栄通記

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2008年 08月 19日

735) 時計台 「渡辺和弘・塗装工芸展」 終了・8月11日(月)~8月16日(土)

○ 渡辺和弘・塗装工芸展

 会場:札幌時計台ギャラリー・3階G室
    中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館
    (仲通り南向き)
    電話(011)241-1831
 会期:2008年8月11日(月)~8月16日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日は~17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・16)

 1975年 札幌生まれ。
 1997年 北海道教育大学札幌校卒業
         現在、道展会員

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 ↑:2007年度制作の大作。
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 ↑:2008年度制作の大作。

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 ↑:小品群。


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 ↑:「悠」・2006年。
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 ↑:「征」・2008年。

 赤が眩しい作家です。当然、黒を魅せたい作家だと思います。「塗り」の特徴である色の艶、それは内に閉じ込められているのですが、グイッグイッと後ろから押し出されるようにして輝いています。作家はまだ35歳です。才長けたシャープさや勢いの代わりに、円やかな華やいだ雰囲気を出しています。

 前回紹介した浜口さんは全体の「形」・「量塊」に意を注いでいるみたい。そのボリュームに黒を基調にして少ない色が装飾性を高めているのでは。
 渡辺さんは自分自身の内側のな美を、一枚一枚表面を削ぎ落として表に出そうという感じ。華やかですが驕り高ぶらずに、リズミカルに進もうという感じです。


 以下、小品。切り絵のようです。

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 ↑:「胡蝶 Ⅰ・Ⅱ」・2007年。


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 ↑:左から、「跳」・2006年。「醒」・2006年。


f0126829_13493737.jpg →:「積」・2006年。


 

by sakaidoori | 2008-08-19 23:54 | 時計台 | Comments(0)
2008年 08月 14日

728) テンポラリー 「アキタヒデキ・個展 『点と点と展』」 8月8日(金)~8月17日(日)

○ アキタヒデキ・個展
    「点と点と展」

 会場:テンポラリー スペース
     北区北16条西5丁目 
     (北大斜め通り・西向き、隣はテーラー岩澤)
     電話(011)737-5503
 会期:2008年8月8日(金)~8月17日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・12)

 1979年生まれ/北海道出身/札幌在住
 2001年 札幌デザイナー学園卒業
 2008年 CAI現代芸術研究所アートスクール卒業 (DM様式のフライヤーから)

 開廊15分前に訪れた。早すぎるのではと心配したが、ドアは大きく開けられていた。まるで店開きの準備のように、日差しを身に受けて忙しく嬉々として動き回る青年がいた。そして始まりから終わりまで青年の親切な応対を受け、作品を間にして話を交えた。青年は少し慇懃なくらいに背を円め、身を屈め、せわしなく手を動かし、座をすすめ、お茶をすすめ、アイスをすすめ、溢れる作品への思いを丁寧に丁寧に語ってくれた。

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 (↑:作品を見つめ、淡々と語っている青年こと、アキタヒデキ君の横顔。あどけない笑顔とナイーブというか繊細な目元を覚えている。)

 『どこのどなたかは知りませんが、こんなに早くに見に来てくれて嬉しいなー。しかも二人で!今日は朝から暑いなー、そうだそうだ、冷たいお茶を飲んでもらおう。友人がアイスを差し入れてくれた。冷蔵庫もないから食べないと溶けちゃう。さーさー、溶けないうちに皆で食べましょう。今日は暑いなー、良い天気だなー、素晴らしい一日の始まりだ。中年夫婦のお出ましだ。何て素敵な始まりなんだろう・・・・』・・、青年の体からそんな言葉が聞こえるようだった。


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 ↑:入り口から正面。
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 ↑:入り口から左側。
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 ↑:入り口から右側と、2階が少し見えます。

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 ↑:2階の様子。

 写真でも分かるように、作品は非常にニギニギしている。表現手段の核として写真があるようだ。2階は合成写真プリント、1階は下地に写真を転写して、その上からいろいろとペイントした作品群という構成。

