栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

<   2012年 06月 ( 25 )   > この月の画像一覧


2012年 06月 23日

1801) 「谷口明志 × 川上リエ 『SPACE ABSTRACTION Ⅱ』」 茶廊法邑 6月16日(土)~6月24日(日)

     
谷口明志 × 川上リエ 

SPACE ABSTRACTION
    

        
 ・会場:茶廊法邑(さろうほうむら)
      東区本町1条1丁目8-27
      電話(011)785-3607

 期間:2012年6月16日(土)~6月24日(日)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     
 企画:当館

ーーーーーーーーーーーーーーーー(6.21)

 (ただ今編集中。明日までです。)


f0126829_923223.jpg



f0126829_9235144.jpg



 「コンブの人・谷口明志」、さて金属造形・川上リエを何て名付けよう?イメージとしては「鉄で膨らむ・川上リエ」なのだが、一発命中と言う言葉ではない。

 谷口明志がなぜコンブかというと、線描の似姿もあるが、根っ子はしっかりと海中にへばりつき、漂う姿に自由と可能性と旅人のような心境を思うからだ。根っ子という定点はしっかりしているが、見た目はフラフラ、しかしその根っ子も台風がきたら大地から切り裂かれて海を漂う、海という空気の中であなた任せの存在になる、全く谷口明志の画風・様式・心理にピッタシだと思っている。

 一方の川上リエだが、「これだ」という立体造形作家ではない。(続く

 


f0126829_9453618.jpg


 


 (おそらく、今日の深夜に書き上げます。明日までです。写真を見て、関心が湧けばご覧に言って下さい。)

by sakaidoori | 2012-06-23 09:57 | (茶廊)法邑 | Comments(1)
2012年 06月 23日

1800)③「日常の冒険 -日本の若手作家たち-(山本聖子の場合) vol.3」 500m美術館 5月12日(土)~7月27日(金)

f0126829_9421539.jpg







○ vol.3 日常の冒険 

  ー日本の若手作家たちー
 


f0126829_9425795.jpg

 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年5月12日(土)~7月27日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:00~22:30(照明点灯時間?)



 参加作家:
 今村遼佑(京都府生) 今村育子(札幌市生) 山本聖子(京都府生) 進藤冬華(札幌市) 西田卓司(札幌市) 藤倉翼(北広島市) 田中巧起(栃木県) 石倉美萌菜(札幌市) 狩野哲朗(仙台市) 鈴木悠哉(福島県福島市) 清治拓真(新潟)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.31)

 11名の作品展。
 1783)①、1786)② の続き。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

○ 山本聖子の場合

 作品は2群。


f0126829_22455461.jpg
     ↑:①「向こう側の厚みについて」・2012年 塩化ビニールシート ボール ガラス 糸 他。


f0126829_22462485.jpg


f0126829_22463725.jpg


f0126829_2246565.jpg



f0126829_22471156.jpg
f0126829_22472642.jpg



f0126829_22551161.jpg
     ↑:②「空白な場所」・2010年 物件広告間取り図 ラミネート。 


f0126829_22565789.jpg
f0126829_2257121.jpg



f0126829_22572555.jpg
f0126829_22573872.jpg



 この二つの作品が同じ作家とは驚きだ。
 確かに共通点はある。囲われた世界での安定感、透き通るような空気感、どこまでが自分でどこまでが他人かは明快なのだが、なんとなく納得しがたい、そんな所在なさと存在感を両立させている。だが、それは「同じ作家」と指摘された時の言葉であって、両作品に注ぐエネルギーの違いには驚かされる。

 ①は何となくそこに置いてみて、本当にそこにあるのかを確認しているみたい。素材は透明感があれば何でもいいみたい。「存在と感覚」をテーマにしている。

 ②はプラモデル組み立て部品の余り物を、近未来都市空間のようにおびただしく繋いでいる。淡々とした作業だが、実に膨大なエネルギーだ。だが、過剰なエネルギーの発散を意図していない。自分が確認したいことが、たまたま過剰になっただけだ、と作家は応えるかもしれない。
 常日頃、何十㎞も走っているマラソン・ランナーに「毎日毎日凄い練習量ですね!!」と人は賞賛する。しかし、彼はニコリともせずに、「ただ走っているだけでが・・・」と、戸惑う。『何を驚くのだろう?ただ走っているだけなのに。昨日も走った、今日も走った、明日も走る、ただそれだけなのに。苦しいか?ランナーに感情を聞いてどうするの?』彼は世間にサービス精神の無さにはすまないと思っているが、ただそれだけのことだ。

 僕は山本聖子を喜怒哀楽の乏しいランナーに喩えた。もしかしたら逆かもしれない。激しい気性の持ち主が、その気性のままでは何も見えないと悟って、淡々と振る舞っているのかもしれない。
 前回の今村育子にとっては、閉じた空間は前提であった。そこで「自分とは何か」を試みていた。自分と自分自身との会話の場であった。
 今回の山本聖子は、閉ざされた空間そのものを問うている。「そこはいったい私にとって何なのか」を自問している。存在を見つめる人・山本聖子と綽名(あだな)しよう。

by sakaidoori | 2012-06-23 00:05 |  500m美術館 | Comments(0)
2012年 06月 22日

1799) 「藤女子大学写真部 新人展 ~撮る前、ロマン~」 資料館 6月19日(火)~6月24日(日)

