カテゴリ:写真)富士フォト・サロン( 11 )


2013年 09月 24日

2221)② 「グループ18GRAY 第5回写真展 『ひかりと遊ぶ』」 富士フォト 9月20日(金)~9月25日(水)

   


グループ18GRAY 

   ~橋本タミオと元気な仲間たち~ 


第5回写真展 『ひかりと遊ぶ 

    


 会場:富士フォトサロン札幌
      中央区大通西6丁目1
       富士フイルム札幌ビル1階
     電話(011)241-7366

 会期:2013年9月20日(金)~9月25日(水)
 時間:10:00~19:00

 【参加撮影者】
 石積章 市川朋 井出雅人 上野弘志 工藤経一 今野紗衣 サトウミキ 進藤邦雄 高瀬厚子 塚田阿紀子 なかいかずこ 中村優介 長谷川實 林正 平本健太 松田光彦 村上粂蔵 毛利伸正 本山まち子 有樹純世・・・計19名。

ーーーーーーーーーー(9.21)

2220)①の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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 参加者の出品数は2~3点です。纏めてお見せできれば、撮影者の主旨がより伝わるのでしょう。が、今展は、そういうまとまりより「個々の作品を見せる。それらを全体の流れの中で納める」という主旨です。

 ということで、個別作品を何枚か載せて行きます。



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   ↑:平本健太、「Alien in New York」。


 人影やセピア色などからノスタルジーという印象で見つめる。そこにいかにもニューヨーク的な落書きがあり、天国の象徴のような強い光が差し込む。
 どうも、人生の喜怒哀楽をにじませた情感からだんだん遠くなっていく。構図も強すぎる。撮影者は、被写体の反対物の組み合わせに遊んでいるようだ。
 「遊び」は好きなのだが、「人生」を入れたからには密やかな泣き笑いがないと寂しい。
 ただ、何でも拘らずに遊べるという精神には関心した。





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   ↑:平本健太、「Praivate」。


 先ほどと同じ撮影者だった。こちらは明快に遊び中心だ。モダン感覚のポスターのよう。シンプルで大胆、目を引きつける。それが狙いだろう。

 ただ、2枚の作品とも「人のシルエット」や「イス」が入り込んでいて、やはり遊ぶにも人間の痕跡がないと面白くないのだろう。そこが作品としては難しい。人の中身よりも形を追い求めているみたいで、確かに見るには楽しくて成功していると思う。が、そればかりでは万人好みに陥りかねない。





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   ↑:なかいかずこ、「北の砦」。


 被写体を通した人生なり社会の年月を見ているのだろう。共感を持てる世界だ。

 こういう世界をカラーで撮るのは難しい。モノトーンだったら一発でググッと迫るだろう。虚の世界だから。カラーだと、全てがリアルで鮮明になってしまう。
 例えば、手前の赤いスノーダンプ。変に赤い階段と呼応して、不必要なリズムを生んでしまった。階段の斜めの線も、撮影者の構図尊重姿勢、なりリズム指向を明確にさせてしまった。
 それらが、作品本来が主張したかった「物の重み、年輪」に付与できたのならば成功だろうが、結果的にはシンプルな主張を遠ざけた。

 が、今やカラー写真の時代だ。白黒で満足していた心象世界なり、存在感の主張を、カラーでもドンドン発信だ。長い闘いの一コマの作品でもある。





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   ↑:市川朋、「思考→その光」。


 非常にユニークな作品だ。
 人のすれ違いを表現しているのか?小さな人間を人形のようにして遊んでいるのか?
 一人一人の人間の仕草は深刻ではない。それは現代の見た目の世界だ。

 この空間を暖かみで埋めてヒューマンな撮影者になるのか?断絶という人間追求者になるのか?
あるいは「遊び」を武器にしていろいろと試行錯誤するのか?
 都会人という、引っ付きもすれば離れもする、そういう中間人として振る舞うのか?





