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2017年 01月 22日

2551) 「2017 さっぽろ雪像彫刻展」本郷新 1月20日(金)~1月22日(日)

2017 
さっぽろ雪像彫刻展


参加作家・団体:
児玉陽美(造形作家) 佐々木仁美(金属造形作家) 佐藤一明(彫刻家) さとうゆうき(造形作家) 清水寛晃(木工家) 野村裕之(彫刻家) 北海道デザイン専門学校 北海道札幌平岸高校





 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2017年1月20日(金)~1月22日(日)
 休み:
 時間:10:00~17:30
 観覧無料

※美術館は以下の入場時間・入館料 
 時間:10:00~17:00
 料金:一般/300円 65歳以上/250円 高大生/200円 中学生以下/無料

 主催:当館 さっぽろ雪像彫刻実行委員会
   

ーーーーーーーーーーーーーーーー(1.21)


 佐々木仁美さんが雪像を作っている。彼女は1月26日から始まる群青「対展」に出品する。だから、彼女の作品を見るのを目的にして見に行った。


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   ↑:さとうゆうき、「ゆきのね」。


 う~ん、風のマタキチ、という感じ。




 本郷記念館本館の中庭を利用した雪像展。
 この時期。大通公園で雪祭りが開催される。その時に市民や外人などが雪像を作る。それにあやかるような、対抗するような催しだ。といっても、敷地が狭い、だから迫力に欠けるだろう、と余計な心配で見に行った。

 確かに大通公園雪祭りに比べられるようなものではない。しかし、狭いなりにアットホーム的に雪像があった。小さいが造形作家やその卵たちの雪像だ。市民が作るのとはひと味違っていた。

 現物を見て下さい。
 街には当展のチラシも多く配布されている。しかし、なかなか見には行けないだろう。情報の一つとして楽しんで下さい。



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   ↑:野村裕之、「attachmennto 愛着」。


 可愛らしい「愛着」かしら。でも、「愛着」という言葉は強すぎる響き。変てこりんな二つの物体に対して、作家は言いしれぬ「愛着」を抱いているのだろう。




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   ↑:北海道芸術デザイン専門学校、「不純」。



 「不純」ね~?孫悟空のキント~ンを思い出されて、可愛くも不可思議な塊に思えた。でも、「不純」ね~・・・。




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   ↑:北海道芸術デザイン専門学校、「expand universe」。


 タイトルの意味は不明。
 ほら吹き大砲みたい。学生らしい元気さが良い。





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   ↑:児玉陽美、「大きな命のたね」。


 鯨さんみたい。
 「児玉陽美」、久しぶりに聞くお名前だ。道都大学を卒業したのは何年前だったろう?こうして元気に発表しているのを見られて、今日は良き日だ。



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 特にタイトルはありません。きっと、暇に任せて遊んだのだろう。雪像作りという寒い作業の中でも、こうして遊べるなんて・・・僕にはそんな元気はないな~。




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   ↑:佐藤一明、「雪石」。


 「ストーブの男」佐藤一明さんの会心作!
 雪を石に見立てての造形。どこが会心かというと・・・皆さ~ん見に行ってあげて下さい。

 さて、全作品掲載するつもりはなかったけど、どこまで頑張れるかやってみよう!










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   ↑:北海道札幌平岸高校、「砦」。


 なるほど、トリデだ!




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   ↑:佐々木仁美、「風の通り道」。


 これも佐藤一明さん同様に興味が惹かれる。
 「風の道」といえば、横風という言葉通りに横流れを連想する。佐々木・風は縦に流れている。そこが面白い。




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   ↑:清水寛晃、「AURORA]。



 オーロラは縦流れだから、もっともな造形だ。

by sakaidoori | 2017-01-22 01:06 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2015年 02月 27日

2472)「(常設展)彫刻のできるまで 企画展『In My Room』(佐々木仁美)」本郷新 2月17日(火)~4月19日(日)

◎ コレクション展 彫刻のできるまでー本郷新の頭の中    


◎ 「In My Room」vol.10 
  佐々木仁美
   

 上記コレクション展期間中に同会場の一角で開催される若手作家展。「In My Room」として彫刻・立体作品などを個展形式で紹介。


 梶田みなみ ⇒ 2014年12月13日(土)~2015年2月15日(日) 
 佐々木仁美 ⇒ 2015年2月17日(火)~4月19日(日)  


 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2014年12月13日(土)~2015年4月19日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般/300円 65歳以上/250円 高大生/200円 中学生以下/無料

 主催:当館 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(2.27)


