栄通記

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2013年 09月 30日

2235)「金属工芸研究室展 北海道教育大学岩見沢校美術コース」 サテライト 9月22日(日)~10月4日(金)

 


金属工芸研究室展 

北海道教育大学岩見沢校美術コース
 
    



 会場:北海道教育大学札幌駅前サテライト
      中央区北5条西5丁目7
       sapporo55ビル4F
       (札幌紀伊國屋書店の入っているビル。) 
      電話(011)221-4100

 会期:2013年9月22日(日)~10月4日(金)
 時間: 平日     ⇒ 10:00~21:00
    土日祝・最終日 ⇒ 10:00~16:30

 【参加学生】
 4年:小島宏枝 佐藤歩惟 田島蓉子 増野萌香 
 3年:岩井彩子 狩野 成美  

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(9.27)


 当日は学校案内のような催しも行われていて、その参加者が適当に出入りしてなかなか賑わいました。
 どなたも一所懸命に作品を見つめているのでついつい声をかけて、◯◯××と四方山話です。
 「富良野からきました」とか、「熊本から来ました」という女性もいます。作品そっちのけでぐぐっと身を乗り出して肥後熊本の話にと、なかなか楽しい時間です。

 そんな会場風景から報告していきます。すっきり爽やか女の、しかも学生の鉄気分を味わって下さい。



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 学生展だが、さすがは鉄だ。ドーンとした作品が目をひく。当然注目を浴びるのだが、作家名を見ると二人に集中している。4年生の佐藤歩惟(あい)と、小西宏枝だ。そいう美術オブジェ的大作と工芸的なジュエリーや職人的な器類も明日を目指して小さく光っている。大物、小物とバランス良い展示なのだが、小品類の点数が少ないのはやはり残念だ。学生展です。ちっちゃくても一杯、これが栄通記の審美眼です。



 目立つオブジェ作品から案内します。
 既に当ブログに登場済みの作品もありますが、それにはお構いなく進めていきます。


 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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   ↑:佐藤歩惟、「先っちょハウス ~住めば都さ~」・400×80×540㎜。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)




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   ↑:(記録不備で間違っているかもしれませんが)4年・佐藤歩惟?、「交わらずとも確かに在る」・サイズ可変 鉄。


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   ↑:(上掲作品の部分図。)




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   ↑:(間違っているかもしれませんが)4年・佐藤歩惟?、「風と進む-旅の準備-」、330×330×1500m 鉄。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 誤解があるかもしれないが、上に載せた全作品を佐藤歩惟としてみた。
 大作だが、大きなオブジェというよりも、小さな生き物(事物)が繋がり続いて大きな流れに、物語になるという作風だ。だから、一つ一つなり、小さな話ならば小品になるし、まとめて膨らませて物語にすれば大作だ。
 空を見れば雲がある、風がある、青がある、動いている、生きている、夢々々。
 お家を見れば道具で一杯、足跡も一杯、お庭にお池にブランコに、夢々々。
 見るもの、聞くもの、触るもの・・・夢ゆめユメの佐藤歩惟だ。






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   ↑:小西宏枝、「CLOUD IN NIGHT」・110×750×1500㎜ 鉄。



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 (以前にも掲載済みの作品)


 どうも、人体のデフォルメのようだ。人の体型、動き、特に女性のしなやかなリズム感などが原造形としてあるのだろう。そして、その心の微妙な綾を表現したいのかもしれない。
 もちろん、今はしっかり存在を見つめ、大きく大きく表現したいのだろう。大きいことは良いことだ。



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   ↑:小西宏枝、「スリー・スリー」・370×500×1200㎜ 鉄。





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   ↑:3年・岩井彩子、「warmth」・(鍋 330×240×180㎜) (カップ 110×150×60㎜ 銅)



 以前はキリンさんの立体オブジェも作っていたが、「大作はワタシ的ではない」と悟って、一転して小物製作家に変身した。
 自分の体質に早く気づくことは良いことだ。大作のキリン経験も勉強になったことでしょう。
 
 今作、作家自身のムードが良く出ている。おおらかでノンビリで細々したことは気にしない。今は学生だが安定おっかさんだ。
 沢山作ることだ。銅だから金のかかるのが問題だが、人生はいつも何某かの問題を抱えている。美術を選んだのだ。材料費ぐらいは人生にとって当然の投資だ。最後は家族に買ってもらって、材料費の捻出だ。
 なぜだか、いつもお会いする岩井彩子さん!頑張りたまえ。
 




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   ↑:3年・狩野成美、「まろにえ」・260×200×150㎜ 銅。



 こちらも鍋だ。共に3年生。鍋の共演だ。
 まろやかなボリューム感、取っ手の使い勝手、蓋の合わせ具合と、鍋には制作のエキスが詰まっているのだろう。新人の陶作家にとては急須が難しいと聞く。似たような作例かもしれない。そういえば木工作家は「イス」が多い。同じ理由か。

