栄通記

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2013年 07月 10日

2087)①「全道展 2013 第68回」 市民ギャラリー 6月12日(水)~6月23日(日)

   

2013 第68回

全道展


 会場:札幌市民ギャラリー・全階
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2013年6月12日(水)~6月23日(日)
 休み:17日(月) 
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~16:30まで。)
 料金:一般・?00円 高大生・?00円 中学生以下・無料

 主催:全道美術協会 北海道新聞社

ーーーーーーーーーーーーーー(6.22)

 ※ 本展報告の前の挨拶です。

 諸般の都合で長期の休眠状態でした。再開です。またよろしくお願いします。
 休みの間、訪問された読者の皆さんにはご迷惑をかけました。何かと今後ともよろしくお願いします。


     ------------


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   ↑:(1階ロビーの風景。)



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 例によって大量の作品が当館を覆っています。いつもながら、そのさわりだけでもお伝えできればうれしいです。久しぶりの記事ですから、全体風景をたくさん載せていきます。そして,結局は1階中心の報告になるでしょう。



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   ↑:(1階メイン会場。)


 この部屋に意欲作をまとめて展示していた。だから、個人的にはこの部屋だけみれば全道展は充分ともいえる。あと、抽象作品の部屋もよかった。あとは、作品の合間合間に見知った作品に出会う楽しみだろうか。
 全体印象としては昨年よりは楽しめた。若手作家(一般作品)の印象が薄かった。見慣れぬバリバリの元気良さ、は望めなかった。


 (以下、敬称は省略させていただきます。) 



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   ↑:会員・川本ヤスヒロ、「第九を聞く二人」。



 川本ヤスヒロといえば「轆轤」であり「挽歌」だ。私的世界だ。
 今作、得意の轆轤を止めた。そして、賑々しく楽しくオーケストラを従えての明るく華やかな音楽会だ。おそらく、ここには葬送としての御霊送りも込められているだろう。が、そういう解釈などは無視して、門出を祝うような音楽会を楽しもう。
 「舞台は全道展だ。絵を愛する仲間たちだ。歓喜喝采で芸術を愛を生きようではないか」。川本ヤスヒロの人々へのメッセージだ。この哀しき情念が揚々として社会化されている。




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   ↑:会員・川上勉、「Medusa」。


 おー、どうしたのいうのか。綺麗な女性を慈しむように、永久に変わらぬ姿で残す作家だと思っていたのに、この変わりよう。まるで女の地獄を見たかのようだが、そんなことはないだろう。ギリシャ神話のメデューサだから髪は蛇だ。ここに旧約のリンゴと蛇を重ねて、前進蛇で覆ったならばどうなるのだろう。それは薄気味悪いのか?快感か?再生のための生まれ出づる苦しみか?
 すばらしき川上勉の変身だ。



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 以下、部屋にこだわらずに載せます。



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 久しぶりの投稿でかなり疲れました。②に続きます。
 それと、直パソコン慣れすると思いますが、その時はちょっと無理をしてでも見てきた展覧会の様子だけでも沢山載せるようにしたいと思います。

by sakaidoori | 2013-07-10 21:24 | 市民ギャラリー | Comments(6)
2012年 10月 19日

1834)①「道展 第87回/2012」 市民ギャラリー 10月17日(水)~11月4日(日)

  
道展 

第87回/2012   


 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2012年10月17日(水)~11月4日(日)
 時間:10:00~17:30
      (最終日は、~16:30まで。)
 料金:一般・800円 大学専門学生・500円 高校生・300円

 主催:北海道美術協会 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.18)

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     ↑:(第1室の風景。)


 公募展ならではのお馴染みの風景だ。その道内公募展なのだが、最近は紹介する機会がめっきり減った。理由を整理すれば、

 ・当方の体調不調
 ・時間の無さ
 ・公募展に対する魅力が薄らいだ

 であろう。

 今回、久しぶりに載せます。この半年の禁酒で、ようやく気分も体調も宜しい感じだ。本格的秋の寒さも気分を高めている。
 書く気が起これば、書く時間に制約があっても何とかなるものだ。
 魅力は確かに薄らいだが、それは今までが過度に公募展を考えていたからだろう。良い勉強をさせてもらった。そして、やはり道内作家が多く集う公募展だ。それなりに楽しみは充分ある。


 さて、相変わらずの賑やかさだ。とりあえず第1室の作品群を集中して載せます。

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 第一室は今年の「道展の主張」のような空間だ。真っ先に目にする部屋だ。何らかの戦略的意図がムンムンしているはずだ。期待の若手を散りばめ、「華やかさと勢いを」ということだろう。
 残念ながら、ずば抜けて関心を惹く作品には会えなかった。明るいのだが、お行儀が良い感じだ。


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     ↑:北海道美術協会賞・新会友・笹森衣里(札幌市)、「最果て」。 

 今年の最高賞。

 心象気分の強い作品だ。非写実だから抽象画?心象という具体像が赤裸々に感じるので抽象絵画として見る気はしない。
 道展は写実なり具象に拘り、その向上を通して絵画を研鑽している。そこに人脈、学歴脈、絵脈も絡んでいるから、一本の言葉でこの団体を言い切れば語弊があるが、「具象大好き」団体と言い切りたい。だから、不定型な心象世界であっても具体物が欠かせない。
 そういう全体気分の中に今作はあるのだが、その心象性がストレートに心に響かなかった。恐らく個展なり、この種のムードの作品の中で見たならもう少し違っていたのだろう。不釣り合いな場の中で、どれだけ魅力を発散させるかも作品の力かもしれない。そういう意味では道展という具象の磁場では弱かった。弱いと僕は思ったのだが、作品力が買われて最高賞の確保だ。
 果たして作家は、どんな場であっても輝く作品を追究しているのだろうか?あるいは、それなりのムードの中で感情移入を喚起させる作品にしたいのだろうか?