  
  
   藤女子大学 写真部 

     新人展
  ~撮る前、ロマン
 

             

 会場:札幌市資料館2階6室
      中央区大通西13丁目 
       (旧札幌控訴院。
       大通公園の西の果て)
      電話(011)251-0731

 会期:2012年6月19日(火)~6月24日(日) 
 休み:
 時間: 9:00~19:00
      (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(6.21)

f0126829_10195537.jpg


f0126829_1020683.jpg


f0126829_10201599.jpg



 モノトーンで名をなす藤女子大学写真部だ。

 新人展ということもあってか、ちょっと元気不足だ。
 新1年生を含めた、新入部生は写真歴が浅いので、目立ちたがり精神が低いのは当然だろう。だが、1年生は入部も浅いのにそれなりの数を出品していて好感が持てた。
 問題は2年生だ。今展を低調にさせている元凶は彼女等にある。全員とは言わない、誰かがドドーンと元気印を発揮すればいいのに。2年生は新人ではないが、今展の本当の主役はあなた方にあるのに、もっともっと頑張って欲しい。
 3年生、「新人展」ということで遠慮がちの出品だが、それなりに自己表現をしていた。というか、この学校のこの学年は充実していると思う。次回の発表時は主役になって、ドドーーンと「藤女子大学写真部」の存在をアピールして下さい。今しないと直ぐに卒業だ。
 4年生、限りなく控えめに、そして「しっかり、今のわたし」だった。

 会場にはアンケート用紙もあった。今回は当ブログでアンケートに代えよう。
 以下、1年生から順番に作品を載せていきます。最後まで載せるつもりですが、時間が・・・。


f0126829_1029111.jpg
     ↑:1年・煤田未来

f0126829_10291154.jpg



 時間を堅く止める、そういう感覚の写真群だ。おspらくそれは無意識の結果だろう。だが、こうして個性が自然に出ていて良い。堅くて真面目な学生かもしれない。



f0126829_10361723.jpg
     ↑:1年・尾初瀬陸子

f0126829_10362939.jpg



 影を撮ったり、置いてけぼりのボールだとか、ロマンティックでクサイ作品だ。だが、クサクて大いにいい。こういう恥ずかしい作品を撮って見せて表現者は皆な成長していく。
 人が好きなのだろう。ニギニギ場が好きなのだろう。次回は2歩前進した被写体、前向きの顔が見たい。その次は半歩後退した作品だ。


f0126829_10442017.jpg
     ↑:1年・岩田千穂


f0126829_1045487.jpg



 写真が好きで何でも撮っちゃおう、でも、近づくのが恐いな~、そんな声が聞こえる。やっぱり近づいて撮らないと、心が見えない。写真部に入ったからには勇気を学ぼう。
 (しかし、僕も恥ずかしくもクサイ言葉を並べているものだ。その代わりに、彼女達に接近して語っているつもりだ。一期一会の切り捨てゴメンに聞こえるかもしれない。許してくれたまえ。)


 次は問題の2年生だ。


f0126829_10551752.jpg
          ↑:2年・橋本つぐみ

 物語の好きな人だろう。それも、カラーを愛する人のようだ。その色具合が白黒のグラデーションに生きてはいない。チャンと撮ってはいるが、う~ん・・・。
 読書に喩えれば、青春本だ。冒頭を読んだら、「あら、若くておもしろそう」、とつぶやいてページを開いたら真っ白、ディ・エンドだ。そんな不完全燃焼の展開だ。
 何を遠慮しているのだろう。白黒表現の技術不足は仕方がない。なぜ、心の物語大きく拡げて他人に問おうとしないのか?


f0126829_118218.jpg


 
 背のの小さい人だ。が、批判がましい言葉にも物怖じせずにバッチリと目が定まっていた。
 「2年生、どうしたの?」「伸び悩みだと思います。皆な、いろいろあって・・」
 伸び悩みは橋本つぐみ本人だろう。
 「次回はタノムヨ」「はい、もっと上手くなります」「いや、上手くならなくってもいい、もっと大きく沢山出そうよ」
 そして約束しあった、「次回は10枚」。合い言葉は「大きく沢山」だ。


f0126829_1146378.jpg
          ↑:2年・熊林美稀


 気分は、「直線、視線、道の先にあるもの」だ。テーマはしっかりしている。撮影者の志向がうかがわれて好感が持てる。だが、あまりにテーマに拘りすぎて、脇を見ていない感じだ。作品から不思議さというか、作家の意思を越えたサムシングが乏しいのが欠点だ。この作品の場合は、ただ単に向こうにあるもので終わっている。向こうに至るまでの悩ましい部分がポッカリと消えている。
 だが、それも徹底して一点を見つめる作品群を発表したから見えたのだ。短所を引き上げる必要はない。長所を生かさない短所を自覚することは大事だ。


