749) 門馬 「前田育子・陶展」 9月2日(火)~9月8日(月)

○ 前田育子・陶展

 会場:ギャラリー・門馬ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年9月2日(火)~9月8日(月)
 休み:無休
 時間:11:00~19:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(9・4)

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 昨年に引き続いて、同じ場所での個展です。
 随分と様子を変えています。昨年は「崩れる、さらす、それでも美しく」。今回は「静かに美しくそこにいる」。昨年は表現様式に大胆な拡がりがありましたが、一つに絞っています。「白色、昔の生活用品、小さな生き物、そしてひび割れ」です。
 それでも気脈は通じています。過去への眼差しとそれらを閉じ込めようとする愛情、願望。ですが、過去は崩れ去るかもしれないという美意識、両者を「いのち」で繋ごうとする意思です。この怪しげな平衡感覚が僕には魅力的です。

 具象にこだわる美しい作品には動物達が付き添っています。可愛くもあり微笑ましい。作品の「哀愁」というイメージを一層高めています。それらは確かに女性特有の包容力にもなっています。一方で、「生き物=生命」に頼りすぎる安易さ弱さも思う。

 その日は蒸し暑い日だった。乳白色の通路が更に白かった。蚊取り線香の臭いが昔をどうしても思い出させる。額に汗を滲ませて、過去と現在を緩やかに散歩した。


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 ↑:文化鍋。手作りの作品。DMはこれですが、実物の方が大きく見えます。


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 ↑:「アイロンを 見つめる蛙(かわず) 陶になる」

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 ↑:ベランダに置かれていた「本」。


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by sakaidoori | 2008-09-05 23:51 | 門馬・ANNEX | Comments(0)
2008年 08月 27日

744) 門馬 「下沢敏也・陶展 ー風化から森へー」 22日(金)~8月31日(日)

○ 下沢敏也・陶展
   ー風化から森へー

 会場:ANNEX & ギャラリー・門馬 (同時開催) 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年8月22日(金)~8月31日(日)
 休み:無休
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・24)

 今年は実に精力的に発表をしている。
 つい先日のコンチネンタルに次ぐ直ぐの発表だ。

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 細い通路に12個の作品が綺麗に並べてあり、外のベランダには2mを越えるノッポ・オブジェ、木立の中には先日のコンチネンタル作品が置かれている。
 タイトルは「風化から森へ」。細い「通路(風化)から、野外(森)へ」ということだろう。
 
 「風化」に見立てられた通路の12個の作品に注目したい。
 何とも可愛い。お地蔵さんみたい。赤い前垂れを着せたくなる。
 お地蔵さんではあるが、卒塔婆や墓石でもある。もっとも、外のノッポ・オブジェも基本的には同じだろう。より擬人化が進んだ霊魂(幽霊)だ。

 基本的に同じ考えに基づいた、小なる作品とノッポなる作品。それら全体で陶芸家・下沢の現在の心境だろう。以前は墓石そのものと、その中ばかりを見ていた。中でうずくまり、四隅の暗がりの傷に神経を集中していた内向きの作家がいた。それでは人生がつまらないと思ったのか?古き墓石から、軽くはみ出して外を歩こうとしている。
 12個の小品は自己の分身と言えなくもない。少しづつ歩みながら、外に出て自然の中に入って楽しんでいるようだ。「風化」とは否定の意味よりも、今を肯定する為の過去の「抜け殻」のよう。
 12個。それは月の数とも言える。干支の数とも言える。月日の流れの視覚化だろう。

 当分はすらりとした立ち姿でその辺を徘徊するのだろうか?あるいは破壊や激変の波に自分をさらすのだろうか?

 白味が美しい地蔵達。鉄板の腐食と重なり絵のようだ。割れ目模様は銅鐸の動物にも見える。
 美しく可愛い地蔵達。


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 ↑:門馬邸玄関には3本の作品が立っている。あたかも昔からそこにあるような作品だ。

 下沢作品の特徴の一つに、自己顕示欲を抑えて他者と同化したいということがある。氏が2人展やグループ展を多く開くのもそういう訳だと思う。今回は門馬・玄関(ギャラリー)との一体感だ。自己表現という緊張の緩衝的役割をしているのだが、危険性も秘めている。装飾偏重になったり、「協調」の為に「主張」を不問にしがちになることだ。

 そうは言っても、表現者は「主張」と「協調」の森という怪しげな通路を歩むしかないのだろう。

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 ↑:玄関の展示物。花器のようなオブジェです。


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by sakaidoori | 2008-08-27 13:40 | 門馬・ANNEX | Comments(0)
2008年 08月 19日

