栄通記

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2010年 01月 31日

1178) ②さいとう 「多摩美術大学版画OB展 2010」 1月26日(火)~1月31日(日)


○ 多摩美術大学版画OB展 2010 

 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:20010年1月26日(火)~1月31日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~16:30まで)

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 16:30~

 【参加作家】
 (多数。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(1・28 30)

 (1175番の①の続き。)

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 ↑:澤村佳代子。左から、「ひとりごつ ’09-1」・「ゆくさくさ ’09-1」・「カッシャ カシャ ドッ ’09-1」・全てドライポイント エッチング。

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     ↑:「ひとりごつ」


 機械の部品を利用した現代性と、牛車のような平安絵巻物風の古代性。若者好みの物語的軽さと、線や黒の主張などから感じるシャープさや渋さ。今と昔がドッキングしたような澤村・ワールド。


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     ↑:伊藤あずさ(4点出品)。左から 「藍色の風景 ー朝露.2ー」・37.9×28.8㎝ エッチング、「「藍色の風景 ー朝露.2-」・33.4×48.6㎝ エッチング。

 澤村ワールドに、更に抽象模様やシャープさを取り入れて詩情を強めた感じ。
 それにしても、色の有るのと無いのでは印象がかなり違う。もっとも、作家にとってはモノトーンに色を見ているから、それ程の違いはないのだろう。その辺が、制作者と鑑賞オンリーの人の違いだ。


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 ↑:小川了子。左から 「彩 ー 影の中からー」・32×26㎝ リトグラフ コラージュ 手彩色 2009年、「停滞」・エッチング 2009年。

 一応、植物に繋がる具象形だが、菌類を見つめる粘着的で微視的な感性。ミクロの世界に生命とかエネルギーを見いだして、ネチャとつかんで大きく発散させたいようだ。
 小川了子ーー、気分はお馴染みの画家だ。昔は抽象のわけのわからない大きな版画作品だった。ずーっと抽象の大作ばかりだったが、ある時から今回のような植物画?になった。もしかしたら、本州の発表時は植物画が主体で、画家のことを知らない札幌では、普段、あまり見せない大きな抽象作品を携えてきて、今後の制作の糧に札幌を利用していたのかもしれない。あるいは、将来のための実験をしていたのかもしれない。
 彼女はとにかく大作を持って札幌に来られる。ありがたいことだ。今年は諸般の事情で小品になったようだ。来年もよろしく。


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     ↑:洪昇恵、「つなげる、つながるーモノローグ」・100×120㎜ 水性木版 2009年。

 まさしく、タイトルの通りに楽しんだら良いのでしょう。ものの形と感触と、それらの動きを含めた関係性を作家自身も楽しんでいるようです。もう何点か、違うバージョンを見たかった。


 (色があって気分が楽になる作品を載せます。)

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     ↑:渡邉麻衣子、「Rainy sign Ⅱ」・46×42㎝ 水性木版ば画 2009年。

 現代若者版・花鳥風月画でしょう。昔と違うところは、「風景」は作り手の心模様やロマンの反映です。大昔の「風景」は、男と女の関係や、人と人との関係・倫理性として多用されがちだった。


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     ↑:堀田恵理、「ソラノウタ」・15×14.5㎝ アクアチント 2009年。

 さわやかな作品です。作品の大きさを違えて、リズムを作っているのでしょう。


 (気分は③に続く。)

by sakaidoori | 2010-01-31 19:09 | さいとう | Comments(0)
2010年 01月 30日

1177) 大同 「New Point  vol.7」 終了・1月14日(木)~1月19日(火)

○ New Point  vol.7

 会場:大同ギャラリー 
    中央区北3条西3丁目1
     大同生命ビル3階 4階
    (札幌駅前通りの東側のビル。南西角地 。)
    電話(011)241-8223

 会期:2010年1月14日(木)~1月19日(火)
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~17:00まで)

※ オープニング・パーティー ⇒ 1月16日(土)、18:00~


 【参加作家】
 30名強という多数。

ーーーーーーーーーーーーーーー(1・)

 毎年、適当にメンバーの入れ替えがあるようですが、今年はいつもよりも多いみたい。
 「新年の顔見せ展」、そんな感じで見ています。「ニュー・ポイント」、ネーミングも新年らしくてすがすがしい。
 「あー、今年もこの人に出会えたな。オッ、この変化は良い感じ」、そんなことを一人つぶやいての鑑賞です。

 一つ一つの1行感想を書くと良いのでしょうが、能力的に無理なので、若干の写真を載せます。その範囲で適当に感想を書くことにします。幾ばくかの参考と記録にはなるでしょう。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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 3階の正面。日の光をまともに受けて、会場風景撮影は見事に失敗。その替わりに、入り口の伴翼・作品が屹立しています。

f0126829_10131084.jpg ←:伴翼、「TUBE #2」。

 具象の面白さと、その造形の可能性に果敢に挑戦している伴翼。しかも、鑑賞者と積極的に関係を持とうとしている。彼の作品は、ほとんど触ることができる。作品が具象だし、触らせようと工夫もしているし、表面の質感も何とも言えないから、一層触りたくなる。そういう、鑑賞者と作品と作家を強く結びつけようとする作家は札幌でも少ない。
 今作は、触りたいと言うよりも、そのたくましい立ち姿に、勘違いをして拝みたくなった。「伴翼・神」だ。それも形を変えた「タッチ」行為だ。