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 佐々木仁美。
 1985年、札幌市生まれ。30歳になったか?
 2008年、富山大学高岡短期大学部専攻科産業造形専攻修了。

 最初に見たのはグループ「ループ」展だった。2010年?だったか。小振りのブロンズで、正直ロマンという印象だった。その後何かと見続けている。小さな作品に新芽などを挿入して、「あ~、愛を表現したいんだな~、慈しみとか・・・、でも、そのものズバリで解説調だな~、女の子だな~。そんなものがなくっても、彼女の持つ優しさだとか、他人との触れ合いとかは十二分に感じるのだから、新芽や種とかをこれ見よがしに出なくってもいいのにな~」という印象は拭えなかった。が、時折見せる造形そのものへの拘りが気になり、『何が何でも作り続ける』という情熱には感心していた。

 やはり見続けるものだ。今展、形・量塊で勝負だ。硬い硬いブロンズ表面にも工夫探求と今までとはひと味違う。しかも、ほとんどがこの1、2年の作品だ。彼女の今の傾向がしっかり読み取れる。ようやく甘いセンチメンタルから一歩先に出た。何を作っても彼女なりの優しさや愛情感、生命観はでてくる。具体的な姿に引っ張れ過ぎないで欲しいものだ。それでなくても女性は生の形を愛するものだから。



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   ↑:「ある雨の日」・2015年 ブロンズ。


 「ある雨の日」というよりも、「ある夏のズッキーニ」と言った感じだ。それはともかく、何だか変なものを作ったものだ。形に拘り、表面に拘り、触り心地にこだわり、完結したマ~ルイ世界を表現しようとしている。




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   ↑:「寝落ち」、2015年 ブロンズ。



 今展一のお気に入りだ。これを見れただけで大満足だ。

 人間が蹲っているのだろう。おそらく女であり、主婦として見た。日本近代彫刻史を飾った作品を彷彿させる。おそらく、ロダン流の「金属による人間という存在表現」だ。ただロダン流の男性作家は「個」が全てであった。ここには全てを包み込みたい、全てと一体化したい女の生理で覆われている。

 佐々木仁美からデッサン会の出品案内をもらったことがある。そこで初めて彼女の人体デッサンを見た。デッサン作品としてはお世辞にも上手いとはいえなかった。ただ、どうして今更人体デッサンなのかと不思議に思っていた。胸像とか裸体を専門に制作しているのではないから。今作を見て、やっと納得できた。人体を研究していたのだ。

 お気に入り作品ですから、角度を変えて載せます。



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 後ろから。お尻具合が良い。



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 それに反して頭の部分は悩ましかった。髪の表現がどうも・・・。




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   ↑:「今日がはじまる」、2015年 ブロンズ。






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   ↑:「メンターは消えた」、2015年 ブロンズ。



 抽象作品だ。この方向に邁進するとは思えないが、いろいろな形を試みることはいいことだ。もしかしたら、本郷新のようにモニュメンタル作品にも手を出すかもしれない。それは良いことだ。彼の平和そのものの人畜無害の裸婦ばかりでは面白くない。




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   ↑:「空っぽの鎧」、2015年 ブロンズ。





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   ↑:左側、「変わらない空気」、2014年 ブロンズ。
   ↑:右側、「日常」、2013年 ブロンズ。



 こうして二つの作品を並べると、俄然僕好みは左側の「変わらない空気」だ。変わりはしないが、重たいブロンズがふわふわ軽やかで、いろいろ余裕が生まれて心地良い。






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   ↑:「生きている(5点組)」、2015年 ブロンズ。




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 形いろいろ、色いろいろ、皮膚いろいろだ。







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by sakaidoori | 2015-02-27 22:12 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2014年 03月 06日

2360)「企画展 『In My Room』(高橋知佳の場合)」本郷新 終了/ 1月18日(土)~2月23日(日)


◎ コレクション展 「裸婦研究」    


 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2014年1月18日(土)~5月11日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般/300円 65歳以上/250円 高大生/200円 中学生以下/無料

 主催:当館 




◎ 同時開催 
     In My Room   

 上記コレクション展期間中に同会場の一角で、高橋知佳、更科結季、町嶋真寿の若手彫刻家による連続作品展。


 高橋知佳 ⇒ 1月18日(土)~2月23日(日) 
 更科結希 ⇒ 2月25日(火)~4月6日(日)  
 町嶋真寿 ⇒ 4月 8日(土)~5月11日(日)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(2.19)