 タイトルの「点と点・・」というのは、デジタルとしての写真が「点」で、それの連写や合成、それらを隠して肉筆による絵画化がアナログとしての総合的な「展」ということだろう。
 点と点を結ぶ、アナログからデジタルへという感覚は画題としては一つの方向を示しているようだ。それは「人と人との触れ合い、邂逅」ということへ。当然「愛」ということが大きなテーマだろう。

 ビジュアル的表現の強い若き青年が「愛」をテーマにした時、日常生活での被写体の対称は「女」だ。そして「性」だ。
 ここには露骨な性表現は一つもない。それ以上に「女」なり「人」を正面から「見る」写真はほとんどない。禁欲的に「人」を撮らないのだろうか?そうではなさそうだ。彼の内向性の強さが優しさがビシッと対象を見詰めることを阻んでいるようだ。

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 その代わりに象徴的な手段を用いている。性の象徴としての「ピストル」、「花」、「手」・・・。そして、それらは丸みを帯びて優しい。
 会場はニギニギしいと語った。だが、驚くことに非常に静かに落ち着いて見れる。作品が外光と結ばれている、開放的な場ということもあるかもしれない。
 作品は几帳面に丁寧な展示だ。この種の表現にはありがちなランダムさは微塵もない。「優しく、しっかり見てもらいたい」という作家の気持ちが伝わる。この優しさが会場を「見た目のニギニギしさ」から、「ひた向きな青年臭さ」に変えている。
 唯一、彼の肉声が伝わるテーマがある。「口」だ。
 口は表現者によって、いろいろなアプローチが可能だ。思いや唄がそこから奏でられる。つつましさ、接吻・・。美の象徴でもある。
 一方、「食い殺す」、「ののしる」、「吐き捨てる」所でもある。
 アキタ君は「手」にロマンを見出し、「口」に悶えているようだ。

 上の手の組み合わせの作品、9×9=81枚の「二つの手の連作写真群」、今展の代表作だろう。現在のアキタヒデキの人を見る「やさしさや願望」が静かに踊っている。
 ここが原点だ。「愛」の裏には「憎しみ」がある。「邂逅・抱擁」の裏には「別離」がある。それらが作品に現れることことが無くても、それらが作品の影に寄り添って作品が独り立ちすると思う。ドロドロした作品の裏側に諦念のような静かさがあるように。


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 最後に、会場のテーブルとソファーについて。
 会場にはその広さに反して、大きな3点セットの家具が場を占有していた。しかも古い。アキタ君に伺うと親族の思い出の品だとのこと。それ以上は語らないし、聞きはしなかった。
 これが最初から予定されていたかどうかもわからない。アキタ君は意図的空間を強引に作るというタイプではので、何らかの心理的理由によるものだろう。
 不思議なことに場違いのような家具がアキタヒデトシの分身のような活躍をしていた。茶会のもてなしの小道具の様になったのだ、大きいのに。
 おそらくアキタ君は今展期間中は限りなくここに居るのだろう。朝も昼も夜も。その振る舞いは鑑賞者にとっては意見や好みの分かれるところだろう。と云うのは、ギャラリーを私的空間にしたのだ。だからアキタ君は訪問者を一所懸命にもてなす。「何にもない所ですが、お茶だけでも飲んで下さい。テーブルに落書き帳を用意しました。好きに遊んでください」と。

 これほど徹底した展覧会を知らない。何事も徹底すべきだと思う。そのソファーとテーブルに感謝しよう。


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by sakaidoori | 2008-08-14 11:45 | テンポラリー | Comments(0)
2008年 08月 10日

720) 門馬 ①「『中原宣孝展 2008』 & 『ミナオ展 2008』」 終了・8月1日(金)~8月7日(木)

○ 中原宣孝(のぶたか)・展 2008
   上階にて同時開催:「ミナオ展 2008」(中原美奈)

 会場:ギャラリー・門馬 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38・(バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年8月1日(金)~8月7日(木)
 休み:日曜日
 時間:11:00~19:00
    (最終日は~19:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(8・7)

