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2011年 03月 30日

1487) 「連鎖展 2011 『古畑由里子・展』」ト・オン・カフエ 終了 3月15日(火)~3月27日(日)

○ 連鎖展 2011 


◎ 古畑由里子 

  油彩画展ー静物☆彩りの踊り


 会期:2011年3月22日(火)~3月27日(日)  
 
 会場:TO OV cafe(ト・オン・カフエ)
      中央区南9西3-1-1
       マジソンハイツ1F
      (地下鉄中島公園駅下車。
      北東に徒歩2分。北東角地。)
     電話(011)299ー6380

 休み:会期中は無休
 時間:10:30~22:00
    (日曜日は、10:30~20:00)
 電話:(011)299-6380

      ~~~~~~~~~~~~~

◎ 秋山久美子 油彩画展ー風のうまれるところ

 会期:2011年3月15日(火)~3月21日(月)

ーーーーーーーーーーーーーーー(3.27)

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 「彩りの踊り」を期待して見に行った。否、「乱舞」していると思いこんでいた。その先入観は外れた。さわやかでオーソドックスな風景画と、適度に色を散りばめた落ち着いた静物画が主流だった。

 画家は公募団体・道展を中心にして画業を積んでいる。そこは大作の一点勝負の場だ。
 画風は具象画なのだが、静けさからは遠い。筆跡は生っぽく、色は激しくせめぎ合っている。当然光りも溢れている。画題は家族というか親族が多いのではなかろうか。激しい筆致で大事な人達を包みこもうとしている。「学生的な若さ一杯な絵」と言えばいいのか。

 今回は喫茶店ということもあり、激しさを抑えて小品で心暖まる雰囲気を出したかったみたいだ。というか、公募展の制約から離れて、落ち着いて画題に向き合い、個展として静かな世界にしたかったみたいだ。
 僕は「カラー・ウーマン」だと思っていた。色に助けられ、色の魅力を大事にする人と思っていた。画家に「セールス・ポイントは?」と気楽な気持ちで尋ねてみた。てっきり「色です」という返事を予期していたのだが、逡巡するばかりで返事がこない。・・・。「しっかりとセールス・ポイントを言えるようにしておきます」とほほ笑みが返ってきた。

 濁ることなく明るく色乱舞する世界、エネルギーを色と光りに変え、色と色のすき間に更に色を重ねる、そういう画家だと思っていた。もしかしたら明るく静かで優しい絵を求めているのかもしれない。さて・・・。



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          ↑:「春の踊り」(三角帽子より)・F10。


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 上の2作が僕好みです。
 「春の踊り」、ピンクが眩しい。
 下の作品、小さいのに色一杯で感心した。




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     ↑:左側 「踊る彩る麦桿ロールの家」・F20。右側 「四角い籠のマルメロ」・F10。 



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          ↑:「大空町にて」・S4。



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     ↑:左側 「夜行バス」・F6。右側 「冬の胡蝶蘭(裏)」・60×30。



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          ↑:「花と彩り (三角帽子より)」・F4。

 

by sakaidoori | 2011-03-30 22:33 | (カフェ)ト・オン | Comments(0)
2009年 12月 07日

1109) ①北広島市芸術文化ホール 「はこ展」  11月20日(金)~11月29日(日)

○ はこ展

 会場:北広島市芸術文化ホールギャラリー
     北広島市中央6丁目2番地の1 
     (JR北広島駅東口4番出口、徒歩1分。
      札幌駅から当駅まで快速で16分。)
     電話(011)372-7667

 会期:2009年11月20日(金)~11月29日(日)
 時間:10:00~18:00 
    
※ 作家によるギャラリー・トーク ⇒ 11・21(土) 13:00~

 【参加作家】
 田村陽子 西山省一 橋本祐二 林玲二 森迫暁夫 脇坂淳
 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11・25)

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 会場はJR北広島駅の東口の敷地内で、特徴のある建物ですぐわかります。
 そのドーム風のスタイルが何とも大仰な感じがしないでもありません。アッそうか、広島の原爆ドームを意識したのか。そう気付くと北広島市の心意気を伝えているよで、これはこれでいいのだろう、そんな感じで建物へ。
 中は綺麗で広々としている。入り口右側に図書館があります。書架も低く、ショッピングのような開放感、蔵書もしっかりしていて一見の価値があります。

 何も考えずに入り口から円形のホールを真直ぐに進むと展覧会会場です。
 ホールの円さに反して完璧長方形です。一番の特徴は天井の高さです。この高さが無味乾燥になりがちな四角さを生かしていて、明るさ清潔感と交わって市民的な公共空間を作っています。近代建築の持つ冷ややかさに不満を持つ方も居るかもしれません。ですが、この広さは立体作家には喜ばれるでしょう。

 「栄通記」初登場の会場ですから、前置きが長くなりました。

 さて、「はこ展」です。

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 「はこ」にこだわったテーマ展です。「はこ」をどう理解するかは自由。当然「箱」が主流のようですが、そんな常識で全てが終わるようでは芸術作家の名前が泣きます。
 何より好ましいのは、与えられたテーマによって、普段と同じ制作をしながらも作家心の可能性を広げていることです。芸術は自立自尊、独創性が常に問われますが、半強制的枠組みが作家自身の枠を開くことがあるのです。その小さな事例を本展で見る思いです。

 それぞれは知的な側面を備えた作品群です。正面から眺めてスッキリしたというものではないので、多角度から写真を載せたいのですが6人という中所帯、そのさわりだけでも伝えれればと思います。

