カテゴリ:   (ユリイカ)( 15 )


2008年 07月 22日

698)ユリイカ 「句会・凍風亭・・団扇と扇子による風の展覧会」 終了・7月15日(火)~7月20日(日)

○ 句会・凍風亭200回記念
     「団扇と扇子による風の展覧会」

 場所:ギャラリー ユリイカ
    中央区南3条西1丁目2-4 和田ビル2F・(北向き)
    電話(011)222-4788
 期間:2008年7月15日(火)~7月20日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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 すでに新聞等でご存知の方も多いことと思いますが、ギャラリー・ユリイカはこの7月27日(日)で閉廊ということになりました。
 先日、ユリイカ訪問の折に、オーナー鈴木葉子さんといろいろとお話を伺うことができました。鈴木さんはとても元気そのもので、ギャラリー運営に悔い無しという潔い心境でした。札幌を離れて妹さんの居られる東京に転居されるそうです。
 ・・・・・・・
 27年、長い間ご苦労様でした。(以上、「栄通の案内板」の再掲」)


 というわけですから、ユリイカや鈴木さんのことを吟じた句が多くありました。それらの作品を中心に載せます。

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 ↑:今展最大の作品です。さくらんぼの赤がチャーム・ポイントで、急遽本物を頭に付けていました。

 「文月や 故郷後に画廊主」(後藤善七)

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 ↑:左から
 「ユリイカの細き階段夏時雨」(葛西毬)
 「ユリイカは風になります夏の風」(佐藤凍風)


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 ↑:左から
 「ユリイカの窓に昼後の翠かな」(米森球子)
 「ユリイカにきょう大輪や緋のダリや」(〃)

 (ただし書き。注目の人:明治・大正・昭和の文豪、谷崎と露伴は七月に没しました。ギャラリーユリイカ・鈴木季葉は七月、近未来に巣立ちます。)
 「近未来 季葉羽ばたく 谷崎忌」
 「季葉起つ 女気丈夫 露伴の忌」(以上、横田正樹)
 「ありがとう アート一筋 巣立鳥」(真咲)
 
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 ↑:鈴木葉子さん、ご自身の作品。
 「やまぶきや たよりにむすぶ あなかしこ」
 「蝦夷梅雨の 相合傘を 閉じにけり」(鈴木季葉)


 以下、面白かった句です。
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 「唯識の 迷路にまよひて 夏うさぎ」(宮本泰治)
 「かの夏の リュックサックが 泣いていた」(北川保雄)
 「脱腸の 腹をかかへて をどりかな」(春木太郎)


f0126829_10461361.jpg 今週の展覧会で鈴木・ユリイカは閉廊です。
 次回はユリイカの建物や部屋全体の風景を載せたいと思います。


 

by sakaidoori | 2008-07-22 10:58 | (ユリイカ) | Comments(0)
2008年 03月 12日

555)ユリイカ 「本宮順子・個展」  終了・3月4日(火)~3月9日(日)

○ 本宮順子・個展

 場所:ギャラリー ユリイカ
    中央区南3西1和田ビル2F・(北向き)
    電話(011)222-4788
 期間:2008年3月4日(火)~3月9日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00まで)
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 以前、時計台での姉妹2人展で知っていた。共に明快に描く風景画であった。姉妹展ということで、どうしても比較して見てしまう。似てはいるが絵から発散する方向が微妙というか、かなり違っていた。一方は元気爛漫、一方は運筆に力をこめて鋭く。

 その「運筆に力をこめて鋭く」描く方が、本宮順子さんだ。
今展は初個展だが、実力の全部を見せる個展ではない。彼女は油彩の30号位の大きさが一番向いていると思う。いわゆる、勝負する大きさだ。勝負する個展ではなく、絵に親しんでいる自分を確認し、再出発する為の個展だ。