 彼の作品は、もっともっと公共空間に展示されたらと思う。素材が木だから、屋内ということになるのか。触れ合って感じるおかしさや不思議さ、心地よい違和感は大衆心理をくすぐると思う。かしこまって見るだけでは、作家の可能性が拡がらないだろう。そういう作品であり、作家だと思っている。

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     ↑:上嶋秀俊、「birth」。

 グループ展とは不思議な効果を発揮する。独立的な1m位の幅の壁に並んでいるのだが、その白壁をキャンバスのようにして作品が有る。作品はマーブリング風でアメーバー状態の色生命体が、子連れなのか滴なのか、仲間を連れて遊んでいる。壁で楽しんで動いている。
 「もっと変化を、もっと動きを」、という作家の最近の心境かもしれない。その心境とグループ展とが期せずして一致したようだ。

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     ↑:高野理栄子、「無題 01-02」。

 昨年、小樽のグループ展で初めて見た版画家・高野理栄子。
 その時と同じ趣向で、腐食が変化し、流れている。多数の小品展示を得意としているようだ。一つ一つのアナログ的変化、その積み重ねの映像的なデジタル的変化は、心象とも、模様を楽しんでいるとも取れる。作家自身が何かをつかむ為の経過かもしれない。


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     ↑:宮崎亨、「なぜ生きる」。

 無骨なまでに「人間」を問う宮崎亨。

 「なぜ生きる?」
 僕は中学時代の通学中に、そのことばかりを考えた時期があった。別に哲学的な少年ではなかった。毎日毎日、片道40分の通学路を歩くのだ。それなりの重さのカバンを下げて、何も考えないで歩いていると、かえって禅僧のようなどうでもいい疑問が湧いてくる。「なぜ生まれたか?」長きにわたって歩きながら考えていると、フトいろんな事が理由なく思いつく。そんな中で得た結論、「理由無くして生まれた」。
 ならば、次の疑問は「なぜ生きる?」。同じようにして得た結論は、「生きることの意味をみつけることが、生きること」。
 それなりの結論を得れば、少年とは安心するものだ。その後、これらの疑問は路傍においてきぼり。それから、年月は経った。あの結論はどうだったのか?

 今作、タイトルがスッキリしたのが良い。絵画の顔、なぜかしら森山誠・作品の顔を連想してしまった。


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     ↑:左側 牧野秀昭。「てっとうぼく」。
     ↑:右側 川上勉、「蓮立像」。

 「てっとうぼく」も賢治風「でくのぼう」的な所があり、「蓮立像」というネーミングと重なり、仏教的な匂いがする。そんなことは余りこだわらない方がいいのだろう。いずれにせよ、線の細身と、影を伴った立ち姿は好一対。



f0126829_11224462.jpg ←:山田恭代美、(上から)「彩」・「影」・「水の戯れ」・「想う」。


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 作品は左の写真の小品が4点と、中作が1点。中作の作品を撮り忘れてしまいました。上の写真は、その作品を横から撮ったもの。川上勉・「蓮立像」の写真に写っている華やかな作品がそれです。

 画家は「水面」を多く手がける。それは心模様でもあろう。昨年、変化し始めたと感じたと、何となく感じたのだが、間違いなく変化している。その静かな変わりようと、絵がより見応えがしたので、今展では好み度が高い作品群であった。

 中作における変わった点。
 画風はほとんど同じ。余白を意識することなく、水面の印象を強くボンボンと押し出して、元気一杯だった。元気さは良いのだが、型にはまった堅さが少し息苦しかった。思えば、版画という技法を修得過程だったのだろう。何とか色の重なりで、水面の深さを表現したかったのではないかと思う。それを、バンバンと等距離で重ねていた感じだった。
 今回は、白が随分と増えた。黄色やピンクなども、ピュアな感じの美しさだ。つまり、絵の中に画家も入れて、画中で距離感を楽しんでいるところ、ここが大きな変化だと思う。以前の、上からたたみ重ねる強引さが薄れた感じ。もっとも、以前からある画家の体質的律儀さが、絵全体を一つの枠内に収めようとしていて、スッキリし過ぎた感じもする。絵の深さが上下左右に拡がらなくて、装飾性だけが残る印象は残念な所だ。

 以前の強さがしっかり残り、いろいろと試みているのが左の4点だと思う。いわゆる、実験性の強い作品だろう。しなやかな強さと広がる美しさ、これからも楽しみに見ていこう。

 (後記。なぜ中品の作品を横から撮ったかというと、作品が枠から数ミリ飛び出ているのです。飛び出た四隅にも絵が画かれています。その辺の作家のこだわりも見て下さい。)








 3階の作品ばかりを書きました。

 4階の風景と、1・2点の紹介で終わることにしましょう。


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     ↑:阿部有未、「when there is only love」。

 四角い皮を張り付けたような図柄と色合いに、裸体が形定まらずにうねっているのでしょう。セクシャルさはそれ程感じないのですが、年々緊張感と存在感が高まってきていて、ハッとさせられます。


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     ↑:川上加奈、「12」。

 いつもお姫様的ムードの中で、痛みをかいま見せる漆立体・川上加奈。今回はエジプトの女王みたい。痛みよりも凄みがる。小さい作品だが、「強く我が道を行く」と、宣言しているみたい。


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     ↑:前川アキ。左から、「水葬」・「水面に下るー」。

 前川・ワールドは基本的に「風景」と「水葬」と見ている。それでも、そのストレートなタイトルにハッとさせられた。今作は少しユーモラスなところもあり、心象もありと、いつもながらに不思議な魅力だ。強い自分の世界を持っている画家のようだ。

by sakaidoori | 2010-01-30 15:34 | 大同 | Comments(0)
2010年 01月 29日

1176) ②たぴお 「コレクト・マニア展」 1月25日(月)~1月30日(土)