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   ↑:松田光彦、「節電・地上の光」。


 (すいません。この作品だけは小冊子よりコピーしたものも併載しました(右側の写真)。ボクの写真はいろいろと反射物が紛れ込み、誤解を与えかねません。)


 ロマンチックな作品だ。
 男は女の後ろ姿に恋をする。その服装、立ち姿、歩き加減と、一人妄想に溶け込み楽しい時間を費やす。暗がりであっても、明るくても雑踏の中でも、その後ろ髪に気分が誘われる。
 撮影者も、暗がりで凛々しく闊歩して歩む若き女性に情熱の火が灯ったのだろう。





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   ↑:有樹純世、「赤茄子(あかなす)は空(くう)に留まる」。


 美(理想)を時空に留める自慢の瞬間だろう。素晴らしい写真技術だ。






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   ↑:高瀬厚子、「静寂な海」。


 海なんですね。面白い被写体だ。何なんだろう?被写体に拘り、光に拘り、構図に拘り、リズムに拘り、空気感に拘り。距離感に拘り・・アッサリした作風のようですが、いろいろなこだわりが咄嗟に目につく。そこが弱点か?もし、たった一つだけのこだわりで迫るのならば、何を選ばれるのだろう?
 むしろ色々なこだわりよりも、直向きな姿勢に共感する。







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   ↑:井出雅人、「夫婦の樹」。


 銅版画、あるいは絵画のような作品だ。






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   ↑:村上粂蔵、「影絵のように」。


 人をシルエットに納めるのが好きな方です。この人への愛を表から素直に撮ったのを見たいです。背景に包まれる人ではなく、過度に接近した人物群を。






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   ↑:工藤経一、「16の瞳」。


 明るく健康的な作品だ。旅行関係の現地紹介写真として採用されそうな力量だ。






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   ↑:塚田阿紀子、「ざらめく手」。


 シンプルに遊ぶ写真家だ。ならば、もっともっと作って遊べばとも思った。ごちゃごちゃしたのが嫌いなのかもしれない。






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 (楽しく拝見させて頂きました。また、当ブログ掲載にはいろいろと配慮して頂いて有り難うございました。 
 一方、本編では写真に見識薄き人間なのに、失礼な言葉があったかもしれません。お許し下さい。
写真愛好家の一感想としてやり過ごして下さい。
 有り難うございました。)

by sakaidoori | 2013-09-24 12:00 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2013年 09月 23日

2220)① 「グループ18GRAY 第5回写真展 『ひかりと遊ぶ』」 富士フォト 9月20日(金)~9月25日(水)

   


グループ18GRAY 

   ~橋本タミオと元気な仲間たち~ 


第5回写真展 『ひかりと遊ぶ 

    


 会場:富士フォトサロン札幌
      中央区大通西6丁目1
       富士フイルム札幌ビル1階
     電話(011)241-7366

 会期:2013年9月20日(金)~9月25日(水)
 時間:10:00~19:00

 【参加撮影者】
 石積章 市川朋 井出雅人 上野弘志 工藤経一 今野紗衣 サトウミキ 進藤邦雄 高瀬厚子 塚田阿紀子 なかいかずこ 中村優介 長谷川實 林正 平本健太 松田光彦 村上粂蔵 毛利伸正 本山まち子 有樹純世・・・計19名。

ーーーーーーーーーー(9.21)



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   ↑:会場の左側の部屋。




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   ↑:右側の部屋。



 概ね20名(会員19名、+賛助出品・顧問格の橋本タミオ)の参加者です。全紙、50点というなかなかの迫力です。

 明快な目的を持ったグループ展です。その概要を紹介する前に、もう少しまとまった形で作品群を見て下さい。全作品ではありませんが、全容はお伝えできるでしょう。




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 展示の特徴の一つに、作家毎の展示ではなく、ランダムです。作品の大きさや色合いと重なって、賑やかな印象です。作家毎に見せるよりも、全体の動きを重視した展示です。個よりも全体重視です。見慣れると、ある程度、どの作品がどの作家かは想像できます。つまり、沢山の作品数ですが、20名の個性はしっかり出ているということです。