734) 時計台 「浜口秀樹・個展」 8月4日(月)~8月9日(土)

○ 浜口秀樹・個展

 会場:札幌時計台ギャラリー・2階B室
    中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館
    (仲通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年8月4日(月)~8月9日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日は~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・5)

 「塗り」の個展です。
 加工された木材を素材にして、塗料を重ね塗りした作品です。塗りの基本は漆の黒だと思います。伝統的な美術工芸の蒔絵を連想します。作品は本漆ではありません。科学的漆色としての黒が重要な画材として伝統と現代を繋いでいるのです。

 黒を基本にしながら、伝統工芸を背景にしながら、現代の和洋両様の日常生活での飾り物として、さらには自己表現としての「塗り芸術」として、作家は制作に取り組んでいるのでしょう。

 残念ながら北海道には「塗り」の伝統はありません。伝統はないが、何かの縁で作家は「塗り」にチャレンジしているのです。しかも、「塗り」を志す若者も少ない。同志の批判を期待できないのが浜口秀樹の大きな悩みの一つだと思います。僕も多くを語ることはできない。
 浜口さん、もしこのブログを見ていたならば、つたない写真を客観的自己評価の道具にして下さい。僕も次に作品を見る時の為の基礎材料にしたいと思います。


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 ↑:「room for the the life Ⅰ・Ⅱ」・2008年。
 今年の新作です。非常に意欲的です。それは伝統色が薄いということです。現代感覚で勝負です。
 黒を使っていないこと、シャープな直線ラインや円形としての曲線を避けて、より自由な曲線と盛り上がりを表現しています。葡萄の房のようです。

 作家は「塗り」の中に蓄積された美の重たさよりも、伝統色の強い世界でより自由な表現を強く求めているようです。塗りの美しさよりも、フォルムの追求に主眼があるようです。
 作家の顔が見えます。新たな一歩を踏み出したくて、ウズウズしています。その新鮮さがこの作品の魅力です。不思議な色を選択したのも関心です。

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 ↑:支持体の加工木材です。この材料をいろいろと自分好みにアレンジしていくのです。中は空洞ですから、木といっても持てば軽いと思います。作品の幅が90cm位で均一なのは、この材料の横幅が半間(約90cm)だからでしょう。


 (次の記事は、同じく塗りの渡辺和弘さんです。先週まで時計台ギャラリーで個展をしていました。彼は浜口さんの後輩です。先輩、後輩として切磋琢磨しているのでしょう。)

by sakaidoori | 2008-08-19 23:02 |    (時計台) | Comments(0)
2008年 08月 06日

715) 時計台 「竹村祐貴・怪獣展」 8月4日(月)~8月9日(土)

○ 竹村祐貴・怪獣展

 会場:時計台ギャラリー 3階
    中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館
    (中通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年8月4日(月)~8月9日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・5 火)

 これは面白い。
 怪獣展だ。まずは、作品群の全体像でその一つ一つの大きさを想像して下さい。


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 そうです。マッチ棒位の大きさの怪獣です。お菓子のおまけに付いている消しゴム人形を連想して下さい。収納ケースをそのまま展示棚にしていて、あー、何ケースあったかなー?30個として、一つに人形が20個弱入っていて、何だかんだと500~600個の怪獣だ。
 ウルトラマンや仮面ライダーに登場する怪獣達だ。僕はそれ程真剣に漫画を見ていなかったので、そんなに彼らのことは知らないし、多くを語れないが、何と言っても「ウルトラマン・シリーズ」は国民的キャラクターですから、その道のオタク連中が見たならば泣けてくるのではないでしょうか?

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 ↑:遮光土器怪獣。
 遮光土器に見えたので、中学1年生の作家・竹村君に何なのかを尋ねた。「シャ・コ・ウ・ド・キ・・」、たどたどしく教えてくれた。
 僕はこの怪獣のことは知らない。おそらく、長いシリーズの中で苦し紛れに作った怪獣だろう。人気テレビ番組だったから、怪獣誕生にはだんだんと無理が重なっていた。その安直さが理屈抜きのドタバタ・ワンパターンの勧善懲悪喜劇に華を添えていた。意味も無く楽しんで見ていたのを思い出す。今思えばそれらは理屈や論理を否定した「変身」や「嘘」の始まりだった。大衆漫画だから「倫理観」は否定しなかった。今はああいう単純な話は作れないだろうな。