○ コレクト マニア

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
    電話・林(090)7050-3753

 会期:2010年1月25日(月)~1月30日(土)
 時間:11:00~19:00
    (最終日は、~?:00まで)

 【参加者】
 佐藤栄司 YUKO 小林孝人 為岡進 横山直美 三上詩織 林教司 池田宇衣子 みずほ 藤川弘毅 丸島均 YURA 斎藤邦彦 北村トシヒロ 吉田英子 長谷川雅司 ・・・・以上16名

ーーーーーーーーーーーーー(1・22 28

 (1171番の①の続き。)

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 入り口左側の奥が充実してきました。初日のオープニング・パーティーに参加された長谷川雅志さんも、翌日にご自慢のお宝が登場です。

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     ↑:以上、長谷川雅志

 ポスターに入場券などをあしらったものです。見せ方というか、デザイン感覚が上手い、そして中身がかなりマニアック!チケットの背景に僕は疎いから、色々言えないのが残念です。ポスターを拡大して、長谷川さんのお宝を覗いて下さい。


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     ↑:為岡進

 長谷川さんの大正ロマン的美醜とは反対の、博識的構築美です。
 大国神社、深川神社などで入手した破魔矢が、時と方位を刻むようにして的形にならんでいます。
 一番上が「午(ウマ)」で「昼の九つ時(午前12時)」で、方位は南。一番下が「子(ネ)」で「夜の九つ時(午後12時)」で、方位は北。干支はネ・ウシ・トラ・ウ・・・と夜中から数えるのですね。
 ちなみに「草木も眠る丑三つ時」とは午前3時から午前3時半。ところが「丑」の時刻は午前1時から午前3時。「丑三つ時」は「丑の時」に入らないことになる!今とは違った中世の数字のとらえ方です。


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     ↑:YUKO、(「86枚のテレホン・カード」)。

f0126829_170494.jpg これはテレホン・カード500円のオリジナル未使用カード。デザインはYUKOさんの作品から採ったもの。ということはYUKOさんご自身の記念制作と思いきや、彼女のファンが制作して作家にプレゼントしたものだそうです。凄い!96枚、推定9万6千円。ファンというものは有り難いことです。







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     ↑:横山直美、(35冊の豆本)。

 場を占領することもなく、ひっそりと建物風に積まれた豆本。郷土のことを誌した本で、知的です。とても気になる小さな郷土館です。


 土曜日までの展示。
 「コレクト品」を他人に見せる時には自慢過多になりがちです。俗に言う、「ジマンタレ」です。突然の出品で、押さえた自慢が好ましいのでは、小さなコレクト館になっています。手作り品はほとんど無く、何て事のない展覧会ですが、見て頂けたら嬉しいです。

 (③に続く。)

by sakaidoori | 2010-01-29 17:36 | たぴお | Comments(0)
2010年 01月 29日

1175) ①さいとう 「多摩美術大学版画OB展 2010」 1月26日(火)~1月31日(日)

○ 多摩美術大学版画OB展 2010 

 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:20010年1月26日(火)~1月31日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~16:30まで)

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 16:30~

 【参加作家】
 (DMを拡大して確認してください。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(1・28)

 今年で13回目。多数の道外作品からなる版画中心の展覧会。道外の若手版画家の作風をまとまって見れる良い機会だ。

 今年は関係者の展覧会が重なったということで、少ない作品数になっていた。確かに以前は、販売用の作品を壁一面に並べたり、大作出品作家も複数名いたりして賑やかだった。そういう意味ではオーソドックスな展覧会ではあった。
 それぞれが日頃の制作を、小品で淡々と発表するというムードだ。全体を覆うような強い作品傾向は感じなかった。小口版画のような強い線描作品が無いのは、近年の一般的傾向だ。物語風が多めなのかもしれない。例年より規模縮小気味だが、長く展覧会を続ければそういう年もあるだろう。個人的には大いに楽しんだ。

 さて、版画OB展ということでほとんどが版画なのだが、大判絵画出品というユニークな作家も居た。
 埼玉県在住の20代のネモトサトコ。会場におられて、嬉しくて本人の顔ばかり見ていて個別作品を撮るのを忘れてしまいました。ゴメン!後日、タイトルを添えて紹介できればと思っています。

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     ↑:ネモトサトコ。(左側3点の大きな絵画。)

 昨年、モノトーンの大判版画を出品していた。鮮明に覚えている。胸から上の人物像、ちょっと傾き加減の憂愁を誘うポーズ、影にも動きにもなっているダブり画像、どこかゆったりまったりした時間感覚など、版画の傾向をそのままにしての絵画だ。船越桂風の顔や首表現を思うが、漂っているムードは小林孝亘風で、南アジア的な仏教観を思ったりする。強い宗教性を主張したい年齢とも思えないが、画家の気質と仏教との親和性があるのだろう。
 静かな絵だが、絵全体が前に押し出よう押し出ようとする情熱がある。それは若さと言えばそれまでだが、太っ腹なところがあって、華やかさと重なり凄く眩しい。こういう大作を北海道まで持参したことも、今の画家の旺盛なやる気の証だろう。


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 ↑:川田竜輔。左・「丘」・○○×72.8㎝ 木によるリトグラフ 2009年。