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     ↑:佐藤菜摘(岩見沢市)、「食事」。


 教育大学2年生の学生。
 もっと華やかにすればと思うのだが、彼女は暗さの表現に意欲を燃やしているようだ。主題の生きものを自画像としてみた。美味しいものを食い尽くす意欲、その絢爛飽食ワールドをやぶにらみするような背景を描きたいのだろう。黒い闇を描きたいのだろう。青春を描きたいのだろう。


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     ↑:高橋知佳(札幌市)、「volcano (雲をつかむ指)」。


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     ↑:佳作賞佐々木仁美(札幌市)、「帰る場所」。

 小さな幸せだ。いじらしくなるような夢だ。


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     ↑:橋本康平(東京都)、「駆けだした挑戦」。




 以下、漫画的線描でかったるい気分の3作品。

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     ↑:新人賞・氷川美保(札幌市)、「日常の裏の裏の裏」。


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     ↑:会員・大西勤(旭川市)、「’12 ONEDAY」。


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     ↑:氷川奈美(札幌市)・「そっと暗い海におちる」。


 ②に続く

by sakaidoori | 2012-10-19 13:08 | 市民ギャラリー | Comments(0)
2012年 03月 11日

1653) ①「2012年 行動展 北海道地区作家展」 時計台 終了・3月5日(月)~3月10日(土)

 

○ 2012年 行動展 

        北海道地区作家展     


    会場:時計台ギャラリー 2階全室
         中央区北1西3 
         札幌時計台文化会館
         (中通り南向き)
        電話(011)241-1831

 会期:2012年3月5日(月)~3月10日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加作家】
 会員:神田一明 斎藤矢寸子 高橋美加子 冨田知子 山田あや子 矢元政行 
      他、会友・一般多数
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3.7)

 「行動展」、栄通記初登場です。
 会員の作品から会の特徴を考えると・・・個性的であり、個性のまとまりのなさ、そんな感じです。もっとも、この特徴はどの全国公募団体にもある程度はあてはまり、あいまいな紹介ともいえます。「独立展」の人間追究型とは似ていますが、あちらほどドロドロせず、「知性」というか、より「理知的」ではないでしょか。

 以下、会場風景です。

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     ↑:会員3人だけの風景。この会の、実力者の不一致な傾向が面白い。


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 20名以上の参加です。会員・会友・一般を問わずに、ほんのわずかばかりの紹介です。


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          ↑:会友・小笠原実好、「復活」・P150。

 男っぽい作品だ。フォルムというのでしょう、形は実に堂々としている。この形が、今作の最大の魅力だ。
 開口一番の作家からのメッセージ、「傷だらけの人生だ、鶴田浩二だ」と言い切った。
 確かに、鋭く深く直線に切り刻んでいる。その傷跡に、あとから着色されている。だが、この傷は見る人を痛さの深みに誘い込まない。再起不能のイメージではない。存在証明としての傷になっている。

 この作品は2点の絵画的契機で、明るいメッセージを伝える。
 一つは、先にも言ったが、この黒い形だ。人体のようでいて、人体に限定されない魅力がある。「生命体」としての生きて、膨らんで、威圧する、何かを謳歌する、立ち上がる存在に見える。

f0126829_2322217.jpg 一つは、左下のピンクの穴だ。(左の写真。)僕には希望の穴に見える。
 ピンクだ。光の象徴である「白」ではない。なんともやさしい色を配置したものだ。
 穴という絵画の「窓」は胴体のような生命体ともうまく連動している。その意味では、迫力はあるが、意外に矛盾もなく、収まりのいい絵でもある。脇を締めて、傷口からの出発だからだろう。タイトルも「復活」とある。


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     ↑:会員・神田一明、「狂女 (C)」・F150。

 「狂女」、お馴染みのタイトルだ。しかし、燃えるような「黄色」、女の足下の「黒い影」、座りたくない「黄白いソファー」、踊る「サックス」などが狂っているように見える。女が狂っているのではない、彼女以外のものが狂っている。だが、自分以外の物全てが狂っている時に、果たして自分は狂っていると言えるのか?
 まとまりがあって、どこかまとまりの悪い黄色い神田・ワールド。
 ところで、一時期のワイルド感が薄れた感じがする。わずかな不協和音を追究しているからだろうか?


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     ↑:会員・冨田知子。左側、「翼をどうぞ」。右側、「乾いた領域」・F120。

 人体があって、×が描かれていたりして、浮いた雲もあったりする。「祈り」というものを表現の底にもっているのかもしれない。

 そういう説明的ことばよりも、僕にとっての冨田絵画の魅力は「円い形」の可笑しさだ。真剣なことを知的に追究している画家ではあるが、どこか抜けたような笑いがある。それらは画家の意図ではないだろう。意図でないから面白い。

 白と黒と灰色の画家と思っていたが、大胆に「赤」がある。この辺がこの画家の知的なところで、果たして工夫の一環以上の成果があるのか?乾いた灰色の冨田ワールドが膨らんだのか?
 かなり前のギャラリーどらーるでの個展、それ以来まとまった数の作品を見ていない。


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     ↑:会員・矢元政行、「モニュメント」・S100。「モニュメント(天・空・地)」・35×47㎝ 113×47㎝ 27×47㎝。


 いつ見ても、この全身入魂・矢元ワールドには圧倒される。違う場所で感想記を語る機会があるでしょう。


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          ↑:会員・高橋三加子、「刻ー2011」・F130。


 「結ばれる・結ばれない」人と人との関係を追究している画家と思っています。同時に、おかしな人の仕草を通して、関係性に重なるようにして、「ユーモア」や「哀しさ」、そして人という存在の意外性も感じざるをえません。
 今作もその流れの一環です。淡々と絵画という仕事を進めている、そういう今なのでしょう。


 続けて②です。

by sakaidoori | 2012-03-11 00:04 | 時計台 | Comments(3)
2011年 11月 16日

1615) 「公募展 Sapporo Phot Stage 2011 (前期展)」 cai02  11月4日(金)~11月11日(金)

○ 公募展 Sapporo Phot Stage 2011 

    さっぽろフォトステージ 2012  
         
 会場:CAI02 raum2&3
      中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
      (地下鉄大通駅1番出口。
    ※注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
          昭和ビルの地下2階です。)
     電話(011)802-6438

