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2012年 03月 28日

1673)「Dropin ドロッピン (道教育大岩見沢校美術卒業生6人展)」資料館 終了・3月20日(火)~3月25日(日)

   
     Dropin  ドロッピン  

        (北海道教育大岩見沢校美術コース卒業生・有志6人展)
               


   会場:札幌市資料館 2階3・4・5・6室
    中央区大通西13丁目 
     (旧札幌控訴院。
      大通公園の西の果て)
     電話(011)251-0731

 会期:2012年3月20日(火)~3月25日(日) 
 休み:月曜日
 時間: 9:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)

 【参加学生】
 井上愛美(彫刻) 鈴木彩音(書) 久保田寛子(絵画) 山下沙織(デジタル絵画) 斎藤奈津子(メディアデザイン) 笠原明枝(映像) ・・・以上、6名。   

ーーーーーーーーーーーーー(3.3)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 グループ展ではあるが、個展あるいは2人展という形式だ。

 山下沙織と井上愛美が一人一室、他は二人一部屋での展示。
 ここは小さな部屋だが、仲間が集まって、こうして自分の空間を作ろうとしていることに共感する。また、四部屋ともなれば、なかなかのグループ展でもある。この経験を生かして、小なりとも継続的な活動を期待したい。
 DMには、「・・・それぞれの個性がキラリと光る展覧会です」と、謳っている。詳細を伝えたいが、なにせ四部屋だ。失礼ではあるが簡単な紹介になります。


 まずは。長話をした久保田寛子の部屋から。


○ 第5室 久保田寛子(絵画&版画) + 鈴木彩音(書)


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     ↑:久保田寛子


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 会話の流れで、「この空間は何ですか?」と、尋ねた。
 「作品を飾ったのですが、粗が見えて描き直したら・・・上手くいかなくて、失敗して・・・出せなくなりました。結局こういうことになりました」

 彼女の個々の作品は面白い。だが、個展という側面から見れば、一つ一つにいろんな思いを込めすぎて、それらの関係性というものが散漫になってしまった。おそらく、「個展」というものの経験不足と、自分を強く見せるという自覚のチューブラリンさが、その原因だと思う。

 上の写真は失敗の痕跡ではある。(この写真だけ見れば、一つの空間表現になってはいるが、それは学生の意図ではない。)それをこうして強く言うのは学生に失礼かもしれない。だが、この失敗が発表というものだ。その辺のところは会場でも大いに語り合ってきた。素晴らしき大失敗と思う。
 次回は意を強くして、ドーンと見せて欲しいとリクエストした。それが何時になるのか?楽しみに待っています。


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          ↑:久保田寛子、「night」・版画。

 夜空の下のほんのり感。小さな幸せが雲のまにまに、どんな風に進むのでしょう。この作品系列だけで空間を埋めれば良かったのに。その中に「顔」作品をアレンジさせれば、と思った。


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     ↑:久保田寛子。左から、「ブランド」・水彩 アクリルガッシュ。「子ども」・水彩 アクリルガッシュ 鏡。

 基本的には可愛い画題を好まれるようだが、「可愛い中にもトゲがある」と言っている。フンワカ気分と冷めた目、なのだろうが今展では思いのみ先行した感じだ。



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     ↑:鈴木彩音


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          ↑:鈴木彩音、「宙」・墨象。

 まるで「走る人」のようだ。力強いのだが、汗をかいていてアタフタアタフタ・・・「走る鈴木彩音、何処へ行く」


○ 第6室 山下沙織(デジタル絵画)


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     ↑:「形容矛盾の少女、海になりたい #1・2」・デジタル絵画。


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     ↑:「heart 1・2」・デジタル絵画。

 少女の心象ムードのよう。願望、憧れ、主張、とまどい・・・その微妙な心模様をパソコン(機械)を駆使しながら、チョット自分を離して自己確認をしているよう。
 作品は画題(人)が背景を引っ張っている。すべてがその構成で、それは全体の安定にもなっているのだが、その心象にこちらがのめり込むには表現幅が狭い感じ。背景が人を引っ張る作品、背景と人との確執、人の居ない風景・・・などなど、もう少しいろんなバージョンがあれば展示空間がざわめくと思った。
 が、それは今後の課題でしょう。キラリと光る少女の横顔展だ。


○ 第3室 井上愛美(彫刻 立体造形)


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 この、上を迎え見る作品・「ためごろうくんとその兄弟」は既に当校の卒展で紹介しました。ここで再開できるとは嬉しい限りです。ということで、写真のみの掲載です。


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     ↑:左側、「おかえりののあいさつ」・木彫り。「いつものあいさつ」・木彫り。


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 会期中の制作作品。「刺繍のドローイング」と説明されています。
 マントとのことです。「変身のためのマント」でしょうか?