 




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   ↑:4年・増野萌香、「龍」・直径180㎜ 銅 真鍮 銀。




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   ↑:。(記録不備ですいません。)





 掲載していない学生の作品名を記しておきます。

 ・4年・田島蓉子、「再友」・283×362㎜ シンバル。




 いろいろと不備な記載、申し訳ありません。
 会期終了までには少し時間があります。もしかしたら確認のために再訪するかもしれません。






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by sakaidoori | 2013-09-30 13:40 | サテライト | Comments(2)
2013年 09月 30日

2234)②「漆山豊展」 新さっぽろ 9月25日(水)~9月30日(月)

  


漆山豊 



 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
      デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
     電話・花田(090)9439-7921

 会期:2013年9月25日(水)~9月30日(月)
 休み:
 時間:10:00~19:00 

※ オープニング追悼コンサート ⇒ 初日 18:30~ 草舞弦  


ーーーーーーーーーーーーーー(9.29)


 2233)①の続き。



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 僕には「最後の晩餐、その後」に見えて仕方がなかった。

 真ん中に座る主人公、周りの白装束の男達は、先を進む子供達に戸惑い、主人公に何やら相談したそうな風景だ。
 画家は、こんな絵を描く人ではないだろう。サインも異常に大きいと指摘していた。見えざるものが見えたのだろう。想像で描くには具体的だ。何を画家は伝えたいのだろう?




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 これも不思議な絵だ。日本にない白壁がモチーフにみえる。
 画家は「白」に異常なものを発見したのだろうか?



 展示は綠の世界へと続きます。植物と綠の晩年と言ってもいいのでしょう。静かに見ていくことにしましょう。


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 DMに使われた作品。2008年作です。”08.2.10”のサインがあります。



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 2012年作。”012.7.6”のサインがあります。



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 綠が続きますが、白も特徴的です。こうして続けて白を見ていると、老境の心理を宿しているのかもしれない。





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 絶筆です。どこかゆとりのある幻想画です。ゆとりはあどけなさにも通じ、ふんわりとした不思議さにも包まれている。
 綠を主体にして、光と黄色、白い建物・・・樹木越しの風景です。理想郷でしょうか?

by sakaidoori | 2013-09-30 07:00 | 新さっぽろg. | Comments(4)
2013年 09月 29日

2233)①「漆山豊展」 新さっぽろ 9月25日(水)~9月30日(月)

  


漆山豊 



 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
      デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
     電話・花田(090)9439-7921

 会期:2013年9月25日(水)~9月30日(月)
 休み:
 時間:10:00~19:00 

※ オープニング追悼コンサート ⇒ 初日 18:30~ 草舞弦  


ーーーーーーーーーーーーーー(9.29)


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 今年の6月に亡くなられた漆山豊さんの追悼展です。82歳とのことです。

 画歴の長い画家です。そして表現手段も絵画だけでは納まらないと聞いています。そういうベテラン作家の追悼展では、作品の選定が大変だったとお思います。
 それに、私自身がそれほど氏に関して詳しくはありません。ある時期にギャラリーたぴおのグループ展で親しんだだけです。

 今展の紹介は氏を偲んでという意味もありますが、近作中心の作品展として充分に楽しめます。年配作家の間では、相応に知られた作家だとは思います。最近は発表する機会も少なく、若い方にとっては無名の画家に近いかもしれない。
 一部の方以外は、氏の最近の画風を知らないことでしょう。しっかりと絵を描かれておられたのです。明言はできませんが、最近作およびこの7、8年の作品が中心です。「画家・漆山豊」の最近の絵画を見る機会にして下さい。


 以下、まず纏まった形で全作品を載せます。若干の説明を記しますが、間違いがあるかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。
 また、ほとんどの作品には制作年を画いていません。タイトルもです。

 間違いなく、今後も「漆山豊遺作展」は開かれると思います。その時にはより説明できればと思います。




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 右側のポートレートがご本人です。

 続く3点はかなり古い作品です。

 次の横長の作品が絶筆です。

 一番左はいつ頃かは不明です。なぜあるかといえば、この建築的な世界が漆山豊氏の基本だからでしょう。僕は氏の生業をしりませんが、建築に関係していたかもしれません。




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 直線を主体にした抽象画群。
 この頃の作品は僕もギャラリーたぴおで親しんでいます。ですから、7、8年以前でしょうか?「漆山豊」といえば、僕にとってはこういう世界です。構築的で、線の緊張感と鋭さ、それでいてリズミカルで愛おしい色です。小品としては抜群のできとして見ていました。



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 花の作品で飾っています。晩年は花を描くことが多かったとのことです。