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 ↑:西山省一(1960年 札幌市出身)、「古代の鳥かご」。

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 上掲作品、ネーミングが素晴らしい。右から「ハコロガシ」、「ハコンドル」、「ハコガネムシ」。特にハコロガシとハコンドルは今年の栄通ネーミング大賞です。ただただ「ハ」を入れただけで、ただただ箱の作品を作っただけで、人の心に残るなんて。美術は作品そのものだけで語る時代ではない小さな小さな証です。
 作品自体は「ハコガネムシ」は色もあっていいのですが、余りにも普通で、箱の上に乗る鳥の「ハコンドル」(箱・運ンドル)の超常識を超えるものではないようです。


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     ↑:脇坂淳(1961年 羽幌町出身)、「The Seed -二つの種ー」。

 籠二つがザ・ピーナッツみたい。中の丸い球には文字が張られていて、見る人のイメージを強引に作家の方に引っ張ろうとしています。おそらく、生命や社会と同時にそれらの桎梏のようなものも表現したいのでしょうか?今作の文字は作品との一体性が強くて、読むものの意識を膨らませるのには不成功と思いますが、真面目で真摯な作家だと創造されます。


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     ↑:橋本祐二(1953年 網走出身)、「内にあるもの、なにもなにも」。

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 ガラスアートです。
 自己の展示空間を斜線という直線、箱形のL字形で切っている知的行為に着目すべきでしょう。
 ガラス作品は中は光を湛えた曇りガラス状で、中から表皮やボディーを美しく着飾るというものです。そして白と黒の対比、インテリア感覚ですが知的操作が心憎い。


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 思いの外長くなりました。久しぶりの続編スタイルということで。(②に続く。)

by sakaidoori | 2009-12-07 09:36 | 【北広島・由仁】 | Comments(4)
2009年 08月 09日

1061) ②アトリエムラ 「第2回企画展 Girls美Ambitious!」 終了・5月17日(日)~8月7日(金)

○ 第2回 特別記念企画
    [Girls美Ambitious!] 


 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    電話(011)590-0050

 【参加作家】
 ASADA 曾田(アイタ)千夏 竹内明子 麻生知子 松隈無憂樹 三木サチ子 

ーーーーーーーーーーー(8・6)

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 学生が1名、道内出身者が2名、東京造形大学関係者が5名、全員が美術大学卒業あるいは現役。現住所は日本各地。20歳代が4名、30歳代が2名で全員が女性です。


 以下、年齢の高い順に載せます。

○ ASADA (アサダ)の場合

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     ↑:左側、「the2-16wld (ASADA's maternity dress collection)」。
     ↑:右側、「骨まで(ASADA's ceramic underwear collection)」。

   ・1971年 神奈川県生まれ。


 何とも勇ましい作品だ。
 「少女よ、大志を抱け!」、そんなことは当たり前なのだと言いたげだ。
 「女よ!闘え!鎧をまとって裸で闘え!!」と、同性を鼓舞している。男を挑発している。


 焼き物に着色して、ビキニ・スタイルのコスチューム。硬くて重い。
 性器から妖怪が出ている姿などはアニメやマンガでお馴染みだ。しかし、こうして等身大にして、販売スタイルの女性用コスチュームを目の当たりにすると、一本取られた感じだ。見てしまえば「これも在り!次はどう攻めてくる?」と聞き返して、こちらも防御を固めよう。

 サイケ調、装飾過多は日本美との競合を思う。作品集には床の間に飾っていた写真があった。
 作品が外に向かって発展していくとしたならば、装飾やデザインを大胆にし、展示方法の工夫によって現代消費社会とトリッキーに追走するしかないだろう。追走とはいってもあらん限りのパワーが必要だろう。

 写真の左側の作品、マタニティー・ドレスだ。作家の妊婦状態での体形が埋め込まれている。飾りじゃないドレスとの一体感。防御に攻撃に、このパンツはたくましい。


○ 三木サチコ(①に紹介済み)。

○ 曾田千夏(アイタ チナツ)の場合

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     ↑:左側、「katari-jima 2009.5.11」。

   ・1980年 札幌生まれ

 地元作家の曾田千夏。ファンも多いと思う。
 淡く物憂げなカタリジマだ。かつての勢いは影を潜め、ファンタジックとの境界をたむろしている。


○ 麻生知子の場合

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     ↑:「焼きとうきび」。

   ・1982年 埼玉県生まれ

 北海道をイメージした作品だ。嬉しいですね。
 どこか昔懐かし、というイメージ画というかアニメ風だ。焼きとうきびやジンギスカンやビールは作家のレトロ趣味に溶け込んでいる。大仰な絵でなく、等身大の日常用語絵画を目指しているのだろう。大作はより物語の強い絵かもしれない。絵本も好きかもしれない。

 ところで、作家は実際に北海道に春先に来て、帰られたと思う。少ない期間かもしれないが、北海道のイメージをより広くしてくれただろうか?ジンギスカンにビールに焼きとうきびだけではあまりにも寂しい。そういうレッテル風景で満足できる作家ではないだろう。


○ 武内明子の場合

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     ↑:「窓が寒い日」

   ・1983年 熊本県生まれ。

 面白い絵だ。タイトルを読まないと何を画いているのか分かりにくい。もっとも、「無題」でも構わないのだが、それでは作家の方が心落ち着かないだろう。
 本州の若い画家の今風のスタイルだろうか?淡く丸みを帯びた面の世界、児童画的亡羊感たっぷりだが、しっかりしたボリューム感がある。静かに惹きこませる作品だ。和みもする。こちらも等身大のイメージだ。