f0126829_1363883.jpg
          ↑:2年・竹中春奈

f0126829_13154337.jpg



 もの悲しい心象気分の作品群だ。コンパクトすぎて世界が小さくなった感じだ。



f0126829_13204177.jpg
          ↑:2年・小林紗佑理

 今回は1枚の出品。次回を楽しみにしています。



f0126829_13245262.jpg
     ↑:2年・奥村明日稀


 残念ながら、今回はテンションが低い。それは仕方がない。多人数の部活だ。そういう人がいてもいい。

 問題は、一番目立つ場所に彼女の作品群を展示したことだ。それは、「藤女子大学写真部」のセンスが疑われる。(私見だが、熊林美稀君を正面の目立つ場所に置き、熊林君の置いていたところに橋本つぐみ君、橋本君の場所に奥村君だ。どうでしょうか?)


 とりあえず1、2年生だけは報告できました。できれば3、4年生とも思いますが、②は未定です。


f0126829_13403061.jpg
 

by sakaidoori | 2012-06-22 14:16 | 資料館 | Comments(1)
2012年 06月 22日

1798)②「森本めぐみ・展」 テンポラリー 6月6日(水)~6月24日(日)

  

森本めぐみ・展        


 会場:テンポラリー・スペース
      北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2012年6月6日(水)~6月1724日(日)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

 ーーーーーーーーーーーーーー(6.9 6.21)

 公開制作は17日までで、その後は完成作品の個展だ。制作中も見たかったが来れなかった。遅まきながら完成作品だけは見ることができた。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


f0126829_23475771.jpg


f0126829_23484787.jpg



 森本めぐみが変わった、大きくなった、成長した。絵がふてぶてしくなった。

 人間が消えた。いや、厳密には下の方で「森本めぐみっ子」が、小さなお菓子のようにたむろしている。それらは、彼女の中の小さなセンチさやロマンの燃えかすだ。脱皮するための儀式だ。(そうあって欲しい。)
 なんと言っても驚かされるのは、両の翼を拡げたような鳥だ。画面を大きく支配している。翼といっても、右側の白い部分は、人の足にも見えるから、「へんてこりんな鳥」だ。その鳥、頭から水辺に真一文字に突っ込んでいって、そこいらのものを食い尽くす勢いだ。もしかしたら、お菓子のような「めぐみッ子」を食べているのかもしれない。非常に攻撃的だ。
 その鳥の異様さとは裏腹に、作品は透き通っていて綺麗だ。時折日の光が当たると、キラキラ輝いていた。



f0126829_0243327.jpg



f0126829_0194953.jpg
f0126829_0201239.jpg



f0126829_0253636.jpg



f0126829_0275340.jpg 画面の左上を見るように指示された。左の部分写真がそれだ。目が悪くて、その時は意味不明の斑点でしかなかった。今、こうしてみると明らかに「孤舟」だ。

 作家はこの舟に何かの暗示を埋め込んでいるのだろう。それは作家の中の物語が完結するための象徴だろう。舟に向かうのか、舟から出るのか?舟が進むのか、舟がたむろするのか?だが、僕にはこの舟はいらない。
 森本めぐみは物語画家だと思う。過剰な精神が頭に宿っている。時に吐き出し吐き出し、時に飲み込み飲み込み、時には全てを受け入れる菩薩心、時には攻撃的な吶喊(とっかん)精神だ。そこに物語が生まれる。文字がないのが絵だ。サービス精神過多な人だから一艘の舟で、より分かり合いたいのだろう。それは彼女の祈りでもあろう。成長過程の乙女心でもあろう。
 だが、今回は激しい鳥で充分だ。そこには人知れぬ物語がある。その物語の謎解きは僕の任ではない。この攻撃的な鳥、そして綺麗に大きな画面を作りきった、まさしく大きな大きな舟が生まれた。より大きな物語を期待しよう。


f0126829_0595849.jpg



f0126829_132078.jpgf0126829_14211.jpg
f0126829_133461.jpg



f0126829_154618.jpg
 



f0126829_172070.jpg


by sakaidoori | 2012-06-22 01:08 | テンポラリー | Comments(1)
2012年 06月 21日

1797)「写真展|集合的無意識 えぞ梅雨の夢 (QUATRE SAISONS)」 たぴお 6月18日(日)~6月30日(土)

写真展|集合的無意識 えぞ梅雨の夢 

    (QUATRE SAISONS)
          
    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年6月18日(日)~6月30日(土)
 休み:日曜日(定休日)?
 時間:11:00~19:00 

