栄通記

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2009年 04月 26日

974) 芸森 ①「屋外作品ー山田良」

○ 屋外の外庭&中庭作品
   山田良 「ヴァーティカル・ランドスケープ ー風景としての空ー」

 会場:札幌芸術の森美術館
    札幌市南区芸術の森2丁目75番地
    電話(011)591-0090
 会期:2009年4月25日(土)~11月上旬
 休み:基本的に定休日は月曜日 & 祝日の翌日
 時間:9:45~17:00
     (6~8月は、~17:30まで)
 料金:無料

ーーーーーーーーーーーーーーーー(4・25)

 
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 「絵画と写真の交差・展」を目的に行く。

 例によって、芸森本館の前の庭には何やらぶら下がっている。時期がら、鯉のぼりを連想してしまう。遠くからだとそんなに品良く見えないが、近くからだと白さの塊が意外に大きく感じてしまう。新鮮な白さだ。サーと風が吹けばゆったりと舞い上がる。白いネット模様から見る大空は区切られた視界と重なり心象写真風景だ。

 2人の女性が中に入ろうとして楽しんでいる。入ったと同時に風がネットを舞い上がらせて静かに入らせてはくれない。ネットを静かに押さえたり上を見上げたり、写真ポーズをして声も弾んでいる。

 風と馴染む意図的風景だ。都会で見ればうるさいことだろうが、ここの美術館には悪くはない。網越しに空を見る、中に入って見上げれば逆に青空だけが円く浮いている。辺りの風景は覗き見趣味的にそこにある。ネットを遊戯のように楽しむ人もいるだろう。


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     (↑:中庭にも同じ作品がぶら下げられている。こちらは風が無いから動きが少ない。ここには作品があるだけで、外の作品を見る時の厚みになっている。外を惹き立たせるための装飾と言えば言い過ぎか。)


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     (↑:マガンのツガイと、コブシのつぼみ。)

by sakaidoori | 2009-04-26 11:34 | ☆芸術の森美術館 | Comments(0)
2009年 04月 21日

973) 登山 「定山渓・夕日岳(594m) 4月21日(日) 晴れ」

 昨日、夕日岳に登った。今年3回目の登山。藻岩山、円山に次いで。雪が多くて、途中の展望台までだから、登山と呼ぶにはチョッと恥ずかしいが記録しておこう。

 今年は雪の少ない年だと思っていた。実際にそうだと思う。冬なのに雨の日もあったりで、日々の降雪量は少なかったはずだ。夕日岳登山口の神社付近には、春先はいつもエゾエンゴサクがびっしりだから当然それを期待していた。ところが、ほとんど咲いていない。登り始めの沢沿いも雪でびっしり。道が沢を離れたら雪が少なくなったが、高度を上げると普通に積もった雪が登山道を埋めている。
 定山渓は間違いなく昨年よりも雪解けが遅い。温度が上がらなくてなのか、今冬の積雪量の多さなのか、どうしても自分の住んでいる辺りを中心に物事を考えがちだが、不思議な気分の登山だった。


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     (↑:神社の境内の広場。例年この辺りはエゾエンゴサクでびっしりなのだが全然無い。排雪の雪の塊がまだ残っていた。)


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 (↑:登山口の神社と出発地点辺りの沢筋。)


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     (↑:随分と長くヘリコブターが低空で止まっていた。報道関係者が定山渓の取材でもしているのかと思った。今、写真を拡大してみると「札幌市」と書かれている。赤いから消防関係だろうか?
 最近、妻はバードウォチィングに凝っている。鳥の鳴き声が聞こえないとヘリコブターに文句を言っていた。


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     (↑:ようやく雪も無くなり、予期していた登山道になる。左は壊れた登山道、右は若木が回廊を作っている。無事50年、100年と生き残り、大樹になってもらいたい。)