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     ↑:「藻岩山」・2009年 パネル ミクストメディア 297×420mm。

 こういう藻岩山を描いてくれるとは嬉しいものだ。
 一応は風景を画題にしているようだ。物を描くというよりも、場の空気に感応して、心を画くという感じだ。小さくてもキラリと光る何かをつかもうとしているみたい。



○ 松隈無憂樹 (マツクマ ムウジュ)の場合

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   ・1985年 東京都八王子市生まれ、札幌育ち。


 心の中の虫と闘っているみたい。

 普段はその虫たちと遊んだりお話ししたりしている。外からみれば空想的な一人遊びをしているみたい。ところが、本人にとってはあまりにリアリティーのある虫なのだ。いろんな虫がいる。はしゃぎ虫、笑い虫、ふさぎ虫、憂鬱の虫、怒り虫・・・綺麗な虫もいる、気に入らないからあまり関わりを持ちたくない虫もいる。

 こちらが強い場合はいやな虫を解剖して、その体内をのぞいてみたりもする。
 逆に、ふさぎ虫に心が占領されたら、ただただ丸ばかりとか、四角ばかりとか、意味の無い絵を画く事に耽ってしまう。
 ・・・、そんな風に松隈・絵画を見た。名前は「憂いる樹の無い人」とあるが、ちょっとしたはずみで憂い100%になるのではないか。テーブルに置かれた作品集のドローイングは、そんな虫たちとの語らいの日記のようだ。

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by sakaidoori | 2009-08-09 18:15 | (カフェ)アトリエムラ | Comments(0)
2009年 08月 09日

1060) ①アトリエムラ 「第2回企画展 Girls美Ambitious!」 終了・5月17日(日)~8月7日(金)

○ 第2回 特別記念企画
    [Girls美Ambitious!] 


 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    電話(011)590-0050
  
 会期:2009年5月17日(日)~8月7日(金)
 休み:火曜、第4水・木曜
 時間:10:00~19:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 19:00~20:00。

 【参加作家】
 ASADA 曾田(アイタ)千夏 竹内明子 麻生知子 松隈無憂樹 三木サチ子 

ーーーーーーーーーーー(8・6)

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 最終日近くに初めてアトリエムラに行った。

 古い民家だが、見事に今風に改造している。
 ギャラリーの位置は2.5階、頭上から光がサンサンと注いでいる。南向きの明り取りが細長く横に並んでいる。三角天井、柱や梁は会場を狭くきっているのだが、部屋の清潔感と光と重なりあって飾りにもなっている。
 四角四面の部屋に満足できない作家にとっては、ワクワクするかもしれない。立体による空間造形やインスタレーション作家には一見に値するだろう。
 (訪問が遅くなったことが悔やまれる。)
 
f0126829_1294893.jpg 喫茶室はわずかに階段を降りたワン・ルーム、ぐるりに美術資料などが並び、大きな円卓テーブルが一つだけ。
 そして、1階は単に入り口とスタッフ・ルーム。  
 玄関先には2台分の空き地があり、白い長方形の枠がギャラリーの入り口と思いがちだ。そこを開けた時、関係者が作業をしていた。今は倉庫のような空き室で、入り口は普通の玄関を開けて入ることになる。


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 作家は若き女性ばかりの6名。(以下、敬称は省略。)

 上の写真の立体作品は三木サチコ。部屋の様子がわかるし、普段見慣れない作品だから彼女中心に載せます。


○ 三木サチコの場合

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     ↑:「butteryry」・FRP 塗料(以下同じ)    。



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     ↑:「sorry≒thanks」・2009年 950×350×350mm。



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     ↑:「bean」・2009年 300×150×150mm。



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     ↑:「sprout」・2008年 500×350×350mm。 


  1974年 群馬県生まれ
  2001年 東京造形大学(彫刻)研究生修了

 昨年の芸森の「高橋コレクション・展」の会場にぴったりだ。何ともいえない幼児性は「ネオトニー」だし、仕上げ具合の綺麗さ巧さは彼等と共通している。実際、その時の加藤泉・作品は同じ腹から生まれた男兄弟のようだ。


 グロテスクで可愛い生き物たちだ!

 「目」に対する感覚が独特だ。目は心の窓というが、彼女の場合は目が五感の全てになっている。目・口・耳・鼻・肛門・尿口・産口と人体と外界を結ぶ穴を「目」が分け隔てること無く機能しているのだろう。男の文節的思考に対して、目に象徴化させて全てを全体的に受け止め、感じ、表現しようとしている。目と皮膚が生きものの証のようだ。

 作品の目は泣き笑い喜びの涙をたたえている。目に何かが刺さったように見えるが、目が何かを出したり産んでいると見たほうがいいようだ。
 作品を見た瞬間は「目に刺している」という感じで耐えがたいのだが、人形の仕草の愛くるしさ、裸の可愛さ、肌の艶やかさや美しさをみていると、「非人間的な生きもの」に対して感情移入が起こってしまい嬉しい戸惑いにふけってしまう。作家の「裸」の感受性に驚いてしまう。



 (全体の感想と簡単な個別作品は②に書きます。)

by sakaidoori | 2009-08-09 12:40 | (カフェ)アトリエムラ | Comments(0)
2008年 10月 07日

776) JRタワーARTBOX 「伊藤隆介 [Lift Off]・他」 8月1日(金)~10月30日(木)