 本宮さんは御年配だ。当然長い画歴だろうと思いきや、わずか5年目だとのこと。学生時代は絵に親しんでいたが、その後は遠ざかり、ようやくにして制作者としての日々を送られている。その間に絵画教室で習得したこと、最近覚えた淡彩というジャンル、気楽に描いた小品などが中心である。
 会場構成としては多目の出品で、余韻を親しみたい人には少しうるさいと感じるかもしれない。僕には、「見て見て、今私はこんな感じで毎日を過ごしているの。絵を描くの面白いよ、楽しいよ」と言っているみたい。実際、会場のご本人はオーラが発散していた。

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 ↑:「凍てつく大地」・F15。
 本宮・風景画の特徴は、その時期時期の特徴をしっかりと見詰めることだ。冬ならば「この厳しさを見よ!」ということになる。
この絵は絵を描き始める頃の作品とのこと。長いブランクを感じさせない質の高さがある。絵が描けなかったことへの思い、絵を描けれる喜びの投影かもしれない。心象風景になっているかもしれない。

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 ↑:「初夏の高島漁港」・F30。


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 ↑:左から、「ガーデンの裏」・淡彩・F6、「静かな冬の海」・淡彩・F4。
 左の絵は女房のお好み、僕は右の小船を描いた絵が好きだ。墨彩画ではないが、海と船をずーっと見詰めていて、ある瞬間に一気に描いた意力を感じる。所在なき個舟ではない。小さくともエネルギーを溜め込んだ子舟だ。颯爽と岸辺を走る姿が想像される。

 ところで「淡彩」とい用語について。単に水彩のことと思っていた。少し違っていた。黒で輪郭線を描き、その上から水彩で色を描いていく手法とのこと。塗り絵的な感覚と受け止めた。デッサン風線描と水彩による色の世界の混合画法ということなのだろう。


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 ↑:「鮮魚(ヤナギのマイ)」
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 ↑:「カボチャとグラス」・サムホール。

 小品だが生き生きとした本宮・ワールドだ。
 魚の絵、目のでかさ、飛び出具合が実にいい。硬い絵を描く人と思っていたが、こういう日常の中でのユーモアも描く人なんですね。
 静物画、小さいがワイルドに描いていると思う。両の頬をぷーっと膨らまして、小さな顔を大きく見せている感じ。グラスは膨らんでいる、カボチャははみ出している、本宮さんははじけようとしている。

 硬く鋭い絵、大きくユーモラスな絵、いろんな絵にチャレンジして頂きたい。

by sakaidoori | 2008-03-12 12:30 | (ユリイカ) | Comments(4)
2008年 01月 17日

475)ユリイカ 「永野曜一・個展」・油彩 1月8日(水)~1月20日(日)

○ 永野曜一・個展(自由美術協会会員)

 会場:ギャラリー ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
 会期:2008年1月8日(水)~1月2320日(日) ・14日の月曜日は休み
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00)

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 ↑:左側、「眠れる繭」・10F。右側、「回り道」・30F。


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 ↑:左側、「田園」・15F。右側、「凍河」・25F。


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 ↑:左側、「浄夜」・8F。右側、「冬の旅」・10F。

 風景を画題にしたようなタイトルばかりだ。だが、見て分かるように実景には関係の無いイメージ画だ。
 イメージ・・・何と簡単で安直な言葉だろう。絵からイメージを取ったら何が残るというのか。素敵なとか、豊かなという装飾語を付け加えても、何も語っていないのと同じである。それでも永野陽一の絵を語る時に、抽象画であり、心の似姿・イメージとして始めるしかない。絵の魅力に比して、自分の言葉の非力をを思う。

 絵は薄塗り、キャンバスの地肌が見えるほどの薄さ加減ではない。北海道の冬を思わせるように、白いリズムでしっかりと描かれている。画風というのか、微妙に構成や筆運びを変えていて、その変化が心地良いリズムになっている。とりたてて一品の秀作を選ぶ必要は無いのだが、展示のリズムが自然に自分好みをはっきりとさせていく。微妙に違う一つ一つの作品に個性的な顔が見え始めるのだ。
 例えば「眠れる繭」。中央が水面ラインになり、オモチャのような橋が水面に映り、それが白いピーナッツに見えて、「あー、繭(まゆ)なのか」と変に納得してしまう。
 「浄夜」。白夜のような世界、作品に浄土の思いをはせ、似たような作品群を通して、展示会場全体を浄土にしたいのだ。その作家の強制が、彼の絵の不思議さとしか言えないのだが、「雪に覆われたユリイカ、白夜の浄土でも良いのかな」と、安心してしまう。
 僕は「凍河」が好きだ。なんとも色づいて暖かい作品だ。凍った姿が、氷の中で水たちが踊っているようだ。楽しい冬景色だ。
 「冬の旅」も好きだ。確かに木枯らしのような風の動きだが、冬の風を供にしてしっかり歩いている姿が見て取れる。