 会期
  前期:2011年11月4日(金)~11月11日(金)
  後期:2011年11月15日(火)~11月22日(金)
 休み:日曜・祝日  
 時間:13:00~23:00
      (前期の最終日は、~20:00まで) 

 【出品作家】
 公募による多数。
           
ーーーーーーーーーーーーーーー(11.8)



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 前期展は終了しましたが、現在作品入れ替えによる後期展が開催されています。

 2008年から始まって、今年で4回目です。いままでは選ばれた写真家による個性重視の作品展だった。今回はすこぶる様子が違う。「公募展」だからだ。どういう基準・方法で公募しているのかは知らない。多人数によるそれなりの傾向をともなった写真群だ。どういう傾向かを読者の方にも楽しんでもらいたいところだ。多くの作品の紹介をしたいところだが、ここは私の好みと流れでいきます。以下、適当に個別作品を載せていきます。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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          ↑:kensyo、「p.m.」。

 ご存じ、美しきヌードとその現代表現で格闘しているケンショーだ。「ヌード(美)と格闘」とはミスマッチと聞こえる。実際、「戦闘的挑発的ヌード」という意味ではない。あくまでも「美しいヌード」が基本だ。よくは分からないが彼は「ヌード」とともに何かと闘っているみたいだ。
 今作、誠に美しい作品だ。「絵画のようだ」と言いたい。そして、それが撮影者のねらいのようだ。額装を水彩画張りにしたかったとの事だ。水彩画用の紙を使っている。
 撮影者の行為と意志を画家に対する挑発ともみえる。「現代美術」表現の一つである「視覚トリック」を考えているとも見える。が、それにしても綺麗だ。作品を「綺麗だ」と言い切れば文章はつまらい、お終いだ。今日はケンショー氏に「参った」ということで文を止めよう。


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          ↑:置田貴代美、Phase」。

 置田貴代美は空気感や存在感を醸し出しての心象作家だと思っている。
 最近の撮影者は風景を撮っている。その作風から言えば、心象を風景に重ねて表現している、と言えばいいのだろうが、そう言い切るには「風景」にこだわっている。一心に「風景」を見つめている置田貴代美をみる感じだ。古典的日本画家の風景へのアプローチに近いのでは。彼等は「気韻生動」ということが重要であった。己を滅しての自然美である。どこか禅的でもある。この「己を滅する」というところが少しばかり置田貴代美は違うようだ。間違いなくそこに作家の心象は投影されているからだ。ただ、何というか「自然の相に没する」態度が強くて、「自然(客体)」と「己(主体)」の微妙な関係が、見る僕の感心を呼ぶ。
 やはりこれは「置田貴代美・個展」で明快にみたいものだ。


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          ↑:高井稜、「響奏」。

 「強く対象を見つめて、強く表現する」、そういう撮影者だと思っていた。
 先日、某写真館で個展をされていた。その時は上掲の作風ばかりの展示だった。強さはヤッパリと思ったが、その遊び心に驚いた。細かい方法は分からないが、パソコンでいろいろとこねくり回しているのだろう。基本は「形と光」だ。それは撮影者の言う「響奏」を表現しているのだが、僕には「響奏」を指揮する高井稜の「遊び」が良い。しかも、「強い遊び」が良い。自然(被写体)だけでは満足できない茶目っ気と「作る意欲」に感心したものだ。
 「作る写真家」、しかも「熟女パワー」が良い。「作る熟女写真家・展」、そういう人達を集めたくなった。


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          ↑:Yuka Fujita、「wave 1 ength」。


 横長の作品を山折りにしての展示。作品の流れはドンドンバキバキと折れ、見る方の自然の流れを中断し、強引にある情景に意識を止まらせる。そういう時はやはり「人物」だ。人の目は一端そこに止まる。

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 画家・齋藤周氏の近年のシリーズを思う。見えない顔達がそこで遊んでいる。決して悲しい情景ではないだろう。だが、ノスタルジックさにともなって懐かしさと哀しみが同時に呼び覚まされる。海がある、崖がある、地層がある、男と女達が遊んでいる。声は聞こえるようで、でも聞き取れない。


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          ↑:土岐美紗貴、「同じ風景の見方」。

 僕は2点一組に強い関心を持っている。最低限の作品数で、切り取られた主義主張を表現できるからだ。


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          ↑:山岸せいじ、「はじまりのお話」。

 「ヒトムレ」を最近は演出している山岸せいじ。今回はごっつい額装にかわいい色合いの世界、ちょっとメルヘンチックな出で立ちだ。「はじまりのお話」、それは恐い恐い物語なのでしょうか?かわいく夢一杯なおとぎ話でしょうか?


f0126829_9581766.jpg ←:鳴海介、「odeur」。

 先日、同じこの場所で3人展で出品していた。強い作風は好ましい印象だったが、作品の取捨選択に難があったと思った。今回はその時の作品から、絞り込んでの出品だ。テーマは「女」でしょう。作品数はグループ展の時よりも大幅削減だが、引き締まって良いムードだ。これに、撮影者独自の体質感が加味されるかなのだろう。



















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by sakaidoori | 2011-11-16 10:10 | CAI02(昭和ビル) | Comments(0)
2011年 11月 04日

1606) ①「第86回/2011 道展」 市民ギャラリー  10月19日(水)~11月6日(日)

 第86回/2011 道展  


 会場:札幌市民ギャラリー 
      中央区南2条東6丁目
      (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2011年10月19日(水)~11月6日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:10:00~17:30

 主催:北海道美術協会  

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.2)

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 公募展でお馴染みの会場風景です。お決まりのパターンですが、全てはここから始まる。「総合展、お祭り、美術の競争展、集団研鑽、公募展美学、大きいような狭いような美術家集団・・・」、日本広しといえども北海道ほど地域公募展の華やかな場はないでしょう。全ては津軽海峡のせいかもしれない。「海よ・・・はるかな海よ・・」、僕は会場のあまたある作品の向こうに海を見ている。