○ 第4室 笠原明枝(映像 インスタレーション) + 斉藤奈津子(立体 アニメ)


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 左側は笠原明枝。映像他ですが、その映像作品は卒展で大いに楽しみました。ですので、作品紹介は後日に「教育大学卒業展」の中で報告します。


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     ↑:斉藤奈津子・アニメーション & 立体。


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          ↑:斉藤奈津子、「ようせいのもり」・立体。


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     ↑:左から:「一匹オオカミの家」、「けむしのまち」。


 左側のモニターでアニメが流れていたのでしょう。時間の関係で見れなかった。その映像と立体作品群は連関していたかもしれない。
 あり合わせの物?で器用に簡単に何でも作る人みたいです。その小さな世界を、この一室全部を使って、のびのび「ナツコの部屋」にと思った。

by sakaidoori | 2012-03-28 18:07 | 資料館 | Comments(0)
2011年 05月 08日

1539)「札幌大谷高等学校美術科 第22回卒業制作展」 セントラル 終了2月1日(火)~2月6日(日)

  

○ 札幌大谷高等学校美術科 

     第22回卒業制作展
     


 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
     電話(011)231-1131
     中央区南1条西3丁目
      (東西に走る道路の南側)

 会期:2011年2月1日(火)~2月6日(日)
 時間:10::00~18:00
     (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(2.6)

 三ヶ月前の大谷高校の展覧会です。遅くなりましたが、記録になるので載せます。


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 今年は立体作品が楽しかった。ので、それらから載せます。


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          ↑:?。(すいません、記録ミス。学生名など、ご存じの方が居られれば教えて下さい。)


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 吊す、ぶらり、ゆらり・・・、ただそれだけですが何か良い感じ。個展でのぶら下げも良いでしょうが、廻りに仲間の作品を従えての空中回遊は格別でしょう。


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          ↑:増田芙美、「カンブリア」。


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 丸み丸みで生命を表現したいのでしょう。色も形もタイトルも、そう語っています。可愛くあり、若さあり、ツヤあり、学生の思いが愛おしくなります。



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          ↑:花本彩乃、「おかしな東本願寺」。

 可笑しなお菓子なおヒガシ様です。「お寺もお菓子も大好き、夢と宝物と信仰心(?)が詰まっています」とのことです。お寺をお菓子で埋めるなんて、親鸞さんは普通の人の欲望が大好き、だから喜んでおられるでしょう。



f0126829_10111246.jpg ←:関谷真衣、「Happy Birthday!」。


 「鏡を見ると、少し成長した自分が見えるといいな」
 いじらしい言葉です。全然知らない学生ですが、きっと成長したでしょう。






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          ↑:寺内瑞穂、「スイマー」。

 空を飛ぶ魚さんがいれば、泳ぎ湧き出る犬君もいます。
 「寺内家の長男のチェリーさん、今年で11歳です。本当は泳げません」
 美術は夢のない人に、泳げない犬に自由を与えるもの、泳いでいるではありませんか。



 次は絵画です。
 以下の風景は、会場入り口から時計回りです。
 何点か個別作品を載せます。


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          ↑:脇ともの、「三年間の軌跡」。

 記念になる風景の写真や、親しんだ文房具などがコラージュされている。
 角張った図柄は硬い印象を受けますが、門出の緊張感にもなり清々しい。そして爽やかな七色だ。本格絵画に向かう学生でしょうか。



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 ←:加藤翠、「みどり」。


 自画像でしょう。明日を向かず、今を見つめている「加藤翠」。その緑からでしょうか、ほのかに見える妖しさが、年頃のドロ-イング気分とミスマッチのように絡んでいる。それはたまたまなのか、学生の気質なのか?本展では数少ない強い作品。












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          ↑:白川すもも、「ゴーストタウンマップ」。

 卒業は夢や希望ばかりではないでしょう、明日への漠たる不安、自分を取り巻く世界の不定感、自分に対する所在感のなさ、そんな気分やいろんな気分を組みで表現しているように思える。
 ブルー、卒業とはまさに青い春なのでしょう。緑の夏、赤い秋、白い冬・・・明日が楽しく充実したものかどうか、本当はわからい。



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          ↑:左側 山田萌果、「きのう と あした とそして きょう」。
            右側 藤田紗希、「これからも どうぞよろしく、ね」。



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 ←:吉川里佳子






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by sakaidoori | 2011-05-08 11:31 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2011年 02月 14日

1463)②「専門学校札幌ビジュアルアーツ写真学科・卒業制作作品展」・資料館 終了2月8日(火)~2月13日(日)


○ 専門学校 札幌ビジュアルアーツ・写真学科2年 

   卒業制作作品展



ーーーーーーーーーー(2.10)

 (1462②の続き。)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 二人一組で6名載せます。


・ 強く対象を見る撮影者 

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     ↑:① Marco Perboni、「MERRY JAPAN」。


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     ↑:② 三野智大、「孤独の木」。

 ①はイタリア人の作品。札幌、小樽、函館の市場とその変化がテーマ。
 市場と言うよりも、昔懐かしの雑貨屋さん、そんな感じだ。それは懐古趣味に繋がるのだが、撮影者は懐古など眼中になく強く被写体を撮っている。この強いリズムには恐れいいった。店先と台所?という微妙な組み合わせも不思議だ。
 店内を撮ったというより、職住一致の生活スタイルを露わにして、そのゴミゴミさと日々のバイタリティーをつかみ取った感じだ。この暮らしぶりを通奏低音にして、あたかもこのスタイルが永遠永久に続くかのような錯覚を写真は与える。人間臭さとともに、生活の詩情が漂っている。見た目の動きはないが、強くリズミカルに音楽も流れている。

 ②、木の存在力、生命力に着目して、堂々とそれに立ち向かっている。この木々は擬人化されたものでもあろう。撮影者自身の投影でもあろう。
 もしかしたら撮影者は社会人になる人かもしれない。既にそこにある自然、そこに参加する自身を木に喩えて、力強く闊歩するという宣言かもしれない。健闘を祈ります。


・ 人物・・パ-トナーと群れ


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     ↑:① 村上槙吾、「My First Tokyo」。