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     (↑:予期に反して登れば登るほど雪だらけだ。堅雪ならば問題ないのだが、抜かって抜かって歩きにくいこと。場所によっては登山道も不分明で精神的にかなり疲れた。たかだか夕日岳ごときに、と思う気持ちが焦りをさそう。
 どんな所でも、わずかでも「道」がないと山は大変だ。一方、「道」と思って沢筋などを歩いていたら、だんだんと「道」らしきものは無くなっていき、最後は途方にくれることがある。迷わず後戻りすべきなのだが、さらに進んで本当に迷うハメになる。)


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     (↑:本日の最終地点の展望台。普通だと1時間あれば充分です。
 恥ずかしながら、ツーショット。頂上は後ろを真直ぐに行きます。)


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     (↑:白くて一番高い山が無意根山。その左の順に、中岳、並河岳。喜茂別岳でしょう。


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     (↑:白くて高い山が余市岳。中央の高い山が定山渓天狗岳。その右の三角の山が小天狗岳。その右下にダムが見えます。)


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     (↑:正面の円い山が烏帽子岳、その右がカムイ岳。)


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 この日の花は少なかった。

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     (↑:左は福寿草。右はわずかに咲いていたエゾエンゴサク。)

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     (↑:カタクリのつぼみ。遠くに幾つか咲いていた。


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by sakaidoori | 2009-04-21 14:04 | ◎ 山 | Comments(0)
2009年 04月 18日

972) レッドべリースタジオ 「長谷川雅志&朝倉将之・展 『倒木更新』 ライブ・瀬尾高志」 4月16日・木

○ 長谷川雅志 & 朝倉将之・展
   「倒木更新」

 会場:レッドベリースタジオ
    西区八軒2条西1丁目1-26
    (JR琴似駅から北に徒歩5分。)
    電話(011)633-2535
 期間:2009年4月13日(月)~4月19日(日)
 時間:12:00~20:00
    (初日のみ、16:00~)

※ ライブ・スケジュール 19:00~
    ◎ 4月13日(月) 吉川ナミ・長内ルミ
    ◎ 4月14日(火) 若松由起枝(現代舞踊) ¥1,500  
    ◎ 4月16日(木) 瀬尾高志
    ◎ 4月17日(金) 太田ヒロ
 追加◎ 4月19日(日) 長内ルミ 15:00~ 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(4・16)

 レッドベリースタジオ、若松由起枝・舞踊に続いて2度目の訪問。(作品紹介は次回に。)

 ジャズを久しぶりに生で聴けるな、ウッドベース・ソロでどうなるのかな、そんな思いでの訪問。ジャズと思いきや、主題無しのいわゆるフリー・インプロビゼーション(即興演奏)だ。ベースを弦楽器としての範囲で弓で弾いたり、手で弾いたり叩いたり、琴の様に使ったり・・・、楽器が女性の形をしているから、じゃじゃ馬慣らしのように自由にもてあそんでいた。いや、ベースの気ままさに奏者が引きづられているようでもあった。


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 演奏は休むこと無く3部構成。初めからフリー演奏なのだが、最初は普通に弓を使ってそれなりのベースの世界だ。

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 2部はベースを寝かせての演奏。なんでもありの世界だ。琴にするは、パーカッションのように弦を小枝?でバチバチと乱れ打ち、鈴が出てくるは、見ているほうはハラハラドキドキ面白くて仕方がない。リズムが天井の高い部屋であっち行きこっち行き、休むことを知らないのだ。

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 3部構成演奏の終了後、瀬尾さんのスピーチ。アンコールと言うわけではないが、そこで終わったのでは興奮して挙げた手の降ろし場所がない。第2ステージだ。ゆっくりかと思いきや、焼き物の朝倉将之君の作品を横にして、もう一度乱打戦だ。生(なま)手で勝負をしている。
 朝倉・焼き物を会場の人達は「ぺんぺん」と称していた。僕は勝手に「パンパン焼」と言いたい。作品は拝むようにパンパン、パンパンと限り無く叩いて形が出来上がっていくのだ。そのパンパンだかペンペンに瀬尾ベースマンは触発されたのだ。だから何度もバンバン、パンパン、ドンドン、ボンボンとベースは鳴いていた。
 ベース独特の通奏低音気味の渋い味はおあずけだった。タイトルの「倒木更新」、倒れてなるものかというベースマンだった。