 「こたつの人・川田竜輔」だ。名前の通り、江戸町人好みのサイケ調だ、葛飾北斎バリだ。
 彼はユニークな画風の持ち主なのだが、自分の中の大きくなりたいという気質を押し止めているところがある。選び取った「こたつ」趣味が悪いのかもしれない。内にこもって引っ込み思案になりがちだ。だが、こたつの中で妄想に耽ることもあろう。今作は、そんな竜輔・夢枕絵巻の序章と第一幕なのかもしれない。登場人物は夜叉に餓鬼・畜生にバテレン・ロクロ。殴られ損の首つりカワタと鬼・オバケの仲間達・・・。
 来年、この先が広く大きく見れることを期待したい。


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 ↑:保坂洋平。左、「4th march」・リトグラフ 57×90㎝ 2009年。右、「hana」・凹版 60×40㎝。

 画きたい物を大きく画く。そのことを効果的にするために背景を普通に装飾的に画いて、画きたい物を更に目に飛び込ますように表現する、そんな感じの版画だ。木版風の強くて濃い黒が、画題を飛び出させるのには好都合なのだろう。線のたゆたゆしさと重なり、漫画的青春群像だ。何より強さが良い。
 木版風と言ったが、リトグラフと凹版とあります。技法や素材と作風のことは全然分からない。


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 ↑:波磨悠子。「青い夢(2点組)」・エッチング 33×48㎝ 2009年。

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 ↑:波磨悠子。左、「連影」・エッチング&木版 45.5×53㎝ 2009年。中、「風景 09-12」・々 68×53㎝ 2009年。右、「飛ぶ鳥」・々 45.5×53㎝ 2009年。

 物語作家です。名前のような作風です。ちょっぴり魔性を秘めながら、夢の旅は続くのでしょう。
 こういう作風は非常に今風だから、道内にも沢山居ると思う。なのに、そんなに多くは見ない。学生の段階では、それなりにいるようだが、つっこんで描き続けているのだろうか?
 例えば日本画家の富樫さんなどは、こういう傾向を強めている。もっと増えてもいいし、そうなれば、単なるロマンス・ストーリー作家だけでなくて、幅が拡がると思う。
 理想追求型の絵画も好きだが、身近のトゲある夢物語もいいものだ。等身大の若者の心模様をもっと見たい。


 (会期は日曜日までです。②に続く。)

by sakaidoori | 2010-01-29 12:10 | さいとう | Comments(0)
2010年 01月 28日

1174) 時計台 「野口裕司・展  LAYER (レイヤー)」 終了・1月12日(月)~1月17日(土)

 野口裕司・展
   LAYER (レイヤー)


 会場:札幌時計台ギャラリー C室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年1月11日(月)~1月16日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)


ーーーーーーーーーーーー(1・16)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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 「皮膚の人・野口裕司」と理解している。

 明るく美しい白地の皮膚であったり、腫瘍が浸食しているような皮膚であったりと、その時々の作家のありようで個展会場を埋め尽くしていた。
 皮膚ーー情報・感情・社会を受け取る場であり、内から外に発信する場でもある。関係の出入り口だ。
 
 野口裕司は枠内の絵画表現では収まらない作家ではあった。今展では大胆に音楽・映像を取り入れて、それぞれが4分、描画が2分の割合での視覚聴覚表現になっていた。

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 展示の全貌は、上の写真である程度わかるかもしれない。

 屏風仕立ての描画が10組、低く並んでいる。花道のような通路にもなっていて、鑑賞者は適当に歩くことが出来る。もっともその時は映像の邪魔をするかもしれない。こそっと、壁際を歩いたほうが良いだろう。
 映像が、部屋の天井と音楽プレイヤーの後ろ壁に映し出される。そして、デジタル構成された音楽が流れている。

 いつものように、しっかりと「自分自身」を具体的に出している。
 背後の中央で立っている立体はスピーカーだ。細く屹立する作家自身でもある。そこから、作曲家・野口裕司の新たな切り口がスタートした。細かいことは分からないが、タッチ・パネルによるコンピューター・デジタル方式で、音楽が奏でられるのだ。作曲できない画家が、音楽表現出来た喜びが会場を覆っていた。

 映像は断片的模様が派手に映し出されている。スピカーの上からは、いつもムカデが直線に伸びてピクピクしている。時々、先っぽの方だけが大胆にのたうち回ってハッとさせられる。ムカデはまさしく画家自身だ。心の震えや悶え、喜びの感情表現なのだろう。他者への愛のメッセージかもしれない。

 皮膚表現は本格的音楽・映像へと膨らんで、目を見張るものがあった。その、外に拡がった喜びを、更に内側でこねくり回して外に吐き出す、その繰り返しがこれからの作業であろう。今展は新たな表現手段を確保したと言う意味では、「喜び展」と言える。これから更に今回の成果を咀嚼して、より太く大胆になるのだろう。なってもらいたい。大きな表現者としての角立ち展のような気がした。


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by sakaidoori | 2010-01-28 23:14 | 時計台 | Comments(0)
2010年 01月 27日

1173) 時計台 「第29回 石狩支部美術部顧問・展」 1月25日(月)~1月30日(土)


○ 第7回 石狩支部美術部顧問・展 

f0126829_18243785.jpg 会場:札幌時計台ギャラリー 3階全室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年1月25日(月)~1月30日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 目録を掲載します。確認して下さい。

ーーーーーーーーーーーー(1・25)

 (関係者が会場に不在でしたので、問題ないと思われる作家のみ写真を載せます。)