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     ↑:② 宮本亜沙奈、「世界で一番似ている2人」。

 お二人とも会場に居られて話を伺った。(ありがとうございました。)

 ①は初めての東京訪問時の「東京ひとむれ・写真集」だ。
 この作品の最大のポイントは、誰彼構わず相手の許可を取らずに写真に収め、堂々とここに出品していることだ。エライ!若きアマチュア写真家は人を撮りたいのに躊躇している。当然の理由がある。だが、そこんところを何とかしないと人は撮れない。村上槙吾はなりふり構わず正面突破をした。電車の中で一眼レフカメラで人目をはばからずに車内を撮ったのだ。恐れいいった。重ねてエライ!
 エライのはそこまでで、写真から感動が伝わらない。突き動かされる何かが薄い。これはどうしたことか?押すシャッターの人差し指に力がない。ただ撮った感じだ。村上槙吾は透明人間になって、感情を置き忘れたようだ。人の多さ、その全体重の重さに反して軽くすきま風が流れている。もっと撮る目を突き立てよう!  


 ②は、被写体のベテラン夫婦に許可を頂き、お二人の記念撮影のようにしてシャッターをパチリ。風景も二人を包み込み、暖かい写真ができた。永きパートナーとしての良き繋がりを表現したかった、と撮影者は語る。
 残念なのは、同じ角度の写真が多すぎたことだ。後ろからの腕組みスタイル、4本の広げられた手、膝下の4本の足、並んだ二つのヒップ・・・等々、正面写真を基本にしながら、二人をもっと浮かび上がらせる撮り方、作品の見せ方があったのでは。笑顔という表情だけでは見えない何か、写真だから見える繋がりもあったのでは。


・ 人工物という風景


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     ↑:① 佐藤圭悟、「殻」。


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     ↑:② 前川要、「炭鉱遺産」。


 ①は「殻」という視点で現代文明、現代社会、現代生活にチャレンジしている。
 そうはいっても集合住宅しか撮ってはいない。「集合住宅」というタイトルのほうがストレートだが、それでは文明批判のトーンが低いとみたのだろう。それに、殻・カラという言葉の美学、イメージを大事にしたかったのだろう。
 要するに「殻としての集合住宅・写真集」だ。この写真集も視点が余りに統一的で、面白味に欠ける。面白い視点なのだが、この写真で終わったら面白くない。テーマに取り組む為の素材集めの段階だ。さー、この写真を毎日見ながら、写真表現としてどうするか?足りない物、更に感じたことをもっともっと写真にして欲しかった。


 ②は、単純に「炭鉱遺産」がテーマ。そして単純に風景の点景として炭鉱遺物を挿入した。全部そればかりだ。青空の下、炭鉱の遺物も自然に同化されそうだ。「ここにあるぞー」と撮影者は言っているみたい。
 過去完了形の日本炭鉱遺物にいろんな写真家がチャレンジしている。思い出だけに終わらしたくないと、ヒューマンを基底にして炭鉱遺物を見つめている。
 前川要の立つ位置は何だろう?決して中に入ろうとはしない。あまたある「炭鉱遺跡・写真」の中で独自の位置を築く為の意図的方法か?若いのに、そんな方法は姑息というものだ。
 風景と炭鉱遺物の調和がテーマか?今回はたまたま「炭鉱」で、「民家」でも、「温泉郷」でも、「橋」でもいいのかもしれない。
 それとも、単なる記録としての炭鉱跡地?

 テーマがテーマだから、もっと熱のある作品を、臭くとも踏み込んだ作品を見たかった。単に「風景」というタイトルの方が良かった。

by sakaidoori | 2011-02-14 17:25 | 資料館 | Comments(4)
2011年 02月 14日

1462)①「専門学校札幌ビジュアルアーツ写真学科・卒業制作作品展」・資料館 終了2月8日(火)~2月13日(日)


○ 専門学校 札幌ビジュアルアーツ・写真学科2年 

   卒業制作作品展
     


 会場:札幌市資料館 2階1室
    中央区大通西13丁目 
     (旧札幌控訴院。
      大通公園の西の果て)
     電話(011)251-0731

 会期:2011年2月8日(火)~2月13日(日) 
 休み:月曜日
 時間:9:00~19:00

※ 同時開催 ⇒ 「卒業制作展」 於・札幌富士フィルムサロン
           2月18日(金)~2月23日(水)

ーーーーーーーーーーーーー(2.11)

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 24名の展覧会。昨年に続いて多人数の卒業生とのことだ。僕は一昨年に初めて当学校の卒展を見たのだが、半分くらいだった。
 会場は雪祭りと重なり、それなりの訪問者が寄せては退くの繰り返しで盛況であった。
 作品も充実している。大学美術部の心象スナップ一般とは違った歯切れの良さがある。一般アマチュアの単なるネイチャー讃歌もなくて宜しい。カラーに白黒とランダムに並び、テーマもヌード、風景、人の群れ、カップル、都会に田舎、やらせもあり飽きることはない。二人の外人もいて感覚の違いを見せている。しかも、安定した仕上げ具合だから、此方の満足度も高い。見て損のない展覧会だ。

 気になる点も書いておこう。
 安定した被写体が多いと言うことは、ギラギラと被写体に迫る迫力の薄さでもある。それは、日頃仲間内で互いの写真を批判しあってないからだろう。ゴー・イング・マイ・ウェイは良いのだが、被写体の単なる造型の面白さや、被写体におもねりすぎた作品もある。被写体に密着する、離れる、無我夢中でシャッターを押しまくる、徹底的なバーチャル、そんな撮り手の若さが少し足りない気がした。