 画面構成は明瞭なところがある。左右・上下の対照性、焦点を中心にすえて回るような構成。色は個別に魅入らせるというのではない、全体で共鳴してふくよかな感じだ。発色を抑えて、あくまでも静かにリズミカルに。この構成と色、その組合せががしっかりしていると思う。作品の配列、会場全体の展示構成が作品の構成力とよくマッチしている。是非、展示の妙を味わってもらいたい。

 会場構成は入ってすぐの幅狭い壁に、0号などの小品が4点。大き目の黒い額縁、作品の色と額の黒が強烈だ。
 そして、長い壁に微妙に作風を変えながら今展のメインを真っ直ぐ歩みながら一望していく。
 奥の一角にムードを変えて三点ある。秀作だと思う。永野ワールドに浸った目には、似てはいるのだが、そこは別の世界になっているのだ。楽しい色の世界だ。
 「卓上」、何て素晴らしい世界だろう。他の作品が冬に立つ男の姿だとしたら、エプロンをして厨房で料理をしている画家・永野がいるようだ。(1・12)

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 ↑:(入って直ぐの作品)左側、「赤い斜光」・0F。右側、「黄色い夏」・SM。

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 ↑:(奥の作品)左側、「転位」・10F。右側、「卓上」・12F。

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 ↑:「夜の人」・20×40cm。

 永野曜一さんのプロフィール⇒こちら





by sakaidoori | 2008-01-17 20:14 | (ユリイカ) | Comments(2)
2007年 12月 24日

439)ユリイカ 「杉吉篤・個展」 終了・12月18日(火)~12月23日(日)

○ 杉吉篤・個展

 会場:ギャラリー ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
 会期:2007年12月18日(火)~12月23日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00)


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 大作が一点だけ並んでいる。上の作品、「仮面」である。

 杉吉・具象画は想像上の四足動物を横向きに大きく描くのが特徴的だ。異形ではあるがユーモアを伴い、観るものの想像をかき立ててくれる。
今作、少し変な感じである。構図そのものはいままでと同じなのだが、余りに具象的・人間的なので驚いた。しかも、格子状の模様を入れて、人間臭い絵に造形的追及を施している。この網目模様が作品の文学性に「絵」としての深みを与えている。

 作品は、こめかみが傷ついた顔、ぞんざいな線で格子状の網(スクリーン)をかぶせている胴体、四足はタイツで覆われた二人の女性の足、これだけだ。「仮面」-描かれた顔のことを意味しているのだろう。覆う網目を仮面と解釈してもいい。足だけで人は顔を想像したがるので暗喩的な足としての仮面ととらえてもいい。個別個別に仮面の意味をもたせ、「絵」全体を仮面と画家は言っているのだ。
 だが、仮面のはずの顔には生の傷がある。怒りマークとも見れるが正直な気分が伝わる。自画像として理解している。足、極度なセクシャル性は無いが、なんとも都会的な清々しさがある。そして網目・・・
 今作の注目はこの網目にあるのだろう。杉吉絵画は面と面の組み合わせ、そのリズム・ユーモアを楽しむところがある。今作も顔にその痕跡がある。だが、網目は網の線の幼稚さにユーモアを感じるが、ユーモアを置いてきぼりにして絵の世界を広げて行こうとしている。網目の一つ一つを四辺形の面としながら、向こうとこちらを優しく引き裂く皮膜のようにして存在している。見えないもうひとつの世界を優しく見えないようにして、やはり違う世界を確認しているようにみえる。そうか、杉吉氏は向こうの世界を見たいのかもしれない。優しい足だけを晒して見えないその姿の全貌を。見えない自分自身に怒りを覚え、「怒りマーク」をこめかみに浮き彫りにさせて。