 日本画家・北口さつきさんの「NUDE」・F50号、横向きで座った若い女性の全身裸婦像だ。少し肩を丸めてはいるが、ふっくらとした肌と膨らんだ肉体、何より、緊張感ある雰囲気が良かった。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 同じ部屋の壁の一面に、齋藤周の組み連作の作品が、壁を支持体のようにして展示されている。壁はキャンバスの支持体以上だ。壁という場の空間に自分の美学を写している。


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     ↑:旭丘高校・齋藤周・「うたかた」・18-×300㎝。

 5,6年前の氏の作品は「中学生日記」を読む思いだった。少年の密やかな思慕と、満たされぬ激しさがあった。
 それから時は経った。今作、文学青年の「うたかの記」が並んでいる。画面から人のシルエットが消えて、移り香だけが激しく白地に映えている。
 齋藤周は「白壁」に恋している。そこに、何とかして見果てぬ夢を実現したい。セクシャルな美を、淡い男女の契りを、壁を契約書に見立てて奮戦している。壁が虚構か、美が虚構か、男女が虚構か?狂おしくも楽しい壁との逢瀬が続くのだろう。


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   ↑:3室ある3階の一室。

 この部屋は立体作品ばかりの展示。写真には写っていないが、手前に富原加奈子・「雪の景」という白い作品がある。それぞれが少しでも作品から膨らもうとしている。充分な間隔はスキッパーなのか、美的余白なのか?特に、伴翼・「tube# 1」、谷口明志・「無題」、佐藤一明・「灼熱ストーブ」が、全く異なる主張なのにガタガタとその場で震えて、互いに近づきたがっている。


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     ↑:とわの森三愛高校・伴翼、「tube# 1」・20×30×60㎝。

 伴翼は、具体物に新たな美的存在利用を発掘している。「存在と造形」の語り合い、あるいは反省と言っていいかもしれない。その果敢な挑戦を見続けよう。

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     ↑:札幌拓北高校・谷口明志、「無題」・フリーサイズ。

 僕は氏の一連の作品を「こんぶ」と勝手に命名している。今回も「こんぶ」の変形版として見た。
 氏はグループ展参加を好んでいる。その時の特徴は、与えられたテリトリーを犯さないで、それでいてどれだけ廻りと呼応できるかを確認しているようだ。
 僕は、この「テリトリーを常に犯さない」という姿勢に大いに不満だ。「犯さない」という意志は谷口明志の人格的健全さだろう。だが、彼が「こんぶ」という形態、伸縮自由に空間を遊ぶという方法論を採ってしまった。なのに、育ての親の健全な人格が、こんぶ(作品)に「領域を守れ」と支持する。その屈折した姿が今展の作品に見える。
 これらは一種の線描の世界だろう。一所で、伸び縮みした姿だろう。いつもは曲線的だから、たまには直線的に三角四角と抽象だ!と威張ったのかもしれない。だが、入り口まで伸びて行きたかったかもしれない。「もっとコンブに自由を」と叫んでいる。

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     ↑:平岸高校・佐藤一明、「灼熱ストーブ 『鎮火』 1・2」・35×50×50㎝ 40×40×70㎝。

 サトー(佐藤)ストーブです。
 あまりゴチャゴチャ言っても仕方がありません。とにかく存在が可笑しい。おじゃま虫のように、そこに居るだけなのに妙に僕の心を惹きつける。「ストーブ」という言葉に負うのか?「ストーブ」という存在に負うのか?芸術家による「ストーブ」というマジックなのか?
 飽きることなく佐藤一明はストーブを作るだろう。僕の疑問の解は急ぐことはない。




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     ↑:有朋高校(通信)・阿地信美智、「既視感的風景 Ⅴ(nobody)」・10×20×20㎝。

by sakaidoori | 2010-01-27 18:33 | 時計台 | Comments(0)
2010年 01月 27日

1172) 時計台 「第29回 道彩会会員会友・展」 1月25日(月)~1月30日(土)

○ 第29回 道彩会会員会友・展 

 会場:札幌時計台ギャラリー A・B・C室
      中央区北1条西3丁目
       札幌時計台文化会館
      (東西の中通りの北側にあるビル)
     電話(011)241ー1831

 会期:2010年1月25日(月)~1月30日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーー(1・27)

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 公募展会派の水彩画展覧会。道内水彩画の団体はいろいろあります。以下、花をモチーフにした作品を中心に載せます。この会派の特徴の一端がわかるのではないでしょうか。


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     ↑:会員・寺西冴子、「野の詩」。(30号?、他の作品より、少し大振り。)

 好きな作家。絵が飛び出てくる感じで、大きく見えること。そして、ドローイング風のゴチャゴチャとした線が、作家の生理を直截に語り、自由に絵の中で遊びたいと振る舞っている。

 今回は、彼女の特徴が良く現れている。今作の大きな工夫は四隅に四角い枠を作っていることだ。それは、喩えて言えば、四角く囲まれた部分が顕微鏡で拡大された野原の一部分という趣向だろう。野を切り取って細部を大きく見せて、野の中を紫系の色でリズミカルに詩っているのだろう。
 残念なのは、四隅の切り口の輪郭線というか、境界線の考え方が弱い。単なる飾りとして処理しているから、趣が無さ過ぎた。四隅は異次元(野の藪の中)への導入部だから、重く強く画いてはだめだろう。軽く、しかも感じる世界、そんな世界だったらと思う。画家の意識が中心点に偏りすぎて、絵全体の配慮が欠けたのだろう。中心界が上手く画けたので、安心したのかもしれない。ですが、良い試みだと思う。

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     ↑:会員・工藤路子、「朝に」・パステル。


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     ↑:会員・木村琴絵、「白い秋」。


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     ↑:会員・中村須美子、「花遊び」・水彩 パステル。