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 女の裸が転がっている。
 広くもない空間、闇っぽい空気の中での裸婦は軽い驚きをともなう。

 一つ一つの作品はオーソドックスな胸像の痕跡や雰囲気を残している。若い作家だ、真摯な堅さが好ましい。裸婦と言ってもセクシーさは薄い。祈り・・・確かに一つの祈りだろう・・・弱き女の最後の抵抗、存在証明としての・・・祈りか・・・。


 だが、無造作とも思える肉体の展示に露わな主張を感じた。男には無縁な「女の性(さが)」のようなものを。「見える肉体と見えない心」、「見せない肉体と見せたい心」という二律背反を。


 女として美しくありたい、美しさとは何か?素晴らしき肉体、肉体とは何か?孕むことか、性欲か?私の心は見透かされているのか?鉄で紡いで囲えば心の実体が見えるかもしれない。心の実体とは・・・。

 私は「女の性」を知らない。全ては私という男の妄想だろう。高橋知佳(チカ)の紡ぐ行為に美という桃源郷を追い求めつつ、何かしらはみ出さざるを得ないものを思う。美しさとおぞましさ、冷ややか今展の魅力だろう。



 作品を載せて行きます。タイトルが赤裸々です。




 ◯ 入口作品。使い古しのゴム風船がいろいろ姿で腹に詰まっている。妊婦、堕胎の意味か?




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   ↑:以上、「亡霊のトルソ」・2013年 木製パネル 鉄 ゴム風船






 ◯ 顔作品と、首無し作品(トルソ?)が合い向かい合っての展示だ。



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   ↑:以上、「籠もる」・2013年 鉄





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   ↑:以上、「仄見せる心」・2012年 鉄







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   ↑:以上、「逆さの堰」・2013年 鉄







 ◯ 無造作に裸体が転がっている。


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   ↑:以上、「仄見せる心」・2012年 鉄





 ◯ 最後は立像、乙女です。影を作ってより立体的に見せている。



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by sakaidoori | 2014-03-06 07:00 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2013年 09月 03日

2184)「中橋修 展 -内包-」 本郷新美術館(無料) 8月30日(土)~9月8日(日)

  
  
   

中橋修 展 -内包    



 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館 本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2013年8月30日(土)~9月8日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:無料
 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(8.31)


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   ↑:(二階途中の踊り場。展示は階段を昇りながらの中間位置から始まる。)



 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 中橋修は、2003年から「内包」と名付けて、インスタレーション気味に発表している。
 今展はその全部ではないが、回顧風な形でその仕事の全貌を追体験していくような展覧会だ。

 1階を除いて全室の展示だ。全部で5コーナーありそれなりの作品数だ。各コーナーの個性に合わせての見せ方で、年度を重ねていってはいない。「内包」の変遷をたどると言うより、それぞれの「内包」を体感していく。その目指すもの、行く付く姿などをあれこれ考えるのも一つの鑑賞だ。

 何はともあれ一緒に歩んでいこう。



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   ↑:「内包 -ここにいる-」・2011年 アクリル板 カッティングシート。

 「時と場と人に包まれて今ここにいる」(タイトルの副題)



 高い作品が設置可能な場所はここしかない。それで選ばれた作品だろう。
 そして、タイトルの副題がこれから続く作品の意味を暗示している。
 「作品を(外から)見る。プラスチックの輝き、何かトリックがありそう。思案しつつ建築的な工学美に感じる。(作品の)中に入る、また感じる。そして此処は何処だろう、これは何?」そんなことを思いながら歩んでいくことになる。



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   ↑:「内包 -Black Ball」・2010年 木。



 此処の踊り場から、2階の渡り廊下が見える。作品と人がごっちゃになっている。


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 メインとおぼしき2階に行こう。



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   ↑:「内包 -ここにいる- 時と場と人に包まれて今ここにいる」
・2011年 アクリル板 カッティングシート。



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 このコーナーが今回のメインの様相を帯びている。いわゆる参加型作品だ。

 中に入るとどうなるか?自分の首から下の姿が全部のアクリル板に写っている。だから何なの?と問われたら・・・そこんところは、強く何かを感じたら成功だし、感じなくてもこれはこれです。中の人を見ているだけでも面白い。「内包」ではるが、「外包」でもある。内からも外からも包まれている。
 もし外に拡がれば「外延」で、さて「外延」にもなっているのか?