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 ↑:左から、「馬門」、「迷える・・・」。
 今展のテーマは格子状、あるいは網目です。小品にはバリエーションを変えながら試行錯誤の姿が確認できます。小品としてりりしく飾られています。
 「迷える・・・」は引っかき傷だけで絵にしています。大作の網目も同じで、遊び心と解することもできますが、僕には杉吉氏が己の生理を直接、画布に杉吉流に残そうとしているように見えました。良い絵です。


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 ↑:左から、「晩秋」「古い建物」
 「古い建物」、これは教会です。画家自身が否定しようが、他の鑑賞家が否定しようが、絶対に教会です。存在感の強い教会です。良い絵です。


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 ↑:左から、「仮面・・・①」「仮面・・・②」

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by sakaidoori | 2007-12-24 20:05 | (ユリイカ) | Comments(0)
2007年 11月 26日

412)ユリイカ 「宮下章宏・個展」 11月19日(火)~12月2日(日)

○ 宮下章宏・個展

 会場:ギャラリー ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
 会期:2007年11月19日(火)~12月2日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00?)

 新道展会員の宮下さんの色鉛筆による細密画です。黒線は細い油性のマジックで描いているように見えました。

 1954年函館生まれの函館育ち、函館在住です。1987年にユリイカで初個展をされて、ここでは15回前後の個展歴です。
オーナー鈴木葉子さんが宮下さんの初個展時のエピソードを「北方文芸」(1995年4月号)に報告されています。タイトルは「画廊にカレーの匂いが流れて」

 ・・・搬入の日、彼に「鈴木さんお昼はどうしているの」と聞かれ、「たいてい近くの店で簡単にすませるの」「ふうーんそうなの僕の時はまかせておいてよ」「まかすって?」「何か考えるから」・・・

 それから30分が過ぎて、画廊にはカレーの匂い、宮下さん持参のお子様ランチに手作りの大盛りのカレー、しかもうさぎ型に切られたりんご付きです。そのりんごのことを昨日のことのように鈴木さんは覚えていて、「決して上手なうさぎでは無いのですよ。ザクッザクッと切って、あっさりしたものです。でも、男の人がりんごを化粧してカレーに付けるのですよ・・・」円く大きな目をパチパチさせて、当時のことを懐かしんで話された。カレーはお客さんにもサ-ビスされたと書き綴られている。宮下さん、ユニークな方だ。お茶目な方だ。

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 DM等による情報が入手できず、総合タイトルは分かりません。個別作品にはタイトルは付いていません。

 木立と道と少女。今展では太陽か月のような大きな円が表現されている絵があり、大きな変化だと思いました。木のシルエットにも動きがかなり出てきたようです。人間(少女)がいない方が絵としては緊張感があるのでしょうが、あればあったで宮下さんらしくて微笑ましく夢があります。少女は願望でしょう。性を替えた自己の投影でもあるのでしょう。
 ユーモア、温かさやロマンの裏側にハッとするリアリティーを感じたりする宮下ワールド。
 木を大胆に十字架にしてしまったり、明確に十字のお墓風な意匠もあったり、「死」というものを意識しているようです。以前にもそういう絵がありました。その時は、「新道展でも知っている人の亡くなった数だけお墓を絵に入れました」と語っていました。

 細密鉛筆画、画家のムードがストレートに伝わってきますね。不思議な魅力ですね。


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by sakaidoori | 2007-11-26 21:07 | (ユリイカ) | Comments(2)
2007年 08月 13日

294)ユリイカ 「小峰尚 陶・新作展」終了・8月7日(月)~8月12日(日) 

○ 小峰尚 陶・新作展

 会場:ギャラリー ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
 会期:2007年8月7日(月)~8月12日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00まで)