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     ↑:会員・青田淑子、「my happy day」。


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     ↑:会員・中田やよひ、「残花」・水彩 アクリル インク。

 イメージの強い作品。鋭く時間をタイム・スリップする。画家の心持ちの鋭利な強さを思う。


 以上で、この会派のある種の傾向が読み取れると思います。以前は、より輪郭が不鮮明で、心象性の強い作品が多かったような気がします。輪郭も強くなり、色と線のハーモニーを強調する絵が増えているかもしれない。


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     ↑:会員・高橋智子、「new year」。

 激しく眩しい。何を画いているかは解らない。民家を赤く染めて、新年をを祝っているのでしょうか。好き勝手な赤ピンク気分が魅力的です。


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     ↑:会員・本多いさみ、・「りんご園」。

 大作です。画題は「りんご園」ですが、内容はそれとは無縁です。緑緑で強烈に内部に引き込もうとしている。


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     ↑:会員・蝦名富美子、「マンモスのような?(リムジン種)」・水彩 ジェッソ。

 牛の好きな蝦名さん。牛の大きさ、迫力、愛嬌のある顔、毛並み・・・すきな理由は分からないが、牛を楽しく大らかに画きます。
 今展は絵としては失敗作でしょう。牛全体を大きく魅力的に見せたいという、蝦名さんの第一の眼目が伝わってこないからです。輪郭線を丁寧になぞって、コンパクトな牛にしてしまった。
 お話を伺うと、このリムジン種の牛の毛むくれ立った毛並みに惚れての制作とのこと。おそらく、毛並みの特徴を一所懸命に画こう画こうとしたのでしょう。絵全体を見る余裕のない程、その牛の毛並みだけに惚れたのでしょう。そして、一心不乱に毛並みを画いた。見事に絵としては失敗した。この体験が大事だと思う。ちょせばちょす程悪く成るということを、身をもって体験したのですから。
 次作も楽しみにしています。




 

by sakaidoori | 2010-01-27 12:16 | 時計台 | Comments(0)
2010年 01月 26日

1171) ①たぴお 「コレクト・マニア展」 1月25日(月)~1月30日(土)

○ コレクト・マニア

 会場:ギャラリーたぴお
    中央区北2条西2丁目・道特会館1F
    (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
    電話・林(090)7050-3753

 会期:2010年1月25日(月)~1月30日(土)
 時間:11:00~19:00
    (最終日は、~?:00まで)

 【参加者】
 佐藤栄司 YUKO 小林孝人 為岡進 横山直美 三上詩織 林教司 池田宇衣子 みずほ 藤川弘毅 丸島均 YURA 斎藤邦彦 北村トシヒロ 他 (現段階では不備な名簿です。暫時、改めていきます。)

ーーーーーーーーーーーーー(1・25)

 滑稽なくらい明るく楽しく愉快な展覧会です。

 おそらく、展覧会スケジュールの空きができたのでしょう。たぴお仲間に声をかけての「呼びかけ展」であり、「お宝展」です。参加費無料というわけで、私も参加しました。単純に楽しめます。思いもよらぬ大成功の「美術展」です。
 とりあえず、会場風景と何人かを載せます。


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 展示中の佐藤さん。大きめの工具箱をドカッと置いて、フーテンの寅さん登場です。何やら怪しく化粧品を並べ始め、「今日はどのご令嬢に、いくらで売ってあげようか?化粧は欺す物、大いに欺されて欲しいものだ。欺し欺され人生は楽し」などと心でつぶやきながら、愛を込めて並べている。余りに真剣です。化粧瓶のムードに反して緊張感一杯の近寄りがたさ。完璧にコレクト品に浸かっています。

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     ↑:佐藤栄司、「アメニティー・セット in the world.」

 フーテンの寅さんこと佐藤栄司さん、テーブルを新調してのお店のできあがり。
 僕にはこれらの瓶の意味が全然解せなかったのですが、見る人が見れば一目瞭然です。世界の有名処のホテルに完備された提供用の石けん水です。リッチでマニアックな品々です!今展一の「ジマンタレ」と言って良いでしょう。しかも、それらが「たぴお」に寅さんスタイルでのお披露目です。ギャップが楽しくて仕方がありません。
 佐藤さんはそれらを入手できたリッチな時代を思い出しながらの展示だったのでしょう。スペインやドイツやフランスを強い石けん水の香と一緒に思い出していたのでしょう。
 良い展示風景を見させてもらいました。
 ちなみに、佐藤さんは建築のお仕事をされていて、寅さんに負けず劣らず気さくな方でした。


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     ↑:三上詩織

 まるで、ネコ娘・「シオリちゃん」を貞操帯でしばって、かわいさ過ぎて沢山の鍵で進入禁止にしたみたい。重たそうです。それにしても表情と鍵が良くあっている。


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     ↑:小林孝人

 やはりこの人には「キノコ」です。小林さんはバリバリのキノコ研究者。完璧な学者肌です。そういう意味ではあまりに普通な研究材料の「キノコのホルマリン漬け」です。その普通さが良いのです。
 小林さんの一本気な堅さに反して、軟弱な証としての小さく可愛い「カメ」とガチャ玉の「キノコ・シリーズ」です。
 揺るぎなき定番としての「小林・キノコ」でした。

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     ↑:林教司、(「中近東の民族楽器シリーズ」)。