 たまたまだろうが、多くの人たちが会場を埋めていた。中橋作品は、人混みの中と、人無しの世界をうろつくのが良い。




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   ↑:(二つある作品のどちらか?多分、奥にある四角い白黒箱群では?)「内包 -内にあるもの-」・2006年 アクリル板 塩ビ版。



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 おー、遠くに見える隣の部屋!でかそうな作品がチラチラしている。



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   ↑:「内包 -連鎖-」・2009年 アクリル板 塩ビ版。



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 全く、圧巻のイスだ。他の作品とは趣を異にしている。しかし、これも氏にとっては「内包」だ。
 誰かが中に入って立てばと思った。が、今回の全体展示と設置場所では、この作品と遊ぶのはチョット無理があるか。札幌駅前辺りにドーンと置くと、いろんな人がいろんな利用をするだろう。安田侃の隣に向き合わせたらいい。とにかく公的美術館ものだ。
 本館で言えば、1階の本郷新作品あたりが良いだろう。あるいは屋外。

 とにかく惚れ惚れとして見飽きることはなかった。


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 愛すべき小品だ。




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 展示室の構造上、どうしてももう一度ここを通らないと次ぎに進めない。



 以下、作品のみを載せて行きます。タイトル等も省略です。



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 いよいよ最後の部屋です。



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 またまた最後は赤い塔を横切って、白い塔を横目にしながら帰ることになる。

by sakaidoori | 2013-09-03 09:50 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2013年 07月 19日

2098)②「柿崎均展 -光のかたち-」 本郷新美術館 6月15日(土)~8月25日(日)

   

柿崎均  -光のかたち-   



 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2013年6月15日(土)~8月25日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般 500円 65歳以上 400円 高大生 300円 中学生以下 無料

 主催:当館 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(7.17)


 2097)①の続き。


 さて、前回のインスタレーションを確認しておこう。


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 (以下、敬称は省略させていただきます。)


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 全室は緑色に暗いお花畑。葬送の儀式、その前座のようだった。
 
 この部屋は光と影だ。線と面による胸像だ。
 古代中国では、権力者の遺体に金の札(玉ふだ)を縫い合わせて葬った。永久の生命を約束する衣服なのだろう。
 権力者ではないが、堂々としていて、どこか魔神面した風貌だ。夜陰の森の支配者とでもいおうか。

 それにしても、面構成の強さが関心を惹く。見るこちら側も胸を張って堂々と向かい合わねばならない。そのいろいろな顔と。


 通路を抜けて最後のインスタレーションの部屋に行くのだが、ちょっとその踊り場にある作品を確認しておこう。


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 標本にみえる。献花、葬送の遺体と金の服と続いた。当然、「臓器」と思いたくなる永久の標本だろう。
 以上の解釈の当否はどうでもいいだろう。少なくとも、「生命」と「永久」が求めて止まないかだいなのは間違いない。そこに「遊び」が加わり、光と色と影と場が、作家の課題を高みへと押し上げているのだろう。今展は、氏にとってのその壮大な試みの最前線だ。

 最後の部屋です。実に意欲的だ。「作家というものはこうでなくちゃ」と一人合点した。試みであり遊びには違いないが、几帳面で真摯な場だ。そういう作家の風貌も明快で、そこがまたいい。



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   ↑:(下からの風景)。



 部屋の両端にはガラスが設置してある。そのガラス効果で、作品は迷宮の広がりを醸し出している。


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   ↑:(左右のガラスが確認できるでしょう)。



 このガラス設置は、作品のある幅にしか立ててはいない。個人的にはもう2枚ほど追加して、2面の狭い壁全面にあればと思った。そうすると、見る人の歩く姿も目に入ってきて、自分がどこにいるのかと錯覚してしまうかもしれない。
 もっとも、作家は「見る-見られる」を明確にしたいのだろう。他者という迷宮の場だ。見る我々の位置は傍観者だ。宇宙を自分という位置から見せたいのだろう。

 蛇足だが、壁全部にガラスを設置するとどうなるのか。草間弥生的にはなるだろう。が、彼女の場合は狂気という肉声が作品を支えている。さすがに昨今の作品では狂気よりも剽軽さが強いが。
 真っ正面から対峙する柿崎均だ。さて、全面ガラス張りでは・・・。少なくとも内観者という比重は増すだろう。





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by sakaidoori | 2013-07-19 15:32 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2013年 07月 19日

2097)①「柿崎均展 -光のかたち-」本郷新美術館 6月15日(土)~8月25日(日)


柿崎均  -光のかたち-   



 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2013年6月15日(土)~8月25日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般 500円 65歳以上 400円 高大生 300円 中学生以下 無料

 主催:当館 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(7.17)


 (以下、敬称は省略させていただきます。)


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   ↑:(1階の様子。子供を抱く母子像は本郷新作。他のガラス作品が柿崎均作。)


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 これらのガラス作品が柿崎インスタレーション作品の主役だ。光を主役としてみれば小道具でもある。
 優しく感じるのはガラスだからか?作家の人柄か?