 知り合いの作風の動向、好きな画家の新たな一面、見知らぬ作品との出会い、そんなことを楽しみにして公募展を見ている。
 沢山の作品群です。気になる作家・作品も沢山あります。以下、適当に個別作品を載せます。「栄通の勧めるこの一点」ではありません。そんなものはありません。皆な皆な面白く、皆な皆な不満でもあるから。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:会友賞 竹津昇、「光陰」・水彩。

 いつも本ブログに登場している竹津昇。今回はとても丁寧だ。身だしなみの整った几帳面な娘さんが後片付けをしたみたいだ。シャツの第一ボタンもしっかり留めて、汗もかかずに淡々と働いたのだろう。
 僕は第2ボタンも開いて、汗の残る人、体臭臭さを余韻に持つ絵を氏に期待していた。今回は違った。
 会友、おめでとうございます。


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     ↑:一般・折目桃子(利尻富士町)、「Return Home」・油彩。

 何年前に大谷を卒業された方だと思う。懐かしい気持ちで見た。多くの学生の作品を僕は見ている。そ多くの学生の、その後を知らない。たった一作ではあるが、強い印象で再開できたことは鑑賞家としては望外の喜びだ。
 画題は学生時代と同じだ。より強くなった。それは公募展を意識したからか、現在のテンションが強いからか?強く大きく一点を見つめる視点が好ましい。


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     ↑:会友・川端摩沙子(小清水町)、「遥か’11」・油彩。

 一応、風景を画題にする若い画家だ。かつて山や岩を描いていた。今回は木だ。彼女の風景の一つ一つは人の擬人化だと思っている。どの画家もそうだと言われればそれまでだ。彼女の場合はそれがストレートの伝わるのが良い。そして、擬人化された画題には「個のセンチメンタル」もないではないが、「集団の中での個のありよう」を模索している。その真摯さが絵ににじんでいるのが好ましい。時に画題を屹立させ、個の独立心を謳ってもいる。
 今回、個と集団を強く和合させている。センチさが薄いのが良い。強く個々を見て皆なを輝かせているのが良い。


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     ↑:新人賞 一般・高橋知佳(札幌市)、「透過する心」・彫刻。

 可愛い作品です。愛おしくなってしまう。
 鉄の皮膚は冷たくても、この一所懸命さが優しく心を包んでいる。その見通せる心に何を見たらいいのだろう。見透かされるその人は、心が痛むのか喜ぶのか。彼氏に見られるのならばいいのだが、路傍の視線にはどう応えるのだろう。
 大量の針金が完璧に人体に収まった。二つの道がある。増殖という不可知性と、完璧さという整合性。作家はどちらを選択するのだろう。


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     ↑:会員・山川真一(札幌市)、「YOKOHAMA」・油彩。

 「山川真一」、道内を代表するカラーマンだ。厚め熱めの色合いで、バンバンと色で攻めてくる。色という燃える力を主張する。誤解を恐れずに言えば、精神性とか雅品として作品を見てはいけない。画題も風景や都市などと変貌する。風景の真相とか、社会や都市の情熱などと見る必要はない。ひたすら色が乱舞する世界だ。色の女神の奉仕者だ。「女心の優しい色調?」、そんなことには目もくれずに、色の響き合う画題を追い求めている。


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     ↑:左側 会員・中原宣孝(札幌市)、「T61stDaM'sB」・油彩。
     ↑:右側 会員・今泉心、「樹」・油彩。

 何と憎い配列だろう。技術の高さ、絵画を追求する向上心は共に素晴らしい。しかし、今の二人には絵に対して微妙な違いがある。違いがあるのだが、こうして並べられると今泉心の遊び心を中原宣孝が引き出している感じだ。

 赤ちゃんの絵は画家の誕生の喜びかもしれない。そういう意味では、愛おしい我が子を表現した絵と語れば事足りよう。いかに巧みな具象画であっても。
 画家のねらいはそうではあっても、絵としてのねらいは少し違うところにあるようだ。画家は具象絵画の遊びとしての好敵手を写真や映像に求めている。自身の絵画に写真性や映像性を取り込んで、トリッキーな遊びを演出している。この絵も、手前の人形を特異な表現にしている。NHKの子供向け童画を見ているような錯覚がある。自分の愛すべき生身の赤児と、絵空事の子供番組、その重なりの中に絵画の可能性を模索しているようだ。


 今泉心、壮大な藪の中の真理を追究していた。スケールの大きな絵から一転して、「石」を描き始めた。本質を、物そのものを見つめることによって、描ききろうとしていた。だが、動かない「石」ばかりに固執していたら、画家自身が「石」になる危険がある。遊び心がなくなる。そこでふっと「石」から「樹」へと視線を上げたみたいだ。壮大さや神々しさからは無縁な「樹」だ。静かな静かな緑の世界だ。


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 あと10作ぐらいは載せたいが、ただただ僕の凡調な言葉が続くだけです。止めにしよう。

 一番最後の部屋は「得陳コーナー」と呼ぶべき空間でしょう。力のある、あるいは可能性のある若手を配列したというものです。その是非はともかくとして、一つの企画展になっているのは事実です。後日、その部屋だけでも続編として載せたいです。
 

by sakaidoori | 2011-11-04 21:55 | 市民ギャラリー | Comments(0)
2011年 04月 29日

1517) 終了「第11回 二科北海道支部展(絵画)」・大同 4月21日(木)~4月26日(火)

  
○ 第11回 

  二科北海道支部展(絵画)
 


 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
    電話(011)241-8223

 会期:2011年4月21日(木)~4月26日(火)
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~16:30まで)

 【参加作家】
 熊谷邦子(札幌市) 飯田由美子(同) 新井千鶴子(同) 中田登(同) 平井久美子(同)  大築笙子(室蘭市) 北田弘美(同) 藤田美華(同) 浅水邦子(同) 薗田郁夫(芽室町) 田中睦子(遠軽町) 柴崎康男(伊達市)・・・12名。 

ーーーーーーーーーーーーーー(4.19)

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          ↑:(3階の風景。)


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          ↑:(4階の風景。)


 全国公募団体・二科の道支部展です。それぞれの作家がそれぞれの思いで大作を出品。札幌在住者が半数以上、女性対男性の比率は3:1、年齢構成は全く不明だが、昨年出品していなかった藤田美華さんがかなり若そうだ。画風に関しては、抽象系が多いとか、リアルな写実追求でもなく、オーソドックスな営みという印象。公募展系という統一感はあるが、目立った統一感はない。

 以下、会場でお話のできた作家、好みの作品を中心にして記します。 
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:新井千鶴子、「楽しい空間 A B」・F100.