 何故だか二人一組で載せていきます。


・ 不思議な感覚の二人

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     ↑:① Huyunh Thanh Vi、「銭函」。


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          ↑:② 高橋彩美、「YUME UTUTU」。


 共に不思議な作品だ。個人的には絶賛だ。言い訳ですが、その魅力を語るのに未だ実力不足を痛感する。

 ①はベトナム青年の作品。普通に銭函のさびた民家と風景。
 夢世界に入った雰囲気だ。古びた民家が、僕にはおとぎの国のチョコレートの家に見えて困った。間違いなく風景を、家を撮っているだけなのだが、一つ一つの物がま~るく次から次へと視線をバトンタッチさせ、中央付近にゆられながら誘っていく。そして、そこは閉じこめられてしまった優しい空間なのだ。決して被写体の哀愁さが原因ではない。古びた民家はただ古いだけだ。しかもしっかりと風景を見定めている。撮影者の不思議なおまじないで思考がぐらりと揺れてしまった。そしてチョコレートに包まれてしまった


 ②は、一見散漫な写真群だ。散漫なのに一本の線がある。撮影者はそれを「YUMEUTUTU、ゆめうつつ」と名付けている。

 彼女の言葉を載せよう。

 「わたしはいつもぼうっとしている。
 空を見上げる時、ベンチに座っている時、とことんひとり歩いているとき、
 そんな時にやってくる。
 ぱっと閃いたような景色。
 一瞬だけ、うそみたいだけど、ほんとう」

 写真は決して心象スナップではない。色は強い。撮影者は普段はボーっとしているのだろうが、シャッターを押す時の五感は強い。強く「風景」に向かっている。何かの閃きが見えるという。
 彼女に、「一貫した視点の写真を撮れ」、というほど間の抜けた言葉はない。徹底的にその閃きを撮り続けて、その先に進んでもらいたい。見えない向こう側ではない。間違いなくそこにある何か、写真にだけに見える、写る何かを。


・ 次は肩の凝らない二人のヌード。男と女の見た女の体。貴方はどちら好み


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          ↑:① 菊池弘樹、「Attachment」。


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          ↑:② 岡田瑶、「EGO」。


 露出度、艶やかさでは①の菊池弘樹だ。流れるような生の気配と意外性では②の岡田瑶だ。ある意味でありふれた感じのする菊池弘樹よりも、若さ溢れる感覚でヌードに迫る岡田瑶を選びたい。

 ところで、岡田作品はセルフポートレートだ。僕はヌードが好きだから、あえてヌードとして菊池作品と戦わせた。果たして、岡田瑶にはヌード作品いう意識がどこまであったか?自分とは何か?自分をさらけ出したい、美しく見せたい・・・その結果が、恍惚状態のこの作品だ。彼女の意志に関係なく、十代最後の肉体が発するエネルギーは美しい。あるがままの美しさを発する写真の自分、ボケとユラギと動きによる顔のない写真の自分。そういう自分の「発見」がこの作品だろう。出発点の作品だ。

 一方、菊池弘樹には目的は明快だ。ヌードの魅力、欲望の魅力、それに耽溺させる為にこの作品はある。興奮させるヌードを作れたかが大きな課題だ。次に、見させて興奮させて、しかもその上に写真は何を語れるか?特に、写真の遊びと黒、写真の嘘と誠の確認作業だ。
 そういう意味で、「写真をしている」菊池弘樹の目標設定と行為に僕は軍配を上げたい。男の撮る女の方が、やはり本当のヌードに見えるから。


・ 作る人、作られた作品


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     ↑:① 村木寛子、「コンビニ生活」。


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     ↑:② 松木志帆、「常識をブッ壊せ」。

 ①はコンビニのレジでのお客さんのお顔。いかにもヤラセで、そのヤラセが分かるような誇張振りと派手な白さでユーモアを高めている。背景の商品まで嘘に見えたりして、そういう嘘実相反する世界は大好きだ。同じバージョンばかりで、バーチャル不足、ユーモアの財布の出し惜しみに思えた。

 ②も同じくユーモア作品。コンパクトで枠にはまった綺麗な仕上げ具合が何かのパッケージとか、広告デザインを思い浮かべる。普段の消費生活を揶揄したいのだろう。
 コンパクトなユーモア精神だが、タイトルは大ボラ精神だ。ちょっとギャップがありすぎてタイトル負けしたみたい。


 (続く。続けて②を書きます。)

by sakaidoori | 2011-02-14 14:58 | 資料館 | Comments(0)
2011年 02月 08日

1453)②「美専 北海道芸術デザイン専門学校 第43回卒業制作展」市民ギャラリー 終了2月2日(水)~2月6日(日)

○ 美専学園・北海道芸術デザイン専門学校 

    第43回 卒業制作展


ーーーーーーーーー(2.6)

 (1452①の続き。)


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     ↑:学校長賞・島田沙織、「きらきら」。

 あ~、何て眩しいんだろう。
  
  
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     ↑:努力賞・曽我部絵菜、「La cuicine du jardin」。

 靴がデザインの広告です。靴よりも何よりも、ただただお庭気分です。


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     ↑:努力賞・米倉はるな、「和風幻想郷」。

 めくるめく楽しさ。もっと不思議な目くるめくさがあれば、絵の世界から抜けれないかもしれない。


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 以上で第1室の「イラストレーション専攻 2年」を終了です。