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 象徴的な平面背景の中で、女性をリアルに細密に描いた世界です。
 描かれた女性像に生身の女を超えたものを感じた人が多かったことでしょう。その「美」に感応したり、「象徴」に思いをはせたり、あるいは作家の細密にこだわる執着力に「描くということはどういうことなのか?」と驚く人もいるでしょう。

 僕が一番感心したのは、女性の皮膚の描写が一定でないことです。悩んだ結果というよりも、自分の表現の可能性を確かめようとしているみたいです。
 
 「美、そのものの探究者」と、この画家を呼べるかもしれない。一方で今展の女性は美しいがエロスが控えめです。裸婦がなくて、強い白黒表現を避けて色自体を楽しんでいる感じです。なぜだか、あごが上向きで、どこか挑発的です。女性をあまり象徴的に描こうとしていないからでしょうか?男一般が安易に抱いている女性の美や象徴性を、現時点では過度に表現することを拒んでいるみたいです。

 作家の表現したい「美」や「エロス」や「象徴性」というものが、一方向に定まらずに螺旋的に上昇している感じで、そん辺が僕は感心して中原・美学を楽しんだ。

 ところで、作家は寡作家だと思う。そのことは悪いことではないのですが、絵の愛好家としては何とも寂しい。大作の個展を毎年とはいいません。それは4年毎でも構わない。今展で出品した鉛筆の小品や版画などを適当な間隔で出品して欲しい。たとえ小品でも定期的に目に収めておくと、大作を見た時の印象が随分と違うと思う。新たな発見や気付きがあると思う。是非是非、お願いします。

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 ↑:「私たちがいつかみた空のように」・1940×1303 油彩、日本画顔料。


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 ↑:「私たちのつよさについて」・同上。


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 ↑:「オルフェイスの忘れ物」・同上。


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 ↑:「私たちをささえているものについて」・同上。


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 ↑→:「私たちにとっての天動説について」・1303×1303 同上。



 タイトルはやさしい言葉ですが哲学的で暗示的な響きがあります。サインは背景の模様の一部を構成したりしています。装飾的でもある。遊び心と同時に普通とは逆の意味で固いメッセージを感じました。


 小品と2階の奥さんの微笑ましいイラスト絵画は②に続く。

by sakaidoori | 2008-08-10 23:33 | 門馬・ANNEX | Comments(0)
2008年 08月 04日

714) アバウトの写真 14回目 川上町子、「ラ・フランス」

○ 透明水彩 「第3回 六花展」(リッカ・テン)

 会場:札幌市資料館2Fミニギャラリー第1室
    中央区大通西13丁目 (旧札幌控訴院・大通公園の西の果てにある建物)
    電話(011)251-0731
 会期:2008年7月8日(火)~7月13日(日)
 時間:10:00~17:00

 【出品作家】
 吉田博美 湯浅美恵 小路七穂子 橘田君代 川上町子 梅田真知子・・・以上、6名。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・10)

 上記展覧会の川上町子さんの「ラ・フランス」(水彩 F6)です。7月10日撮影。

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 丁寧に丁寧に描いています。初々しさが伝わります。
 「ラ・フランス」、フランス原産の洋ナシ。当地では生産していないとのこと。ほんの少し不恰好で、可愛らしい果物です。食すれば見た目以上に美味しい。
 川上さんは本物よりも茶色を落として黄色を増やしているのでは。あばたやニキビを隠したラ・フランス。きっと、黄色の好きな方でしょう。

 ナシは秋ですが、絵が爽やかです。この時期には良いのではないでしょうか。下着姿の子供時代を思い出します。あー、そして10代。「いくわよー!」と、おかっぱ姿でボールを投げようとしていた女の子。ワンピースだった。あの黄色い声が忘れられない。

 (この展覧会は本編では報告していません。この会はまだまだ続くと思われます。次の機会に報告できたらと思っています。)

by sakaidoori | 2008-08-04 13:53 | ★アバウトの写真について | Comments(0)
2008年 08月 04日

713) 挨拶・暑中お見舞い申し上げます。

 今日はひどく良い天気です。肌に滲む汗が心地良いです。

 手漉きの和紙に水彩による花の絵を添えた、展覧会へのお礼状を頂ました。資料館での「第3回 六花展」・7月8日(火)~7月13日(日)・参加の方からです。私信ですが、お礼を兼ねた時候の挨拶文ですから、公表しても構わないでしょう。 