○ 伊藤隆介 20080801
  スリーズ・リアリスティック バーチャル  #020
    [Lift Off] [Dance Floor]

 会場:JR札幌駅東コンコース・JRタワーARTBOX
     中央区JR札幌駅構内
     (地上東コンコースの西壁面。東改札口の南側)
     問合せ・電話(011)209-5075
 日程:2008年8月1日(金)~10月30日(木)
     (会期中無休)
 時間:7:00~23:00

 次回予告:熊澤啓子 国松明日香
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(10・4)

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     ↑:朝7時頃のJR札幌駅東改札口の南側風景。

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     ↑:右側の広告ボックスは数秒毎に画面が変わる。伊藤・映像もその中にこっそりと入り込ませてある。


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     ↑:左から、[Lift Off] [Dance Floor]。



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          ↑:① ボックスの中の小道具。
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          ↑:② 同。


 シリーズ「リアリスティック バーチャル」のことを、さらに今展の作品の概念を次のように説明しています。
 「バーチャル・リアリティーという言葉を逆転させた伊藤隆介の造語。現実社会における、メディアの運んでくる仮想的なイメージの大ざっぱさ。
 メディア社会におけるリアル/非リアルの感覚について視覚的・詩的批判を試みるビデオ・インスタレーションの試みです。
 ・・・社旗風刺だけがテーマではなく反復運動を繰り返す模型と映像に作者のユーモア感覚を見出して、心遊ばせ、日常の視点を少しずらすだけで、どんなインスピレーションを得ることが出来るのか、・・・。」
 駅の道を歩む人達に「アート」を楽しんでもらいたいと最後に語り、文を結んでいます。おそらく端聡氏の文章でしょう。


 作品は広告ボックスに収まっていて、「広告」あるいは「通路の飾り」といった感じで場に収まっています。道を歩いていて、取り立てて作品に目が止まるというインパクトはありません。映像の特殊撮影の内幕を覗かせるような作品ですから、作品の「仕掛け」に気付かされた人には心地良い刺激をがあるでしょう。ですが、見た目ののインパクトがあまりに無さすぎて、単なる風景に終わってしまいそうです。

 作家は作品のインパクト性を否定したいのかもしれません。
 それと、今作には映像に写されない小道具が余りに多くて、本当に広告ボックスの一齣のように使われていることです。写真①、②がそうです。映像には全く関係ありません。そういう意味では今作は、この広告ボックス全体が通路(公共空間)において、どのような姿を見せるのかを、作家自身が楽しんでいるようです。
 日常と仮想という対立的な視点もさることながら、日常そのもののリアル感のなさ、仮想の裏側を「知らしめるという行為」に、映像作家としての楽しみとエネルギーの源泉のようなものを感じました。


 最後になりましたが作品の説明です。
 左側の[Lift Off]。
 固定されたゆっくり揺れている買い物カートをクローズ・アップ気味に撮影。背景の雲を描いた青空と、手前の綿による雲は回転していて、前後の雲が動くことによって、カートが動いているように見えます。「青空に浮かび走っている買い物カート、明日に向かって夢は空を走る」。
 買い物カートではなく、ウルトラマンが飛んでいる作品を見たことがあります。その永久反復運動に笑いを超えて哀しくなったのを覚えています。

 右側の[Dance Floor]。
 本をコピー中のコピー機は固定されています。それ以外が左右に揺れています。それ以外とは散らかった用紙であり、窓の外のビルディングの風景であり、壁に掛かった展示品であり、カメラ自体です。その結果、映像は地震によりコピー機だけが左右に揺れているように見えます。
 コピー機だとか、その中に挟まった本だとか、手作りの好きな「伊藤隆介だ」と言っているようです。コピー中の光が稲妻のようでリアルです。


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     ↑:近くに設置されている作品。浅見和司、「Legs “旅人の残像”」・2003年 ステン 塗装 250×330×95cm。



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by sakaidoori | 2008-10-07 15:13 | JRタワーARTBOX | Comments(0)
2008年 09月 29日

768)HOKUBU記念絵画館「萩原英雄・展  abstrct only」 終了・4月24日(木)~9月28日(日)

○ 萩原英雄・展
     abstrct only

 会場:HOKUBU(ホクブ)記念絵画館
     豊平区旭町1丁目1-36
     電話(011)822-0306
 会期:2008年4月24日(木)~9月28日(日)
 開館日:毎週木・金・土・日曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般300円、小中生200円 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9・28)

 いつでも行けると思っていたら最終日になってしまいました。
 幸いにも館長にお会いすることができ、それ程の会話を交えることはありませんでしたが個別作品の紹介の許可を頂きました。有難うございます。
 会場のムードと個別作品を紹介したいと思います。

 会場は2階と3階が展示室です。今展は2階からの観覧です。比較的古い作品が2階の展示ですが、編年別にはなっていません。


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 ↑:以上が2階です。真ん中に横壁があって、部屋を二分しています。ソファーのある部屋が奥の広々とした空間です。左周りに見ていくことになります。

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 ↑:3階の入り口左側。テーブルの左側には本棚があります。ビデオも見れるようになっています。しっかりと萩原英雄氏の説明ビデオを見てきました。

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 ↑:以上が3階です。


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 (↑:クリックして大きくして下さい。)


 パンフレットには「近代の木版画を切り開いた祖」とあります。
 
 1913年 山梨生まれ。
 1938年 現・東京芸術大学美術学部油彩学科卒。
 1953年 結核療養中に年賀状の為に始めて木版画を制作。
 2007年 逝去、享年95歳。