 「06’第44回朝日陶芸展で479点の中からグランプリに次ぐ、秀作賞を受賞された小峰尚さんの3年ぶりの新作による個展を開催致します。・・・」

 面白い陶芸展だった。実用の焼き物もあるのだがオブジェが良い。賞を取った作品も良いのだが、一つのパターンに偏ることなく満遍なく楽しめる。

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 左が秀作賞の作品。「The Future Is Wild」。
 作者の言葉ー製作意図。「まるで生きているかのようだ」というレベルを超えて、「生きているとしてしか見えない」もの作りたいと思うのです。そして、その生命体は「人類後」のイメージの中で動きまわっているのです。
 展示品は半分ほどのレプリカです。実作は85cm×56cm×56cmです。

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 形と模様が好まない方もいることでしょう。ちょっと気持ち悪そうです。僕はこういう模様に注目しています。この作品は色がないからそうでもないのですが、マーブル風の模様が多重焦点になって、見ていて気持ちが悪いのです、日常品としてはまずいのですが、芸術というか鑑賞品としては「気持ち悪いから見たい、愛玩したい」という気持ちになるのです。

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 「注ぎ口」。「アラビアンナイト」の魔法のランプのようです。左側の作品は巻貝のイメージでしょう。

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 「片口」。なかなかこの作品は見せてくれます。アンモナイトです。両の掌(てのひら)に乗せましょう。シャープな肌触りに適度な重さ、やはり焼き物は触ってみるものです。五感で捕らえて作家の思いが伝わるのです。しかし巧みに作るものです。これに酒を入れて、四本の指を下にして親指で挟んで注(つ)ぐのです。作家は「生命体」の造型を目指しています。6千万年前に絶滅したというアンモナイト、悠久の歴史に遊びながら酌み交わす酒、飲んでみたいです。

by sakaidoori | 2007-08-13 22:21 | (ユリイカ) | Comments(0)
2007年 06月 25日

234) ④全道展によせて、会員・杉吉篤

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 上の作品は全道展出品の会員・杉吉篤、「泳ぎ続けて」・F100です。
 杉吉さんは毎年ユリイカで個展をされています。それも年末です。昨年の個展の時にオーナー・鈴木さんとも一緒にお話しをしました。印象に残ったのでミクシィーに記録しておきました。もうすぐ近美で「ダリ展」も開かれることです。いい機会ですから再掲します。今年もクリスマス時期には個展をされると思います。あっけらかんとした不思議な生き物を見に行って下さい。写真はその個展時のD.M.です。
 (追記。今年の作品ですが、生き物の各パーツがとてもリアルでした。特に、はらわた部分の白い皮膚?などはもっこりと丸く膨らんでいました。思わず手で触りたくなりました。超空想と超写実、超ユーモア、なんだかスペインみたいです。)

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○ 杉吉 篤個展
     自由美術会員・全道展会員

 場所:ギャラリー ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
 期間:2006年12月12日(月)~17日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00まで)

 ユリイカにおける第26回個展です。杉吉さんの年齢はとても数えやすい。46歳です。つまり、21歳の時から連続して毎年個展をしているのです。ユリイカは今年で26年目ですから符合しています。しかも、貸しギャラリーとして始めてのお客さんでもある訳です。

 真っ暗くなった6時過ぎに訪問した。初日だが結局お客は僕が最後だった。オーナー鈴木さんと杉吉さんが窓辺の椅子に対座して佇んでいる。鈴木さんと会うのも久しぶりだ。直ぐに呼ばれて、何故だか杉吉さんの青春時代の話になった。杉吉さんははしゃいで話す人ではありません。一見、会話を毛嫌いしているような風情です。尋ねても、2、3テンポ間をおいて返事が返ってくるという時の経過です。しっかりした返事が返ってきます。
 高校を卒業して、単身パリに1年間絵画勉強渡航をされたとのことです。28年前の話、無鉄砲というか怖いもの知らずです。当時日曜日はパリの美術館は無料開放で毎週通ったそうです。もちろんイタリアやスペインなどにも原画鑑賞旅行をされています。パリに着いた矢先に「ダリ展」があって、「ぶったまげました」と連発していました。「今、日本でもダリ展をしているが、あんなものではないですよ。・・・」淡々と興奮して話は弾みます。若干21歳、第1回杉吉青年の個展はダリの影響そのもので迫力があったと、鈴木さんが教えてくれます。
 杉吉さんの作品は大きなキャンバスに空想上の生物を一匹だけ描いたものが大半です。少しだけ不気味ですが、どこかユーモラスで笑ってしまいそうです。以前は立体作品を作っていましたが、ややふざけ気味のユーモア溢れるものでした。ダリの影響といえるのかは判りませんが、杉吉ワールドとダリ的なものは理解の窓口かもしれません。手足も好きだと言っていました。その辺も気を付けて観て下さい。灰色一色の背景、マチエールというのですか、画質感もセールス・ポイントだと思います。

