栄通記

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カテゴリ:☆(岩見沢)松島正幸記念館( 2 )


2010年 12月 19日

1400) 岩見沢・松島記念館 「『明日への創造』 北海道教育大学学生展」 終了・11月14日(日)~12月12日(日)

○ 明日への創造 

   北海道教育大学岩見沢校 芸術課程美術コース展 
   

 会場:岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館
     岩見沢市7条西1丁目7番地
     電話・(0126)23ー8700
 
◎ Part 1  会期:2010年11月14日(日)~11月28日(日)

◎ Part 2  会期:2010年11月30日(火)~12月12日(日)

 休館:水曜日、祝日の翌日
 時間:10:00~18:00
    (木曜日は13:30~18:00)
 料金:一般・210円 高大生・150円 中学生以下・無料

 企画:当館

ーーーーーーーーーーーーー(12.11)

 招待券を頂いた。ありがとう。なのに、「案内板」にも載せなくてすいませんでした。


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 道教育大学岩見沢校・美術コース学生の有志展。展示は前後半に別れた2期構成。後半の様子を紹介します。

 個性なり実験作品でにぎにぎしくするという展覧会ではない。日頃の勉強の一端を自然に作品化するという内容だ。低学年の学生も参加しているので、地元・岩見沢の方々に「私達、こういう勉強をしています」と挨拶しているみたい。
 もっとも僕は、札幌で同様な展覧会である「七月展」(於・札幌市民ギャラリー)とか、各研究室毎の作品展を見ているから、ちょっと温和しい感じはする。
 岩見沢に当校美術コースが集約されたのは最近のことだ。昨年も今回と同じような展覧会が当館で開かれたことだし、今展の様な取り組みも年々変わっていくことだろう。というか、「岩見沢市とその近郊」という地域と、「教育大学美術コース」の学生達との本格的交流は始まったばかりだ。「自己表現としての美術」が、社会なり地域と交流することで、「何かうねるような変化」とか、「予想もしなかったような心のざわめき」とか、そんなものが醸し出されるのを期待しよう。

 駄弁にならずに何点か作品紹介をします。


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     ↑:デジタル絵画研究室 3年・山下沙織、「heart」。

 作品は小さいのですが、ピンクが会場でとても目立っていた。それは、色で攻める学生が少ないということだろう。
 うっとりと少し甘え気分の少女、何を夢みているのだろう?


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          ↑:1年・佐藤歩惟、「かぶる。」。

 元気一杯だ。溢れる気分が良い。この「大きいことは良いことだ」精神を卒業するまで見たいものだ。


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     ↑:版画研究室 2年・工藤瑛子、左から 「なないろひいろ」・「雨降りメランコリー」。

 鮮明な明るさ、それに反した少女の人形的無機質な眼差し、そのアンバランスが作家の主旨のようだ。曰く、そこから見る人に物語が始まる。「この明るさは何だろう?」という。
 それも面白いが、学生のま~るくふっくら仕上げるボリューム感が色にも現れているのが面白い。


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     ↑:1年・岡崎菜央、「友達の話」。


 ロマンティックでちょっとセンチな気分。
 こういうコミック風なロマンティック世界や描く技量は、今の学生は得意だと思う。当校で学ぶ以前に既に身に付けた絵画世界だ。
 僕は、こういう作風を隠さないでバンバンと膨らましたらと思う。小さなノートの下描きが、そのまま大きく育てばと思う。もっとも、皆ながこのレベルの持ち主だから自分らしさを鮮明に出すのは大変だろう。でも、その辺は自分を見つめ直していけばいいのだし、それしかないのだし、借り物の造形感覚でないから嘘がない。


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          ↑:1年・真鍋未央、「茜」。

 本の挿絵が色付きでワイルドになった感じ。
 歩いている少女は自画像なのだろう。暗くなりそうな気分を夕焼けが明るくしている。夕陽が楽しそうだ。
 どこかいじらしい作品。


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     ↑:アニメーション研究室 2年・進藤美保、映像作品 「白の世界」 「警告」 「未知なる珍味 ~ドラゴンフルーツ~」。

 今春、資料館で見た学生だ。
 粗筋だけでも紹介するといいのだが、ちょっと面倒なので、メモ風に。


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 「白い世界」
 学生の女性に拘る姿勢、その美しさを含めて「女」を探している。女を追うリズム感が良い。ちょっと実験ポイ作風だが、それはあくまでも」画像処理という技術の問題で、気分は蛹が「何かを食べて」成長というか、「変身」して、蝶々になって映像からはみ出して、「女」になる。要するに学生自身の「女」としての葛藤がテーマのようだ。



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 「未知なる珍味 ~ドラゴンフルーツ~」
 ドキュメント作品と言い切っているのが可笑しい。日常のパロディーなのに。
 スーパーでドラゴンフルーツを見つけた。怪奇な容貌でどう料理していいかわからない。2人の登場人物があれこれと、完璧女子学生がダベリ合い、無手勝流に果物を炒めたり何なり料理して、「パクリ」と食べる。要するに女の子が口を開けて「食べる」シーンを撮りたかったのではなかろうか。
 食べることに拘る進藤美保さんだった。

by sakaidoori | 2010-12-19 22:29 | ☆(岩見沢)松島正幸記念館 | Comments(2)
2008年 11月 29日

824) 岩見沢・松島記念館 「松島正幸の世界 こころの旅路」 12月1日(月)~1月12日(月)