 光のインスタレーション空間は2階。

 そこに至る前に、踊り場で一呼吸。
 「ガラスのイス」がある。「試験管チェアー」みたい。
 イスとして見るよりも、積み重なりと林立するガラス棒の透明立ちに感心してしまった。


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 全く同じものを前と後ろから撮ってみた。似て非なるとはこのことか。


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 人、あるいは人体にこだわる柿崎均だ。人の息吹に脈拍に共鳴する人、だ。今回は「手」だ。
 ところで、手の指の長さだが、人差し指の長さと薬指も長さの長短は、人によって違うそうだ。作品は比較的人差し指の方が薬指より長い。僕の場合は薬指の方が長い。胎児が母体で浴びるホルモン量によって決まるそうだ。


 さて、本題のインスタレーションです。こういう作品は見た瞬間の驚きが大事なのだが、見ていない人にとっては情報過多になるかもしれない。ですが、所詮実物の印象の触りのようなものです。気になった方は是非当館に行かれて下さい。真夏の夢想にふけることができます。



 A室のガラスの部屋--


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 紫の光が作品を緑にしているのです。
 花です。華やか、というより献花みたい。

 あと二部屋、ガラスと光の空間があります。

 ②に続く。

by sakaidoori | 2013-07-19 01:25 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2013年 04月 14日

2011)「石と木のかたち 同時開催『In My Room』(坂本伸雄の場合)」 本郷新 3月19日(火)~4月14日(日)


コレクション展 石と木のかたち 

  (坂本伸雄の場合)
 



 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2012年11月17日(土)~4月14日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般 300円 65歳以上 250円 高大生 200円 中学生以下 無料

 主催:当館 


◎ 同時開催

     「In My Room
   

  同期間中同会場の一角で、吉成翔子(12月6日・日まで)から始まり板本伸雄まで、5人が入れ替わって展示。

 【参加作家】
 吉成翔子 11月17日(土)~12月16日(日)
 向川未桜 12月18日(火)~1月20日(日)
 引山絵理 1月22日(火)~2月17日(日)
 池田悠太 2月19日(火)~3月17日(日) 
 板本伸雄 3月19日(火)~4月14日(日)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(4.13)


 5人の連続展の最終章「坂本伸雄 展」です。そして今日の4月14日が最終日です。


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 オーソドックスな胸像、力強さと前進ムードの男性像、ちょっと微笑ましい今風、キリスト教のモチーフを借りて精神性の追究・・・、少ない作品ですが、いろいろと試みている坂本伸雄展です。自分の形を意図的に固定化せず、素材、テーマ、ムードと自分自身と対話しているみたいです。


   1985年 秋田県生まれ
   2007年 北海道教育大学札幌校芸術課程美術コース卒業
          札幌市在住


 まだ30歳にならない若さです。10年後の姿を予想しながら作品を見ていって下さい。


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     ↑:「淡雪」・2013年 石膏。


 横顔は若い女性に見える。正面はそれりの年配者に見える。さて、恋人なのか?お母さんなのか?いずれにせよ、愛おしいというか大事な人を想定しているのでしょう。女性に対する思慕、なのでしょう。




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     ↑:「煙」・2013年 ニセアカシア。


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 著名作家の要素が幾重にも織り込んでいる感じ。手元の表現は本郷新を間違いなく意識しているだろう。それらは模倣と言うこともできるだろうが、むしろ、積極的な修得だ。すべては盗みから始まる。いかに自分のものにするかだろう。
 足下のリアルさがお気に入り。



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     ↑:「balloon」・2013年 タモ。


 色も入って可愛く楽しく。もちろん今作のセールスポイントはフックラとしたボリューム感です。この量魂と子供の仕草や色合いが、将来どういう大作を生むのだろう。



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     ↑:「Snowbeads」・2013年 ホワイトセメント。


 とにかく今展は素材にこだわる。さて、ホワイトセメントの成果はどうなのだろう?



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          ↑:「鼓動」・2007年 石膏。


 もしかしたら卒業制作作品かもしれない。全てはここから始まる、という出品意図か?