 ところで、作家・竹村祐貴君は現在中学1年生です。千歳市在住です。障害を持つ少年です。
 以前は紙粘土で同じような物を作っていたそうです。それらは祐樹君が遊んで、壊れてしまって今はありません。4年ほど前に陶芸家の愛澤光司さんとめぐり合い、紙粘土作品が本格的な粘土、焼物作品として変身していったのです。
 祐貴君は倦まず弛まず怪獣を作っていきます。愛澤教室には毎月2回、準備や後片付けを含めて2時間の制作時間です。釉薬にさっと付けて、焼かれた作品はおうちにもって帰ります。お母さんが、収納ケースに引っ付けてお部屋に飾ります。飾るところがなくなったらそのまま袋に包んでしまいます。それらの4年間の祐貴君の全作品を僕らは目の当たりにするのです。

 会場にはお母さんと一緒に祐貴君がいました。粘土で怪獣を作っていました。粘土を細かくちぎっては器用にクルクルと丸めて怪獣本体にくっつけていました。


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 作品は概ね可愛い表情をしています。釉薬の濃淡が作品の精巧さを引き出しています。
 作品の一つ一つは小さいですが、強いエネルギーが伝わってきます。それ以上に、祐貴君が自分の世界に没頭している姿に圧倒されます。それは間違いなく彼の精神世界でしょう。我々が言うところの「変身願望」の王国なのでしょう。
 彼のその王国が可愛く優しく夢見るように溢れている展覧会です。


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f0126829_12291238.jpg 会場にはお母さんが居られました。小柄でとても気さくな方です。きっと子育てにはいろいろとあったことでしょう。そんなことには意を解さないお返事が返ってきます。気持ちの良い会話をしてきました。
 また何年後かに、作品が増えて落書きメモなどと一緒に怪獣達と会えたらと思います。大変でしょうが、よろしくお願いします。

by sakaidoori | 2008-08-06 11:06 |    (時計台) | Comments(0)
2008年 07月 09日

686) アバウトの写真 13回目 八子晋嗣・「海にかえる」

○ 八子晋嗣・八子直子展

 会場:さいとうギャラリー
     南1西3 ラ・ガレリア5階B室
     電話(011)222-3698
 会期:2008年3月25日(火)~3月30日(日)
 時間:10:30~18:30(最終日は17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・29)

 上記2人展より(⇒こちら

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 八子晋、「海にかえる」。

 なんとも手に馴染み、枕に良し、愛でて夢が膨らむ作品です。ペットに見えますが、人がペットを愛玩する理由もわかる気がします。
 もともと八子さんの小品は好きなのですが、最近のは絶好調です。この2人展の時の作品もどれをアバウトの写真作品にしても構わないのですが、何となくこの作品にしました。八子さんの音楽好き、リズム好き、ユーモア精神と木への哲理・愛情がどの作品にも上手く反映されていると思います。彼の作品は余程の失敗作でなければ、載せ続けようと思っています。

 大作も期待しています。是非是非今年の道展で見せてください。

by sakaidoori | 2008-07-09 09:34 | ★アバウトの写真について | Comments(0)
2008年 07月 07日

684) テンポラリー ①「細井護・展  水が風景をつくる」  7月8日(日)~7月13日(日)

○ 細井護・展
    「水が風景をつくる」

 会場:テンポラリー スペース
     北区北16西5 (北大斜め通り・西向き 隣はテーラー岩澤)
     電話(011)737-5503
 会期:2008年7月8日(日)~7月13日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・6)

 昨日の日曜日はドニチカ・切符で市内を昼から廻った。閉廊時間ぎりぎりに訪問したところが多くて、関係者に迷惑をかけてしまった。
 この展覧会もそうで、午後6時57分の訪問。外は明るく、暑さも和らいだ時間だったので、失礼ではあったがくつろいで見てしまった。木というものはいいものだ。日本の夏を感じてしまった。
 写真はバタバタと撮ったので、撮影を兼ねてもう一度愛妻と見に行こうと思っている。

 彫刻なのだが、いわゆる立体オブジェ、木のド迫力に目が体がバチバチした。一言で表現すれば、末法臭くない宗教(仏教)作品と言える。作家が、これが困ったことに、風采も対応もしなやかで優しい青年なのだ。作品の重量感になかなかピントの合わない人なのだ。この人の辞書に「嫌味」という言葉はないのだろう。
 本来、この個展は8日(火)からです。明日からです(今日は多分定休日)。関係者のはからいで既に展示は始まっています。もう一度作品掲載をしたいので、その時に感想記も再度書きたいと思います。かなり遅くなると思うので、予告編のような報告記です。
 メインの作品はテーブルにアレンジしての展示。しなやかで力強い。一見の価値があると思う。見るだけでなく触れて五感で味わってもらいたい。

