栄通記

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カテゴリ:   (オリジナル)( 5 )


2011年 01月 07日

1417) 終了「タムラ リク・コテン(田村陸・個展)」・オリジナル画廊 12月11日(月)~12月18日(土)

○ タムラ リク・コテン

   (田村陸・個展)



 会場:オリジナル画廊
    札幌市中央区南2条西26丁目3-10
    電話(011)611-4890  

 会期:2010年12月11日(月)~12月18日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~18:00
    (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(12.16)

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               ↑:右側、「」。


 当館も昨年で閉廊と聞いている。既にその日が来たのかは定かではない。記念に入り口から載せよう。記念ではあるが、個展は廊下から用意周到に始まっている。

 田村陸・青年ーーおといねっぷ高校2年生、3回目の個展か?頼もしい若人だ。狭い会場ではあるが、個展雰囲気が気に入っているので、全容を載せておこう。


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 絵が好きだから絵を描いているには違いない。だが、彼の魅力は


 彼の魅力は、自身の中に存在する世界を何とかして「絵画にしよう」とする姿勢だ。絵が上手いとか、将来にそこはかとない可能性を感じるとかではない。
 上手いとか将来性とかは僕には分からない。上手さに関してはそれほどではないだろう。というか、描きたい尺度が明快さと茫洋さとの間を彷徨っていて、それを絵の具でキャンバスに絵空事として成り立たせるリアリティーをまだ確保していない。不分明な未知の世界を明快に上手く描くというのも無理があるだろう。2次元の世界の自立を模索している段階だ。そんなに上手さに汲々とする必要はないのだろう。

 描きたい世界は未だ不分明だが、出てくる美的世界は実に安定している。変にこぢんまりとしないのが良い。写真、映像、デザイン、言葉と表現分野も絵画だけでないのも良い。外に吐き出す溢れる思いがあるのだろう。 

 作風自体は弱々しくセンチメンタルなところはある。それは見るもの聞くものへの旺盛な反応の証でもあろう。「恋」をつかむアンテナが敏感なのだ。
 スペイン張りのシュールの影響があるようだ。だが、超自然を見つめる強靱さは薄くユーモラスなロマンが漂っている。
 闇夜を好んで描くが、色を覆い尽くす自然界の闇とは違う。作られた絵画的「闇」」だ。この闇が自身の内面への「窓」なのだろう。「闇という窓」、独自の田村・窓を見続けていくことにしよう。


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          ↑:「鮮やかな痛み」。


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          ↑:「夜明け前」。


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               ↑:「月」。

 一つの習作だが、興味が尽きない。茫洋なる宇宙を茫洋のままに描いてみる。見えぬ世界を見えぬままに迫ってみる。拙きが故のシンプルな魅力を感じる。絵を描くことが好きで好きでたまらいという世界だ。


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     ↑:左から 「」、「よあけ」。


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     ↑:「」。


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     ↑:「宗教」。



 会場には映像作品も流れていた。映像とはいっても、風景のスナップ写真を連続に流しているものだ。ささやかな工夫として、映像順番がランダム設定になっているので、イメージの終わりがないことだ。否が応でも「田村・リズム」に合わせることになる。その感覚にはまってしまった。以下、数枚だけその写真を載せます。


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by sakaidoori | 2011-01-07 09:03 | (オリジナル) | Comments(2)
2009年 08月 11日

1064) オリジナル画廊 「田村陸・個展 The moon is killed with me.」 終了・8月3日(月)~8月8日(土)

○ 田村陸・個展
   The moon is killed with me.

 会場:オリジナル画廊
    札幌市中央区南2条西26丁目3-10
    電話(011)611-4890  

 会期:2009年8月3日(月)~8月8日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~18:00
    (最終日は、~16:00まで)

※ 作家在廊予定日 ⇒ 初日 14:00~18:00、終末日 13:00~16:00

ーーーーーーーーーーーーーーー(8・8)

 最終日、作家在廊ということもあり沢山の鑑賞者でにぎわっていました。暗室風でやや暗めの展示空間、その特異な会場構成と田村陸君のオーラを楽しむばかりで、写真を撮り忘れ気味でした。ピンボケ写真は田村君には失礼なのですが、他にないのでお許し下さい。

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 今回の展示は物語仕立てです。

 「個展は失敗であった!!」ここから物語が始まる。会場の左側一面は、その物語が展開する場です。小品、写真、アンモナイト、医療道具、壁には白衣もあります。
 この辺を作家に即して理解するには入り口の「文章」を読めばいのでしょう。読まないと分かりづらいという点は、今展の一つの問題点でしょう。実際、僕は読まなかった。読まなかったが、「死と再生の儀式」と理解した。理解の当否は別にして、会場作りの上手さは充分伝わってきます。おそらく、いつもいつも、この種の妄想というか物語が頭の中に詰まっていて、無理なく小道具の一つ一つに語らせる事ができるのでしょう。オタク的なマニアックさは、今後どういう風に展開するのか楽しみです。