 今展一の好みが下のチューブの作品だ。
 小さなチューブが100号という大きさに負けていない。色も小刻みに散りばめられ、ねじれたチューブと一緒になって楽しそうに蠢いている。古き物だって今もしっかり役に立っている、そんな小さな喜びを大きな絵にして誇っている。
 ありきたりの「静物」が100号の大きさでどうなのか?と問われれば、ビンの絵は弱い。おそらく、絵画全体の空間作りと、ビンのボリューム感とがアンバランスに見えるからだ。ビンは楽しく伸び縮みしているのに、遠慮がちだ。
 黒が廻りを覆って攻めている、白がボリューム満点で中央で拡がっている、そしてビンやチューブや色が点景として散りばめられている。そんな案配で絵画空間を問うている。問うているのが真っ先に感じらるのが新井・絵画の面白くないところだ。理知的工夫が先に感じて、感じる楽しみを抑えている。絵の為の空間であって、チューブやビンや新井千鶴子の為の空間とはチョット違うみたい。
 それにしても「黒で楽しい空間を作る」、これは難しい。


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     ↑:藤田実華、上から 「oh-miracle!」・F50、「夢をのせて」・F80。

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 ゴチャゴチャした世界を、落書き感覚で強引に組み立てている。これが若さなのだろう。怖い物知らずの強引さが新鮮だ。
 可愛い系のキャラ顔に似合わない濃厚な画きッぷり、そこがイラストではなく絵画ということだろう。暗い世界での夢見心地、そこでの気ままなお絵かき雰囲気、線描も自由気で溌剌としている。さてこの暗さ、いつまで続くのだろう?


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          ↑:佐々木治子、「黒法師の花」・F100。

 軽い動き、軽い音楽、軽いポエム、そんな日常の中での気軽な気ままさを空間に見る。丁寧なあどけない輪郭線が絵の初々しさと重なっている。
 それにしても全体の暗い色調は何故なのだろう?どこか遠慮がちに絵に取り組んでいるからか?普通にいろんな色を楽しまれたらと思う。そしてもっと気ままになれたら、もっと素敵だろう。更に大胆な気ままな空間・・・それは画家の求めるところか?少なくとも、僕は朝陽のような明るさが増し、のんびりした空気を見たい。


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          ↑:平井久美子、「創世記 Ⅱ」・F80。

 明明快快なシュールな絵だ。あらぬ世界だ。あらぬ世界ではあるが、暗さや妖気や破綻は感じられない。SF小説からヒントを得たような世界で、物語世界を空想して遊んでいる。日常も楽しいが、想像世界も楽しいものだ。そこは何でも自由だから、そんな画家の面持ちが想像される。

 しかし本当に自由か?「自由」、それがこの絵の課題ではなかろうか。シュールなのに、あまりに絵画の約束事に縛られすぎているようだ。
 おそらく、壊れた卵と落下線がこの絵の生命線に思える。全てはそれに縛られ、収束し、ミクロコスモスを形作っている。自由よりも平等さが強い。
 粘着的な画質感だ。光りも強い。だが、発散・開放型と言うより収縮安定型でもある。その安定性が構図の安定を求めすぎた。全ての画題が過不足無く収まった。始祖鳥の躍動感、生命力、意外性も表現し切れていない。全体がオドロオドロした雰囲気を持ちながら、普通に終わっている。SF小説で言えば、明るい未来の最終章という感じだ。ハッとするドラマが見たいところだった。画家は絵画に対して何かを遠慮しているのだろう。心を開かねば!


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     ↑:中田登、左から 「さっぽろ雪まつり」・F10、「ART in ART 11」。

 「雪まつり」の小品に画家の持ち味がでていると思う。ほのぼのとした明るさと優しい世界だ。それに、適度に嘘を絵の中に挿入して遊んでいる。例えば、これ見よがしに旧拓銀ビルの廻りで大きくクレーンが画かれている。こんな風に見えるわけがない。遊びではあるが、この絵画風景が札幌という街の一つの時代の証という心意気だろう。画家の持つ律儀さと優しさや遊び心が程良くマッチしている。
 しかし、大作の何と硬いことか!!「クラインの壺」や娘や老婆にも見える二重像などが画かれている。シュールな人影もある。それらは絵画の遊びだろう。遊びがメインの主題ならば、残念ながらその遊びは伝わらない。原因は画家自身の内発性が乏しいからだ。上手いとか下手とかの問題でなく、画家と見る者の視線が対等ではないからだ。まず泣き笑い苦しむ画家が地平線にいる、その姿を僕らは絵として見る、その対等な眼差しが希薄に思える。
 優しい画家なのに、その体質に合った画題を選ばれたらと思う。


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          ↑:清水邦子。左から 「時空の流れ」、「時空のつなぎ」・共に F80。


 赤だ赤だ、朱だ朱だ。刺激的な絵だ。個展で全壁赤だらけ、そんな空間を見たい。是非!!