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 ステージを飾っていた長谷川雅志・作品の裏側からの写真。
 演奏終了後の楽しき一時。まるで芝居終了後の楽屋のような光景。それなりに居残ったが、宴はいつまで続いたのか?興奮冷めやらぬくつろいだ時間、奏者を囲んでの声を想像していただきたい。

by sakaidoori | 2009-04-18 13:10 | Comments(0)
2009年 04月 18日

971) ①市民ギャラリー 「’09 第36回 北海道抽象派作家協会展」 4月14日(火)~4月19日(日)

○ ’09 第36回 北海道抽象派作家協会展
 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2009年4月14日(火)~4月19日(日)
 時間:10:30~18:00
   (初日は13:00~、最終日は~17:00まで。)

 【出品作家】
 同人: あべくによし(旭川) 今庄義男(岩見沢) 岩田琿(新同人・七飯) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 鈴木悠高(新同人・札幌) 近宮彦爾(旭川) 外山欽平(函館) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、8名。斜線は今回不参加。

 一般:石川潤(江別)  甲斐野弘幸(札幌) 草野裕崇(江別) 笹岡素子(江別) 鈴木薫(札幌) 渋谷美智子(札幌) 名畑美由紀(札幌) 宮本市子(札幌) 横山隆(札幌) 吉田英子(再出品・札幌)・・・以上、8名。斜線は昨年の参加者で今回不参加。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・16)

 明日までです。とりあえず会場風景だけを先に報告します。広々とした会場で、気持ちよく表現しています。是非見て、あれやこれやと批判合戦をしてもらいたいものです。

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     ↑:以上、入り口側の第1室。


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     ↑:以上、第2室。(上の写真の左側に横山隆・作品が5点あります。)

 個別作品を②で何点か載せますが、だらだらと印象。

 いつもは二部屋の気分がかなり違うが、今回はそれほどでもない。1室が地味で2室が明るめという違いはあるが、全体の流れでは同質だと思う。何故だろう?
 昨年は同人の風格からマチエール展だった。新参加者が多く、彼等のムードもばらばらで同人との差が顕わだった。質の差がどうのこうのというより、自己のスタイルを模索中という感じだった。こんなに広い会場にまとまった作品を出した経験がないから手探りだったのだろう。たいしたものだ、経験不足の一般参加者が新たな思いでビシッと参加していた。彼等のテンションの高さが伝わってきた。

 女性作品のピンクが眩しかった。抽象なのにこの明るさ、だんだん攻めてくる女性の美観だ。だから孤軍奮闘気味だった同人・佐々木美枝子女史のピンクも、もようやく全体の一部に収まることができた。
 好対象の名畑美由紀と宮本市子、前者は大きく変貌し、後者は更に深めている。作品は大きくないが充実している。

 これだけ広くて、壁面作品中心だったら人によってはもっと沢山、あるいはもっと大きいのを出したらと思う。そういうことが簡単に出切るのはここしかないではないか。
 例えば一般・甲斐野弘幸だ。今回は120号3点だ。おそらく、自己の作品を見ながら思いを大きく膨らませているだろう。200号3点、あるいは最低でも今回の120号を5点だ。そういう意味では石川潤・青年は偉い。壁一杯を使っている。黄色の鈴木悠高も次回はきっと大きいのを描くだろう。

 立体もあるにはあるが基本的にはタブロー展だ。林教司の床の作品は日頃の氏の傾向からは意表を突かれた感じだ。が、壁を邪魔しなくて控えめでもある。どこか東北的な粘着質さが何とも言えない。忙しいのにアッパレと言うべきだが、褒めてばかりもいられない。この傾向がどう膨らむのだろう?「鉄の人」が「縛りの人」になり、縛ったまま大きくなろうとしている。

by sakaidoori | 2009-04-18 10:36 | 市民ギャラリー | Comments(0)
2009年 04月 17日

970) STVエントランス・ホール 「渡辺貞之 『存在と眼』」 4月6日(月)~4月26日(日)