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 郵送された時は、あいにくの小雨模様で、その雨に葉書が当たって字が滲んでいます。このにじみが水彩の絵を引き立たせていて、予期せぬ効果を引き出したようです。

 ありがとうございました。

 そして、「栄通記」に訪れていただく皆様、ありがとうございます。
 暑い季節、ご自愛下さい。


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by sakaidoori | 2008-08-04 13:18 | ★ 挨拶・リンク | Comments(0)
2008年 07月 23日

700) 夕張市美術館 ①「夕張美術館と石刻画・山田光造・展」 7月1日(火)~9月15日(月)

○ 2008 G8サミット記念特別展
    『石刻画 山田光造・展』
   
 場所:夕張市美術館
    夕張市旭町4の3
    電話(0123)52-0903
 期間:2008年7月1日(火)~9月15日(月)
 休み:会期中無休
 時間:9:30~1700
 料金:大人・700円 中高生・500円 子供(4歳~小学生)・300円

 主催:山田光造展開催実行委員会 夕張YUBARIの会
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・23 水)

 久しぶりに夕張に行った。そして、久方ぶりの夕張美術館訪問だ。

 美術館脇を本幌加別川が流れている。その川を横断して、夕張から万字・美流渡・栗沢・岩見沢に道は続いているのだが、橋の架け替え工事をしていた。メイン道路からスキー場入り口横を通り、夕張市街地にいったん入り、グルッと迂回して美術館に行くことになる。

 今回の目的は企画・山田光造展の鑑賞、夕張美術館が加森観光の運営になって、どんな感じなのかを確認に行くことであった。幸い、関係者の快諾を得たので美術館の様子を載せることが出来ました。特に企画展はピンポイントで紹介します。

 まずは展示会場までを楽しんで下さい。

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 展示会場は入り口は同じくして、左側は市民ギャラリー、右側が美術館で、始めの部屋が常設で最後が企画室になっていました。各部屋の風景という形で写真を載せます。

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 ↑:市民ギャラリー。本田義博・水彩画展、「記憶の中の風景」・7月14日~27日。

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 ↑:第一室、大黒孝義

 始めに美術館全体の印象を言えば非常に整備されています。綺麗です。清掃が行き届いているというだけではありあせん。作品の一つ一つのキャプションは統一されています。個々の作家紹介のキャプションも統一されていて、しっかりしています。担当の学芸員がお休みなので確信をもってはいえませんが、彼の仕事ではないでしょうか。古いものの使い回しには見えません。
 展示されている油彩画家達は殆んどが夕張に関係した人達です。慣れ親しんで重ねて鑑賞し、時代考証をしたら夕張が身近になるでしょう。ひいては北海道・日本が地域の視点で見直されるような雰囲気です。オーソドックスな展示ですが、そんなことを感じさせる常設作品と関係者の配慮です。

 やはり学芸員の収蔵作品への研究、関心の深さが伝わってくるからでしょう。非番の担当者に伺うと、その人は20台前半のバリバリの若手男性とのことです。お会いして、話しが伺いたくなりました。非番の女性にもいろいろお世話になりました。

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 ↑:第一室から第二室への通路、日本画家・蔦子葉。

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 ↑:第二室、小林政雄 木下勘二 加賀谷松雄 畠山哲雄。

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 ↑:第三室、版画家・斉藤清。

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 ↑:第四室、「藤根星洲と夕張の書道。

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 ↑:第5室、ようやく石刻画・山田光造の部屋です。


 ②に続く。

by sakaidoori | 2008-07-23 21:02 | ☆夕張美術館 | Comments(0)
2008年 07月 22日

※) アートスペース201 ③「Vol.3 FIVE ENERGY ~横須賀令子・展」 7月17日(木)~7月29日(火)