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          ↑:北田弘美。左から 「文楽 Ⅰ・Ⅱ」・F100 F80。


 

by sakaidoori | 2011-04-29 19:00 | 大同 | Comments(2)
2011年 02月 21日

1471) ③「2011 第4回 道展U21」・市民ギャラリー 終了・2月10日(木)~2月13日(日) 編集 | 削除

○ 2011

   第4回 道展U21
 
  
    
 会場:札幌市民ギャラリー
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2011年2月10日(木)~2月13日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:

 主催:道展

ーーーーーーーーーーー(2.10)

 (1457①、1470②の続き。)


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          ↑:中村文香(滝川高校)、「自然の音」。

 ググッとくる2人だけの世界だ。
 七色が強い線として満遍なく世界を覆っている。麦わら帽子の麦畑の2人だが、全くの2人だけ。
 2人だけの絵を描いたからといって、2人だけの世界にはならない。完璧に自分だけの世界を描くのは難しい。明るさの中に他者を拒み、メルヘンの向こう側で生きているみたい。


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          ↑:齋藤みなみ(札幌大谷高校)、「確かなこと」。

 こちらも2人を描いた絵だが、2人だけの世界とは違う。喧嘩する姿を誰かに見てもらって、うらやませたい姿だ。そのチョット媚びた姿が微笑ましい。絵を自然に楽しみ、しかも意図的に楽しんでいる。伸びやかな雰囲気が良い。
 「確かなこと」、それは君の気持ちだ。


f0126829_942279.jpg ←:上段
 相澤和奈(石狩南高校)、
 「路地裏にて」。







 ←:中段
 中泉遥(おといねっぷ美術工芸高校)、
 「違法建築ドラドラ」。








 ←:下段
 金子優希(札幌南高校)、
 「愛」。








 三者三様の表現がばらばらだ。主宰者側も、まとまりのある展示に疲れたみたいだ。
 ところが僕はこの偶然が気に入っているし、どの作品も個性的で楽しめる。

 上段作品。四角四面の構図で、正面が壁だから絶望的雰囲気だ。実際、タイトルは「路地裏」とあり暗いムードだ。ところが、壁に立つ少年たちはこちら向きで、壁を背にしている。絵全体も明るく、角張って建物を描いていないので優しい。秘密の楽しい路地裏のようだ。

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 中段作品。僕は線描なりの世界が好きだから、単純にこういう作品は好きだ。細かく描いた部分と、ザックバランに余白を取った部分のバランスを楽しんでいるみたい。ここは右半分を全部細密描写にしてもらいたかった。それの出来る学生だと思う。その代わりに、左半分は大胆な余白を取り入れても良い。さて、どんな余白描写にしようか?

 下段作品。襲いかかる男か、挑発する女か?確かに未熟な絵だ。だが、こういうストレートな「愛」の絵も沢山みたいものだ。今展参加学生の多くは「愛」に「性」に悶々としているはずだ。赤裸々な絵で発散しようではないか。


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          ↑:優秀賞・小川春香(釧路江南高校)、「META」。

 面白い絵だ。タイトルが難しくて僕にはダメだ。顔を越える「顔」?「顔という絵」の彼岸?




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 人物像中心の展示です。
 風景なども挿入して、変化を付けようとしている。心象という共通項かもしれない。しかし、ここは人物で徹底して欲しい。特に具象風景画は似合わないと思った。

 いつになく沢山載せてしまいました。サンクス!グッバイ!

by sakaidoori | 2011-02-21 10:41 | 市民ギャラリー | Comments(1)
2011年 02月 21日

1470) ②「2011 第4回 道展U21」・市民ギャラリー 終了・2月10日(木)~2月13日(日)

○ 2011

   第4回 道展U21 

  
    
 会場:札幌市民ギャラリー
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2011年2月10日(木)~2月13日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:

 主催:道展

ーーーーーーーーーーー(2.10)

 (1457①の続き。)

 第2室以降の記事です。

 4部屋に区切られた第2室に今展の最高賞や優秀賞が続々と展示されている。特に、第1室を見終わったすぐの隣室が、最優秀展示場という趣だ。

 ここで困ってしまった。部屋全体のムードが暗いのだ。これはどうしたことか?
 いわゆる具象表現力というか描写力は確かに高い。高いのだが強烈な色が少ない、派手さがない。具象描写に重きを置くと、色に対して心が大きく開かないのだろうか?


 何はともあれ、最優秀室の風景です。

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     ↑:中央の1点展示が、U21大賞・北本晶子(札幌開成高校)、「NEKOMESHI」。


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     ↑:左側 優秀賞・千葉美佳、「球の内」。

 ノドチンコの上に大事な宝石が載っかってしまった。「サー、どうしよう」と、興奮して体が燃える燃える黄色く燃える、絵筆が止まらない!
 あるイメージが浮かんで、それを下地に描き始めたら、グイグイ・グイグイと球を中心にして終わりなき絵画の世界に没入したみたい。無我夢中な感じが良い。


     ↑:右側 北海道新聞社賞・大門夕莉(札幌国際情報高校)、「Sweet Taste」。

 この絵には困ってしまった。この高校の校外展で既に見ていた。学生自身の説明文に反して、冷たい絵だった。全体が青みがかっていた。描かれていないショー・ウインドウのガラスが、作品と見る人を冷たく隔てていた。学生が断っていたように、未完成だったのだ。
 今作、冷たさはどこにもない。熊の縫いぐるみが暖かく収まっている。作成途上の未完成作品と完成作品とのあまりの違い、180°イメージが逆転してしまった。絵とはそういうものなのか?絵とはそういうものなのだろう!
 大門夕莉、勉強させてもらった。彼女はまだ2年生だ。来年はしっかりと見よう。

 (国際情報高校美術部校外展は②に続くで途切れています。近々書く予定ですので、その時に未完成作品とこの作品を同時掲載します。)


 この部屋は確かに皆な上手い。一切構わず好みを2点だけ載せます。高校生でないのが不本意なところです。


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     ↑:左側 STV賞・永川美保(札幌大谷大学短期大学部)、「さらば就活生、こんにちは社会人」。

 タイトルに反して、これからのサラリーマン(社会人)生活には夢が無さそうな表情だ。それでいて街の風景はふわふわ気分で軽く明るい。「社会生活、夢はないかもしれないが、小さな幸せはあるだろう。街もビルもそれなりに暖かいじゃないか。マッ、イイカ」
 そう、ケ・セラ・セラさ、人生は。絵描きさん、そんな気分を上手く描いているよ。