 当館オーナーの林教司さん。
 林さんの小さい頃の人生設計は、画家になって、余暇には音楽を自在に奏でる事だったのかもしれない。夢の半ばは実現しています。氏は画家です。残念ながら、楽器を自在に奏でるには至らなかった。そのうたかたの夢の跡の楽器達です。持ち主の気持ちをおもんばかって、謳うことができなくなった楽器もあります。
 それにしても展示はお洒落です。ドアを開けた瞬間に、デコボコに並べられた楽器達が目に飛び込んできます。余白も充分にとり、誰かの手に収まるのを待っているようです。静物画のような展示です。


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     ↑:丸島均、「ロシアより愛を込めて」。

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 恥ずかしながら私の出品作品です。本を読まれている方はは『徘徊老人』と自称されていて、ギャラリー等でお見かけする機会があると思います。溢れんばかりの知恵袋の持ち主です。
 箱入りの本(「ドストエフスキー全集 第四巻 地下生活者の手記」・河出書房新社 米川正夫訳)以外は息子の収集品です。彼が5年程前にロシアに旅行しての土産品です。シベリア鉄道でハバロフスクからポーランドのアウシュビッツまでの行程。
 入れ子になった民芸品・「マトリョーシカ」が三組あります。普通は赤色をした可愛いロシア娘が画かれていますが、ヒットラーあり、プーチンありと政治色たっぷりなところが面白い。そんなロシア・オモチャの紹介が主な参加理由でした。
 サルのような人形、「チェブラーシカ」といいます。どこぞからロシアに間違って?送られてきたものです。生涯孤独という設定で彼の友達捜しなどの物語が展開していきます。
 このオモチャ、始めはお腹を押すと、哀愁のこもったロシア語の唄が流れてきていました。三回聴いただけでもう聴けなくなった。孤独なチェブラーシカは声も出せれなくなってしまった。


 (②に続く。)
 

by sakaidoori | 2010-01-26 16:24 | たぴお | Comments(0)
2010年 01月 26日

1170) 画廊喫茶・チャオ 「マンドリン・アンサンブル・チャオ IN チャオ」 1月24日(日)

○ マンドリン・アンサンブル・チャオ IN チャオ

 場所:画廊喫茶 チャオ
     北区北24条西4丁目 モンレーブ24ビル3F
     (南北に走る道路の西側。
     地下鉄北24条駅1番出口。
     出て左へ数mという近いビル。)
     電話(011)736-3434
 期間:2010年1月24日(日)
 時間:18:00~
 料金:(喫茶店の飲食代+アルファ)
    
ーーーーーーーーーーーー(1・24)

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 二人のマンドリン、一オクターブ低い二人のマンドラ、二人のギター、女性6名によるマンドリン・アンサンブル。

 初めてマンドリン演奏会を聴いた。ルネッサンス風絵画の中で優雅にかん高く奏でる、時には吟遊詩人の持ち物だったり、琵琶法師のように。もちろん舞台はヨーロッパなのだが、それが僕の貧相なマンドリンという楽器のイメージだった。

 写真はそれなりに撮ったのですが、暗くてほとんどがピンボケでした。上の写真、左側の女性だけが特にボケています。彼女はこのアンサンブルの主旋律を奏でる第1マンドリンで、食い入るような元気さです。体はいつもスイングスイング、というわけでボケています。

 選曲はタンゴ、ルンバに映画音楽、韓流、中南米、内モンゴルにクラシックと、何でも好きな曲には挑戦です。
 明るく、明快に、時には水の流れのように、そんな感じのマンドリン。
 明快さ、軽快なテンポはタンゴやルンバがよく良く合います。内モンゴルの民族音楽は、モンゴル・ネズミ馬の快走曲。中国雑伎団的忙しさも加味されていて、モンゴルの複雑さが投影されています。マンドリンの明快な音色は、じゃじゃ馬娘風に跳んではねていて、手拍子足拍子の喝采です。
 「コンドルが飛んでいく」では、その明るい透明音が哀愁と重なり、涙涙で顔が熱くなります。音が乾燥していて、この乾燥感は日本には無くて、そこが見果てぬ夢に誘うのです。
 この辺は大衆楽器としてのマンドリンの魅力でしょう。当然、映画音楽にもピッタリですが、今回の選曲は僕には少しロマンチック過ぎた感じ。「太陽が一杯」や、「鉄道員」だったりしたら明るさの中の彼岸を感じたことでしょう。

 明るさと哀しみという意味ではクラシックも一つの聴き物です。一見、明快なリズムはバロック的かとも思えますが、流れるようなリズムとハーモニーは、間違いなくバロック以後です。この楽器が1800年頃に、イタリアで誕生したのも、主旋律を明快に奏でて愛を語りたいというイタリア人好みの反映かもしれない。伴奏が伴い、求愛を応援するのです。

f0126829_11265923.jpg この日はギャラリー・たぴおオーナーの林教司さんも同席。あるクラッシック曲の時にメモ紙を掲げて感動にむせび泣きの様子。演奏終了後に感動の由来を話されていて、チャオ・ママがすかさず応えます。「森よ林よどこへ行く!」ロマンス・ブルーの穴に落ちかけた「画家・林教司」、苦笑いを浮かべながら現世に回帰という一コマです。音楽とは人を甘く懐かしく違う世界に導くものです。

 演奏はアンコールに、重ね重ねのアンコール。最後はグループの十八番の「郷愁」。おてんば娘振りの演奏で会場を楽しませてくれた第1マンドリン嬢が、まさしく「キョウシュウ」を込めて曲にまつわる話題と演奏で本当の終了です。
 幸い、この日のプログラム・メモを頂いたので、記しておきます。