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     ↑:「IW」・2011年 石膏。



 
 今年の制作作品は小品ですが、日頃暖めていた構想を明快にさせる、そんな試み展でしょう。これらの工夫、努力、構想が大きくカッポするのを楽しみにしよう。



 最後に、「In My Room展」について。
 5作家参加した中で3作家を見た。それぞれの個展を「刺激度」という視点で言えば、少しばかりオーソドックスに感じた。が、こうして続けて見ると、立体作品が親しくなってしまった。「次はどんな作家かな?彼らは5年後、10年後にはどうなるのかな?」とか、品定め的なスケベ根性で見たり、心の中で「頑張れよ」と、励ましたくもなったりと、それなりに楽しませてもらった。
 また、写真撮影もフリーだし、ブログ掲載も問題がなさそうだ。その辺りを含めて、当館学芸員の心意気を感じて、それも多いに嬉しいことだった。

 グループ展もいいのだが、やっぱり個展だ。小なりともその人一人で完結するという個展が発表の基本だと思っている。なぜなら対話が生まれるからだ。

 当館の今年の予定はどんな感じだろう。現役作家の展示を期待しよう。

by sakaidoori | 2013-04-14 01:15 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(0)
2013年 03月 14日

1973)「石と木のかたち 同時開催『In My Room』(池田悠太の場合)」 本郷新 2月19日(火)~3月17日



コレクション展 石と木のかたち 

  (池田悠太の場合)
 



 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2012年11月17日(土)~4月14日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般 300円 65歳以上 250円 高大生 200円 中学生以下 無料

 主催:当館 


◎ 同時開催

     「In My Room
   

  同期間中同会場の一角で、吉成翔子(12月6日・日まで)から始まり板本伸雄まで、5人が入れ替わって展示。

 【参加作家】
 吉成翔子 11月17日(土)~12月16日(日)
 向川未桜 12月18日(火)~1月20日(日)
 引山絵理 1月22日(火)~2月17日(日)
 池田悠太 2月19日(火)~3月17日(日) 
 板本伸雄 3月19日(火)~4月14日(日)

ーーーーーーーーーーーーーーーー(3.14)



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 例の如く、当館2階の奥まった一室での展示。
 「私の部屋に」、確かに小部屋だ。人が住むには広いが、立体展示としてはコンパクトだ。
 そこに、動物の木彫りが何の工夫もなく数体並んでいる。
 もし、時間のない人が見たならば、ほんの一瞥を投げて違う部屋に向かうかもしれない。その人が動物好きならば幸いだ。「かわいい~」と、言ってくれるかもしれない。触ってはいけない作品だが、可愛くて思わずなでるかもしれない・・・。本当になぜてくれれば幸いだ。・・・誰も居ない部屋で、しかもあまりにも静かな空間だ・・・、この動物達と長く一緒にいると、なぜか寂しい。

   イヌよ豚よ 動くことなく そこにいる 語りかけても 振り向きもせず


 作者の制作動機はどこにあるか?ただただやさしくリアルに作りたいだけか?きっとそうだ。あんまり生き物が好きだから、かわいく動かない世界に止めてしまいたい。生き物は皆死ぬ。それも、いろんな死に方をする。変な死に様は見たくない。生き生きした姿でこの世に残したい・・・。きっとそうだろう。

 作家は若い。30歳に満たない。間違いなくやさしく生を見つめている。死を見つめる歳ではない。ふっくらと見つめている。媚びることなく、ただただ生のたたずまいを見ている。タイトルに作家の生に対する倫理を思う。きっと、「さまよえる子羊たちよ、何処に行く」という思いがあるのだろう。



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     ↑:「仔山羊」・2012年 桂。


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 ノミ跡を見て欲しい。木目に沿って自然に彫ったり、普通にノミで少しずつ掘り進めたりと、皮膚に表情を持たせている。いずれにせよ、自然なタッチだ。



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     ↑:「空虚」・2010年 桂。


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     ↑:「うたかたの風景」・2012年 桂。


 今展の代表作でしょう。
 接合部分があるのかもしれないが、一木作りに見えた。
 何とも言えない一体感だ。決して別離を表現してはいない。見る方が勝手に別離の哀しさを想起せざるを得ない、そんな逆説的なムードを訴える作品だ。いずれにせよ、愛すべき作品だ。

 あんまり気に入ったので、似たような写真ですが一杯載せます。


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          ↑:「雨音」・2013年 樟。



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by sakaidoori | 2013-03-14 23:40 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(2)
2012年 12月 14日

1915)「石と木のかたち 同時開催『In My Room』(吉成翔子の場合)」本郷新 11月17日(土)~12月16日(日)