○ 渡辺貞之
   「存在と眼」

 会場:STVエントランス・アート
    中央区北2条西2丁目・STV北2条ビル・1階ホール
    (東南角地、玄関は東向き) 
    電話(011)207-5062
 会期:2009年4月6日(月)~4月26日(日)
 時間:月~金 9:00~18:00
     土・日  9:00~16:00

ーーーーーーーーーーーー(4・6)

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 渡辺絵画のエッセンス展だ。

 油彩はいつもの「ゴッコ・シリーズ」から。
 会場全体を教会風に見立てた展示だ。メインの大作は「渡辺流最後の晩餐」。板をつなぎ合わせた作品で、開き窓に描かれた宗教画をもじっている。いつになく人が沢山居て、円い顔が画面でにぎあっている。風刺芝居の一齣だ。絵の出来がどうのこうのというよりも、こういう画家の行為を楽しみたい。
 他の油彩画は静かそのものだ。あまり画面をゴチャゴチャせずに静かだ。「その静けさ、色そのものを見ろ」、という作品だ。静寂の中の緊張。

 「目の人・渡辺貞之」の真骨頂が階段を利用して並べられたデッサンだ。目を中心にした顔の表情は少年達の心の窓だ。光と影だ。対人関係におけるマイナスの顔、社会の一員としての希望と不安の顔だ。
 階段の下、そこの暗さが顔を見るにはうってつけだ。暗闇の真実さがある。
 そして階段を上がりながら一人一人の青年達を見ていく。教会の登り回廊に並べられた使徒のように。

 渡辺・演劇空間が都心のビル内にひょっこりと現れた。
 青年達の眼差しに想像が膨らむ。画家の「人を見る目」に愛情と怜悧さを思う。「目」とは美しく不可思議なものだ。 


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     ↑:「黒い羽根の天使 最後の晩餐ゴッコ」。

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     ↑:左、「実験ゴッコ」。右、「童話の宅配便」。

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     ↑:左から、「不安」、「絶交」。

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     ↑:「19歳」。

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     ↑:左から、「失望」、「背反」。

by sakaidoori | 2009-04-17 10:45 | STVエントランスホール | Comments(2)
2009年 04月 14日

969) 山の手 「中野邦昭・日本画展」 3月27日(金)~4月16日(木)

○ 中野邦昭・日本画展

 会場:ギャラリー山の手
    西区山の手7条6丁目4-25・サンケンビル1階
    (発寒川に面しています)
    電話(011)614-2918
 会期:2009年3月27日(金)~4月16日(木)
 休み:日曜・祝日(定休日)
 時間:10:00~17:00
     (最終日は、~16:00)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・14)

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 中大作は民家のある風景と滝、それと女性画(美人画)が中心、他は葉書き大の肉筆画や中野さんには珍しく猫などの焼き物があります。

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     ↑:「月の日」・S30号。

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     ↑:「雪の日の月」・S30号。

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     ↑:「たおれてもなお (コスモス)」・S30号。

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     ↑:「北の干場」・S150号。

 今展随一の大作。他の作品もそうですが、制作年が明記されていません。最近作なのかはわかりませんが、最近の力作でしょう。干場に雪が舞い散り、季節の重さが伝わってきます。人がいないのが良い。干された魚たちの後ろに無数の人影が、人の力が感じられます。絵巻ものです。