 何故だか、話に気をとられて写真撮影をわすれてしまいました。

 写真は今展のD.M.「罰」・アクリルF100。今年の全道展にも出品していました。その時のタイトルは「×ーバツ」でした。


 参考写真追加

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 ↑:全て全道展図録より。
 上段左側、2005年版、「獣(じゅう)」・F100
 上段右側、2004年版、「新世界」・F100
 下段、2003年版、「心」・F100、(新会員推挙作品)
 

by sakaidoori | 2007-06-25 23:25 | (ユリイカ) | Comments(2)
2007年 06月 18日

225) ユリイカ 「北海学園大学写真部写真展」 ~6月17日(日)まで

① 北海学園大学写真部写真展

 会場:ギャラリー・ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
    電話(011)222-4788
 会期:6月12日(火)~6月17日(土)
 時間:11:00~19:00 (初日は12:00~、最終日は~17:00)

(② 同大学写真部新人展
 
 会期:6月19日(火)~6月24日(土)
 会場・時間等は上と同じ)

 ①の写真展は終了しましたが、②は今週ですので立ち寄りたいと思います。

 さて、学園Ⅰ部写真展です。総花的紹介は今回は止めます。被写体として気にしていた写真が見れたので、その話をしたいと思います。

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 住友悠紀(2年)さんの作品。何処だかわかりますか?モエレ沼公園の三角山です。正式名称はプレイマウンテン。不等辺三角推形で、上の写真のようになだらかな道を登って頂上に着きます。登るといっても、最近完成したモエレ山よりも低い高さです。低くても左右からそよ風を感じて、さえぎる物のない景色を見ながらの歩きは気持ちのいいものです。
 登りきると、小さくても頂上、見えなかった景観が眼前に拡がるのです。モエレ公園は沼に囲まれているのだなと、驚きをもって確認できます。ヨーロッパ的感覚で言うならば、緩き流れの大河の三角州という風情です。中世ではこういうところに城が建ち、物資を運ぶ船から通行税を取り立てたのでしょう。モエレ公園ほどの広さがあれば城郭都市として栄えたかもしれません。
 頂上に着いて反対側の様子を見に行くと、何と、立派な石階段が末広がりに下まで続いているではありませんか。幾つもの驚きが頂上には用意されているのです。どうしても降りてみたくなります。四国からわざわざ運ばれたという花崗岩、マヤ文明でしたか、石のピラミッドを神官になったような気分で降りていくのです。石と石の間にはすでにぺんぺん草が生えています。

 ついつい山の紹介をしてしまった。この山の魅力は山を歩くことだけではないのです。見ることにあるのです。
 僕も住友さんと同じようにこの山を見ていた。自転車が登っていた。緩やかだから登れるのだ。子供達が降りてきていた。写真と同じように天気の良い日だった。山と人が光の影になり黒い動きであった。吸い込まれるような空の青地に黒い人影がまるで童話の一齣のように自動運動をし始めたのだ。まるで、映画のワン・シーンだ。驚きは直ぐに一人の人間の意志を感じて更に増すのだ。製作者(監修者)イサム・ノグチだ。彼は頂上での我々の驚きや、登っている姿や、それを見る目を前もって知っていたのだ。そこには偶然性はない。彼は小さな箱の中でも、アリの目として回りが見れるという主旨のことを言っていた。アリの目で外界と見る人との関係、視覚がもたらす別次元感覚を知っているのだ。あとはそれを造るだけだ。最後の高度成長の余裕を芸術で添えようとした札幌市と、最後のチャンスを求めていたイサムとの偶然の出会い、結果としての日本人には再現不能なアメリカン魂の空間世界がモエレに生まれた。彼の芸術をアース・アートと呼ぶらしい。イサムは神にもなった立場で地球の表面を刻印し、本人自身も満たされぬ家族愛を地球愛として昇華した。それがモエレ沼公園だ。遊ぶ子供と同じレベルで母なる大地にしがみついて楽しんでいる。彼は父として神になり、高みから人の営みを見守りたいのだろう。