○ 収蔵作品展
    松島正幸の世界 こころの旅路

 会場:岩見沢市絵画ホール・松島正幸記念館
     岩見沢市7条西1丁目7番地
     電話・(0126)23ー8700
 会期:2008年12月1日(月)~1月12日(月)
 休館:水曜日、祝日の翌日
 時間:10:00~18:00
    (木曜日は13:30~18:00)
 料金:一般・210円 高大生・150円

ーーーーーーーーーーーーー(11・29)

 岩見沢・キュウマルの「ダサい☆コンペ ~黄金ダサい伝説~」・展を見に行った。ここのギャラリーは随分ご無沙汰しているので、行きたくなった。展示は言葉通りダサいのだが、ダサくていいのだが、少し出品数が少なくて寂しかった。
 受付では教育大1年生の女子学生が3人居て、将来の作品鑑賞を楽しみに、お名前をメモしてきた。 名々の研究科進路は違っていて、日本画・デザイン・油彩画ということであった。


 そのまま帰るのはもったいないから歩いて松島正幸記念館へ。駅から15分も歩けばお釣りがくるであろう。


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 ↑:絵画ホールは旧岩見沢警察署。鉄筋コンクリートということがセールス・ポイント。しかも地方都市に残っているということが貴重とのことです。
 昭和7年7月31日に警察署鉄筋コンクリートとしては釧路、函館に次ぐ3番目の建物。現存では岩見沢、函館、札幌(現札幌中央警察署)、小樽の4ヶ所しか残っていない。
 つまり、絵画ホールの場所は岩見沢市の旧官庁街の中心地だったのだ。

 詳細な作品掲載は出来ないので、会場風景だけでも載せます。
 展示室は、1階の2部屋が松島・収蔵作品展。手前の広々とした部屋が今回の「松島正幸の世界 こころの旅路」展だ。奥の部屋が戦後に描かれた長崎の風景画と画家の遺品。

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 画家は1910年の深川市(旧雨竜郡一己村)生まれ、55歳から62歳まで教育大学岩見沢分校非常勤勤務の経験があり、その関係で氏の美術館が誕生したものと思います。1999年(平成11年)肺炎で逝去、享年90歳。

 画家は50過ぎてから頻繁に渡欧し、1977年(昭和52年)から、カンヌのアトリエに半年暮らすという半日半欧の生活を始めめました。展示は1975年から1984年の間のヨーロッパ風景。
 松島正幸の絵は「暗い」というイメージですが、これらの風景画は淡く軽快な色遣いです。得意の人物を点描のように画面に配して、氏のロマンティシズムに華を添えています。
 戦前にも従軍画家として満州の市街地の絵を描いています。どんよりとした暗めの印象ですが、葉に覆われた街路樹とその配置が何ともいえないリズムがあり、円い形がシャボンのように異国情緒を増していたのを覚えています。
 長生きする画家は暗い絵のままでは人生を終わらないと思っています。画家の詩情が暗いままでは困るのです。人生にはいろいろあろうとも、絵の中の絵空事の世界に、描かざるを得ない詩情、情緒を目に見え形にすること、それが後半の人生の生きがいであったのではないでしょうか。
 僕自身は松島絵画の暗い中での詩情が好きす。ですが、長く生きた画家が自由に絵に打ち込んで、新たな感性を表現しようとする姿には心惹かれます。

 奥の「長崎の間」。氏の作品ではあまり見ることの無い赤い作品があります。それは長崎の悲劇を描いたものでしょう。従軍画家としての戦時経験が「長崎」を画家の言葉として残しておかなければならないという使命感が働いたと思う。絵としては普通の長崎風景の方が松島らしくて良い。画家自身の戦後の再出発という前向きな意欲を絵の造形に感じる。

 2階の入り口前の広間には地元の作家でしょうか?書や立体や絵画が並んでいます。

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 2階は松島以外の収蔵作品展です。
 ここの魅力は何と言っても部屋そのものです。もし「書斎」というものを自宅で感じられなくて、そういう気分を味わい人はここに行くことをお薦めします。北の方から札幌への帰りがけに、時間があればここに立ちよってソファーに身を沈めては。
 冬の雪道を走って外気が冷たいほうがここには似合っている。初めは部屋は寒くてコートを脱げない。本を読んでいるといつのまにかストーブの熱が身を包み、頬が赤く感じる。目を窓に向けると一面は白の世界、振り向けば絵がある。思い出したようにもう一度作品を見ていく。
 そんなことを繰り返しながら時間だけが過ぎて行くのです。そして、時間が体に残るのです。

 誰もいない美術館、それは寂しい言葉です。寂しくとも利用しがいのある場所です。

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 藤本俊子・「野原にて(破れた布)」(1975年)を見れて良かった。
 一万木寿三・「柵」。すぐに作家の分かる作品だが、牛の風情や顔があまりに可愛くて微笑んでしまった。


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     ↑:2009年のカレンダー。「ドラギニャン」(南フランスの都市)・F12 1981年。
 ここの絵画館では年末にカレンダーを入場者に差し上げています。少し早いですが、もう配布していました。写真の作品は今回は展示していませんでしたが、時期も同じで、似た作品傾向です。
 得意の人物はいません。その必要はないのです。面としての屋根が人間の代わりなのです。ピンクがかった屋根色が恋人同士のように語り合っています。

by sakaidoori | 2008-11-29 23:49 | ☆(岩見沢)松島正幸記念館 | Comments(1)