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 建築的な緊張感のある生命体から、身の回りの生き物へ眼差しを向け始めたのでしょう。




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 しかし、花の後のこの白い緊張感!後で全作大きく載せます。特に、真ん中の人物群は作家にとっては異色でしょう。人を描くだけでも珍しい。遺族の方が、作品の由来を語っていましたが、鬼気迫る作家の体験(幻覚?妄想?)が隠れているようです。




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 概ね晩年の作品群でしょう。やはり無機物から植物へと転換しています。




 気になる作品を個別紹介します。展示順に進んでいきます。但し、絶筆は最後にします。


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 幾つの時の作品でしょうか。20代?30代?ロマンチックな瑞々しい作品です。男性画家ならば一度は描きたくなる世界でしょう。若かりし頃の記念碑です。
 こういう作品はいつ見ても飽きることはない。



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 「こういう絵を描く作家は何を求めているのだろう?」
 「もしお話しする機会があるならば、どんな言葉から切り出したらいいのだろう?」
 ・・・
 そんなことを考えて絵を見ていた。この緊張感とリズムが好きだった。それに色が綺麗だ。



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 もし、「一点だけ持ち帰って良いよ」と言われたら、迷わずどちらかを選ぶ。
 果物がこぼれ落ちているから、樹木、あるいは生命樹として描かれたのだろう。そういうシルエットだ。
 が、この形のおおらかさ、ボリューム感は優しく人を包み込む。そして、中は線描で丁寧に丁寧に、それでいて尽きることなき執念で樹を覆っている。「それは葉っぱの集合だよ」というかもしれない。それだけではないではないか!優しくはあるが生命への執念執着を自己規制している姿だ。画家は建築美を愛していた人だ。常に冷静な目が過剰な精神を押さえようとしている。普段は冷静な目も、腕の自由さを楽しんでいるのだろう。



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 白き幻想画だ。下の方の「赤」は何なのだ!幻想を切り裂く現実か?



 長くなってしまいました。

 ②に続く。

by sakaidoori | 2013-09-29 23:39 | 新さっぽろg. | Comments(0)
2013年 09月 29日

2232)① 「MARI FUJITA EX. (藤田真理 展)」 ミヤシタ 9月12日(木)~9月29日(日)

MARI FUJITA EX.
  (藤田真理展)
 
           




 会場:ギャラリー ミヤシタ
      中央区南5条西20丁目1-38 
      (南北の中小路の、東側にある民家)  
      電話(011)562-6977

 会期:2013年9月12日(木)~9月29日(日)
 休み:月曜日(休廊日)
 時間:12:00~19:00 
     (最終日は ~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(9.13)


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 やっぱり、暗室仕様の「藤田真理展」です。
 今日の午後5時までです。限りなく遅い最後のピーアールです。よかったら立ち寄って下さい。



 ちなみにDM印刷はこうです。


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 いろいろと想像して、カーテンを開けてみましょう。

by sakaidoori | 2013-09-29 11:59 | ミヤシタ | Comments(0)
2013年 09月 29日

2231)「北村哲朗彫刻展 -大地の構図-」 エッセ 9月24日(火)~9月29日(日)

      
   
北村哲朗彫刻展 

   -大地の構図
          




 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 
       ル・ノール北9条ビル1階
     (南北に走る片側2車線道路の東側。)
     電話(011)708-0606

 会期:2013年9月24日(火)~9月29日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.28)


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 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 写真を見てもご覧のように、トーテンポールとか、仏像(マリヤ像?)のような作品が厳かに立ちすくんでいるだけだ。
 
 札幌で、木の力感や魅力を、大きく直裁に伝える作品展も珍しい。
 作家は大滝村(現伊達市)をアトリエにしての制作だ。小さい頃に当地で生活していたという。身の回りにあった木のボッコやカケラをストーブの前でいろいろと遊んだ少年かもしれない。その少年が大きくなって、大きく遊んでいるようなものだ。

 少年の頃の遊びは、ただ木と戯れることが主だったろう。もっと上手く作れたらとか、作品を眺めては一人満足した夢心地にもなったろう。もっとも、ノミだとかの道具を使ったかどうか? 
 もちろん今も当時の心は残っているはずだ。が、年を経ると、遊ばせてくれる環境なり空間が、単なる場ではなくなる。拡張された自分の世界であり、自分を包みながらも越えていく別次元の世界になる。自己表現を生む場に変質する。

 今展、そういう環境に対して、「自画像」であり、「包み込む女神像」であり、「一体化した守護霊」として個々の作品が立っていた。




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   ↑:「陽炎」・材 黄蘗(キハダ)。


 できることなら、10mもある倒木をそのまま陽炎にしたかったろう。そして記念碑としてその近辺、人と出会えそうな場所に立つ、朽ちるまで立ち続ける。
 そんな作品を持ち運ぶことは無理だ。そんな思いを胸にしまいながらの作品として見た。