○ Vol.3  FIVE ENERGY(ファイブ・エナジー)
     ~5人の作家によるファイブ・エナジーの名に於ける5つの個展~

 会場:アートスペース201 E室
    南2西1-7-8 山口中央ビル・北向き
    電話(011)251-1418
 会期:2008年7月17日(木)~7月29日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00(最終日は~18:00まで)

 【出品者】
 Shelter・Serra 朝日章 横須賀令子 中島弘美 Liberated・Area
ーーーーーーーーーーーーーーーー(7・19)

 (写真だけ何枚か載せます。記は後ほど。)

○ 横須賀令子の部屋

 アニメ映像とその原画展です。

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 (続く

by sakaidoori | 2008-07-22 14:32 | アートスペース201 | Comments(0)
2008年 07月 22日

698)ユリイカ 「句会・凍風亭・・団扇と扇子による風の展覧会」 終了・7月15日(火)~7月20日(日)

○ 句会・凍風亭200回記念
     「団扇と扇子による風の展覧会」

 場所:ギャラリー ユリイカ
    中央区南3条西1丁目2-4 和田ビル2F・(北向き)
    電話(011)222-4788
 期間:2008年7月15日(火)~7月20日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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 すでに新聞等でご存知の方も多いことと思いますが、ギャラリー・ユリイカはこの7月27日(日)で閉廊ということになりました。
 先日、ユリイカ訪問の折に、オーナー鈴木葉子さんといろいろとお話を伺うことができました。鈴木さんはとても元気そのもので、ギャラリー運営に悔い無しという潔い心境でした。札幌を離れて妹さんの居られる東京に転居されるそうです。
 ・・・・・・・
 27年、長い間ご苦労様でした。(以上、「栄通の案内板」の再掲」)


 というわけですから、ユリイカや鈴木さんのことを吟じた句が多くありました。それらの作品を中心に載せます。

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 ↑:今展最大の作品です。さくらんぼの赤がチャーム・ポイントで、急遽本物を頭に付けていました。

 「文月や 故郷後に画廊主」(後藤善七)

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 ↑:左から
 「ユリイカの細き階段夏時雨」(葛西毬)
 「ユリイカは風になります夏の風」(佐藤凍風)


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 ↑:左から
 「ユリイカの窓に昼後の翠かな」(米森球子)
 「ユリイカにきょう大輪や緋のダリや」(〃)

 (ただし書き。注目の人:明治・大正・昭和の文豪、谷崎と露伴は七月に没しました。ギャラリーユリイカ・鈴木季葉は七月、近未来に巣立ちます。)
 「近未来 季葉羽ばたく 谷崎忌」
 「季葉起つ 女気丈夫 露伴の忌」(以上、横田正樹)
 「ありがとう アート一筋 巣立鳥」(真咲)
 
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 ↑:鈴木葉子さん、ご自身の作品。
 「やまぶきや たよりにむすぶ あなかしこ」
 「蝦夷梅雨の 相合傘を 閉じにけり」(鈴木季葉)


 以下、面白かった句です。
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 「唯識の 迷路にまよひて 夏うさぎ」(宮本泰治)
 「かの夏の リュックサックが 泣いていた」(北川保雄)
 「脱腸の 腹をかかへて をどりかな」(春木太郎)


f0126829_10461361.jpg 今週の展覧会で鈴木・ユリイカは閉廊です。
 次回はユリイカの建物や部屋全体の風景を載せたいと思います。


 

by sakaidoori | 2008-07-22 10:58 | (ユリイカ) | Comments(0)
2008年 07月 21日

696) 大丸藤井セントラル 「北海道を包む・展」  終了・7月15日(火)~7月20日(日)

○ 北海道を包む・展

 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
    中央区南1条西3丁目2
    電話(011)231-1131
 会期:2008年7月15日(火)~7月20日(日)
 時間:10::00~19:00(最終日は~17:00まで)

 主催:社団法人・日本パッケージデザイン協会
     (「北海道を包む」展・実行委員会事務局。
       連絡先・(011)642-2035)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・19)