 さて、絵画です。

 「上手くなったね」
 「はい。でも、得たものと、失われたものがあります」
 田村君は今展の絵画の自己判断を、あまりに明快に語った。その語る姿勢や展覧会場での身の処し方など、5ヶ月前の中三の時の素振りとは別人のようだ。見違えるように成長した。高校の寮生活、美術中心の勉学、美術を共にする仲間との語らいなどがそうさせたのだろう。

 「失ったもの」。より正確に言えば、「美術を学んで得たものを、自己表現に生かしきれていない」、と言うべきだろう。学んだ事を否定する無視する、という段階ではないのだ。そういう意味で全ては習作でしょう。


 なんともいえないフワフワ感が抜けて、カラフルになっている。細かい線や面に意を注いだ分、肝心の黒の世界へのこだわりの跡が薄かった。建物などは意外に忠実に輪郭線を追っている。こそーっと、目立たないようにして変な線を入れたり減らしたりして、絵画を妄想への入り口にしたらと思った。

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 少し田村君にしては白の立体感が強すぎるのですが、全体がパンダだか何かの顔に見えて楽しかった。作家の描きたいこととは関係ないことを空想した。空想できたという意味で、この絵が今展では一番好きだ。
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by sakaidoori | 2009-08-11 23:19 | (オリジナル) | Comments(2)
2008年 05月 10日

619) オリジナル画廊 「古林玲美・展」・版画 終了・5月1日(木)~5月10日(土)

○ 古林玲美(ふるばやし れみ)・展
     MOSAIC

 会場:オリジナル画廊
     札幌市中央区南2条西26丁目3-10
     電話(011)611-4890  
 会期:2008年5月1日(木)~5月10日(土)
 休み:日曜
 時間:11:00~18:00(最終日は16:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(5・10)
 
 1981年 北海道栗山町生まれ
 2005年 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース版画専攻卒業
 2007年 同上大学院芸術工学研究科修士課程修了
        現在札幌市在住


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 銅版画。エッチングが主体だと思うが、他にも腐食技法が使われているかもしれない。
 写真を見ても分かるように、約3cm四方の原版を縦横に並べて一版仕上げの版画だ。何が面白いかというと、相反することを同時に楽しめることだ。近くから見た時と離れて見た時の違い。個別に重きを置いて見るか、全体で見るか。技法としての版画としてみるか、イメージとしての絵画としてみるか。などなど。
 例えば、遠くから見ると何が描かれているかというよりも、全体の形や色のムードが気になる。隙間があるので不思議なデジタル装飾画になっていて、強烈な印象ではないのだが、見慣れない分だけ新鮮な感じ。それでいて奇を衒った手法と受け取られないのが好感度を2割ほど上げている。おそらく、作品全体から伝わる若さとそのエネルギーがストレートな感じだからだろう。隙間というのか並べ方がファージーなのもいい感じ。
 もっとも、この隙間に関してはバラエティーがあったほうが良いという意見もあるかもしれない。全体にもっと動きを求める人もいるかもしれない。将来の可能性としてはもっともな意見だと思う。でも、現時点では作家の問題意識はどうなのだろう?版画自体の可能性を工作風にいろいろと試みているのではないだろうか。原版の数だけ一版で多色刷りができる。腐食・非腐食技法など、いろいろな版画技法なども同時にできる。線を見せるか、ベタ塗りを見せるかということも一版で可能だ。仕上げは画家自身の感性でどうとでもできるだろう。技法を試すことによって、自然にでてくる自分自身の感性を確認しているのかもしれない。
 次に、近くに寄って何が描かれているかを好奇心をもって見ていくのだ。白い隙間が厚めの細胞膜、個々の作品は細胞だ。健全な細胞群だ。今度は全体に関係なく個別個別をあんぐりと楽しむのだ。殆んどは抽象的な線や色模様だ。小さい作品なのに細かな線描画がある。きっとドローイングの好きな人だろう。そうすると、このスタイルでドローイングを大きく表現したい衝動を持っているかもしれない。そういう気分はどう消化されていくのだろう。型にはまるのが嫌なモザイクもある。45度傾いて並べられている。そのわざとらしさが変に微笑ましい。

 細かさと大胆さ、この二つが更に大きく羽ばたくのを将来見れるかもしれない。壁一面を支持体にして、版画の部屋ができるかもしれない。

by sakaidoori | 2008-05-10 22:41 | (オリジナル) | Comments(0)
2007年 11月 14日

401) ②オリジナル画廊 「オリジナル大賞展」 後期・11月9日(金)~11月16日(金)

○ オリジナル大賞展

 会場:オリジナル画廊
     札幌市中央区南2条西26丁目3-10
     電話(011)611-4890  
 会期:前期・2007年10月30日(火)~11月24日(土)
     中期・10月31日~11月7日
     後期・11月9日(金)~11月16日(金)
 休み:日曜
 時間:11:00~18:00

 個別作品の写真紹介をします。

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 ↑:左側、大賞・佐藤正人・「SPEAKING CAT」。
 右側、奨励賞・古林玲美・「mosaic-帳ー」 ・銅版画。