 ただ、今作の陽炎はは一つではない。無数にある陽炎の断片のようなものだ。いくつかの陽炎が立ちのぼる、まるで人々が生きているようにして。
 一人の凛々しい姿ではないところが、一本の巨木の金字塔作品とは違うのだろう。





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   ↑:「懐」。楢(ナラ)。


 母子像。仏様、観音様でも、マリア様でも構わない。間違いなく「祈り」であり、大地への「賛歌」であり、「感謝」だろう。
 だが、大仰に宗教的でないのがいい。「これはあくまでも、作家・北村哲朗の儀式です。見る人よ、そんなにかしこまらずに、母体彫刻として楽しんで下さい」、そんな作家の等身大の人間性がにじみ出ている作品だ。


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 下腹部のふっくら感がいい。体のラインと木の組成をダブらせて、生命力を持たせようとしている。
 北村哲朗は、木の内部の筋に狙いを付け、そこを赤裸々にえぐり出し、木の力の根源を表現する作家だ。ビッキのように、表面のノミの跡に何とも言えないセクシーさを残し、全体の量魂と良き対比をなしている彫刻作品もある。
 北村哲朗は、木の生きた痕跡をいつまでも残すことに重点があるようだ。表面も彫り師の痕跡を残すよりも、生きていた頃の枝や瘤のある姿ををどこかに残し、「まだまだ木として生きているぞ」と言いたげな取り組みだ。



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 顔の部分、どこかぎこちない。他の力強さに比べると、ちょっとアンバランス。
 未完成なのか?そうだとしても未完成を楽しんでいるみたい。形を決めかねているが、作家自身は眺めているだけで満たされているのだろう。






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   ↑:「貌」・栗。


 ご本人は自画像と語っていた。
 僕は、作品をひっくり返すと、二本足のある人型に見えた。「人、あるいは自己」として見た。
 もちろん、今作品は上部の穴の開いた共鳴部分に重要な意味があるのだろう。何かの受容体であり、発信体。当然周りは森の中だ。




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   ↑:「森のもの」・栗。



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 こうして作品展として個々を見るのもいいが、住居の前だとか、隣接地域の境界域だとか、そんな自然の中で立ちすくんでいる姿として見たいものだ。

 そういう場としての札幌は可能か?残念ながら、あまり意味をなさないかもしれない。ここは都会だ。中央に比べれば弱いとは言っても、マンパワーの立ち込む場だ。今や自然とありのままで対話する場ではないだろう。
 こうして、作品として忘れていたことを思い出させてくれることに満足するのみだ。

by sakaidoori | 2013-09-29 11:31 | エッセ | Comments(0)
2013年 09月 28日

2230)「今村遼佑個展 『雨の日/A rain day』」 コジカ 8月30日(金)~9月28日(土)

 



今村遼佑個展 

雨の日/A rain day」
           




 会場:サロン・コジカ
      中央区北3条東2丁目中西ビル1F
      (東西に走る南側。)
     電話(011)522-7660

 会期:2013年8月30日(金)~9月28日(土)
 休み:日・月曜日(定休日)
 時間: 14:00~22:00

※ オープニング パーティー 初日 19:00~

ーーーーーーーーーーーーーーー(9.28)


 またまた最終日に行った。会期は一ヶ月もあったのに悪い癖がでてしまった。今日が最終日だから、つい数時間前のことだ。このブログを見ていく人はもういないだろう。



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 会場の中・・・、な~んにもない。
 『床の補修跡?これが作品?・・・一枚の絵画?このための展示?』
 不気味なまでに何もない。辺りも見回す。



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 やはり展覧会らしい雰囲気はない。何もないのがかえって不気味だ。


 そんな訪問客の戸惑いを確認しつつ、ようやく関係者が説明に来る。こちらからの質問の前に現れる絶妙のタイミングだ。


 「今回は音です。このヘッドホーンを使って下さい。このイスに座って向こうの壁を見ながら聴いて下さい。人の鼓膜に合わせたような自然な音が流れてきます。5分くらいです」
 「音響作家?」
 「そんなわけではないです。今回がたまたま音です」


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 幾秒か何も聞こえない。おそらく、誰もが無音に不安がるだろう。チャンと機械は作動しているのかと・・・。


 後ろで飲食のお客さんと店の人のやりとりがかすかに聞こえる。
 何となく世間の雑音らしい音も・・・、何やら聞こえる。

 「カランカラン、カランカラン」金属音?ガラスが砕けて落ちる音みたいだ。始めは静かに・・・「カランカラン、カランカラン・・・」、長い間一定の音が続く。だんだん大きくなる。自分の周りで本当に何かが砕けて落ちているのではないかと心配になる。頭を左右にきょろきょろする。何も変わってはいない。音はより大きく激しくなり、「落ちる」ではあるが「崩れる」、「崩れていく」という錯覚に陥る。だが、「崩壊の美学」と言うには音があまりに美しすぎて、身を任せてたくなる。・・・