コレクション展 石と木のかたち 

(吉成翔子の場合)
 



 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
      中央区宮の森1条12丁目
     電話(011)642-5709

 会期:2012年11月17日(土)~4月14日(日)
 休み:平日の月曜日
 時間:10:00~17:00
 料金:一般 300円 65歳以上 250円 高大生 200円 中学生以下 無料

 主催:当館 


◎ 同時開催

     In My Room   

  同期間中同会場の一角で、吉成翔子(12月6日・日まで)から始まり板本伸雄まで、5人が入れ替わって展示。

 【参加作家】
 吉成翔子・11月17日(土)~12月16日(日) 向川未桜・12月18日(日) 引山絵理 池田悠太 板本伸雄 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(12.12)

 (注意⇒吉成翔子展は今週の日曜日までです。) 


 本郷新の顔一杯の通路や空間の中で、一室を使っての「吉成翔子」。


 当館の奥まった部屋での、のんびりとした展示だ。


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 いかにも若い女性の世界だ。ロマンでラブリーでメルヘンで・・・。

 右側の写真は会場全体の全貌で、もしかしたらこれだけで充分なのかもしれない。
 どういうわけだか、目にも優しくふんわか気分になってしまった。きっと曲線ラインと、影と重なったボリューム感が気に入ったのだろう。それを思い出しながら、角度を変えていろいろと紹介していきます。



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 古風な言い方をすれば、オモチャのような可愛い形の作品がなくっても、十分におとぎの国にいるみたいだ。だから、そういう作品を限りなく減らしたほうが、「子供みたい」という言葉から離れて「夢の世界」で遊べれる。それでは吉成翔子にならないのだろう。彼女は具体的なもうひとつの世界の住人だ。誰かさん達に囲まれてお話やかけっこや、とりとめのない遊びをしているから、どうしてもその具体的世界を再現させたいのだろう。

 夢の世界だから、空間も夢のようにしたい、ということで曲線がまわりを回っている。決して空間だけが一人歩きをしているわけではない。僕としてはこのたよたよとした曲線が、壁なり部屋全体を包み囲み、そこに僅かに1、2点の吉成玩具たちがひっそりと佇んでいるのも良い。僕のような初老のおじさんがうさぎの国に淡く浸かって、初恋の人を思い出したり、連れ合いの可愛い仕草に耽ったり、今朝すれ違った小学生のランドセル、きっと教科書ががまだまだ綺麗に入っているのだろう、そんなつまらないことで一時をすごす。気がつけばパイプの曲線が頭元をうねっていて、自分の今日の顔はねじれているのかと錯覚もする。きっと世界はねじれていたんだ。真っ直ぐな世界なんてないんだ、とふと安心もする。でも、やっぱり今という現実もいいものではと、吉成翔子の変な部屋から退出する。

 今展はそこまでにはならない。あくまでも作家・吉成翔子の夢の世界だ。こちらの気分に火を灯すというより、翔子の灯りに、その若いエネルギーにうっとりさせられる。



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by sakaidoori | 2012-12-14 11:19 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(1)
2010年 09月 18日

1374) ①本郷新美術館 「現代美術展  PLUS1 This Place」 9月11日(土)~9月26日(日)


○ 現代美術展
   PLUS1 This Place


 会場:本郷新記念札幌彫刻美術館・本館
    中央区宮の森1条12丁目
    電話(011)642-5709

 会期:20010年9月11日(土)~9月26日(日)
 休み:9月13日(月)、21日(火)
 時間:10:00~17:00
 料金:無料

 主催:PLUS1 
 企画協力:柴橋伴夫(美術評論家)

※ エセプションパーティー
      ⇒ 9月18日(土) 本館1階 17:30~19:00

※ 当館主催関連事業 
        ⇒ 9月11日(土)、19日(日)、23日(木)
           (パンフを拡大して詳細を確認してください。)


 【出品作家】
 澁谷俊彦 川上りえ James Jack 千代明 齋藤周 藤本和彦 谷口明志 坂東宏哉 ダム・ダン・ライ 大島潤也 柴橋伴夫(美術評論家)
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.17)

 (お詫び。重複や縦長と横長の違いなど、相当写真に誤りがありました。申しわけありませんでした。)



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 この種類のグループ展はいつも終了間際に見に行くことが多い。今回は余裕を持って見に行った。日程的には余裕はあったのだが、午後4時半頃の入場だから、とりあえず「見てきた」という感じだ。