 正面にこの両者と、次の写真の澁谷さんの作品が並んでいるのですが、なかなか楽しませてくれます。個人的好みでは古林の印鑑のような版画の組み合わせに、心の中の一齣一齣を想像して中々面白い。きっと若い人なのでしょう。道展にも入選していました。小さな世界と寄せ集めの大きな世界の同居。
 佐藤さんの「ネコ」、ユーモアさと色調が穏やかな感じで、見た目以上に好感度が高い、毎日見るのならばこの作品を選ぶのでしょうね。


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 ↑:左は奨励賞・渡辺和代・「白い壺」。
 右は奨励賞・澁谷美球・「夜のエスプリ」。

 渋谷さんは版画です。黒と青と白の組み合わせ、茫洋とした輪郭線がセールス・ポイントでしょう。19日~29日までここで個展をします。銅版画10点の展示予定。

 以下、後期展示作品から。
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 ↑:左側、米森ヒデキ・「仮面」。
 良いですね、ユーモアと茶色の世界。12月12日~12月22日まで、ここで個展をします。

 右側、荒木彩花・「Paradox PrinceⅠ・Ⅱ」。
 若い時に描ける絵というものがあると思います。まさにこういう作品でしょう。若くない私は、こういう若い絵が好きなのです。

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 ↑:左側、加我雅恵・「澄んだ空色」。
 彼女は絵画史の様式に拘っていて、随分と習作を描き、発表しています。この作品もそういう自己研鑽の一里塚的作品だと思います。入賞、おめでとう。来年もどこかで個展をされると思います。見に行きたいと思います。どういう形でオリジナルが顔を出すのかを確認したいのです。

 右側、青木已代子・「ハンカチ・アート①」
 ハンカチを切って、貼っての作品。アルファベットを装飾的に綴る様式、なんて呼びなすのか思い出せませんが、そういうジャンルの派生のような感じで見てきました。

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 ↑:左は鈴木敦子・「染まる秋を行く」。右は小川里恵子・「Spring Train」。
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 ↑:左から、佐藤伸美・「卵のあるテーブルB」、山下康一・「春の沢筋」、中村裕子・「ライオン」(全て奨励賞)。

by sakaidoori | 2007-11-14 23:20 | (オリジナル) | Comments(4)
2007年 11月 08日

395) ①オリジナル画廊 「オリジナル大賞展」 後期・11月9日(金)~11月16日(金)

○ オリジナル大賞展

 会場:オリジナル画廊
     札幌市中央区南2条西26丁目3-10
     電話(011)611-4890  
 会期:前期・2007年10月30日(火)~11月24日(土)
     中期・10月31日~11月7日
     後期・11月9日(金)~11月16日(金)
 休み:日曜
 時間:11:00~18:00

【大賞】 佐藤正人
【奨励賞】 佐藤伸美、澁谷美求、中村裕子、中村光予子、古林玲美、山下康一、渡辺和代

【前期入選展示作家】 岩田好馬、木本アツ子、木元久美子、小林真澄、佐藤伸美、佐藤正人 、中村裕子、中村光予子、古林玲美、松浦章博 、光永実奈子、吉田 誠、渡辺和代
【中期入選展示作家】 飯田 明 、伊藤麻友子 、大本芳子 、川端順子 、喜多アユ子 、但馬幸恵 、服部絵里奈 、船迫吉江 、吉田 萌 、松尾竜平、三船悦子 、村田幽玄 、山口夕希子
【後期入選展示作家】 青木キヨシ 、青木巳代子 、荒木彩花 、小川里恵子 、加我雅恵 、佐藤綾香 、菅 三保子 、鈴木敦子 、須田靖子 、畠平 知 、原 よし子 、三戸部祥子 、米森ヒデキ


 オリジナル画廊は入り口から地下に降りていきます。ほぼ真四角の画廊です。真ん中に大きな円テーブルがいつも置いてます。

 会場風景を何枚か載せます。

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 何回か、この大賞展を見ているのですが、そのつど印象が違うのでどうまとめていいのか困っています。力のこもった作品、デザイン的なもの、市民美術愛好家の腕試しなどなど・・。関係者にその辺を窺ってみました。「だいぶ知名度も広まってきましたが、小さな公募展ですから、平均的な参加というよりも、知り合いのグループ単位で応募される方達もおられるみたいで、ガラッと年々の傾向が違いますね・・・・」

 名前の知っている作家も何人かいて、作品傾向がちょっとイメージとは違ったりして、公募展だから工夫したのかな、などと思ったりしました。

 大賞を展示してあるコーナーはピン・ポイントの紹介をしたいのですが、なかなかそうもいきません。もう一度見に行こうと思っていますので、気になる個別作品は、その時にお喋りをしましょう。
 大賞作品、奨励賞作品は展覧会を通しての展示。明日からは入れ替えですが、どういう大賞展か確認してください。表現者は自分の作風とのすり合わせをして、気に入れば来年参加してはどうでしょう。各種の恩典があります。

参考サイト⇒「栄通記の案内板」から「オリジナル大賞展」。オリジナル画廊のH.P.


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by sakaidoori | 2007-11-08 21:44 | (オリジナル) | Comments(0)