 ひとしきりしたあと落ちる音は止み、後ろの人達の会話が遠い世界からのようにして微かに聞こえる。
 その人の声を聞いていて、「あ~、個展は終わったのだな」と気づく。

 目の前の壁を見ていたのか、落ちる音に幻影を見て辺りの空気ばかりを気にしすぎていたのか、とにかく不思議な体験は終わった。



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 明らかに「落ちる」というテーマがある。それを「崩れ」、「崩壊」と言うにはあまりにやさしい。そして綺麗だ。
 「虚々実々」というテーマを問題にしてもいい。バーチャルな音楽体験で、音が実在か、聞く自分が虚なのかわからなく錯綜する。だから「存在・在るということ・実感」をテーマと思っても構わない。だが、作家はその辺をするーっと通り抜けて、消えていった感じだ。
 一つの嘘を見せてくれたのか?あるいは本当を見せてくれたのか?




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 四隅に別作品があった。やはり音を聞くのだが、こちらは映像を見ながらだ。蛇口からの雫の落ちる音を聞く感じだ。
 「落ちる」が、メインの作品と共有するが、メインの作品の緊張度には及ばない。会場の静けさの装飾として、あるいはメイン作品の余韻としての陳列だろう。



 とにかく優しさが心に残った。「崩壊」ですら優しくなければならないという美学か?「崩壊」というものは優しものだ、ということか。この若き感性に返す言葉が見つからない。



 追記9/28、10時25分

 もしかしたら、誰かとの抱擁を求めているのかもしれない。今は無言の中での音と耳だけ。それを繋ぐのは美しさ。その美しさのように、「人々」に包まれたいのかもしれない。孤独との会話、その先の人との抱擁。そんなヒューマンリレーションを隠しているのかもしれない。
 日本人が、目と目と見つめ合って現代美術を実践するには恥ずかしい。それに、そこまで他者を求めてはいない。音を通して間接的に人の繋がりのメッセージを送っているのかもしれない。




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   ↑:左側、壁面に飾ってある作品。 
   ↑:右側、今回のフライヤ-。



   1982年 京都生まれ
   2007年 京都市芸術大学大学院美術研究科 修士課程彫刻専攻修了






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by sakaidoori | 2013-09-28 21:39 |  コジカ | Comments(0)
2013年 09月 27日

2229)「書とやきもの仲間展 雅山房書道塾+陶芸教室どろんこB」 大同 終了/9月19日(木)~9月24日(火)



  
書とやきもの仲間展
 

 雅山房書道塾     +
  陶芸教室どろんこB
   
  



 会場:大同ギャラリー 3階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2013年9月19日(木)~9月24日(火)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
  (DMを拡大して確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーー(9.17)


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 ちょっとボケてしまった。書の部分だけでもチャンと見せます。



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   ↑:右から、伊藤伊佐子、田中ツルコ、鶴間和恵、阿部和代



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 書教室と陶芸教室のコラボというか、合同展です。

 書は樋口雅山房教室。
 たまたま雅山房宅と我が家が近いので、書の話をいといろと伺っています。私自身が全く書をしない。純粋に見る人の立場と、書歴の長い達人との屈託のない意見交換です。こちらは書を知らぬが仏の気分で、「書展の面白なさ」の理由を語るわけです。氏は素人の意見として楽しんで聞いてくれています。勉強&刺激の時間です。
 というわけですから、書中心に紹介します。
 そして、「書展の面白なさ」とは言いましたが、今展は楽しかった。
 墨をゆったりと使って、カスレなどの装飾を配している。力技、強引な心象よりも、のびのび気分で、できるだけ筆の自由さと気分が合致したら、という表現です。確かに師匠の画風の影響も見られるが、それは教室展としての許容範囲でしょう。それに、師匠の具体的な書風はともかくとして、教室は意力よりも筆の自由さを追求しています。ですから、各人の求める個性も充分に出ていて興味深い。もちろん、アマチュア集団ですから、物足りなさもあるでしょう。が、侮りがたいですよ。見ていって下さい。



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   ↑:右から、村上一呂子、大平修子、篠原典子、中村省吾




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   ↑:右から、及川健治、千葉政弘、吉田啓子、中谷明男




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   ↑:(全作)樋口雅山房




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   ↑:樋口雅山房、「無」。


 教室展で師匠の作品を褒めるのはどうかと思うが、この作品は氏の後期代表作と呼びたい。
 「無」どころか。「有」そのものだ。坊主的な遊びや諦念とは無縁で、風流文人画の洒落た感覚からも遠い。木訥さと、やる気旺盛さと、大きさがある。風通しが良くて隙がない。「やるっかない」という仁王立ちの宣言書に見えた。齢七十、いよいよこれからだ。