 残りも沢山なのですが、駆け足です。


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     ↑:努力賞・今井明日香、「逆襲 ~TAKO~」。

 たった一枚ではもったいない。人に逆襲するのがタコでは人の奢りも直らないだろう。カラス、鼠、イルカ、ミミズ、サンマ、スズメ・・・10枚ぐらい床に貼ったら最高だ。



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     ↑:努力賞・堤沙織、「R-15仏像画」。

 秀逸な作品と構成だ。描き手はグロテスクな仏像をイメージしている。緻密な線の世界は魅入らされる。魅入った向こうの世界が涅槃とは鋭い。


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 またまた狭い部屋で長居をしてしまった。カラフルな部屋ではなかったが、緻密さや描き手の生理の強い部屋だった。



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 栄通自慢の風景写真だ。
 手前のマネキン意匠の作品は、木下加奈子、「あつまるからだ」。
 でも。この風景自体が「木下ワールド・・・あつまるあつまる、人も物もあつまる」になっている。


 上の傘作品も最高だ。


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     ↑:照井沙織、「心の虹」。

 なぜ傘って面白いのだろう。形?機能?包み込む有り様?



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          ↑:優秀賞・遊佐沙織


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 シルエットにビーズ玉が光る作品、綺麗だ。近づいてみるとビーズが張り付いている。まるで夜光虫のよう。虫のような女?女のような虫?妖しさも漂い、存在の軽さ儚さも併せ持つ魅力的な作品。


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     ↑:安藤美紅、「パターンメイド シューズショップ『picasso」。

 チャーミングな足が並んだ。うなじも後れ毛も好きだが、ふくらはぎの膨らみや両足のひそひそ話が聞こえる膝下も良いものだ。


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     ↑:高橋夏樹、「でかい肉まん発見!!」。

 大らかで実に良い。


 随分と割愛して、いよいよ最後です。長きにわたるお付き合い、ありがとうございました。


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          ↑:鈴木麻美、「空間ギフト」。

 夢が詰まっているのか、バカさが捨てられているのか?ノーテンキな大きさが良い。くどくないのが良い。蓋を開けたら、鈴木麻美が大きな口を開けて、大笑いしてる顔を見れるだろう。だから、蓋を開けないで眺めて僕らが大笑いしよう。大笑いが恥ずかしい淑女はくすくす笑いで鈴木麻美を讃えよう。

by sakaidoori | 2011-02-08 22:17 | 市民ギャラリー | Comments(0)
2011年 02月 08日

1452)①「美専 北海道芸術デザイン専門学校 第43回卒業制作展」市民ギャラリー 終了2月2日(水)~2月6日(日)


○ 美専学園・北海道芸術デザイン専門学校 

    第43回 卒業制作展
  
  
    
 会場:札幌市民ギャラリー
      中央区南2条東6丁目
      (北西角地)
      電話(011)271-5471

 会期:2011年2月2日(水)~2月6日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (初日は、13:00~から。最終日は、~15:30まで。)

◎ 予告展 ⇒ 2011年1月15日(水)~1月27日(日) 於・札幌紀伊國屋書店2階


ーーーーーーーーーーー(2.6)

 とにかく明るくカラフル、元気の良い展覧会だ。最終日ということで学生や先生保護者などなど沢山一杯会場を埋め尽くし、ワイワイガヤガヤ華やいでいた。

 会場入り口傍の大広間から会場風景、並びに作品の塊を載せていきます。時々個別作品も載せますが、極力コメントは控えて、なるべく多くの作品を載せます。


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     ↑:優秀賞・宍戸優香莉。「CHISE」。

 昨年の冬にテンポラリーで個展をされた学生だ。あそこでの専門学校の学生個展は珍しいのでしっかり名前は覚えている。部屋壁を中間色でカラフルに塗り込み、小さな人形を浮かべて影絵を作っていた。今展の枝の絡み模様はその時の影を思い出す。人と黒い線が好きなようだ。
 自然との共生、人と人との関係をチセ(家)として表現している。キャラクターの顔に森本めぐみさんの影響があるようだ。とりたててアイヌ語使わなくてもと思うが、思想信条へのこだわりが自作へのエネルギーになるのだろう。この気負いは良い。
 会場でバッタリと本人に会った。マスクをはずし親指を強く立てて、「ガンバリマス」と意気の良い挨拶がかえってきた。

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          ↑:須田澪、「懐古」。

 線描・点描画が好きなので、どうしてもこういう作品に目がいってしまう。
 中世ヨーロッパ風を描きたかったとのことだ。漫画ムードの可愛い顔に細身の尖った顎、努力賞を上げたい。


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          ↑:安彦実那、「アダルトチルドレン」。

 何なんだろう、この明るい不気味さは。明るさ=ハッピーで可愛い、という図式をあざ笑っているよう。


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     ↑:優秀賞・太田千晶、「鼓動」。

 ケーキやマシュマロをいつまでも食べている感じ。セブン・イレブン・イイキブンで春の街を白ピンクのスカートをたなびかせているのだろう。
 春でなくても、若い人達は冬の白景色に負けないカラフルさを街に蒔いてもらいたい。皆な皆な黒系が多すぎるよ。


    (②に続く。。)

by sakaidoori | 2011-02-08 17:59 | 市民ギャラリー | Comments(0)
2011年 01月 31日

1447)①「道教育大学実験芸術専攻生有志卒業制作展 居間 (4名参加)」資料館 終了1月25日(火)~1月30日(日)