 というわけで、一言コメントと会場風景だけでも早めに紹介します。次回は何人かだけになるでしょう、もう少し詳しく紹介したいと思います。


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     ↑:1階。


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     ↑:1階。大島潤也、「無題」。

 一年おき位で大丸藤井で個展をされている。何を表現しているのかは分かりにくい作家で、そのマイペースさが大島魅力の一つだと思っている。その分かりにくさマイペースさは今展でもしっかり生かされていて、「どこまでも我が道を行く大島潤也」だ。

 上掲の作品、まるで崖上の砲台場跡地のよう。大きな丸い作品、その丸さを標的の覗き窓のようにして外をにらみつけている。実際、ガラス窓を挟んで屋外にも、意味不明な「黒い木くず」がある。、黒い板が壁に立てかけている。破片クズの行儀の良い散らばりぐあいが大島潤也らしい。


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     ↑:坂東宏哉、「かけがいのないものへ 10-2」。

 一つの飾りである。武骨で力強い飾りである。大きな大きな「坂東宏哉」という縦長の「名刺」でもある。その強さが、他の個々の作家の軽さと良きバランスを保っている。


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     ↑:2階からの撮影。ジェームス ジャック、「Natura Naturata」・土 砂 岩絵具(北海道、伊豆、オアフなど)。

 こちらも会場では飾りだ。画材に作品の取材場所にあやかった「物」を使っている。それは「その場の記憶」なのだろう。何か生っぽいメッセージがあるのだろうが、ここででは渋くてデザイン的な飾りになっている。2階の作家への入り口という導入も兼ねている。


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     ↑:2階の風景。おみくじの縛り作品のようなのが藤本和彦・作、「ヨリシロ」。

 藤本作品はグループ展での単品でも、どこか人目を惹く強さがある。ユニークさもある。
 「ヨリシロ」、確かに目立ちはするのだが、どこか遠慮がちで生真面目だ。おそらくそのタイトルに負けたのだろう。透き間からひょっこり出てくる「オバケ軍団」を楽しむ人だが、その遊び心が後退して、ストレートに「神様」と向き合ったみたいだ。少し真摯になりすぎて神様の後塵を踏んだようだ。




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     ↑:「ヨリシロ」の向こう側が齋藤周、「one day」。

 「青年のマイ・ルーム。そしてワン・デイ」なのだろう。
 通路を利用した完璧な個展だ。道行く人に、窓から齋藤周がほほ笑んでいる。「何にも無いけど立ち寄っていきませんか・・・」。映画のワン・シーンのような美学と物語、次回に改めて紹介します。多くの言葉をそれまでに見つけておきたいと思う。



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     ↑:2階の中継ぎの間。中央で燦然と輝いているのが千代明、「Pillar of time ー時の柱ー」。
 その向こうの黒い壁に見えるのが谷口明志、「線」。

 千代明、メタリック色は鉄のみかと思っていたが「紐」だ。幾何学的模様と色ににうっとりとしてしまった。いつもの「ダンス」は出番がないようだ。神懸かり的美しさの前でスカートを拡げて、全身の華やかさをシンメトリーに見せるだけだ。


 谷口明志は「線」と題している。実際は「しずくの旅」だ。しずくの出発がこの黒い壁だ。溜まって、一筋の歩みとなって1階に降り、透き間から戸外に脱出して・・・。次回にそのしずくの旅を追いかけよう。


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     ↑:澁谷俊彦、「コンペイトウとメトロポリス」。


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     ↑:川上リエ、「Surface of 79.7」。


 
 2人は2階の奥まった閉ざされた空間での展示だ。共に鑑賞者参加型の制作スタンスを持つが、その姿勢は今展ではかなり違っていた。
 澁谷俊彦はコンペイトウを食べながらの未来の街作りに余念ががない。今展では作品の完成形に重点があるようだ。鑑賞者も用意された澁谷ソファーに身を沈めて、コンペイトウをほおばりながらの鑑賞。「見るー見られる」未来都市美だ。

 川上リエ作品は写真で見ると線のオブジェのようだが、実際はかなりシンプルで、線はまさしく水面そのものを描いている。鑑賞者は下から潜って、適当に空いた場所から頭を上げて辺りの風景を見る。本当に鑑賞者参加型の作品づくりだ。後は多くの来館者を待つばかりだ。

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     ↑:同じ場所の上から目線と潜り目線。


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     ↑:水面から水面を見た時の風景。波がうねっている。


 >②に続く。

by sakaidoori | 2010-09-18 13:31 | ☆本郷新彫刻美術館 | Comments(9)