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   ↑:右から、中村省吾、大平修子、岡山裕見子




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 この2点は今展の華でしょう。大きく載せます。

 まず、栄通好みから--。



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   ↑:千葉政弘、「夢」。


 寝ぼけ眼の夢ではない。ゆったりとまろやかな感覚の宇宙、それが書けたら!という夢見る心境だ。
 残念に思うのは、右下の左に下がる線が少しぎこちない。最後の一筆になって力が入ってしまった。いや、力が入るのは良い。その力が筆先の自由にならなかった。
 この少しばかりの堅さも可能性の証だろう。



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   ↑:中谷明男、「天高気清」。


 まさしく、その字の意味するごとく、「天は高く澄み渡り、天を包む万物の気は清きかな」でしょう。
 この字は上手すぎた。綺麗すぎた。
 これだけ書ける人は5枚、10枚と見せないといけない。その結果、少々アラは見えても構わない。例えば資料館ギャラリーで、小なりとも個展をすべきでしょう。額装にお金がかかる?額装無しでしてみましょう。すっぴんの「中谷明男」だ。陶作品を一緒に並べてはいけない。とりあえず、「書」を見せることでしょう。




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 最後に、自分好みのおおらかな字を載せます。



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   ↑:左側、鶴間和恵、「飛驚図写」。


 智永の「千字文」からです。原書は教科書的な実直なものでしょう。
 始まりの「飛」が堅かった。それではイカンと、残りの三文字で大きく美しく決めた。


   ↑:右側、及川健治、「照見五蘊皆空」(般若心経)・隷書。

 鶴間さんとは逆だ。気持ちよく三文字を書いたが、残りが狭まった。止めるわけにはいかないと、それなりに上手く納めた。
 しかし、安定した太さで気持ちよく丸まっている。かなり書いたことだろう。そして、自慢の一作だと思う。

by sakaidoori | 2013-09-27 23:12 |    (大同) | Comments(0)
2013年 09月 27日

2228)「POMパステル画展&ほおずき会展(中橋修教室展) 五十嵐慈保子」時計台 終了/8月19日(月)~8月24日(土



   

POMパステル画展 & ほおずき会展 (中橋修教室展) 

 五十嵐慈保子の場合~ 

      
       

 会場:時計台ギャラリー 3階 DEF/G室
      中央区北1条西3丁目 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2013年9月16日(月)~9月21日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)
   

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(9.17)


 3階全室で開催されている中橋修教室合同展です。教室の会場毎の名称です。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 中橋教室はあまり写実による存在感に重きを置いていません。空気感とか、周りとの関係性とか、ふわふわした気分によって存在なり心象表現を目指してる、そんな感じです。ですから、比較的にパステルの使用も多い。


 その中で異色中の異色作品に出会いました。絵画とはいはないでしょう。コラージュになるのですか?とにかく栄通好みです。



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   ↑:(G室のほおずき会展の会場風景。)正面の4点が五十嵐慈保子・作。


 真っ先に、大のお気に入りを載せます。


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   ↑:「みなわのダンス」。


 何だか分かりましたか?拡大図を載せます。


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   ↑:(上掲作品の部分図。)


 「麦」です。何が悲しくてこんなに麦を敷き詰めたのでしょう?全員こちらを向いている。
 抽象表現で、増殖・反復系の作品です。
 ところが、全体の模様に異様な雰囲気がない。異常増殖とか、幾何学模様とか、何かの「意味」をこの麦配列に感じることができない。強いて言えば淡々とした歩み、静かな静かな呼吸とでもいうしかない。「破壊・創造・建設・構築」などの男のかしこまった美学とは全く無縁だ。
 麦がびっしり敷き詰められているのに驚き、その淡々とした情熱に更に驚いてしまった。



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   ↑:「風の音」。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 縞の模様の付いた黒地の厚紙に糸をリズミカルに這わせている。



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   ↑:「紅(あか)い夜」。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)


 糸巻き巻き、ではなくてこよりをくるくる丸めて、それを模様にして全面貼り合わせ!麦と同じ感覚だ。



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   ↑:「みなわのダンス」


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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 とにかく面白い人だ。イメージの源泉は共有しているようだが、何でも取り組む遊び心と、遊びではすまされない情熱に感動してしまった。どんな人だろう?お話がしたいものだ。