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          ↑:「炎舞」・200×50cm。

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 ↑「天の川」・120変。









 中野邦昭ー1948年に小樽で生まれ道東で育ち、京都で日本画を学ばれた。
 若い時には寺が炎上する激しい絵も描いていた。その全画歴は知らないが、今は動きが少ない絵が多い。気品漂い温かく爽やかな絵だ。特に雪降る北の大地の生命観を追求しているように見える。「灯り」にその原点を見ている。
 画題に多く見られる古き民家、おそらく作家の原風景だろう。ストーブを描くことはないが、その明かりが部屋を灯し人の影が窓に写る。家自体が擬人化されてどっかりと存在する。樹木や全ての物も、厳しい風土の中で静かに生きている証なのだろう。だから、中野風景画に人物は必要ない。画面全部が生き物の生気で覆われているのだろう。
 東洋美を表現するのに「気韻生動」やそれに類する言葉がある。日本(和人)伝統少なきこの北海道で、いかに気品や命の輝きを表現するかが画家の課題だと思う。中央で学び、日本美の伝統を若き体験で知っているから、それへの親近感と画家としての独自性に悩まれたのではないか?
 古き民家といい、童顔の少女といいロマン性の強いのも確かだ。だが、男からロマンを取ったら何も残らない。時代は古き民家をあざわらうように、あるいは伝統建築物などと称して過ぎていく。画家はそれに拘る。その拘りが見る者を過去から、今へと引っ張る。

 画家はようやく60歳を過ぎたばかりだ。決して若い年ではない。静かに自分と向き合う年代だ。生命力や行動力は落ちる。ストーブの炎は、裸婦にからむ赤いスカーフとにもある。ストーブは激しく静かに人の頬を照らす。瞳に炎が宿る。心は温かく明るくなる。それを力に画家は筆を進めているのだろう。


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by sakaidoori | 2009-04-14 23:50 | 山の手 | Comments(0)
2009年 04月 13日

968) テンポラリー  「佐々木方斎・展 『メタレリーフ』」 4月7日(火)~4月17日(金)

○ 佐々木方斎・展
   「メタレリーフ」

 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側、隣はテーラー岩澤)
     電話(011)737-5503
 会期:2009年4月7日(火)~4月17日(金)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(4・11)

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 「メタレリーフ」、非常に難しいタイトルだ。「レリーフ(浮き彫りされた作品)を超える」、「レリーフを考える、言葉にする」ということになるのだろうか?意訳して「彫刻、美術、現代美術を問う」あるいは、「現代美術を成り立たせている現在を問う」・・・。

 観念論はひとまず置いて、作品を見よう。
 凹凸のある建築資材に着色し、同じく平板な材料は白く塗り、それらを交互に並べている。画質感を出すというよりも、ややそんざいな感じの着色だ。1997年頃の作品である。前回のテンポラリーでの出品作品が未発表であったから、これらもそうかもしれない。古き民家の屋根裏に箱詰めで仕舞っていたものを、久しぶりにお日様に向かって並べてみた、そんな感じで作品を見た。

 氏の版画作品を見たことがある。白地に一色に着色された格子状の模様を描いていた。絶対抽象であり、限り無くデザインにたどり着く一歩手前の作品だった。直線、平行線、直角交差、白地に模様の色が眩しかった。非常に緊張を強いるが、前頭葉がピクピクして心地良かった。おそらく、数学や近代建築物が好きな方だと思う。ドップリと近代文化に浸かっていて、その美を体現している。当然、デザインとは親和性が強い。デザインとは生理を捨象して、「いつでも、どこでも、だれでもが良い気分」を表現しようとする。
 氏の作品はデザイン的で明るく綺麗だが、「いつでも、どこでも、だれでもが良い気分」、からは遠い。緊張度が高すぎるからだ。

 今作はそれらとは反対を向いた作品だ。格子状の作品が緊張100%としたら、方斎流の遊び精神だ。素材は市販の物を、色はあっさりと数色使って、その色で市販の材料のデザイン模様を違った物にして遊んでみよう。「あー、やっぱり白が欲しいな、平板に描いちゃおう」。交互に並べた姿は大きな大きな抽象立体作品だ。