 輝かしい画歴は木版を始めてからの成果だ。木版以前の荻原・油彩画がどの程度の力量で、どう評価されていたのかは知らない。木版を知ることにより、木版の制約を油彩画家の立場から克服していく過程が木版の可能性を広げていったようである。

 木版の制約?
 ① 木版凸版の平面さ。いかに油彩画のように深みのある画質を表現するか。
 ② 木の木目による鑿跡(線描)の方向性の制約。等々。

 それらの課題は棟方志功のように、強く刷られた色が裏に滲んでくるのを利用した「両面刷り」や、ドライ・ポイントなどの西洋凹版の技術を応用すること、小さな版木をコラージュの様にランダムに張り合わせたりして、色の深みと自由さを確保していった。その成果が各種の受賞へと評価されたようだ。

 一方で、キャンバス油彩への不満が浮世絵以来の木版画の伝統を踏襲することによって画家としての可能性が開けていったのだろう。キャンバスの万物創造と自己愛(画家が神になること)の窮屈さから、日本美への回帰として。パンフレットは「装飾的な平面の空間」創造と指摘している。

 追憶シリーズが明瞭だが、編年的に作品を追っていくと「土に還る」という意識が濃厚のような気がする。今荘義男氏を思った。
 技法の発明は先駆者としては讃えられるべきだが、今となってはそれだけでは後世に残らないであろう。技法を発明しなければ表現できない「荻原・ワールド」が大事なのだろう。
 わずかばかりの鑑賞で好き嫌いは言えても、それ以上の事を語る能力は僕にはない。識者の意見を聞きたいところだ。
 再び北武記念絵画館で展覧する機会があると思う。以上はその時の為の個人的メモだ。


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 ↑:「パリス(ギリシャ神話より)」・1996年 38.0×53.0。

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 ↑:「お伽の国(No.3)」・1966年 55・0×80.0。
 自由な線を木版で追求しようとした作品。
 上の絵、どこかミロの版画との近似を思う。
 木版画の線の自由度の確保。古代中国の書家は木簡の筆の制約性(例えば、横線は木目の抵抗にあい、力強い線が出来る。)からの開放を紙により自由さを実現した。四方八方への筆の自由な運びは書の成立となった。なぜか、その類似を連想した。


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 ↑:左から、「白の幻想(2)」・1962年 86×59。
   「古代の唄(No.1)」・1965年 90×60。


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 ↑:左から、「古代の唄(No.9)」・1965年 90.0×60.0。
  「追憶(No.1)」・1986年 54.0×72。
 背景のぶつぶつ模様は表に刷った色が裏側ににじみ出た色だと思う。深い色合いや空間表現の基礎になっている。
 
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 ↑:左から、「砂上の星(No.16)」・1983年 90×60。 
   「追憶(No.4)」・1987年 90×60。


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 ↑:左から、「追憶(No.6)」・1988年 90×60。
   「追憶(No.17)」・1994年 90×60。


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 ↑:左から、「追憶(No.19)」・1995年 90×60。
   「追憶(No.20)]・1995年 90×60。

by sakaidoori | 2008-09-29 22:09 | ☆北武記念絵画館 | Comments(0)
2008年 08月 31日

745) 円山・CAI 「黄宇哲・展」 終了・8月20日(水)~8月30日(土)

○ 黄宇哲・展

 会場:CAI現代研究所
     中央区北1条西28丁目2-5
     (1条通りを走り第一鳥居を抜け、次の広い環状線を横断。直ぐの左側の中小路に入り、50mほど先の右側、コンクリートの一階建て。)
     電話(011)643-2404 (13時以降)
 会期:2008年8月20日(水)~8月30日(土)
 休み:定休日が日曜日
 時間:13:00~19:00 

 主催:CAI現代研究所
 協力:コンチネンタルギャラリー(樽野真生子、閔 鎭京)

※ オープニング・パーティー:8月20日(水) 18:20~
    (作家本人が来場しますので、お気軽にお越し下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・30)

 1963年 韓国・全羅南道 麗水生まれ。
 1987年 ソウル大学校美術大学絵画科 卒業。
 1989年 ニュー・ヨーク大学校美術大学院 修学。
 1991年 PLATT大学校美術大学院 卒業。(Master of Arts学位)
   現在 45歳


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 四角い部屋の4つの壁への展示。抽象画、人物画、性描写の3部構成。
 欧米の正当美術および現代美術ををしっかりと身につけて、男らしく力強く表現しているという感じです。今の若い日本人にはできそうもない男振りがあります。そういう意味では少し古拙な感じもします。

 例えば、抽象絵画は余白美や東洋美を偲ばせるサム・フランシスを思います。もっとも彼は東洋人ですから、西洋人の感じた東洋美を見て、自信を持って自己の美意識を追求していると言った方が良いのでしょう。
 性描写はピカソを思います。ピカソの場合は先天的に持っている性への憧憬と、死に近づく自分自身を奮い立たせようということがあったと思う。彼の場合はどこか健康的です。日本人の性は情緒的で、中国人は貴族が愛玩物をもてあそぶような所があります。韓国人の性への認識はどんなものでしょうか?
 人物画、これだけ見たら僕には彼の価値は不明だったでしょう。基本的に表現主義的な勢いと、自信に満ちた画家の精神を感じます。若い韓国という国を体現しているような作家です。