     ~~~~~~~~~~


 中橋修教室展はいつも楽しく見ています。好みを中心にして何人か掲載していきます。


 まず始めは五十嵐慈保子さんと同じ「ほおずき会展」から。




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   ↑:(全て)高松美枝子



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   ↑:高松美枝子、「サイレント」。


 淡く描くことを拒否しつつ、しかも淡いリズムや強くない不思議さがにじみ出たら、そんなことを思った。
 自信を持ってこの道を進んでいかれたら面白い。



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   ↑:星野紀子。左から、「言葉」、「フォーカス」。



 この方も中橋教室では異端的存在だ。
 ワイルドに、接近して、大きく描くことに全勢力を注いでいる。2枚なのが残念。




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 この教室は、中条修さんの「空気感」が少し薄い感じ。氏の遊び心や工作感覚を共有しているみたいです。




 次は「POMパステル画展」です。


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   ↑:(全て)志田久美子


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   ↑:志田久美子、「恋のラブソディー」。


 どれもちょっと奇想天外で楽しそうだ。





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   ↑:(全て)柏木俊子


 真ん中の作品に惹かれるが、写真紹介が難しいのでパスします。左の花の絵も気分爽やかで、中橋エッセンスを充分に吸収されている。



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   ↑:柏木俊子、「踊り子」。


 静寂で秘密めいたドアを描けば、爽やかな春も表現できる。そして、ピカソにも通じる女の秘めた喜怒哀楽だ。何でも楽しくこなす柏木俊子だ。
 とりあえず、資料館ギャラリーで個展慣れをして、本格的に他人に見せたらいいのに。






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   ↑:(全て)鎌田佳子



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   ↑:鎌田佳子、「night cafe」。


 教室展の中では異色の暗さ。真っ直ぐ線を引くのが嫌いで、いつもそれなりに揺れている。
 上掲の作品、何だか楽しき大人の時間を連想した。何をガヤガヤ話しているのだろう?窓が揺れる、言葉が揺れる、ワ・タ・シが揺れる。揺れる人生に幸いあれ。





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   ↑:(全て)月永稚子





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   ↑:(全て)辻ノ内美代子





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by sakaidoori | 2013-09-27 00:25 |    (時計台) | Comments(0)
2013年 09月 26日

2227)④「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)


 2191)①、2200)②、2226)③の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 少しのんびりした報告になりました。一気に残り4名の作家掲載を目標に進めていきます。



◯ 會田千夏の場合


   1980年 北海道札幌市生まれ
   2003年 札幌大谷短期大学専攻科美術専攻油彩コース修了
   2005年 多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了


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   ↑:右側、「くだものやさん」・(公募展出品作)1997年(高校時代) 803×1167㎜ キャンバス 油彩。
   ↑:左側、「旅の入り口」・2002年(大学時代) 1940×970㎜ キャンバス 油彩。



 高校時代の出品作、明るくって楽しい作品だ。カラー・ウーマンだったのだ。

 僕は大学時代の3人グループ展で、ちょっとドロドロとした鉛筆ドローイングの印象が強烈で、彼女の七色でハッピーな世界をあまり気にしないようにしていた。どんなドロドロした世界かというと、左の作品の上の方の表現だ。



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   ↑:①(上掲作品の部分図。)


 この部分図のグロテクスさ、秘密めいた作品が印象深かった。
 いま、この作品をよく見ると、服の部分はしっかりと七色で汚れている。


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   ↑:②(上掲作品の部分図。)



 具象をそぎ落として、この①と②の表現が次から次へとふかまっていった。そこに線描も加わり、次は何が出るかと、ますます楽しませてくれる現在進行形の注目作家だろう。


 数ある作品の中から、今展は以下の作品の持参だ。作家の気持ちがどの辺にあるのか、そんなことも楽しんで下さい。




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   ↑:(右側の大きめの3点)「katari-jima」シリーズ、2009年 ボード 油彩。



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   ↑:左から、「katari-jima 2009.6.8a」、「katari-jima 2009.6.8」・2009年 ボード 油彩。






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   ↑:「portrait」シリーズ、2011年~2013年 ボード 油彩。



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   ↑:「portrait 2011.3.13」・2011年 900×900㎜ ボード 油彩。



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   ↑:「portrait 2013.1.15.a」・2013年 900×900㎜ ボード 油彩。



 明るくてハッピーなんだが、どこか秘密めいたムードが潜んでいる。そこも會田作品の魅力だろう。




◯ 浜地彩の場合



    1980年 北海道札幌市生まれ。



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   ↑:「光を求めて」・(公募展出品作品)1997年(高校時代) 530×730㎜ 紙 水彩。



 画家にとって記念すべき作品だ。
 今展の多くの作家が、有島公募展入賞に励まされたことを記している。言葉には昨日のような響きがあり、新鮮そのものだ。背筋を伸ばして読んだ。
 それは彼等がまだ、その頃の若さの延長上にいるということか?原点の持つ重みか?