○ 北海道教育大学・実験芸術専攻生有志卒業制作展

    居間(いま) ーLving roomー
  


◎ 札幌展

   会場:札幌市資料館 2階
    中央区大通西13丁目 
     (旧札幌控訴院。
      大通公園の西の果て)
     電話(011)251-0731

 会期:2011年1月25日(火)~1月30日(日) 
 休み:月曜日
 時間:9:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)


◎ 岩見沢展

   会場:そらち炭鉱の記憶マネージメントセンター 
   期間:2月28日~3月14日
   (詳細は別記にて紹介予定。)

 【参加学生】
 秋元さなえ 太田里美 中村絵美 森本めぐみ

ーーーーーーーーーーーーー(1.29)

 (時間がないので、区切りいい所で止めます。当然。続きを書きます。)

 個別に四つの展覧会を報告しますが、初めに全体の印象を書きます。
 初めに4会場の風景を載せます。


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     ↑:(A室・中村絵美、「Lying Spot」。


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     ↑:(B室・秋元さなえ、「芝生の川にいる魚」。)


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     ↑:(C室・森本めぐみ、「くぼみの火山」。)


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     ↑:(D室・太田理美、「『られる』のチカラで造られる」。)


 教育大学岩見沢校美術コースの実験芸術専攻の有志4人展だ。

 本展はインスタレーション形式になっている。4人のオムニバスと言っていいかもしれない。
 そういう意味では卒展であっても日頃見られない意欲的なことだから、まずこういう試みをしたこと自体は素晴らしいと思う。卒業展という「学業」と離れて、他の学生、若手、中堅、ベテランと実施してもらいたい。

 正直に言って、見て意欲をそそられる展示にはなっていない。
 「自分」に拘った展示だ。それは構わないし、全ての始まりはそこからだから当然なことだ。残念なのは中途半端なのだ。その結果が自己や自己を取り巻く環境のの美化になっている。美化するならもっと徹底的に過剰なものとして、あるいは演技としてほしい。要するに嘘が無さ過ぎる。嘘から生まれる誠(まこと)もあると思う。

 そういう意味では美術芸術以前の自己整理展だ。自己以外の環境が、卒業すれば敵になるかもしれない。そういう環境と向き合う為の「卒業」展だと思う。学生展と思えば仕方がないことではある。多くのあらぬ事を彼女等に望むことを止めよう。彼女等の「今」に即して、次を期待しよう。


 個別の記事は間違いなく書きます。週末になる予定。


 続く

by sakaidoori | 2011-01-31 12:54 | 資料館 | Comments(0)
2010年 12月 22日

1403)コンチネンタル「平岸高校デザインアートコース4期生 卒業制作展」 終了・12月17日(火)~12月12日(日)

○           平成22年度
       第4回 北海道札幌平岸高等学校
        デザインアートコース4期生


       卒業制作展

    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビル・B1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488

 会期:2010年12月17日(火)~12月12日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12.17)


 高校生展の感想記は久しぶりです。
 まずは第一室の会場風景から載せます。

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 平岸高校の卒業展は、何年か前にたまたま訪問した。その時の熱気が忘れられず、楽しみにしている展覧会だ。
 今回は、凄く目立つ作品は少なかったが、高校生の気分が、さざ波小波どんぶり波と心地良く伝わる。技術諸ともせずの直球感覚は楽しいものだ。


 沢山の学生と作品、会場風景を交えながら、個別紹介をします。わずかばかりの掲載です。

 さて、一番の好みから始めます。かなり気に入ったので、全作載せたいところです。こちらの作業時間が大変なので割愛です。


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     ↑:山下華奈、「自画像」 & 「10の64乗」。

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 真ん中の女子学生に注意して下さい。肉体の厚みが無い。ペチャンコ・ガールだ。「なぜ私は教室にいるの?なぜ?なぜ?ここはどこ?」
 でも、深刻ぶらずにかなり深刻な女心です。

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 オーッ、なんというユーモア、なんというジョークだろう。真面目に傑作です。

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 何と言えばいいのだろう。感情表現に長けた学生だ。作品を見る人の気持ちが分かる人だ。
 「女子高校生」が主題だ。それは切っても切れない「自我」でもあるわけだが、「自我」を踏みつけても出しゃばり出て行く力を感じる。更なるテーマを見たいものだ。例えば、「18歳」、「男の子」、「乗り物」、「友達」とか。


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     ↑:山の内ほのか、自由制作・「日曜日の悪夢」。

 100号以上の大作。その大作を隅々まで緩むことなく丁寧に描き上げている。精緻なリアリスティックな「悪夢」だ。楽しそうな悪夢みたいだ。


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     ↑:山本泉、自由制作・「水路」。

 これも大作。
 大作なのだが、どこか収縮的感覚なので小さく見えたのが残念なところ。
 一人ぽつねんと水路を見ている。そこには誰も居ない。水路と水の青、水路を囲むお菓子のような建物、突き当たりの建物の壁は白。ゆらり揺れながら小舟に乗ろう。そして、あの白壁をめざそう。そこでは、右に行こうか左に行こうか?
 物語が始まる、可愛くていじらしい作品だ。


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     ↑:本間美保、自由作品・「願い」。

 可愛いような可愛くないような顔!何を願っているのだろう。淡い叫びだ。「願い事」を叫んでいるのかな?