 若干の作品写真で作品を想像して下さい。2階にも小品と言いいにくい作品群の展示です。
 それでは再度書くことにして。


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by sakaidoori | 2008-07-07 14:04 | テンポラリー | Comments(0)
2008年 07月 07日

683) 創 「ARTISTS WEEK Vol.2 『空・kuu』」 7月2日(水)~7月31日(木)

○ ARTISTS WEEK Vol.2 
     『空  -kuu-』 (3人展)
    
 会場:ギャラリー創(ソウ)
    中央区南9条西6丁目1-36 U-STAGE1F(地下鉄中島公園駅から徒歩5分。南9条通り沿いの南側、北向き入り口。)
    電話(011)562ー7762
 会期:2008年7月2日(水)~7月31日(木)
 休み:火曜日
 時間:10:00~18:00
 ※駐車場は2台分完備

 【出品作家】
 下沢敏也 ダム・ダン・ライ 武田享恵
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・3)

 前回の企画は壁面重視の多人数での展示でした。今回は、先日の「近美・立体展」に参加していた男女3名、若手から中堅という年齢構成でしょう。
 決して広い空間ではありません。数多くの展覧会をこなしているという場でもありません。若い場です。作り、育っている処でしょう。若き担当者が元気がいいので、新鮮な場です。作品を味わうと同時に、この空間の可能性とか制約とか、そういうのを楽しんでます。

 今回の立体・3人展、わざわざ時間を割いて足を運ぶ展覧会かと問われると、何とも言えません。見て損のない展覧会です。そういう意味で、期間は長いし、駐車場もあるので通りがてら立ち寄ってはどうでしょうか。


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 ↑:玄関先。茶色い四角柱は下澤敏也オブジェの陶作品。屋外と入り口付近と2階に彼の作品があります。
 現在の下澤氏は「柱」と「立つ」ことにこだわっています。作品そのものは赤茶けた土色で、ひびが入ったりと微妙な変化はありますが、その立地条件や立ち姿を確認した方が楽しめると思う。立ち姿は表情そのものも見るべきですが、足元に注意したい。どういう道具で立っているか。大地との接点に込められた思想というか、大地と存在の関わりです。今している試みが次の本格的な仕事の根っことして蓄えられていくのでしょう。そこを期待したい。大きく膨らんでもらいたい。膨らんでもらわないと困るのです。これは僕の願望ではありますが・・・。


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 ↑:武田享恵の金属・作品、「The power of being in silence」・アルミ 鉄。
 旧作です。僕は武田さんのこういう具象性の強い作品を見るのは初めてなので、見れて良かった。最近の彼女は相対理性原理論を応用したような空間表現をしています。決して冷たくはないのですが、純粋抽象と科学理論と金属の関わりに関心があるようです。「美と知」です。近美の立体作品は「美」を強く意識していとようです。
 今作、力強いです。海底なり地底を掘って突き進むスクリューみたい。眠っていた土から掘り起こされた金属の化石みたい。


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 ↑:手前の金属作品が武田享恵、奥の木の作品がダム・ダン・ライ。奥が「村」、真ん中の横状の棒が「鳥」。
 奥の方の白い破片は、自宅の改装で出てきた木片を白く塗って並べたもの。木片はうっすらと雪をかぶって、絵本のお家のようです。床から壁に流れるように這わせていて、一見の価値があります。ライ君の角ばった凸凹感と自由な精神が、「どんな所にも僕の作品を置かせて!見せたい!見て下さい!」と行儀よくランダムにたむろしています。
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 ↑:ダム・ダン・ライ、「村」。左が床の写真で、右が壁に引っ付いて家の写真。


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 ↑:武田享恵、左は屋外で「silent scene シリーズ」・ブロンズ、右は屋内で「静寂の力」・アルミ 鉄。


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 ↑:2階の下澤敏也

by sakaidoori | 2008-07-07 13:11 | 創(そう) | Comments(2)
2008年 06月 27日

676) 近代美術舘 ④「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田享恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

 当初の予定に反して、4回目の記事です。立体展の回し者かと思われそうですね。個人の発する札幌・美術感想記です。偏りを楽しんで下さい。沢山載せたいのですが、他の展覧会の記が滞ります。一気に最後の報告です。