 一方、個性はあるが、全体はある程度の幅で見事な統一感が生まれています。クリアーで、綺麗で、清潔感があって、構図に重きを置き、図柄とかで被写体と楽しんでいます。被写体中心主義です。 
 全紙という大きさ、図録といってもいい小冊子も用意していて、凄く意欲的な集団です。集団というより、同士といった方が近い。つまり、被写体には個人差はあるのですが、被写体に迫る姿勢が似ている同士集団でありスクールです。


 それぞれの会員は既に相当の写真技術の持ち主です。
 頂いた小冊子には、「『綺麗な写真』とは一線を画した、『斬新』かつ、『見る人の心に残る』写真制作を目指した活動・・・」という言葉があります。素晴らしい。その意味では、今展の統一感は問題を孕んでいるかもしれません。

 この場は価値観を共有する原点であり、小作品数の公募展的な発表という位置づけで充分でしょう。
 名々が個展なり少人数での展覧会で、より自分だけの世界、写真思想を多数の作品で展開する段階だと思う。少数の優れた作品を論じ合うのではなくて、多数の写真でにじみ出るその人の主張を語り合う段階でしょう。それを世に問う姿勢が、「見る人の心に残る」さらなる視覚表現者への道でもあると思う。


 個別作品を載せて行きます。
 今回は長くなったので3人だけにします。




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   ↑:毛利伸正、「白の領域 #3」。


 今グループでは異色の撮影者です。
 他の方は「何か」を撮っています。だから、撮影者と被写体の間の「何か」は作品には反映されにくい。普通、その何かを「空気感」といったりしますが、そういうとりとめのない感触だけでなく、しっかりした「空気」、あるいは「気」というものがカメラと物との間にあると思うのです。その辺にも意をこらして全体に立ち向かっている、そんな感じの作品でした。




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   ↑:サトウミキ。左側から、「日々是好日、「ボクの小宇宙」。



 なんと言っても優しく動物に迫る方だ。それに、真っ正直といか、生一本な姿勢が好ましい。
 間違いなく猫が好きなんだろう。猫の肌?と周りの空気が一緒になっていて、これは日々化粧をする女性の感覚だ。
 横向きの猫、その見つめる視線、いじらしくて困ってしまう。全紙でなく、せいぜい半分の大きさで、マットも省略して、日々見つめたいものだ。

 猫を被写体にするのは難しい。なぜなら、多くの人が猫を撮り、猫というだけで写真のできを不問にする。それでもサトウミキは「猫個展」をすべきだろう。乳白色に染まるネコで、もっともっと人目にでたらいいのに。
 さ-、何十枚のネコを用意しようか。ネコ尽くしのサトウミキ展だ。



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   ↑:今野紗衣。左から、「癒され」、「待ち焦がれる春」。


 この方は被写体と遊ぶ人だ。
 左側の作品。ただ傘だな、っと思って目が次ぎに行きそうなんだが、何だか変なので見つめ直す。風流好みの大胆な傘だ、と決めつけたとたんにハッと気がついた。生地だが何の?暖簾だった。
 右側の作品、「室内の花と外の雪景色を重ね雪の枝を一捻り・・・」といった感じで、傘の黒に対比して白でも楽しんでいる。どこか「軽み」の境地です。

 被写体と色々と遊ぶ人だが、構図を大事にしているようだ。そして、シンプル美学者でもある。だから、まぜこぜチャンポン風の遊びにはならない。おおらかな遊びの持ち主なのだろう。




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 ①ではいつもながらの駄弁が過ぎたようです。
 ②で、もう少し個別作品を掲載します。 ②に続く