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 会場に入った時、パッケージというパフォーマンス展かと勘違いした。学生なり有志の人達が「パッケージにチャレンジ!」していると思った。コンパクトに綺麗に丁寧な展示が勘違いの原因なのだが、キャプションの「JPDA会員」という肩書きも何かに似せてのネーミングに見えて、なかなかプロ集団の展覧会という実感が湧かなかった。

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 洞爺村の立体ピエンナーレ展のような、「手のひらの宝箱」展です。
 そうはいっても日本デザイン・パッケージ協会(以下、JPDA)はマネジメントに関わる団体です。企業や商行為とは切り離せないので、自己表現・オンリーの美術表現とは一線を画します。一方で「デザイン」で我々の消費活動は満ち満ちているわけですから、その意匠は単にコマーシャリズムとして無視することは出来ないでしょう。良い商品だから買うわけではないのです。商品の実用性を離れて何らかの魅力があるから、物を買うのです。「人を惹きつける魅力」、それは芸術活動一般と会い通じるものがあるでしょう。それに作家達は生活の手段としてもデザインやコマーシャリズムに関与しているのですから、「デザインの何たるか?」は美術の自己表現、社会化にとてっは常に考えさせるものがあるでしょう。

 ついついいつもの癖でお喋り過多になりました。本題です。

 参加作家は北海道のJPDA会員を中心にして道外のデザイナーや道内の学生達です。

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 ↑:会員・金澤和彦(中札内村)、「A PULANET IN BLUE]。ガラス制作は勝野好則。
 球体のガラスの中にゴミとしてのパッケージを閉じ込めたものです。他とは違った逆転の発想です。非常に綺麗です。
 何がこの作品を際立たせているかと云うと、ご本人が白い手袋をはめて定期的に綺麗に綺麗に磨いていることです。触ってもいいのですが、時間をおいて指紋を消しに金澤さんはやってくるのです。訪問客の少ない会場で、優しく慈しむようにガラスを磨く金澤さんの姿は印象的でした。

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 ↑:会員・中島洋一(札幌市)、「ほっきめし」。
 貝殻を弁当にしたものでしょう。飲兵衛の栄通さんはこういうのを見ると目が輝きます。これから年に一個買って、傘寿の訪れを楽しみにしたいものです。長生きはしたいが、その努力を怠る栄通さんでした。

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 ↑:市立札幌高等専門学校・柏谷未希&松浦理沙、「道産百科大事典」。
 飲兵衛の栄通さんは、イイフリコキですからこういうのにも目がないのです。呑んで枕して壮大な夢を見たいものです。

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 ↑:会員・渡辺有史8東京)、「結晶」。
 「美しすぎて美しすぎて、お米がこわい」、大賞の第一候補でしょう。余りに完成度が高いのが気に入りませんが、文句の言いようがありません。

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 パッケージ・デザインには二つのテーマが与えられています。

 ①北海道の任意の素材をイメージしたパッケージ。
    北海道は素材の宝庫といわれています。早い話が、凝った味付けをしない方が美味しいのです。ということはノン・パッケージが最良と云う意見もあるでしょうが、それでは当協会は立つ瀬がありません。単にシンプル・イズ・ビューティフルでは能がないし・・・。

 ②北海道米のためのパッケージ。
    北海道はどうのこうのいって、米生産王国です。その理由に「人」、「土地」、「温暖化」があると思います。植民地としての北海道の入植者の大半は米作り農民でした。しかも、内地の貧困階層です。明治の初期、国家は畑作を奨励しました。なかなか上手くいかない中、彼ら米作り経験者は広大な石狩平野を土作りから始めて、手馴れた農作業に精魂傾けたのです。寒冷地に向いた品種改良という努力も実りましたが、明治以来の緩やかな気象の上昇が米作に有利に働いたのは見逃せないと思います。北海道全体の開発に有利な時期だった。
 昨今、温暖化が議論されています。北海道は間違いなく温暖化で有利に働いた土地だと思います。現代文明の負の遺産としての温暖化は問われなければならないでしょう。身の回りから考えることも大事でしょう。ですが、あまり倫理的に議論されるのを僕は好きではありません。
 気象変動は100年スパンで、1000年スパンで、人類の環境適応史で考える側面があると思います。
    