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 ↑:鈴木隆、「フェイス」・2008年 180×140×210cm 木材・アクリルカラー。
 何と言っても今回はこの作品です。どうだと言わんばかりの顔です。その顔ににらっみこをしている青年がいるではありませんか・・・、というのは嘘で、会場で楽しんでいた青年に、モデルになってもらいました。有難う。全然知らない若者ですが、僕らはフェイス繋がりになったのです。

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 ↑:野又圭司、「壁」・2008年 250×250×75cm 銅。
 大作のインスタレーション的立体を好んで造る野又君ですが、コンパクトにキリリと輝く作品を持ってきました。
 彼は今冬、北見方面の美術館で個展を予定しています。今はその制作に没頭しているでしょう。男・野又圭司が試される時です。
 今作、小振りだが引き締まったムードが印象的です。何より、「僕の作品は美には無縁だ」と言った彼の言葉に反して、綺麗だ。彼はロマンチストだと思う。その辺をどう乗り越えるかを、その個展で期待したい。


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 ↑:ダム・ダン・ライ、「サークル」・2008年 350×350×400cm 木。
 つい先日まで、殆んど同じ作品がSTVエントランス・ホールに展示されていた。抜群にこちらの方が良い。
 どこが良いかというと、床の作品はほぼ円形に並べられている。この円形が二重・三重になって鑑賞者に迫ってくるのだ。
 全体で一つの祭壇になっている。明快に画家の思想を雄弁に語っている。どう読み解くかは見る人それぞれが思えば良いことだが、ライ君の宗教性がこれほどはっきり表現されたのは珍しい。
 一つ一つのパーツは彼の遊び心の反映でもある。骨と露骨に見てもよいだろう。自然のムードや実景の模写とも見れる。繋がれて一つの世界を共有しようとしている。
 付言。円表現は平等主義と見ることが出来る。円卓会議やストーンサークルにはメンバーの平等感が反映していると。だが、円という形式を組まねば平等が保てないという緊張感も同時にそこにはある。真の平等とはランダムなはずだ。この作品にはそういう、強制にも通じる緊張感が素晴らしい。


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 ↑:柿崎煕、「林縁から」・2008年 15×860×240cm 木(カツラ・アクリリック)。
 柿崎さんの御馴染みの「林縁から」です。現在行われている、芸森の「サッポロ・イズ・ホワイト」にも出品しています。頻繁に見ることができる柿崎・林縁ですから、展覧会の風景になってしまった感じがします。


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 ↑:中江紀洋、「旅の果て(自然律)」・2007~2008年 450×450×150 木(シナ材)・他。
 悶え苦しむ人体や、不気味な黒い歯型で人の苦しみを表現していた中江さんです。「ありゃりゃどうしたことか、何て可愛いお魚さんでしょう」という作品です。
 もちろん、鮭の遡上は産卵による生命の誕生と、雄雌の鮭たちの死という代償が伴っています。中江流生死の表現です。だが、深刻ぶったところはなくて軽い。作家がこういう作品を出す時は、何かの構想の一里塚だ。彼の年齢から来るものか、重く暗く深刻な表現を克服する作品が次は必ず出てくると思う。重たいテーマを、重く表現するばかりが作品ではないだろう。


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 ↑:楢原武正、「大地/開墾 2008-6」・450×450×300cm 廃材にトタン板・古紙。
 我が道を進む楢原さんです。作冬の「存在派・展」では紙を使ってのインスタレーションでした。やや気の抜けた作品でした。やはり、こうきたのですね。
 おびただしい柱状は紙です。御馴染みの柱に釘が打ち込められた楢原・柱はしっかりと一本だけ立っていました。


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 ↑:小石巧、「森・環」・2008年 400×200×200cm 木。
 小石さんは無言でいるとちょっと怖い顔をしていますが、面白い人です。
 自分の作品に首を載せて、ポーズをとっての記念撮影。写し終わると、「どうだ、どうだ、晒し首みたいだろう」と、一人はしゃいでいるのです。たまたま脇で、その光景を撮ったのですが、モニターで晒し首風にアップしてご本人に見せると、すこぶるご満悦。その写真掲載の許可を貰い忘れたので、見せれないのが残念です。
 作品は日を背中に浴びて、木のウエーブ・ラインが見せ所です。立っている作品よりも、無造作に転がしている作品の方が、目に優しく、さわり心地がシャープです。