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 ↑:今展で最も好きな絵です。確かロダンだったか、「接吻」だか「抱擁」というブロンズ作品があったと思います。それを思い出しました。
 若々しい健康美、女性への素直な愛情、性への尽きない恋慕を思いました。同時に構築的線描の世界です。


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 ↑:作品も余白を意識した作品ですが、全体を組み作品の絵画と見立てて、壁の白を余白美として鑑賞しました。
 熱き抽象とまでは言えないのでしょう、元気の良い抽象絵画です。
 この絵に何を見るか?画家のイメージ?美意識?色と面としての骨格と構成美?僕には正統的西洋画への親和性を感じて距離感を覚えました。要するに、絵画研究の一里塚的作品と理解しています。
 彼はまだ若い。どういう形でオリジナルを表現するかが楽しみです。


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 ↑:人物画。というか顔顔顔顔・・・、です。こういう絵を評価する能力は無いのですが、好きな顔が沢山あります。
 日本人が過去に西洋絵画で取り組んだ痕跡を感じて、親しみがわきます。


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 ↑:ドローイング的性表現。

by sakaidoori | 2008-08-31 23:35 | CAI(円山) | Comments(0)
2008年 08月 25日

739) セントラル ②「2008 日本画の「現在」展(企画・柴橋伴夫)」 8月12日(火)~8月17日(日)

○ 2008 日本画の「現在」展
    『北に大地より新しい波(ウェーブ)
     日本画の今と「未来」を問う』

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:2008年8月12日(火)~8月17日(日)

 【参加作家】 (性別 出生年・出身地 推定年齢 学歴等 現住所)

 駒澤千波  (女性 1980年札幌 28歳 道教育大学 札幌)
 朝地信介  (男性 1976年函館 32歳 道教育大学 札幌)
 羽子田龍也 (男性 1970年東京 38歳 東京芸術大学 岩見沢)
 平向功一  (男性 1964年函館 44歳 道教育大学 札幌)
 西谷正士  (男性 1963年金沢 45歳 金沢美術工芸大学 登別)
 小林文夫  (男性 1955年京都 53歳 北大理学部 札幌)

 伊藤洋子  (女性 1953年札幌 55歳 道女子短期大学 札幌)
 笹山峻弘  (男性 1946年礼文 62歳 札幌工業高校 札幌)
 羽生輝    (男性 1941年東京 67歳 道学芸大学釧路校 釧路)
 内崎さき子 (女性 1937年江別 71歳 東京にて修行 江別)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・12)

○ 駒澤千波
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 ↑:「昼が一番長い日に」・175.0×110.0cm 3枚組み。

 作家の言葉によると、「境界をテーマに制作しています。境界とは『物と物とが相接する箇所』であり、私は『二つの世界が交差する瞬間』だと解釈しています。夢とうつつ、意識と無意識、日常と非日常など、ふたつのものや世界が繋がる瞬間ということに興味があり、それを表現したいと考えています。・・・。普段見慣れた場所や時間に突如違和感を覚える瞬間、視点が変わることで生まれる、新しい世界の境界。そんな不思議な心地良い感覚を表現したいという思いが、現在のテーマの原点になっています。」

 以前の絵画はその境界を、中央の人物を覆うようにして表現していた。その黒はまるで背後霊・守護神のような雰囲気だった。色を魅せる駒澤絵画が変身し始めた。それ以来、以前のような天真爛漫な動物達の姿は可愛く登場しているのだが、どこか遠慮がちだ。しかし、黒そのものの境界は魅力的だった。
 今展では「水」にこだわっている。技法と表現の発見・追及の痕跡だろう。

 ところで、境界をテーマにすることと、画面全体が渋く暗くなることとは別のことだと思う。乱舞する色の世界でも境界はあるし、表現できると思う。カラー・ウーマンである作家はぐるぐる廻っている。黒に磨きをかけ、水に思いを致し、再びカラーの世界が見れるかもしれない。そして、再び暗くなるかもしれないが。


○ 朝地信介
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 ↑:「成長する構造 Ⅲ」・181.8×227.3cm F150。

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 ↑:「或る表現型 Ⅰ」・97.0×162.0cm M100。


 大きな絵だ。
 意力、気力、充実した絵だ。何よりも、その「男ぶり」が良い。
自分自身のイメージがどこまで膨らむかを試しているようだ。膨らんでいく自分のエネルギー。画家だからそれが形となる意味を問わなければならないのだが、まずは吐き出す、形にさせる、その「形」の生命力を楽しんでいるようだ。

 画家はウイットに富んだ面を持っている。今はそれらは裏に隠れている。もう一つの彼、ユーモア精神の「朝地信介」は大蛇の如き作品の前で何てつぶやいているのだろう?ニヤニヤしてその出番を待っているだろう。その時はより壮大なドラマが展開するかもしれない。


○ 羽子田龍也
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 ↑:中央の大作は「曇天の日陰の中で」・2007年(院展入選作) 181.8×227.3cm F150。
 左側は、「WEAPON」・127×99cm。右側は、「TOY」・同。

 作家の言葉によると、表現の移行期と正直に打ち明けている。
 今回の展示作品、見事な風景観照画と女と小道具による今風様式だが、決して挑発的な意図ではないとのこと。
 図録にも紹介されているが、以前は「風景画」を描いていた画家だ。北海道に住んで2年(現在は教育大学岩見沢校の日本画研究室で教鞭をとられているのでは)、飽きることなく北海道の自然を描けると思ったのだが、自然に対する興味が薄れたとのこと。現実の北海道の風土を前にして、風景感が変わったのだろう。
 そして、不得手であった「人物画」に描きたくて仕方がなくなったと語っている。「『憧れ』の移行期」とも語っている。