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 18:00~

 【参加作家】
 小林孝人 平雅人 田中季里 藤川弘毅 山下敦子 
   
ーーーーーーーーーーーー(6.15)


f0126829_8334598.jpg



f0126829_834229.jpg



 久しぶりにオープニング・パーティーに参加した。参加者のお顔もしっかり見えて。見えて申しわけありません。仕方がありません。作品同様に楽しんで下さい。


 さて、実に小難しいタイトルの写真展です。「写真展|集合的無意識 えぞ梅雨の夢」、心理学用語に文学的言辞を重ねて、要するにどういう意味かは・・・、適当に解釈するしかないでしょう。それに、参加作家がどこまでタイトルに拘ったかも不得要領です。それぞれが好き勝手にあっちこっちを向いて、それでも何となく面白い、そんな写真展です。何となく、「じめじめした写心で行こう」、だから、「まとまらずに勝手に見ていこう」という気分です。

 今回は言葉少なく個別作家を載せていきます。入り口から右回りです。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)



f0126829_853057.jpg
     ↑:平雅彦


f0126829_931035.jpg
          ↑:「ヒメギクチョウ」。


 花と蝶です。男と女の夢物語として見ましょう。
 普通の「花と自然の写真展」にあってもおかしくありません。そういう意味では普通です。唯一の違いは、仕上がりがかなり暗いことです。たまたまなのか意図的なのか?クリアーな普通の花の写真が、ただ暗めに仕上げただけで映える、そんな写真群です。




f0126829_9101571.jpg
     ↑:藤川弘毅


f0126829_9335054.jpg


 最近はもっぱら立体造形作家として売り出し中の藤川弘毅、「ちょっと待ったッ!オレは写真家だぞ」とまくしたてての登場だ。久しぶりの写真だけに、確かに迫力充分だ。実物の人形以上に、実物の女以上に覇気、妖気が漂っている。それにしても、この写真家にこの暗いムードはピッタリだ。




f0126829_917623.jpg
     ↑:山下敦子。左から 「?」、「初夏」、「小宇宙」。

f0126829_9205654.jpg
          ↑:「小宇宙」。


 ビッシと被写体を見つめる眼差しが良い。何も見ない、ただこのシーンだけを強く見る、そういう直向きさが良い。小さな宝物のような写真群だ。



f0126829_9251129.jpg
     ↑:小林孝人


f0126829_941119.jpg
     ↑:左から 「?」、「砂岸」。


 キノコを愛する小林孝人だ。作品が暗い、くらい、クライ!今回、恐ろしく暗い仕上がりだ。僕はそれなりに彼の作品を見続けているが、この暗めの表現は意図的ではないと思う。恐らく現像ミスというか、手違いだろう。作家が何と言おうと、そう言いきる自信がある。
 
 しかしこの暗さ、何とも渋い味わいでググッと迫る。特に「砂岸」などは、面白い。クリアーで暗い。まさに「えぞ梅雨の夢」だ。偶然のなせる不思議さで、作家の意図と作品の効果が分離していて、これも現代美術的で面白い。
 しかし、今作の効果を作家はどう解釈しているのだろう?

 ちなみに、被写体の現場は中国です。だから副題として、「エゾのきのこ人、中国をさ迷う」がピッタリだ。
 彼の地にはタラコのようなきのこもあるんだ。




f0126829_9462647.jpg
     ↑:田中季里、「森へ」


f0126829_9483613.jpg
f0126829_9485130.jpg



 う~ん、小さい。語るには余りに小さくてどうしようもない。
 イスを森の中に置いて物語を展開している。イスを田中季里として見たらわかりやすい。小さくて座らないイスだが、暗い物語ではない。森の中をいろんな気分で楽しんでいる。かくれんぼしたり、いたずら気分になったり、チョッピリ恋心を持ったり、センチになったりと田中季里のロマンテックな夢物語だ。

 が、あまりに作品が小さすぎる。もともと小さい世界で完結的な物語を得意とする学生だった。最近はここでの発表経験が生きて、大きく見せている。今回、写真のみの発表ということで、地金と遠慮がストレートに出てしまった。
 

by sakaidoori | 2012-06-21 10:12 |    (たぴお) | Comments(2)
2012年 06月 20日

1796)「水戸麻記子・絵画展 『MITORAMA ー再会ー』」 さいとう 終了・6月5日(火)~6月10日(日)



水戸麻記子・絵画展 

    MITORAMA 

        ー再会
 


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2012年6月5日(火)~6月10日(日)
 休み:月曜日(定休日) 
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(6.7)


f0126829_13454876.jpg



f0126829_13472024.jpg



f0126829_13473545.jpg




 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 「ミトラマ」こと。水戸麻記子の個展だ。
 ミトラマ、ハチャメチャ気分で元気一杯という画風で、そのファンも多い事だろう。
 今展、なによりも色が華やかだった。強いピンクが一杯だった。それと、人物への拘りが益々増していた。大作の威風堂々さ、小品のチョッピリしんみり調と、バランスを保ちながらいろいろと人物に迫っていた。


f0126829_14191677.jpg
          ↑:「犬と女」。


 堂々とした作品だ。ミトラマ得意のシュールさやイタズラっぽさは影を薄め、絵画としての構築性に主眼があるようだ。

 面白くて楽しいイメージは限りなく湧いてくるのだろう。問題は、イメージを構図の枠内で定着させようという動機が強すぎることだと思っている。
 上の大作の場合、ピンクの女は大きな三角形だ。そして、ビシッと中央に太い線が走っている。女の黒い右目、右指、左手の甲、本、右膝が一直線だ。右足先はリズムと変化のために中央ラインを避けているが、決して中央線を犯すものではない。女が左向きだから、それとのバランスを保つために右側に犬や黒い部分や花などを置いている。若干の動きや比重の違いを加えながらも、「構図」が全面に立ち現れて堂々とした女になっている。