 1. ラ・クンパルシータ(タンゴ)
    (トーク)
 2. ムーン・リバー
 3. シェルブールの雨傘
    (トーク)
 4. コンドルは飛んで行く
 5. ジャマイカ・ルンバ
    (トーク)
 6. 冬のソナタ
 7. 草原情歌(内モンゴルの民族音楽)
    (トーク)
 8. フニクリフニクラ(マンドリン発明国・イタリアの曲)

    《アンコール》
 9.マスカーニの間奏曲(林氏の思い出深い曲)
 10. 真珠採りの歌
 11. 郷愁

 
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 (↑:左側がマンドリン。右側が1オクターブ低いマンドラ。
 イチジクを半割したような可愛い姿です。弦はは2対で8本と本には説明されていますが、見なかった。残念!
 リュート族の仲間で、同じ弦楽器のギターとは区別されているようです。)


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by sakaidoori | 2010-01-26 12:08 | (画廊喫茶)チャオ  | Comments(1)
2010年 01月 25日

1169) 創 「二橋愛二郎 &勇田常夫・二人展」 1月20日(水)~1月25日(月)

○ 二橋愛次郎 &勇田常夫・二人展

 会場:ギャラリー創(ソウ)
    中央区南9条西6丁目1-36・U-STAGE1F
    (地下鉄中島公園駅から西に徒歩5分。
     南9条通り沿いの南側。)
    ※駐車場は2台分完備
    電話(011)562ー7762

 会期:2010年1月20日(水)~1月25日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)
     
ーーーーーーーーー(1・24)

 ギャラリー創に、今年の初訪問。

 展覧会は木の味をいかしたクラフト2人展。
 勇田常夫さんは右壁面を全部使っていて、本格的個展風です。素材の木の厚さや木目、表面の感覚や感触感などが楽しめます。
 左の壁面は二橋愛次郎さん。ひっそりとコレクション風の展示です。今回は、こちらの余裕の無さで二橋さんの紹介だけにします。

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 以上が二橋愛次郎さんの全作品。やや暗がりの場所での展示でコレクション風です。二人展なのに展示面積が少ない。密度を高めるためかとも思いましたが、やはりアンバランス。けれども、作家のマニアックな遊びと、紳士的几帳面さが伝わってきて、興味がつのっていきます。暗めの控え気味の場所なのが良い。作家とも一緒になって、陰でこそこそと楽しんでしまった。

 二橋さんは昨年の定年退職者。退職後に本格的制作に励み、今回が初の発表とのことです。木の厚さや角度採りなどは芸森の工房を利用されています。
 作品の特徴は、何と言っても趣味性を楽しんでいるのですが、嫌味が無く、そのことで作家の気質が想像されることです。作品の仕上げは綺麗で商品の域は十二分ですから、今後クラフト店で見かける機会があるかもしれません。売ることが主目的ではなさそうですから、制作量が追いついていかないかもしれません。

 
 以下、個別作品を少しですが載せます。ちょっと、その紳士的マニアックさが伝わりにくいと思いますがお許しを。


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 これは名刺入れです。江戸町人の小物入れや印籠などが連想られて、粋(いき)な感じ。上の写真、左側は木目と肌触りを主張し、右側は派手に木のコブ色楽しんでいます。
 名刺入れだから蓋が開きます。工夫者の二橋さんは、お客さんにそれを開けさせるわけです。ところが、開き口がわからない。開けれない。ここが彼の楽しんでいるところです。作家の手になると簡単に開いて、ピシャリと音を立てて閉じれる。閉じ口に小さな磁石を埋め込んでいる。閉じる時のピシャッという軽快感、几帳面さが楽しくもあり可笑しくもありで、作家の人柄と重なって実に愉快。

 作家・二橋さんの名刺交換シーンを思わず創造してしまう。
 中肉中背の背広姿の二橋さん。笑みを浮かべながら、やや角張った動き。背広の内ポケットからこの不思議な筒をおもむろに取り出す。少し格好良く蓋を開けて、斜め30度に頭を下げながら相手に名詞を渡す。その誇らしい姿を想像して下さい。作り手の自慢と楽しみと、その後の相手との愉快な会話が聞こえてきそうだ。

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 ペーパーナイフです。
 ちょっとジャックナイフ風の配列が作家の楽しんでいるところ。他にも作家の趣味というか楽しみというか工夫は色々と有ります。木肌に、簡単に手に入る物を高級風に埋め込んだりしている。
 何と言っても微笑ましいのは、ナイフの開閉です。バネ仕掛けで、ピシッピシッと滑らかに刃が音を立てて動ぐ。切るというよりも、刃先の動きを楽しむペーパーナイフです。


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 昆虫です。いえ、そばに図鑑があって、作家は「鋼虫」と命名しています。
 素材は「スプーン」です。これは完璧にマニアの世界ですね。デザイン力が見て取れます。虫や草花などに若い時から関心があり、多くのスケッチなども手がけていたのでしょう。愛すべき作品群です。


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 (↑:当館名物の出っ張ったブロック壁が撤去されました。仕切り壁は空間を切り取る力があって、それを生かした展示となると相当に難しかった。デザイナーあるいはオーナーのマニアックな感覚でしたが、撤退の運びとなったわけです。
 とても広く感じる。全面白壁という改装は、白色の性質で目に迫って狭く見えるものですが、両壁のガラス面からの光も受けて開放感たっぷりです。ここは今でも立体作品が一番似合うと思うのですが、壁面作品にも可能性が広がりました。後は壁面作家の腕の見せ所です。)

by sakaidoori | 2010-01-25 12:30 | 創(そう) | Comments(0)