 なぜだか非常に楽しい展覧会であった。テーマ無き展覧会も良いものだと、一人悦に入ってしまった。


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 ↑:近美の中庭。ポプラの種が夏雪のようだった。

by sakaidoori | 2008-06-27 18:32 | ☆札幌・近代美術館 | Comments(0)
2008年 06月 23日

671) 近代美術舘 ③「北海道 立体表現展’08 」 終了・6月14日(土)~6月22日(日)

 【参加作家】
 阿地信美智  阿部典英 荒井善則 泉修次 伊藤隆弘 柿崎煕 加藤宏子 国松明日香 小石巧 佐々木けいし 下澤敏也 菅原尚俊 鈴木隆 高橋昭五郎 武田亨恵 田村陽子 ダム・ダン・ライ 中江紀洋 楢原武正 韮沢淳一 野又圭司 林弘堯 伴翼 藤井忠行 藤沢レオ 藤本和彦 松井茂樹 森川亮輔 山田吉泰 山本良鷹 渡辺行夫
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・15)

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 ↑:伴翼、「ある日」・2008年 A(55×55×106)他 木(松材)。

 これが何であるかが気になるところです。キノコ?コケシ?。答えは「シャンパンのコルク」です。
 伴君は正確無比なまでの具象性にこだわります。それは再現力の巧みさや誇示が目的ではありません。具象へのこだわりは、作家自身の存在する物に対する実在感でしょう。そして、全ての存在が関係によって成り立っているということを、自分の作品で再現しているのです。
f0126829_11304079.jpg 作品を見た時のオヤッという驚き、触った時の心地良さ、作品を挟んで老若男女が語らう、それが彼の作品の魅力です。その時に作品の具象性が切り離せないのが、彼の持ち味です。
 残念なのは今回の展示空間でした。上の写真ですと、「この作品を見よ」という感じですが、作家の意図はそこにはありません。触るのは当然ですし、腰掛ける、テーブル代わりにする、肘を当てて考える人になる、そういう光景を外から見て、他の鑑賞者が楽しむ。ホールなり、緑の芝生の上に並べたい作品です。今頃はポプラの種が近美を舞い踊っています。きっと「ある日」はそれらの種達君と挨拶がしたかったでしょう。


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 ↑:(四角く並んでいる作品)藤沢レオ、「パサージュ(passage)」・2008年 300×200×90 鉄・不織物。
 芸森の屋外作品で紹介した藤沢君です。彼は「パッサージュ」(通路)をテーマに制作に取り組んでいるようです。その完成度・成功度にあまりこだわらないで見ないといけないようです。「パッサージュ」への拘りが、どういう展開を見せるか気になります。


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 ↑:山本良鷹、「私的空間」・2008年 50×110×100 花崗岩・その他。
 暗い部屋に、更に暗く輝いている作品。以外に大きいです。 


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 ↑:藤井忠行、「れん(ren)」・2008年 450×450×160 ドロノキ・シラカバ。
 木の幹そのものを鉛筆のようにして遊んだ作品です。この作品も、違う空間に置いたら全然違った印象でしょう。


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 ↑:武田享恵、「視覚と意識の交差」・2008年 150×150×140 アルミニウム・塩ビ版。
 相対理性原理論の空間(立体)作品として、いつも見てしまう武田さんの世界。美しく輝いていました。


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 ↑:林弘堯、「Earth-Defomation」・2008年 20×900×400 Fibet・Acrylic・net。
 壁一面に黒く意味不明のカーテン?林さんは地球を見ているのですね。こういう風に見えるのか、こういう風にしたいのか、暗い部屋をいっそう暗くしていました。妻はクリフトの「包む」をしきりに連想して、意味不明に感心していました。
この作品と伴君の作品が一緒に並ぶミス・マッチがこの展覧会の魅力ですね。


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 ↑:韮沢淳一、「檻」・2008年 120×120×200 鉄・花崗岩。
 花崗岩のみで800kgある作品です。その石がタイトルにあるように檻に閉じ込められているのです。一見、その重さ黒さ迫力に深刻そうですが、これが意外に笑いを誘うのです。このアンバランスが作品の魅力です。深刻ぶって、「作家さん!そんなに苦しまないで下さい。明日を信じてください!」というよりも、「オー、檻に入って、鉄筋に突き刺されて、痛いでしょう。サビオ、貼りますか?」と、笑いで石君を励ましたくなります。

by sakaidoori | 2008-06-23 12:06 | ☆札幌・近代美術館 | Comments(0)