 シュールさが売りの水戸麻記子ワールドだ。一方であまりに正当構図に拘るから、元気さや楽しさは画題や勢いで表現できても、絵画としてのサムシングが生まれにくい。
 いや、画家が構図に拘るのは当然だ。そして、意外にも安定構図に親近感のミトラマ・ワールドであった。安定感・存在感とシュールさの両立開花が課題と言うべきなのだろう。個人的には、「破綻の要素」を好む。シュールと「破綻」は両立できるが、「存在感」と「破綻」の両立はどうなのか?そもそも「破綻」という言葉を画家が欲しているのか?さらなる研鑽が続く水戸麻記子だ。


f0126829_1652995.jpg
     ↑:(クリックして下さい。おおきくなります。)


 この組み合わせ、大好きですね。哀愁漂う男、旅する男、見果てぬ夢を見過ぎて落ちる男、それらは画家のロマンティシズムでしょう。ちょっとセンチですが、絵とは正直なものです。センチといえば素直な乙女?もいる。それに、意味不明なクラゲもいる。


f0126829_16123595.jpg
          ↑:「クラゲと」。

 僕にとってのタイトルは、「男と女」だ。当然クラゲが「女」で、クラゲの背景の黒い影が「男」です。クラゲの下の方のヒラヒラは女性の泳ぐ姿、気付きました?チョットいやらしくてロマンティックで、こういう世界がでてきて嬉しくなった。






f0126829_1622214.jpg



f0126829_16223581.jpg



f0126829_16225282.jpg



f0126829_16231156.jpg
     ↑:中央、「奄美の境界」。左側、「拝啓一村殿」。


 昨年、水戸さんは絵画出品で奄美に行かれた。奄美と言えば田中一村です。当然、一村の絵画館がお目当てで、奄美を堪能してきたそうです。その記念の作品が、左側の2点。
 「奄美の境界」、その植物を見れば一村を思う。手前のヘビのようなものは「ハブ」。遠くに男のシルエット、一村でしょうか?僕も奄美に行かねばならない。画家に先を越されてしまった。


f0126829_16254450.jpg
     ↑:左側、「甘やかされて」。


f0126829_16232720.jpg




f0126829_16385665.jpg
f0126829_16391034.jpg
     ↑:左側から 「静物」、「青いトマト」。


f0126829_16411167.jpg
          ↑:「サンローゼ」。

 これはもう素直に哀しそうな独り男を思ってあげましょう。漫画のような水戸麻記子・絵画だ。本をめくりながら、あの頃の寂しさやるせなさを思い出してあげましょう。


f0126829_16451192.jpg
          ↑:「4月の雪」。

 「時計台の鐘はなるなる 
    四月に雪はふるふる 
       サボテン男に涙ぽろぽろ 
          夕焼け空はぴんくぴんく」

by sakaidoori | 2012-06-20 17:11 | さいとう | Comments(1)
2012年 06月 19日

1795)「工藤悦子・個展 ー悠久の華(環)ー」 時計台 6月18日(月)~6月23日(土)

  

工藤悦子・個展 

     ー悠久の華(環)
       


 会場:時計台ギャラリー 2階B室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年6月18日(月)~6月23日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(6.19)

f0126829_15562889.jpg




 入り口に立つなりビックリしてしまった。何という大きさだ、150号が4枚だ。しかも入念な油彩だ。画家にこんな情熱エネルギーがあったとは!!

 ・・・

 しばし入り口で立ち止まってしまった。


 なにはともあれ、会場風景を載せます。


f0126829_1841565.jpg



f0126829_189127.jpg




f0126829_1893427.jpg




f0126829_1895070.jpg



f0126829_1810854.jpg



f0126829_1810211.jpg




f0126829_17521565.jpg



f0126829_1962581.jpg
f0126829_1963848.jpg
     ↑:(超大作の部分図。)



 見渡しても分かるように、「花」の世界だ。もっとも、花弁は骨だ。強い発色で明快な赤茶が背景を覆っている。
 画題とタイトルから、作品の意図は明瞭に読み取れる。花、骨、血に託す生と死の循環、生命よ永久に。しかし、それは言葉だ。どういう生であり、どういう死であり、どういう命の永遠性かは絵画の中身が決める。