     ↑:右側 優秀賞・大谷九重(札幌デザイナー学院)、「花を受け入れた人」。

 この部屋全体が少し重いので、こういう絵はホッとする。
 タイトルから判断すれば、求婚を受け入れた人なのか?その割にはちょっとおすましさんのようだ。厳粛な気分を表現したかったのだろうか?
 七色のレースのかぶり物、蝶々のような花のような生き生きさです。



 さて、会場全体からランダムにお気に入りを載せます。10点を目標にします。


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     ↑:優秀賞・田村陸(おといねっぷ美術工芸高校)、「海景」。

 森本めぐみ風の華やかさと、三岸好太郎風の詩情を思った。そして少し夢見心地。これに何とはなしの不思議さが醸し出されたら。
 とにかくカラフルになったのが良い。宇宙の青から、海の青に取り組んでいる。同じ青でもきっとどこか違うだろう。海を描けば、どうしても水平線を描くことになる。空の部分を少なくして遠くに見せ、陸地を強く見せる構図だ。遙かなる水平線。空は七色、そこに鳥が飛ぶ。陸地は楕円形生物がうようよしている。
 見た目の生き物以外に、どこを切り取っても微生物が充満しているようだ。何かをはっきりと描こうとしている。何かを具体的に見ているのだろう。自分を取り巻く空気、見果てぬ空間に、今まではオンブされている感じだった。随分と脱却したものだ。


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          ↑:優秀賞・室谷優歩(札幌大谷高校)、「あっかんべー」。

 顔の汚れ感、表情、仕草、いいですね。こういうリアリズムは大好きだ。何一つ嘘はない。だが、これだけクローズ・アップされると嘘の塊で、嘘から出た誠だ。こちらも涙がでそうだ。


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          ↑:奨励賞・大橋リサ(北海道登別明日中等教育学校)、「春色」。

 けれん味なくイチゴだけを描く。上手くイチゴの形が描けたか?上手くイチゴの色が描けたか?上手く美味しそうなイチゴが描けたか?大きな大きなイチゴは、明るい春色を伝えたか?
 細かいことはよそう。描き手の大きな気分に拍手しよう。


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          ↑:奨励賞・高橋瑞穂(札幌東陵高校)、「手花」。

 さわやかな気分になる。
 個人的にはリアルな手がない方が好きだ。でも、描き手は自分の手にうっとりしているのだろう。ナルシストになっている。そこが人の手のさわやかさを求める僕の視点と、描き手の自分の肉体的美に惚れ込んでいる姿との食い違いだ。ナルシストには負けそうだ。


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          ↑:奨励賞・濱里楓(札幌旭丘高校)、「明日へ」。

 道の向こうに明日を見据えて、そこをしっかり描く、信念を込めて描く。リアルに強く描く。
 縦長の構図は上昇気分だ。
 地平線はかなり下方にある。空を広く取り、その存在を強調したいのだろう。
 視線は下向きになる。顎を下げ気味にして、強く前を見る。
 意外に道を大きく描いてはいない。道そのものよりも、道の途絶える消失点を見定めている。
 
 僕は道の向こうを描いた絵に興味を持つ。それは単なる風景のはずだ。だが人は突き進む方向に何かを思い感じる。それは人の性なのだろう。道を見つめる学生の作品を記録しておこう。


 (続けて③を書きます。)

by sakaidoori | 2011-02-21 09:06 | 市民ギャラリー | Comments(2)
2011年 02月 11日

1457)①「2011 第4回 道展U21」・市民ギャラリー 2月10日(木)~2月13日(日)

○ 2011

   第4回 道展U21
 
  
    
 会場:札幌市民ギャラリー
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2011年2月10日(木)~2月13日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:

 主催:道展

ーーーーーーーーーーー(2.10)

 若者の美術祭典だ。

 会場一杯がムンムンしている。几帳面にびっしりと4段組にしたり、見にくいなんて文句はどこ吹く風だ。関係者はいかに作品を収めるかで大変だっただろう。しかし、作品を素材にした会場構成を人一倍楽しんでいる。膨大な作品を目の前にして、どうしたらいいのか?ああしよう、こうしようと寝床でシュミレーションする。朝起きては元気よく目覚め、意気揚々と一作一作を並べていったことだろう。兎に角応募された作品は全部並べる。優秀賞などの審査は見た目一瞬でバンバンと決めていく。最高賞だけは議論したらいいのだ。ワイワイガヤガヤと留まることなく作品が埋められていっただろう。

 まずは関係者の為に会場風景を載せていこう。


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     ↑:(入り口前の風景。いきなり所狭しと壁壁壁だ。)

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     ↑:(光りを受ける作品、光りを背にする作品。光りなど何するものぞと青春画はそこにある。)


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     ↑:(トイレに行く通路の風景。どこに行くにも作品、作品、作品だ。)


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     ↑:(レストラン前の風景。さて、食事に合った作品かどうか?)


 入り口展示は道幅狭く迷路のようだ。
 受賞作を交えて意外性に配慮した感じ。

 華やいだ作品を紹介します。

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     ↑:副賞・毎日新聞社支社賞・安田千皓(札幌稲雲高校)、「テト リラ パル パタン」。

 ゆきん子と花、そんな絵です。髪の白が大胆でハッとさせられる。


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     ↑:(第1室の風景。)

 関係者ご自慢の第1室だ。壁面作品に各種受賞作が一点もないのが特徴。だから、細かく見ると絵画技術レベルはそれほどではない。何と言っても全体のエネルギーが凄い。女3人よればかしましいと言う。かしましき女性多き兄弟姉妹の若者達だ。
 以下、この部屋からの写真。


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     ↑:伊藤有里(おといねっぷ高校)、「配線すプロジェクト ー蓄音機ー」。

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     ↑:左側 橋爪志奈(北見柏陽高校)、「出入り口」。
     ↑:中央 齋藤潤一(おといねっぷ高校)、「焦燥」。
     ↑:右側 菊池愛美(札幌厚別高校)、「帰路」。

 この組み合わせ、泣けてくるよ。こういうテーマで個人が連作で描くのも良い。


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     ↑:副賞・優秀賞・伊藤ちあき(北海道芸術デザイン専門学校)、「青春カプセル」。