 問題は「憧れ」としての画題の移行が、「憧れ」る自分自身への眼差しの深度であり、それがどう絵として表現されるかだろう。
 直ぐには結果は出てこない。
 31歳という若さで、春の院展に入選した実力者である。揺れる「羽子田龍也」の展開を楽しみにしよう。

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○ 平向功一
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 ↑:左から、「ワンダーランド ~カメレオンアーミーの逆襲」・162.0×162.0cm S100。「ワンダーランド」・116・7×91・0cm。「ワンダーランド ~竜宮への招待状~」・145.5×145.5cm S80。

 「ワンダーランド」、誰も居ない闇夜の遊園地?動物園?。
 面白く、どこか冷ややかで「人間」を寄せ付けない動物達。
 動物の「目」がこちらを見ている。黒く輝いて・・・。

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○ 西谷正士
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 ↑:「間垣の里」・130.3×324.0cm。

 作家の言葉に「道」をテーマに制作しているとのこと。
 画家が「道」を描いていたのは知っていた。
 今展の大作も「道」を描いている。僕が画家に求めていたもの、期待していた道とは違っていた。今作は風景の一部としての「道」であり、「風景」全体を問い直すという感じだ。

 僕の「西谷・道」への親近感は、描かれた道に寄り添うように、あるいは道の向こう側に言い知れぬ別の世界があるかのような描きぶりにあった。その絵画空間は黄泉に続いているようで不安で胸が締め付けられたこともある。絵の中に別次元の空間を感じる喜びでもあった。

 今作は、絵画的空間よりも「時間」を重視しているようだ。今、風景としてそこにある存在(自然)の力強さ、尊厳。それは今作られたのではないのだ。人が関わり、時ともに成ったのだと主張しているようだ。
 全体の存在の重さの為の「道」のようだ。

 他の5名は③に続く

by sakaidoori | 2008-08-25 12:18 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2008年 08月 21日

738)セントラル ③「2008 日本画の現在・展(企画・柴橋伴夫)」 終了・8月12日(火)~8月17日(日)

○ 2008 日本画の「現在」展
    『北に大地より新しい波(ウェーブ)
     日本画の今と「未来」を問う』

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:2008年8月12日(火)~8月17日(日)

 【参加作家】 (性別 出生年・出身地 推定年齢 学歴等 現住所)

 駒澤千波  (女性 1980年札幌 28歳 道教育大学 札幌)
 朝地信介  (男性 1976年函館 32歳 道教育大学 札幌)
 羽子田龍也 (男性 1970年東京 38歳 東京芸術大学 岩見沢)
 平向功一  (男性 1964年函館 44歳 道教育大学 札幌)
 西谷正士  (男性 1963年金沢 45歳 金沢美術工芸大学 登別)

 小林文夫  (男性 1955年京都 53歳 北大理学部 札幌)
 伊藤洋子  (女性 1953年札幌 55歳 道女子短期大学 札幌)
 笹山峻弘  (男性 1946年礼文 62歳 札幌工業高校 札幌)
 羽生輝    (男性 1941年東京 67歳 道学芸大学釧路校 釧路)
 内崎さき子 (女性 1937年江別 71歳 東京にて修行 江別)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・12)
 
○ 小林文夫
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 ↑:左から、「叢」(くさむら)、「寒」・ともに180×130cm。

 作家の言、「私は、なにより力強い構成、美しい発色、流れるような線が表現できるように、日夜筆を動かしております。ただ、描いてみたいものは沢山ありますが、自分のテーマ、スタイルがなかなか定まりません。・・・。」

 暗と明、中に入り込んだ世界と遠方からの景色、対比的な2点1組の構成。オーソドックスの構成、写実的な描写、几帳面な線の追跡は力強さよりも、あるがままの世界からもう一つの向こうの世界を軽く垣間見ようという感じです。
 かすかにでも、どこかにブレというのか破調のないのが個人的には物足りない。「力強く、美しく、流れるように」、難しいテーマだ。


○ 伊藤洋子
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 ↑:「アルプスの庭園の秋」・97.0×145.5cm P80。

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 ↑:「ベルベレーデ宮殿の庭からの羨望」・同上。

 作家の言葉から、「・・・近年私はヨーロッパをテーマに制作していて、歴史ある土地に生活している人の人生が感じられる町の空気を描きたくて取材に訪れています。・・・」

 驚いたことがあります。今作に「人」が描かれていることです。
 2004年の大同ギャラリーの個展を見た時、やはりヨーロッパの街並だったのですが、「人」がいなかった。唯一、街のポスターに描かれた人(人形?)を間接的に描いていた。「人」を描くことにこだわりのある作家だと思う。おそらく、生身の人を描かないで人間の結果としての街並をいかに表現するかがテーマだと思う。以前の街並は美しいが冷え冷えとしていた。「歴史的産物としての化石の街並」と「人間臭い現実の街並」、この両極端な狭間で作家自身の位置を確認しているようだ。
 今、景色として「人間」を描き始めた。言葉としての自己説明とは別に、描くことの何かをつかんだのだろうか?