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     ↑:第二室。


 入り口の第1室は絵画が主体。次の第2室はアニメやキャラクタ-が多くなる。それがなかなか良い。
 どうしてもアニメやキャラはムードやお決まりの型で終わりがちになる。誰でも親しむ若者&現在日本文化だから、個性よりも親しみやすさ、交換可能の使い捨て文化などとも言われる。そんなことはないだろう。多くの人に好まれるということは、いろんな可能性があるだろう。真剣な落書き魂、目立ちたがり根性でバンバン・バンバンだ。若い人がドンドンチャレンジしたら面白いことになると思うのだが・・・。平岸高校美術コースの一つの進む道と思うが。


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     ↑:浜辺萌、「もえ」 & 「少女花空間」。

 こうして好きなことオンリーで絵にするのが創作の原点なのだろう。
   いと眩しきもの、それは花、それはピンク
   いと素晴らしきもの、それは絵、絵の中の私!


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     ↑:岡田保菜美、「Drive:2011→」 & 「7 one-way」。

 これまた楽しい絵だ。エネルギー発散作品は見ていて気持ちが良い。
 内に「自画像」を求めないで、外に外に目がいっているのが良い。世の中の物、暗く考えれば汚くおぞましい。明るく考えれば、「醜いアヒルの子」万歳だ。


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          ↑:高橋智子、自由制作・「temporary shop」。

 タイトルが泣けてくる。「テンポラリー・ショップ」だ。ジョークではなく、最大級の真面目だろう。グッド・センス!





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          ↑:渡邉沙羅、自由制作・「一瞬の繋がり」。

 ちょっと切なく淡い明るさです。
 この感覚が学生の宝のような色なのでしょう。明かりなのでしょう。「紡がれた人の繋がりの心」、「その心で満ちた空間」それがテーマです。
 
 
 改めて撮った写真を見ていると、何だか熱くなってしまった。もっと載せたいのところです。作業時間が掛かりすぎて、今回はここまでにします。

by sakaidoori | 2010-12-22 00:34 | コンチネンタル | Comments(0)
2010年 03月 24日

1238) エッセ 「Can E art exhibitions(4人展)」 終了・3月9日(火)~3月14日(日)

○ Can E art exhibitions  
    (学生4人展)
   

 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2010年3月9日(火)~3月14日(日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 かんのえま 笹森彰 千田愛由美 ニシカワアユミ

ーーーーーーーーーーーー(3・14)

 札幌美術デザイナー学院を今年卒業される4人のグループ展。
 燦々と陽の光が会場に入り、くっきりと陰影を床に写していた。眩しかった。真ん中の賑やかな「石」が楽しく転がっていた。会場でお話をした学生を中心に載せます。

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     ↑:イラストレーション専攻・西川亜由美、「around me」。

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 ワイルドで元気一杯の作品だ。
 今作は学校を会場にした卒展の為の作品とのこと。高層建築ビルの吹き抜け部分を上から垂らしての展示だ。一列に舞い降りる姿はなかなか壮観だっただろう。作品は軽いから微妙に揺れていたかもしれない。見る側も下から上に、上から下に、横から裏からと、体を動かしながら見て楽しんだことでしょう。
 学校展と今展の根本的違いは瞬時に全貌が見えるかどうかにあったと思う。しかもこの会場は等間隔に垂らすには楽な仕掛けになっていて、まさに今作にはうってつけの場だった。可愛い「顔」の作品もあるが、「目」だけの作品は特に印象的だ。暗い絵も全体の中では良いリズムになっていた。
 いろんな表情も興味を惹くが、できれば、沢山の「目」が見たかった。ワイルドな沢山の「目」がこちらをにらむ。そして、もっと鑑賞者を裏側に誘導させて裏も見せる。裏は、まさに絵の反対行程をにじませてさらしているので妖しげな現場だ。「目」作品の追加と「裏側」から見せる工夫があったら、もっと迫力と深みが増したと思う。
 薄く淡い支持体に描かれた顔、顔、顔・・・目、目、目、まだまだ追求しがいのある方法だと思った。また見れる機会を楽しみにしよう。


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     ↑:イラストレーション専攻・管野絵麻、「art stonw」。

 会場に華を添えている「ちょっとえばった石ころ」だ。会場風景写真にはいつもおじゃま様スタイルで収まっている。いや、この石のない会場風景は面白くない。だから、どうしても入れてしまう。

f0126829_12323264.jpg 左の本は今作を使った写真集。見事な製本だ。
 JR札幌駅に仲間と一緒に作品を持ち込んで、いろんな場所でパチリ。楽しい写真集だが、その行為を支持したい。特に許可などを取らない「おじゃま虫部隊」だ。。
 新たな作品で新たなアバンチュールを試みて欲しい。美術は理屈よりも行動だと思う。連絡を頂ければ、僕も現場撮影にチャレンジして、「現代美術行為」に参加しよう。





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 「顔」の西川亜由美さんと、「石ころ」の管野絵麻さんが交流型作品(展示)だとしたら、次の二人は見る作品といえるかもしれない。

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     ↑:イラストレーション専攻・千田愛由美、「これはうちです」。

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 内面発露型作品。粗っぽくて雑ですが、これが若者の絵なのだろう。いろんな内面&感覚を沢山描いて見せる。少々のお行儀良さは後回しにして、グイグイと進んでいく、そんな感じで見ました。エネルギッシュな女性でもある。


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     ↑:キャラクターデザイン専攻・笹森彰、「HIP HOP」・「R&B」・「音楽への思い」。