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   ↑:右側、「ゆらぐ私の心」・(公募展出品作)1998年(高校時代) 727×606㎜ キャンバス 油彩。






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   ↑:「記憶を泳ぐ」、2013年 6点1組 石膏粘土 発砲スチロール ドライフラワー 木材 パラフィン紙。




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 浜地彩はいろんなことをしたいという。溢れるアイデアを一つ一つの形にしたいのだ。
 今展のミニチュアのような作品は、額に納まって上品だが、これからのための大いなる実験場なのだろう。
 沢山作ることだ。質を問わずに量を積むことだ。質を忘れて無我夢中になることだ。エネルギーを留めないで、常に吐き出せばいいのだ。見えなかったアイデアまでも、ぞろぞろと湧いてくるだろう。あんまり溢れて大変になるかもしれない。その時ハタと考えればいいのだ。

 今展の浜地彩は「原点と“これから”」を見せにきた。

 

by sakaidoori | 2013-09-26 15:40 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)
2013年 09月 26日

2226)③「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)


 2191)①、2200)②の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)






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 この標識を左に回る。



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 左の方に記念石柱が建っている。
 ここからが旧有島農園か?
 真っ直ぐ歩けば小さな川と橋があり、その先の右手に記念館が見える。



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 途中にある橋の名前は「吉川橋」。どなたかの名前が出所か?
 そこから見た「第2カシュンベツ川」。「カシ・ウス・ベツ。、仮小屋の・在る・川、の意か?
 上流を撮ったと記憶するが、下流に見える。





◯ 林こずえの場合



   1984年 北海道江別市生まれ
   2007年 「東北芸術工科大学 卒業・終了作品展 2007」出品
   2009年 東北芸術工科大学芸術工学研究科修士課程芸術文化専攻 こども芸術教育研究領域修了  


 
 概ね、時系列で展示しています。


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   ↑:右側、「母のぬくもり」・(公募出品作品)2001年 910×1160㎜ パネル 油彩。



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   ↑:「あざやかに ちりばめる」・2007年 800×800㎜ 木版 鳥の子紙 水彩絵具 カラーインク。

  



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   ↑:「視界を包む」・2009年 600×600㎜×10点 木版 鳥の子紙 水死絵具 カラーインク コーヒー。



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   ↑:(全て)2013年 大きな作品=410×410㎜ 小作品=250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。


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   ↑:「類 Ⅲ」・2013年 250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。


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   ↑:「無限」・2013年 250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。


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   ↑:「断片」・2013年 250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。



 現在、29歳ぐらいの画家。
 当公募展の出品作(高校時代)、大学時代、現在と、その緩やかな変化を見ることができる。油彩、木版、水彩画と技法上も変化している。もっとも、技法の変化などは、今展のために意識的に並べたものかもしれない。

 初期の生き物への暖かい接近、特に肌への優しさが特徴だ。そして全体を心地良いムードで包み込む。
 大学時代からは具体的な形は消えた。決められた形に拘らないで、心の織りなす色や形を追求しているみたいだ。それでも、なんといっても「優しく心地良い」が信条だろう。それを細胞の極小として、あるいは宇宙大の無限の拡がりとして取り組もうとしているみたい。そういう視野の中で、単なる優しさを越えたいのかもしれない。




◯ 河野健の場合



  1973年 北海道苫小牧生まれ
  1996年 愛知県立芸術大学美術学部油彩専攻 卒業



 概ね、時系列の展示です。



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   ↑:「人物」・1990年(第2回当展出品作・高校時代) 1167×910㎜ キャンバス 油彩。


 現在、39歳ぐらいの画家。

 自画像と思いきや、友人の肖像画だ。男らしく凛々しい姿だ。「理想の男」を画家は見たのかもしれない。

 初期の作品とは不思議なものだ。その後、画家は人物のみを描き続けている。あたかも画題の子供が自画像のようにして登場してくる。モデルは自分の子供かもしれないが。「家族の中のお坊ちゃん」に拘り続けている。

 その「お坊ちゃん」は、どこか覚めていて周りの空気と一体になろうとはしない。「家族の断絶」とまではいはないが、「家族内関係、自分の位置、自分は立派に大人になれるのか」を常に問うている。そして、未だに児童のままの姿だ。モデルがその年齢だからかもしれないが。

 高校時代に描いた「高校生」、いつになったら絵の中の坊やは「高校生」に成長するのだろう?いつになったら、しっかりと自画像を描くのだろう?そして、「家族」が永久の問題であっても、いつになったら「社会」が絵画に顔を出すのだろう。



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   ↑:「castanet」・2004年」 1145×1120㎜ キャンバス 油彩。





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   ↑:2005年~2010年 キャンバス 油彩。



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   ↑:「こどもの時間」・2010年 727×1167㎜ キャンバス 油彩。






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   ↑:2011年~2012年 キャンバス 油彩。



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   ↑:「door mirror」・2012年 333×606㎜ キャンバス 油彩。




 ④に続く

by sakaidoori | 2013-09-26 10:08 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)