 氏は’80年代中葉に「美術ノート」という美術誌を主宰されていた。美術の何たるかを問う雑誌だ。「メタ美術」だ。そういう人だから、市販の素材の選択やらに特別の思い込みがあるかもしれない。それらが日に照らされて顕わになった姿に狭義の美術以上の主張があるかもしれな。
 だが、今展は「過去」の作品が「今」に登場したことで充分だろう。床に置かれ、僕らには投げかけている。キャッチボールだ。ボールは画家自身にも投げられている。「過去」と「今」が対話をする。


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by sakaidoori | 2009-04-13 23:20 | テンポラリー | Comments(0)
2009年 04月 13日

967) きたら 「オルガン・スプリングコンサート & 豊平館」

f0126829_10224866.jpg    ○ オルガン・スプリングコンサート
   (4月11日・土 キタラ 500円)

   オルガン: シンディ・カスティーヨ
     (第11代札幌コンサートホール専属オルガニスト。1981年、ベルギー生。)
   ソプラノ : オレリー・フランク
     (1983年、ベルギー生まれ。) 

~~~~~~~~~

 4月11日(土)、地下鉄ドニチカ切符で。街に行く。
 ト・オン・カフェ(犬養康太・展)、キタラの500円・オルガンコンサート、中島公園で豊平館と川を挟んで昼食。いい機会だから初めて館内を散策。その後、テンポラリーの佐々木方齋・展、資料館、コンチネンタルギャラリーの学生2人展(齋藤由貴&佐藤あゆみ)を廻る。
 資料館以外は全部載せたいがどうなるか。他の展覧会も書きたいことだらけだがそのままになっている。書けなかったことよりも、書いたことに満足しよう。作家のかたもその活動は長く続けられるはずだ。折に触れ、新作を紹介させてもらうことにしよう。作品写真の快諾を得られることを望むばかりだ。

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 500円・オルガンコンサート終了後の風景。

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 コンサートはいつになくしっとりとしていた。舞踊曲的なものから始まった。なかなか軽易でモダンな女性奏者の服装だ。黒で統一されている奏者の後姿とは裏腹に、貴族趣味な出足はその後が心配された。
 実に女性的な弾き方で進行していった。テクニカルには弾かない。現代感覚の瞑想気分だ。この日は同じベルギー出身の女性ソプラノも参加。やはり黒装束だが、半肩を出したロングドレスはギリシャ・ローマ風のいでたちだ。太くはないがかなり大柄で美人だ。2人とも若くて美人なので華やかだ。
 瞑想的なオルガンの後にソロのソプラノ、その繰り返しが続く。時には歌唱の間に早口で詩を朗読する。スキャットだ。春の小鳥だ。
 オルガンと言えばバッハを連想し、そして宗教曲の荘重さと続く。そこにオルガンならではのテクニカルさがいやがうえにもホールをより重厚なものにする。
 やはり、決め付けはよくない。この日は女性らしい現代性が裏のテーマだったと思う。もちろんクラッシクだから、ものものしいのは仕方が無い。20世紀中葉の現代音楽も弾いていたが、瞑想気分に機械的に進むメロディーは妖しい気分にさせる。それでも技巧に走らないというこの日のテーマで貫かれていた。

 終了後の2人の挨拶が面白い。決して小柄ではないオルガン奏者は深々と頭を下げる。ほぼ90度まで体を折っている。お辞儀だ。この作法を本国でもするのだろうか?なかなか日本人でもあそこまでは頭は下げない。彼女は始まる前に日本語で挨拶をしていた。曲目構成を簡潔に語っていた。もちろんメモを見ながらだが、関心してしまった。いっぺんに会場を和ませていた。屈託の無いサービス精神だ。
 もう一人の外人は軽く会釈し、お礼に手を振っていた。あの透き通る声が、この体からでているのだ。ボリューム感で迫るというよりも、声の色艶による表現力を聴かせる人だった。


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     (↑:豊平館のベランダからの風景。そのうちに内部も紹介したい。)

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by sakaidoori | 2009-04-13 10:31 | ◎ 風景 | Comments(0)
2009年 04月 12日