 油彩画のような絵です。特に輪郭が不鮮明な木々は洋画家・白鳥信之氏の影響を感じます。白鳥氏が求めている精神性やロマンと合い通じるものがあるかもしれません。


○ 笹山峻弘
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 ↑:「聖地へ Ⅰ・Ⅱ」・墨 岩絵具 177×88cm。

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 ↑:「KHAJURAHO」・55.5×91.5cm。

 すごい迫力です。「聖地へ」はチベットのポタラ宮でしょう。数ヶ月前に、笹山さんはチベット取材旅行による大作絵画を発表していました。(僕はその絵をここで見た後、あのエレベーターの中で『飛蚊症』を発症してしまった。そして現在進行形で不便でたまらない。忘れることが出来ない「笹山・宗教絵画」です。)

 マンダラと寺院と丘と・・・。今展の作品は笹山さんにとっては小品の部類でしょう。モノトーンの墨絵がセールス・ポイントだと思います。マンダラで表現された宇宙の根本原理を雄大な現代絵巻物として絵画化しているのです。
 毎年のようにインド近辺に取材に行き、胆力でドラマを仕上げていくのです。壮大な様式美も感じますが、こういう画家が北海道にもいるとは驚きです。出身地の利尻島には公共施設に氏の作品があるとのことです。


○ 羽生輝
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 ↑:「海霧(07.オダイト)」・2007年 板に彩色 181.8×227.3cm F150。
 笹山さんと全く別種の迫力です。岬が空に聳えている。実に大きい、存在の尊厳さがある。アメリカ・インディアンの住まいのような建物があります。人がそこに居るのです。人の住まいは小さいが、しっかりと大地にへばりつきながらも生きている、という感じです。気力充実した快作だと思う。

 「オダイト」とは尾岱沼のことでしょうか?「ota-etu:オタ・エトッ:沙・岬」。実在の尾岱沼というよりも、空想が生んだ土地への賛歌のようです。


○ 内崎さき子
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 ↑:「八ツ目鰻の頃」・2008年 194.0×130.3cm F100号。
 作家の言葉によると、寒さが厳しい頃に石狩河口で八ツ目ウナギの最盛期を迎えるそうです。
 ・・・ ・・・。驚きです。八ツ目ウナギ漁が内崎さんの住まわれている江別の川筋でおこなわれていたのですか!そもそも八ツ目ウナギ漁など考えたこともありません。今は・・・?調べてみなければ分かりませんが、おそらく捕ってはいないのでは・・・。
 語り部としての「絵画」です。
 作品は光に当たる朝靄での古き道具。古きを訪ねては回顧調に溺れず、写実による未来への希望を描いています。「この絵の場所に見に来い!」と言っています。江別側の石狩川筋、見に行きましょう。

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 ↑:「冬のアカシア」・2007年 第81回道展入選 194.0×130.3cm F120号。



 

by sakaidoori | 2008-08-21 22:12 | 大丸藤井スカイホール | Comments(2)
2008年 08月 18日

733) 岩佐ビル2F ②「アフンルパル展 露口啓二・写真展」 8月11日(月)~8月18日(月)

○ アフンルパル(ahun-ru-par)展
    露口啓二・写真展

 会場:中央区北3条東5丁目5・岩佐ビル2F
     (幅広い北3条通りの北側。茶色の建物。道路の反対側にはファクトリーのレンガ館が並んでいます。)
     電話・フレメン写真製作所(011)281-5805
 会期:2008年8月11日(月)~8月18日(月)
 時間:11:00頃~17:00頃 

 問合せ:書肆(しょし)吉成 (080)1860-1085
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・16)

 731)では主会場のことを書きました。展覧会(作品)補遺のような形で1階の作家のスタジオを開放して展示しています。
 会場には露口さんも居られました。開口一番、「分からないことがあれば、何でも聞いて下さい。」写真の空気感とは違って、作品のことは何でも喋りたいという、現代・語り部がそこに居ました。

 見ながら尋ねたのでは全体が見えなくなるので、まずは静かに床に並べられた2点1組をまたぎながら見ていった。絵巻物のようであった。露口さんは琵琶法師のように、質問に応えては写真の原風景を浮かべて語っていた。力強い人だった。

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 展示スペースはかなり広い。スタジオ全体は相当にゆったりした開放感がある。もっとも、「写真スタジオ」という関係上、天然光だけだ。窓が無かったような気がする。高い天井、冷ややかな空気、地下室の研究所のような雰囲気だ。
 作品は白い床に並んでいる。普段でもこうやって写真なりを床に並べて仕事をしているのだろう。

 床に物があれば、跪いたりまたいだり、「目の人」から「動き嗅ぎ分ける人」に変身する。作品そのものは2階の「地名」シリーズと同じだと思う。あまり人の来ない展覧会場だ。いつしかアット・ホームな感じで撮影者に何やらかにやら尋ねることになる。松浦武四郎の本が出てくる。山田秀三の名前も登場する。ここは彼のフィールド・ワークだ。
 写真家は地図を見ては、そこに地名があれば今度行く場所を嗅いでいるのだろう。

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 会期は今日で終了です。またここで写真展があるかもしれません。その時は是非スタジオでも開いてもらって、見る人も足を運んで欲しい。
 ついでに、この岩佐ビルは大きくて立派なのですが変というか不思議な建物です。散策したくなります。

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 ↑:「アフンルパル通信 ex.01」、600円。+オリジナル・プリント1枚は1000円。

 これはなかなかのお買い得。表は大きな写真が4枚、裏は4人の本格的露口論。
 残念なのは写真上下が統一されていないことだ。切って一枚一枚見る分にはいいのだが、ポスターのように見開きでは不便なのだ。

by sakaidoori | 2008-08-18 11:04 | ★その他 | Comments(0)