 今回、確かに大きくて迫力満天なのだが、花の様子もかなり変わったと思う。以前は、骨の表現はより繊細で、全体の花のムードは暗くて沈鬱、内側に籠もる美で、かつ清らかさを醸し出していた。赤茶色もこんなに発散していただろうか?小刻みにに震える鎮魂花だった。
 だが、前向きで積極的な花になった。実にエネルギッシュだ。鎮魂が前提にあるから、横に増殖広まり、全てを覆い隠し抱きしめようとしているみたい。

 それに小品も驚くばかりだ。実に妖艶だ。女性器なのか子宮なのか種なのか、白を基調にして美しい、しかも大きい。どれをとっても熟女爛漫の境地だ。



f0126829_1914188.jpg


f0126829_194450.jpg





 外に向かう大きなエネルギー、内側から発散する生きている証、ともに女性的な生命力だ。黒い抽象模様が黒子のように花なの中で踊っている。
 どっしりと構えた大きな悠久の世界だ。



f0126829_19154441.jpg
f0126829_19163093.jpg


by sakaidoori | 2012-06-19 21:06 |    (時計台) | Comments(1)
2012年 06月 19日

1794)①「森山誠・個展」 時計台 6月18日(月)~6月23日(土)

 

森山誠・個展      


 会場:時計台ギャラリー 2階室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年6月18日(月)~6月23日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(6.18)

f0126829_23482028.jpg
     ↑:(会場の左側部分。)


f0126829_2348357.jpg
     ↑:(会場正面と右側。)


 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 森山誠の個展が始まった。当館では、1981年以来14回目だ(1981、85,91,93,96,98,00,02,04,06,08,10,12,)。
 以下、画集(1965~2007)より、画家以前を中心に簡単な略歴を記します。


  1936(昭和11)年 東京市板橋区練馬南町(現・練馬区桜台)で出生
  1943(昭和18)年 板橋区開進第三国民学校入学
  1945(昭和20)年3月 北海道札幌市に疎開
      同年     9月 北海道空知郡中富良野村字ベベルイ村に移住。
  1949(昭和24)年 札幌に移住
  1953(昭和28)年 札幌北高校入学
  1956(昭和31)年 札幌市役所に就職。
        1997年   同市役所退職
  1957(昭和32)年 小樽商科大学短期大学部入学 1961年退学

  ※ 1962(昭和37)年 油彩用具を購入、油絵を始める。この頃から幾つかのデッサン会に通う
  1969(昭和44)年 新作家展第1回出品、協会賞
  1971(昭和46)年 新道展出品、1989年退会
     同年       自由美術展出品
  1974(昭和49)年 自由美術会員、現在に至る。 


 現在76歳。淡々とマイペースというべきか、しっかりと現在を見せる個展だ。
 画題的には決まっている。人の居る室内風景、卓のある室内風景が大作で、小品は静物。
 色合いもいつもの通りだ。花瓶などの鮮明な青もあるが、くすんだねずみ色や黒が大半で、気分はダークな世界だ。
 鋭くて溢れんばかりの線描にキチッとした構成、画面を裁断するような直線、全体の独特のムード、などなど氏を知る人にとってはいつもの流れの個展だ。要するに森山ワールドは微塵も揺らいではいない。

 変化ではないが、あえて今回の個展で目立つ点を列記すれば、静謐さが後退してうるさいまでに賑やかだ。マチエールも魅入らせるというよりは、最終処理は汚いと思えるほどで、静的緊張感には無頓着と思える振る舞いだ。人物の手はいつもは隠されてはいるが、なぜだか大きな手が版画のようにして登場した。リアルで美味しそうなりんごもあった。「うごめく元気な個展」という印象だ。

 その元気さを以下のまとまった作品群で確認していただきたい。
 概ね左回りに全作品を載せます。クリックすれば大きく見れます。
 項を改めて、②では何点か個別作品を載せながら、感想を記していきます。
 ②に続く
    





f0126829_7225947.jpg



f0126829_7231043.jpg



f0126829_7232163.jpg



f0126829_72332100.jpg



f0126829_7234925.jpg



f0126829_7281135.jpg












f0126829_7283023.jpg




f0126829_10336100.jpg



f0126829_10184349.jpg






 23日(土)までです。

 個別作品の掲載&感想は②に続く。極力会期中に書きたいと思っています。

by sakaidoori | 2012-06-19 10:29 |    (時計台) | Comments(1)
2012年 06月 18日

1793) 「札幌大学大学写真部 文連祭」 札幌大学構内 終了・6月16日(土)、17日(日)

 

○ 札幌大学大学写真部 

    文連祭
 


 会場:札幌大学2号館1階2103教室
     豊平区西岡3条7丁目3-1
       札幌大学構内
     (水源地通沿いの西側)