 

 

by sakaidoori | 2008-07-21 13:25 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2008年 07月 04日

682) 門馬 「槌本(つちもと)紘子・展」・テキスタイル  7月3日(木)~7月9日(水)

○ 槌本紘子・展

 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38・(バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年7月3日(木)~7月9日(水)・会期中無休
 時間:11:00~19:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・3)

 (作家とは一面識もありませんが、飾り付け作業を仕事として行いました。一日掛りで作業をして、作品を目の前にしていれば、単純に作品や作家のことを好ましく思うものです。テキスタイルというジャンルは、感想であっても余り多くを語れる分野ではありませんので、その親しみが以下の文章を作ったと思います。褒め言葉を差し引いて読んで下さい。)

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 作品は6m×4m、3m×4m(?)の2作品が段違いになって吊るされている。
 白く明るく綺麗な部屋で、その異様な立ち姿は目を驚かせる。作品は初夏の爽やかな時期に反し、場違いのような厚さ、泥臭さ、坊主池地獄のような地肌で狭い通路にむき出しになって屹立している。狭い通路だ。しっかりと作品と向き合うのだ。彫刻として優しく触れて大地と作家が譬える地肌を確認する、それが作家の狙いだ。

 会場には荘重な散文詩が用意されている。

 「The Dawn (夜明け?)

 それは日常に蕩け/それは自然に溶ける
 混沌と秩序の交わり
 日が沈み、また昇るように/生物は土に還り、また糧となる
 古の時代に思いを馳せ
 静謐を祈る」

 
 作家は今春、武蔵野美術大学を卒業した。1984年、札幌生まれの女性だ。今秋には再び海を渡るということだから、つかの間の帰省であり、卒業作品の地元へのお披露目である。初個展だ。
 真綿と羊毛をフェルトにする。絞り染めの技法などを応用して石や豆で凸凹をつくり、同時に天然素材で染色する。その作品を布(ガーゼ)を挟んで両方から接着して、裏表からダブルで作品を見るわけである。
 何と言っても重い、力強い。作家にとっては大地であり、生命の源である。誕生し、還り、糧となる所なのだから当然なのだろう。
 それにしても、この若さで強情な人だ。剛速球一本勝負という作品だ。だが、吊るされた作品はよく見ると、現在の彼女の技術の粋を傾けたことが伺える。力技のような技法の隙間に、艶やかにいろいろな模様が綾なしている。泥臭い装飾性に、欠落部分を施したりして、その部分は光に当たり、妖しげな陥没やグラデーションになっている。色は天然素材だから、不均一で重く感じるが、遠くから見ると直線に色が重なり、豊かな表現になっている。


 会場には二点の作品以外には、わずかなワーク・ブックとパネルしかない。さすがは中央の大学出身者だと感心させられる。展覧会の為の自己表現技術をチャンと教育にプログラムされているのが分かる。それはデザイン教育の一環ではあろうが、仕事としての会場構成や、ワークブックが如何にあるべきかという良き見本だ。

 彼女の場合は優れているのはもちろんだが、特徴がはっきりしている。ターゲットは外国人で、英語表現が主眼である。ここは日本だから、それらの意味はデザインとしてのお飾り以上のものではないから、問題はあるが彼女の進路に即した意匠だ。
 表現スタイルは実直そのものだ。大きく分かり易くするというのが彼女のスタイルのようだ。若さと勉学の真っ只中で修行中というのが感じられて好ましい。

 芸術は自己表現としての美術性、伝統表現としての技術性、不特定多数への訴えとしてのデザイン性という三つの概念でくくれると思う。もちろん、その境界や定義は一律ではないが。テキスタイル作家としての槌本紘子はどこに軸足を置くのだろう。何年後かの作品の変貌が楽しみである。


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※ 伝言⇒eituuki○jcom.home.ne.jp 
 ○を小文字の@に置き換えてください。



 


 

by sakaidoori | 2008-07-04 20:18 | 門馬・ANNEX | Comments(1)