 住友さんがなぜ撮ったかはわからない。僕と同じような驚きがあの景色に込められているかもしれない。

 (あとで間違いなく他の写真と参加学生名を書きます。)

 参加学生:4年生・長根未歩 村上恵美 黒澤智博 伊藤也寸志 3年生 遠田章裕 塚本有 坂上知世 平塚洋輔 木村めぐみ 田島美帆 大関美里 遠藤佳乃子 2年生・岡西恒耀 山科麻由子 馬場直子 鈴木司 岩淵このみ 日向寺かほり 加納麻貴 余湖政宗 直江学 谷藤雄一 住友悠紀 (誤字、モレ等あるかもしれません。連絡あれば嬉しいです。)

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 ↑:左側・塚本有。右側、黒澤智博、「まる」。

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 ↑:同じ学生。

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 ↑:伊藤也寸志。

by sakaidoori | 2007-06-18 17:27 | (ユリイカ) | Comments(0)
2007年 05月 26日

194) ユリイカ 「アフリカン・アート展」 今日まで(~5月26日・土まで)

○ 高橋朋子の「アフリカン・アート展」

 会場:ギャラリー・ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
    電話(011)222-4788
 会期:5月22日(火)~5月26日(土)
 時間:11:00~19:00 (最終日16:00)
 
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☆ 今後の予定

○会場:苫小牧egao(えがお)6F
     苫小牧市表町6丁目2-1・苫小牧駅南口前
     電話(0144)36-1122
 会期:6月27日~7月1日(日)
 時間:10:00~19:00(最終日16:00)

○会場:ギャラリー粋ふよう
     札幌市東区北25東1-4-19
     電話(743)9070
 会期:7月3日~7月8日(日)
 時間:10:30~18:00(最終日16:00)
 
 粋ふようでは以下の予定で高橋さんとのジンバヴエについて語る茶話会の予定。ジンバヴエの紅茶とお菓子付きで500円。要予約。

 7月4日(水) 18:30~19:30
 7月8日(日) 13:00~14:00

 ジンバヴエ在住、音楽プロモーターの高橋朋子さんのアフリカの雑貨販売展です。いつから始められたかは知りませんが、毎年ユリイカでしています。いつもは日曜日までしているのですが、ジンバブエに用事があるので、土曜日の今日までです。案内だけでも早めにしておけばと、自分の怠慢さに恥ずかしい思いです。けれども、7月には東区の粋ふようで開くので是非行ってもらいたいです。

 雑貨販売といっても、言葉通り「アフリカン・アート展」です。なかなか、これほどの現地制作の品々を北海道で見れる機会は無いと思います。タペストリー、帽子、ビーズ、ブリキや鉄片による動物などの小物、石製品、絵画などなど。見て触って高橋さんと話して、気分はアフリカです。当然買ってもらいたいのが高橋さんの気分なんでしょうが、こういう展覧会で少しでもアフリカのことを思ってもらいたいというのも本音でしょう。いまやテレビや美術館の展覧会などでアフリカの民芸品の知識はかなり浸透しています。ピカソとアフリカ芸術との関わりは有名な話です。芸森にも寄贈されたアフリカのお面が沢山あります。でも、アフリカ(主にジンバブエだと思います)の現在の生活の周りにある石の作品などを手にとって眺めていると、かってにかの地の自然風土が想像されて、何とも居心地が良いものです。例えその想像がメディアから流された固定観念に近いものであっても構いません。他人との関係は誤解から出発して、誤解と実像の間を行ったり来たりするものでしょう。アフリカ、自分の世界とは「全く違う何か」であり、その世界に少しでも近づく機会をを与えてくれるのがこういう展覧会でしょう。