966) コンチネンタル 「齋藤由貴×佐藤あゆみ・展 『つながる空気』」 終了・4月7日(火)~4月12日(日)

○ 齋藤由貴×佐藤あゆみ・展
    「つながる空気」
    
 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1条西11丁目 コンチネンタルビルB1F
    (西11丁目通の西側)
    電話(011)221-0488
 会期:2009年4月7日(火)~4月12日(日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・11)

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 贅沢な学生展だ。広い空間は壁は青を基調にしている。立体作品は他者を盛り立たせるような具象作品だ。広さに統一感があり、ゆったりと見れて気分が拡がって行く。
 「つながる空気」は「よりそう2人」、「ふくらむイメージ」だ。追憶的心象を引きずりながら、今を見すめようとしている。

○ 齋藤由貴の場合

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     ↑:①、「目覚め」・130.3×194cm キャンバスに油彩(全て同じ)。

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     ↑:②、「深」・60×60cm。
 (この絵は以前見たことがあるのだが、絵の小ささが気にいらなくてしっかり見なかった。赤に現れた画家の取り組みを見ていなかった。自戒。)

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     ↑:③、「漂う日」・130×162cmが3点。

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     ↑:④、「眠り」・162×194cm。(注意⇒ピンクの部分は実際は白色です。)

 霧、あるいは雲のような茫洋とした世界から美しい女性が浮かび上がってくる。そういうイメージ画だ。あるいは、目をつぶって一所懸命に目の中を見ていたら、若い女性が佇んでいるのが見えてくる、それが画家のイメージかもしれない。

 齋藤由佳は教育大学・大学院2年生の学生だ。
 この2年間、学生展で彼女の世界とは親しんでいる。白と薄い青の世界に裸婦のいる風景、それは若々しく健康そのもので眩しい。一方、イメージ過多で画題が定型だから、絵としての成長には心配もしていた。

 今展、じっくり腰をすえて溺れるような青を追求している。画面隅々まで力を込めて描いている。白や薄青から脱皮しているのが素晴らしい。要するにドロドロしている。ドロドロと言っても二十歳過ぎの女性だし、人生経験はこれからだ。元気の言いピチピチした濃いい青なのだ。ムードに流したくないと主張しているのが好ましい。青の中に緑や黄色やピンクを取り込めて、闇夜はこんな世界だとも言っている。
 人物は輪郭線が明瞭で写実に心がけている。女性画学生に多く見かける一つの傾向、綺麗な女性を描いている。自分に似ているが、自画像という意識は無い。裸婦には願望としての美が詰まっているのだろう。絵を描く女性の原点なのだろうか?


 「酔ってしまうような、溺れてしまうような、そんな空気を探している」と目録に書かれている。
 「溺れる」、オフィーリアのような美と狂気?「耽溺」あるいは「溺愛」という言葉のおぞましさ?白昼夢?「空気」だけに収まればいいが、「空気」を超える世界も期待したい。

by sakaidoori | 2009-04-12 23:50 | コンチネンタル | Comments(0)
2009年 04月 11日

965) 品品法邑 「本田滋・絵画展 『風の彩ー絵・空・間』」 終了・3月30日(月)~4月9日(木)

○ 本田滋・絵画展
    「風の彩ー絵・空・間」
        
 会場:品品法邑(2階)
    (北郷13条通の北側。道路を挟んだ同じ北側に法国寺有り。)
    東区本町1条2丁目1-10
    電話(011)788-1147
 期間:2009年3月30日(月)~4月9日(木)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(4・11)

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 「絵を愛する人・本田滋」

 本田さんとはギャラリー巡りで時々お会いする。