 カラフルで綺麗、それに夢が一杯詰まっている。中には細かく描かれていて、まさに青春賛歌だ。


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     ↑:橋本駿太郎(札幌西高校)、「名画一本 ¥200」。

f0126829_9525159.jpg ←:「ポール・セザンヌ 『リンゴとオレンジ』 ¥200」。

 これは絶対に「タイトル賞」だ。栄通絶賛のホット・ポット・ボトルの現代絵画だ。
 ユーモアととるか、シニカルととるかは貴方任せです。




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 4人の作品。何とも最高です。どれをとるかは好みです。


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     ↑:副賞・優秀賞・佐々木友里花(札幌平岸高校)、「Over flower」。

 川端康成の「眠れる森の美女」です。
 膝も曲げずに、ただ横たわっているのが良い。手に取る人に任せられた生きた人形。耽溺の世界を夢想する。


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 ひとまず第1室を離れましょう。
 この大広間の次は最高賞などのベスト賞グループです。この辺の作品は道展を踏襲している感じです。

 その部屋の様子と作品の記載は次回②に続く、です。

 日曜日までの展示。

by sakaidoori | 2011-02-11 10:19 | 市民ギャラリー | Comments(0)
2010年 03月 05日

1218) 時計台 「2010年 行動展北海道地区作家展」  3月1日(月)~3月6日(土)

○ 2010年 行動展北海道地区作家展

f0126829_9325058.jpg 会場:札幌時計台ギャラリー
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年3月1日(月)~3月6日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 (DMを拡大して確認してください。)

ーーーーーーーーーーーーー(3・2)

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 (個人的記録の為に撮影をしたのですが、撮れば載せたくなり、急遽関係者の承諾をえての記事です。記録の不備や、いざ載せるのなると不向きな写真も多くて、不本意なところです。)

 全国公募展もたくさんあるのだが、やっぱり団体によってかなり違うものだ。僕の見るのは道内作家展だけでの判断だが、全国展はどうだろう。一度集中的に東京で見たいとは思うが、無理だろう。金が無いのはひとまず置くとしても、公募展だけに意識を集中する時間がない。時既に遅しの感がある。

 さて、北海道作家による行動展だ。
 一人一人が絵筆一本で勝負というムテカツさで、まとまりはほとんどない。渡世人集団とは言はないが、「君は君、僕は僕、互いにあっち向いて山を登ろう、すれ違ったら挨拶ぐらいはしよう」。独立展が「人間探求型情熱集団」と言えるとしたら、「朴訥型マイペース集団」か。
 それと、絵のインパクトの強度にかなりの差がある。会員クラスと一般クラスの質の差なのだろう。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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     ↑:会友・近藤みどり(帯広)、「私の花飾学」。

 肉片のような薄気味悪い絵を描く近藤みどり。肉塊という物質的なものと、肉無くしては成り立たない精神世界、その狭間を探求されている方と思っている。女性特有の「肉」への迫り方だ。今作、その「肉」が花弁になり、「花」が生まれた。
 最近は「肉」のグロテスク的表現は薄れ、美しさに傾斜していた。それが一気に「花」になった。


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     ↑:会員・富田知子(札幌)、「渇いた伝言(何処へ)」。

 鎮魂歌ムード一杯の富田知子。上部のラグビーボ-ルの大きな半割が、色が大胆だ。赤が絵を押さえ込んでいる。背景の十字も画面中央ラインを貫いて、安定した構図だ。羽根の表現がちょっと普通すぎて、物足りない。


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     ↑:会友・小笠原実好(苫小牧)、「復活」。

 絵を「綺麗にとか、美しく」とからは離れた作家のようだ。メッセ-ジ性の強い絵だろう。
 「復活」と言えばキリストで宗教色が強いが、そうではないだろう。「大地の復活、男根性の復活」、要するに「力」を求めているのでは。
 画面中央には「鏡」のような反射板がコラージュされている。それは作家の得意とする遊び心だろう。鑑賞者にのぞき込ませるように強いているのだ。


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     ↑:会員・神田一明(旭川)、「凶女」。

 好きな作家だ。
 以前にも見た絵と思うが、どうなのだろう。すくなくとも、氏の「凶女」は見たことがある。その時の印象と違うのは、背景の黄色だ。こんなに具体的な炎だっただろうか?似て非なる新作か、描き足しか、全く同じ作品か・・?。
 氏はベテラン作家だ。誇張満点の人物、乱雑な室内風景、色が背景で荒れ狂う。精力盛んな画家だ。


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     ↑:一般・石川潤(七飯)、「呼吸 Ⅰ・Ⅱ」。

 とにかくエネルギッシュに描く青年だ。その量は相当なものだ。沢山描けるということは、それだけで画家としての才能があるということだろう。実際、この2、3年の成長は著しい。

 さて、石川・抽象画、無手勝流の今展の中では一際(ひときわ)おとなしかった。円環風の画題ではあるが爆発することなく内に沈んでいる。発色を抑えられた色は薄く淡い。右の絵は黒が命だが平板すぎたようだ。黒の探求は続くのだろう。左の絵は形を生みたいのだろうが・・・、もっと失敗した大胆な絵を見たかった。ともに綺麗に収めたいという無意識的美観から逃れられないようだ。それは石川青年の性格だろう。
 小さなまとまりは実に残念なことだ。画家の描きたい意志を連想すれば、いったんは外にエネルギッシュに拡がって、優しく内に収斂される、そういう絵でなくては。
 描きなぐりの壁画を描きたいと言っていた。本当にするべきだ。そうすれば意識がもっと外に行くだろう。人に見せるというよりも、自分の為に体験すべきだろう。


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     ↑:会友・菊池章子(苫小牧)、「メモリー Ⅰ・Ⅱ」。

 可愛いく楽しい絵だ。


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     ↑:一般・真鍋和子(滝川)、「最終回路」 他。

 もう少し色や構図が踊ったら楽しいのに。丹念に線に取り組んでいる。

by sakaidoori | 2010-03-05 12:33 | 時計台 | Comments(0)