 毎年何かを買ってきて家族に自慢しています。最初は高橋さんの書かれた本で、次は石のお面ー文鎮にしたり、触ったり眺めてたりー、昨年は小さなビーズの飾り物とマタンバという植物の実をくりぬいて中に何かを入れて音のする物、今回は鉄片のダチョウです。

 最後に高橋朋子さんのDMの案内文を紹介しましょう。
 「神戸のアート展で『なぜアート展をしているのか』と尋ねられました。それはジャナグルアートセンターを建設するためで、今年の雨期が来る前になんとしても屋根を完成させたく、その資金のためだとお話ししました。愉快なものがたくさん!是非、見にいらしてください」

 高橋さんはボブ・マーリーにあこがれてアフリカを知り、そのままジンバブエに住むようになった方です。ジンバブエのことを少しは勉強して、次の機会に何かが書けれたらと思います。(注意。掲載写真の再利用は一切不可。)

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 (↑:石と鉄でできた踊る人たち。)
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by sakaidoori | 2007-05-26 11:54 | (ユリイカ) | Comments(0)
2007年 05月 09日

175) ユリイカ 「斉藤慶子展」・タペストリー ~5月13日(日)まで

f0126829_1331457.jpg○ 斉藤慶子 タペストリー展  -接続法ー

 会場:ギャラリー・ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
    電話(011)222-4788
 会期:5月8日(火)~5月13日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00)

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 4年ぶり二度めの個展。
 織りはつづれ織り。

 非常にマニアックな個展。織りの展覧会ですが、図柄や模様の展示ではありません。「柄と柄の境界地、そこでのせめぎあいを見てください」というものです。
 タイトルの副題に「接続法」とあります。作家の言葉を引用しましょう。
 「つづれ織りは柄の部分の緯(よこ)糸と緯糸の隣り合うところに隙間ができます。それを防ぐ工夫として、 緯糸を互いにからませたり、ジグザグ状に織ったりなどいろいろな接続技法があります。
 今回は四角や丸など形や色は単純にして、緯糸と緯糸が接続する部分を意識して織った(主役にした)作品です」

 作品は3枚一組で、柄と接続法を統一していて、それらが5組ほど展示してあります。僕が会場に行った時は、何の説明パネルも無く、「地味な展示だな、織りといっても深くはわからないし、折角来たのだから、とりあえず見てみようかな、あれ、何だかわからないが図柄の縦縞が異様に膨らんでいるな、こっちは違う工夫をしているな、あれ、こっちはだらしなく隙間があるな」そんな感じで見たものです。
 緯糸の接続部文に鑑賞者の目を行かせる為にシンプルな図柄にしているのですが、その部分を意識して見た目は今度は全体の図柄を作品としてちょっと違った感覚で見直すのです。派手になりがちな織り物を部分技法を逆手にとって、斉藤慶子さんのデザイン感覚を楽しむわけです。織り作品自体を抽象絵画と見ることもできます。淡々としたリズム、色合いの中に接続部分が肉筆性の高い主張になっているのです。油を固めて置いたような飛び出た部分、隙間は柔らかい肌を引っかいて中身を晒したようにも受け取れます。唯一5点組の作品群があります。赤字に丸い緑の模様。赤と緑の強さ、展示場所を独立したところにして、しとやかな斎藤さんが結構どぎつい面をお持ちなのだとうかがい知れます。

 織りという皮膚感覚の強い作品に、優しい図柄を基調にした不思議な抽象画を見る思いでした。


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 右の拡大写真の上の隙間の赤い部分ですが、僕が裏側に赤い紙を勝手に入れて撮ったものです。



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by sakaidoori | 2007-05-09 10:56 | (ユリイカ) | Comments(2)