 音楽的ノリで、ポップとイラストと絵画をまぜこぜにしたような作風。
 僕としてはもっと作品を見たかった。上の写真の作品を更に二段組みです。ヒップにホップにステップにジャンプに、ワイワイガヤガヤ・・ズイズイズイズイ、ドンドンドンドン・・・踊る阿呆に見る阿呆は○○音頭だが、ビシビシ電波がにぎわう世界を想像してしまった。


 

by sakaidoori | 2010-03-24 16:36 | エッセ | Comments(6)
2010年 03月 17日

1226) 円山・CAI 「第14期 CAIアートスクール卒業作品展」 3月14日(日)~3月20日(土)

○ 第14期 CAIアートスクール卒業作品展

 会場:CAI現代研究所
     中央区北1条西28丁目2-5
      (環状線から北海道神宮方面に曲がり、直ぐの左側の中小路に入る。
      50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。)
       電話(011)643-2404 (13時以降)

 会期:2010年3月14日(日)~3月20日(土)
 休み:
 時間:13:00~19:00 

※ オープニング・パーティー:3月14日(日) 19:00~

 【出品学生】
 渡辺千恵 若井ちえみ 吉井見知子 松山幸代 澤山淳 佐藤翼 北上由理 神崎剣抄 川上大雅 加藤望 片山亜耶 浦田弘幸 伊藤直美 ・・・以上、13名。
    
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・14)

 当然と言えば当然なのだが、今年も例年とは一味違う。全体の印象を一口に言えば、「野暮ったくてストレートな表現」だった。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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 階段を降りた半地下の一室が情景の会場風景。
 他の展示ブースは奥の階段を上がった狭い部分と、左側の黒い暗幕でふさがれた部屋だけ。


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     ↑:若井ちえみ、「脈」・雲竜柳。

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 雲竜柳の枝を「脈」のように束ねて壁に取り付けただけだ。この枝で巨樹の生命力に思いは馳せているのだろう。単なる「装飾」でもあろう。単純にして明快なる主張、力勝負の根性の入れようが気に入った。
 緑の若葉が見える。今年も春が来た。


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     ↑:片山亜耶(彩サクラ)、「(?)」。

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 元気一杯の大作だ。性と暴力と遊び心と七色の世界だ。
 被写体の女性軍は作家を含めて6名、七色のスナップ写真にそれぞれの迫真の演技?がひしめいている。スケベ度を求めれば「もうチョット」と檄を飛ばしたくなるが、なかなかの演劇空間だ。
 今回のエネルギーはチョットやソットでは収まらないであろう。もちろん、エロスばかりが作家の関心事ではないだろう。だが、内なる「生命力」をボンボンと外に出したくてたまらない時期なのだ。他人から「静かにセイ!」と言われるまで、いや言われようがとがめられようが「片山亜耶軍団」が街を闊歩してもらいたい。

 絵はイラスト的で色をちりばめるのが好きなのかもしれない。詩も用意されていた。
 絵と詩と写真と演技の片山亜耶。


[#IMAGE|f0126829_151232100.jpg|201003/17/29/|mid|     ↑:川上大雅、「depth.」・ミラーボール。

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 小部屋だが、実質個展空間。
 昨年もミラーボールを使っての個展をCAI02で開いていた。その時は動きもあったり意外性を演出したりと、個展を開くことのできた喜びで充満していた。
 今作、前回のネオンチカチカというノーテンキな外への放出をぐっと押し止めている。自分自身を見つめている。「表現者(アーティスト)になるんだ!」という宣言のようだ。前回は目くらましのにらみだったが、今回は見る見られるの対等性がある。
 その姿勢は頼もしい。真摯でもある。だが、発表は始まったばかりだ。ノーテンキになったり羽目を外したり、時には天然居士にアクロバットにと、普通でないことをしてもらいたい。

 ところで、作家は創世川の右側に小さな展示ギャラリーを構える予定だ。プロデュース的なことにも関心が及んでいるみたいだ。具体的にどう機能するかはわからないが、期待しよう。様子が分かり次第報告したいと思う。


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     ↑:澤山淳、「ノン・タイトル」。

 全くのナルシストの世界だ。上映時間は10分ほど。その間作家の顔だけが流される。パソコン画面に、モニター鏡面に、写し出される水面の表面にと作家の三つの顔をただただ見るだけの作品だ。
 自己を見る作品ではない。自己に魅入っている場に、鑑賞者はたまたま居合わせたにすぎない。それは作品以前と言ってもいいかもしれない。だから「悪い作品」と言い切れないのが美術の面白さだ。

 作品の最後、大きめの顔が更に大きくなった。変だなと思って見ていると、作家青年は感極まって説明してくれた。「実は泣いているのですよ。涙なんです・・」
 あー何と言うことだ。この自己耽溺!!うらやましい限りだ。次は彼が涙を流さざるを得なかった「何か」を僕は見よう。延々と10分間、たとえそれが退屈でも付き合おう。作品ができたら連絡して欲しい。


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     ↑:渡辺千恵、「imag」・アクリル ガラス等。

 半階段を登った物置のような空間での展示。綺麗に綺麗に見せる空間を作っている。完結度の高い作家だ。最後に見るのは鮭の卵が眠っているような水槽。その水槽の上にイラストがあるが、中味はちょっと怖いストーリー。イラストによるその怖さは、全体の雰囲気と合っていない感じで余り怖くはないのだが、このアンバランスが作家の持ち味かもしれない。

by sakaidoori | 2010-03-17 16:27 | CAI(円山) | Comments(0)