 日時:2012年6月16日(土) 10:00~18:00 
           6月17日(日) 10:00~16:00 

ーーーーーーーーーーーーーーー(6.16)

f0126829_11154687.jpg




 「文連祭」、札幌大学文化部連合発表祭の略称だろうか?出店などもなく静かなものだった。ジャズ研だとか演劇などの寄り道もしたいのだが、何の準備もしていない。ただただ写真部の教室を探して、学生とあれこれと会話して、それなりに楽しい時間を過ごしてきた。
 充分に時間はあったのだが、最後は慌ただしく写真撮影だ。不用意に撮ってしまったのでピンボケばかりだ。会場の全体風景は伝えたいのだが、それが全滅状態だ。どうしても全体ムードを伝えたいのでピンボケを使うことになったが、誠にすいません。


f0126829_8581420.jpg
f0126829_8583110.jpg



 会場全体は黒パネルということもあり暗がりだ。気分は暗室再現だ。会場を囲むようにして狭い通路が廻っている、その回廊をもごもごと見ていく。

 モノトーンが多いが、それは意図的だ。写真活動の原点として「白黒」作品を手がけるということだ。
 恐ろしく沢山出している学生もいれば、たった一点という人もある。一点出品者には「喝」と言いたいが、これだけの人数だ、そういう学生がいても仕方がない。これではイカンと思えば次回は頑張るだろう。そういう積み重ねで自己を高めていって欲しい。

 沢山の出品者にはそれだけで親近感が湧く。その中でも特筆は2年生の外崎うらん君だ。

f0126829_912121.jpg
     ↑:①。

f0126829_9121655.jpg
     ↑:以上、外崎うらん


 他に3点の白黒作品が別に置かれていた。乗り物、都会の雑踏、植物だ。
 数ヶ月前にも彼女の作品を見ている。とにかく写真に対する情熱は抜群だ。今展では何でも撮っている、しかも粘着的にだ。そして、見せ方もいろいろと工夫して勉強中だ。
 今回はスタジオ的な「作る作品」は廃して、自然に社会にと攻撃的に闊歩している。基本は「物語」だ。一瞬の切り取りは、何かの物語の始まりだ。何を見ても、次から次へと妄想が湧いてくるのだろう。

f0126829_9583863.jpg ①の作品群はセルフ・ポートレートだ。スタジオ的作りではないが似たようなものだ。本人が演技者として登場する、主役だ。部員が撮影協力だ。彼は彼女の僕(しもべ)のようにして働いたことだろう。
 「私のここを撮って、この角度・・もっと接近して、ダークよ、あんまり鮮明じゃダメだよ、さー今よ、シャッターを押して・・・。後は私が加工するから」、そんな撮影風景だろうか。この自己中、自己愛、情熱、執着心は素晴らしい。
 まだ2年生だ。学生を武器にし、若さを武器にし、女の子を武器にして突き進んで欲しい。頼もしい学生写真家だ。





f0126829_1081979.jpg
          ↑:1年?・松井信太郎、「美的観念の喪失」

 たった一枚では物足りないのだが、この写真は面白い。どこか世間を斜に構えているような、すねた男の距離を感じる。
 ・・・ビル群や世間は相当にオレに近い。廻りのカップルも悪くはない。しかし、しかし、オレは何をしているのだろう。このビル群を憎むべきか、愛すべきか?他人を認めるべきか否定すべきか?いったいオレは何処にいるのだろう?・・・
 そういう意味で、タイトルの「喪失」はあるのだろう。


f0126829_10192844.jpg
          ↑:4年・小野寺夏生、「“旧”小学校」

 小野寺君は他にも大きめの白黒作品を2点出していたが、抜群にこの小組作品が良い。撮影者の正直な気持ちがあらわれていて好感が持てる。おそらく、小さい世界での手作りを楽しむタイプなのだろう。いわゆるオタク派だ。
 作品のフレームは手作りだろう。飽きることなく丹念に作ったのだろう。中には記録としての「旧・小学校」が入る。大事にしなくっちゃ、大事に作らなくっちゃ。男の優しき愛とロマンだ。
 ただ、学生展の中で、この4点というのは寂しい。今回は一つの通過点だろう。卒展に合わせて、大作共々沢山の作品を見たいものだ。あー、卒業までに時間がない。頑張ってくれたまえ。




f0126829_10331911.jpg
          ↑:3年・吉田幸平、「~春が過ぎ、もう夏~」


 (ピンボケ気味ですいません。)
 普通に素直に明るく強く撮っている。白や、紫やいろんな花の色も見たかった。
 この姿勢が基本だ。一方で、学生だから、この視点でもっとアグレッシブな展示や取り組みも見たいと思った。



f0126829_10434622.jpg
          ↑:1年・某君


 (撮影者とは大いに会話ができた。以下、その時語れなかった印象記です。)

 これに倍する出品だ。おそらく、写真が好きで好きで溜まらないという段階だろう。普通に素直にパチリだから。実に素直だ。木訥というか、田舎的香のする撮影者の心だ。田舎根性が悪いわけではない。ただ、ここから相手に迫るなり、離れるなり、被写体との楽しくも激しい格闘戦に持って行かなくては、写真の記録性に負けるだろう。健闘を祈る。
 

f0126829_10523945.jpg
          ↑:3年・及川


 ムードも出ていて写真は上手いと思う。が、本当に何を撮りたいかが定まってはいないのだろう。とりあえずは、そのセンスの良さ人の良さで何でもこなせる。では、これを見せよう・・・とは、ならないのだろう。