 スケッチする姿を眼に浮かべてしまう。葉書き大の用紙に会場やその場の雰囲気をスケッチしているのだ。ペンでささっと。描く時の目は真剣だが、傍によると顔を崩して相手をしてくれる。その日は人形展だった。

 「何かこの人形、優しくって愛情豊で、チョッと描いてみたくて、描いてあげるのも良いかなと思って描いちゃったんですよ」

 描き終えた絵を展覧会関係者にお渡ししていた。その人達とのにこやかな会話が場を飾っていた。


 またある時は学生展だった。
 「これ、君が描いたの?良いね。気持ちが伝わってくるなー・・・。君の持っている温かいものが絵に出ていると思うよ。・・・」学生への屈託の無い言葉が聞こえてくる。僕は内心、「そんなに褒めちゃダメだよ」とも思うが、恥ずかしいくらいな褒め言葉を続ける彼の心には参ってしまう。

 
 彼は画論や技術のことは語らない。そういうことは「僕は知らないから」っと言って、微笑むだろう。
 絵を見る姿勢、絵を通して語る姿勢は、彼が絵を描く時も同じだ。描かれた対象(画題)への思いやり、絵全体を包む温かい雰囲気に気を配っている。
 もっとも、表現したいことはそうであっても、絵として他人に見せれたかどうか?その気持ちは分かるが、絵としてドーンとくる、あるいはしみじみと感じ入るものになったかどうか?「絵を愛する男」の絵が、「愛される絵」になったかどうか?
 本格的に描き始めて4年とのことだ。驚くほかはない。間違いなく「語りたくなる絵」だ。にっこり笑いながら絵を見てもらいたい。微笑みながら見る、ということは絵の本質とは重ならないかもしれない。ならば、画家に笑いながら本質を語り合える絵を更に更に描き進めて欲しいと注文しよう。

 今展はモチーフや大きさにはあまり拘ってはいない。2点1対構成で本田滋の絵心が会場全体に響くことができたかを試みている。作品一つ一つは組み作品ではないが、あえて対構成にしている。会話を重んじる画家の姿勢だ。老若男女を問わず人と人とのふれ合いを大事にしたいのだろう。作品自体を擬人化して仲間達を演じているのだ。

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     ↑右、「背伸びする街」・日揮展 2006年 F40。
     ↑:左、「赤い自販機のある街」・日揮展 2008年 F20。

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     ↑:左、「風 舞 花」・アクリル美術大賞07入選 F100。
     ↑:右、「瞬 舞 花」・アクリル美術大賞08入選 F100。

 かなりイメージが強い。花のある実景から部分をクローズアップして、画家の花への強い思い込みを描いている。今展の都市の風景画は小さい。反して、作られたイメージ画は大きい。実景に縛られないで自由に伸び伸びと描きたいのだろう。装飾過多でイメージに流されがちだが、画魂(がこん)の大いなる通過点だ。僕自身は花の乱舞よりもビルの踊りのほうが好きだが、七色の絡み合いを表現するには花のほうが向いているのだろ。

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     ↑:左、「凍てる風・札内川」・F20。
      ↑:右、「碧流の札内川」・F20。

 赤が魅力的だ。実景に忠実に取り組んでいる。


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     ↑:「寄り添って」・F40。

 いろんな意味で異質な絵だ。思いはタイトルが示す通りだ。大地に生きる寄り添う二人に太陽が燦々と祝福している。
 枝のうねりは人生の皺だ。枝と枝の隙間、その隙間に乱れ込む光や風や空気、白やピンクや黄色中心の限られた色で追求している。

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     ↑:「深川発札幌行」・F10。

 とても上手な絵です。より良く描けるようになったので、その分絵から児童画的遊び心が減った感じだ。路面に写ったビルの姿などは実に驚かされる。正直、僕はこういうリアルな絵を本田さんに予想していなかったので何と言っていいかわからない。色もピカピカしていて全体を一層明るくしている。堅実で重厚な都市の風景だ。小さい絵だが小ささを感じない。
 上手さと遊び心、車の両輪のように共に大きくなっていくのだろう。愛情を隠し味にして。

by sakaidoori | 2009-04-11 09:48 | (くらふと)品品法邑 | Comments(4)