 センスの良さ、線の細さが邪魔をしているのかもしれない。その線の細き良きセンスを、そのまま生かして何かの「美」を表現したらと思った。クサイ表現だが、「愛すべき対象をそのまま素直に表現したら」と思った。




f0126829_1152022.jpg
          ↑:伊藤大介


 包み込むようにして仕上げている。何より良いのは、被写体を大きく撮って、ムード過多に偏していないことだ。自分の距離感や美学を持っているから、きっと何をとってもしっかりしているのだろう。



f0126829_11113866.jpg



f0126829_11121177.jpg



f0126829_11124257.jpg





f0126829_11131573.jpg →:外崎うらん

 ピンボケですいません。記録のために載せておきます。

by sakaidoori | 2012-06-18 13:04 | 学校構内 | Comments(7)
2012年 06月 17日

1792)「野口秀子・個展(道展会員) 2012」 スカイホール 終了・6月12日(火)~6月17日(日)



野口秀子・個展(道展会員) 2012        


 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2012年6月12日(火)~6月17日(日)
 時間:10:00~17:30
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(6.2)

f0126829_2153937.jpg
     ↑:(会場正面と左側。)


f0126829_2163131.jpg



f0126829_218089.jpg



 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


f0126829_21125250.jpg
     ↑:(正面の4点。)


f0126829_21134511.jpg



f0126829_2114749.jpg
 



 青空の下で胸を拡げて深呼吸、そして野山をステップ踏んで飛び跳ねて、色でリズムを操り・・・遊ぼうよと絵が言っている。自由気ままです。絵画大好き、ようやく好きに描いちゃった。見て見て、私の伸び伸び気分!

 今回で個展は7回目とのことだ。1年おきに当館で開いている。僕は3度か4度目の鑑賞だ。色合いだとか、構図だとか、ドローイング調だとかは今までと同じだが、今回は大いに開花した。今までは、自由にスルーと表現しようとしていたが、遠慮というか絵画の全体構成というか、「絵画作品」にしようとしていて、それは画家としては当たり前なことなんだが、結果的には「自由」を宿題にしていた感じだった。
 もともと強い縛りのある作風ではないのだが、「オテンバ小娘絵画」になっちゃった。こういう自由さが女性にはあるから、羨ましいというか恐ろしい。この変身術、化粧やお洒落と通じるものがあるのだろう。
 男は「理想」とか、「あるべき姿」とか「彼岸」などという建前がないと前に進めない。それは見果てぬ夢であり、ロマンでもあるのだが、本質的に自由作品は無理なのだ。その男が作った伝統美学を、せせら笑って女性が素通りしていく。野口秀子はスキップを踏んでノッパラに出ていく。


 個別個別の作品にその自由な世界を見ることができるが、今展は会場全体の色具合、春夏秋冬気分、緑の大地と青い空の拡がり具合を楽しむべきだろう。そして、何やら作品の中で細々動いているのは何だろう、そんな気分で近づいて、児童画風の線引き遊びや草むら世界を垣間見て夢膨らませたい。


f0126829_21474078.jpg


f0126829_21484310.jpg




     ↑:「きままな一日」・10F×4枚。


f0126829_21503863.jpg
          ↑:「片すみ」。


f0126829_2155627.jpg



f0126829_2155371.jpg
     ↑:「とんでいく花」・4F。


f0126829_22222174.jpg
     ↑:「ほしの丘」。








  ↑:「小さな庭」・SM×8枚。



f0126829_2159090.jpg
f0126829_21592243.jpg


     ↑:左から 「大きな夕日」、「草むら」・8F。

 普通草むらは、だんだんと茂みの中に人の目線を誘うのに、「魅入らせるなんて面倒よ、草むらや天まで届け!」と遊んでいる。
 「夕日」の絵、何といってもピンクが眩しい。確かに夕日がピンクで染まる時がある。だが、これは実景感覚ではないだろう。画家野口秀子の心も体もピンクになったのだ。それはどんな気分だろう?この絵のような気分?男にはわからない。ただ羨ましくて、口をぽかんと開いて見るばかりだ。


f0126829_2275029.jpg
           ↑:「空、自由に」。

 画家は四角を好む。それは窓だろう。こちらとあちらを繋ぐ通路だろう。
 四角い窓の向こうは青い空だ。そしてこちらはざっくばらんな黒い世界。もしかしたらチョッピリセンチな世界かもしれない。向こうに自由を求めているみたいだから。青や緑やピンクで遊んだはいるが、自由を求めていた時代を懐かしんでいるのかもしれない。


f0126829_22131966.jpg
f0126829_22133542.jpg
     ↑:左から 「秋」、「春のとびら」。



f0126829_22182957.jpg



f0126829_2218407.jpg



f0126829_2219172.jpg




f0126829_22192074.jpg


by sakaidoori | 2012-06-17 22:32 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)