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by sakaidoori | 2013-09-23 23:31 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(6)
2013年 03月 26日

1993)②「御代田晃 写真個展 『なんたってモノクロ』」 富士フォト 3月22日(金)~3月27日(水)

   

御代田晃 写真個展 


   なんたってモノクロ      


 会場:富士フォトサロン札幌
      中央区大通西6丁目1
       富士フイルム札幌ビル1階
     電話(011)241-7368

 会期:2013年3月22日(金)~3月27日(水)
 時間:10:00~19:00

ーーーーーーーーーー(3.23)


 1989番①の続き
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)



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 前回も同じような風景写真を載せた。同じだが、やはり「御代田晃 展」はここがないと始まらない。


 光が好きで、光を求めて川を遡上したこともある。若かりし頃だ。だから、被写体はどうしても自然ばかりになってしまう。今でも彼の基本は光だろう。そして、野獣的嗅覚が、自然の中の光を欲した。自然と光が相手で、自分だけの世界だ。
 きっと今でも「自分だけ」なのだろう。が、その野獣性は光に写る自然だけでは物足りなくなった。「都会」というゴミゴミした世界。良い人か、悪い人か、本当のところはよくわからない「人間たち」、その臭いや香りが無性に恋しくなったのだろう。餌になったのだ。

 会場にはファイルによる写真集がある。
 その中から2点載せます。


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 御代田晃は光を求める、女に迫る。人間を嗅いでいる。




 人から離れよう。いや、人が前景から後景に隠れたと言ったほうがいいだろう。ある種の無言劇のような世界でもある。




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 モノクロって嘘だと思う。良く言って嘘から出た誠と思う。物があって、それをモノクロにすると、物そのものではなくて、物に寄り添っているというか、物の中身がポッカリでてきたような、そんな誤解をする。それを「存在」といっても、「真実」と言ってもいいのだが、見ている方の夢幻(ゆめ まぼろし)が、そこに現れたような気がする。きっとモノクロって、見る人の影だと思う。夢だと思う。だから、モノクロを撮り続けるっていうことは、終わりのない旅のような気がする。それがロマンなのかどうか?ただ、ロマンが支えていないと、いつまでもいつまでもモノクロばかりを撮れないと思う。モノクロ写真って、その人を撮り続けるのだから、本当のところは最後は何が誕生するかわからない。

 森山大道が最近よく言っている。「写真は記録だ」。そんなのは当たり前と思う。「文は記録だ」と言っているのと同じだろう。「写真は武器だ」と言ったほうがカッコいいし、それも本当だろう。
 大道だって、若い時には記録のためだけで撮ってはいない。そんなことを自信をもって言うということは、彼が文化人になった証拠だろう。餓えた写真家を卒業したのだろう。おめでとう。

 御代田晃って飢えている人だと思う。こんな人が身近にいるなんて・・・。


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by sakaidoori | 2013-03-26 15:41 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(8)
2013年 03月 25日

1989)①「御代田晃 写真個展 『なんたってモノクロ』」 富士フォト 3月22日(金)~3月27日(水)

御代田晃 写真個展 


   「なんたってモノクロ」      


 会場:富士フォトサロン札幌
      中央区大通西6丁目1
       富士フイルム札幌ビル1階
     電話(011)241-7368

 会期:2013年3月22日(金)~3月27日(水)
 時間:10:00~19:00

ーーーーーーーーーー(3.23)

 当会場を写真紹介するのは初めてです。実に嬉しい限りです。今後もチャンスがあればドシドシ載せたいと思います。御代田晃さん、ありがとうございました。


 というわけで、会場風景を載せます。その風景を見るだけで、なぜ栄通記に載せたいかが分かると思います。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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 入り口からの全景でした。

 左側の壁面が見えない。そこを載せます。


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     ↑:①。


 真ん中のついたて風壁面の裏側が見えない。次はそこです。


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 どうです、この元気良さ!!このエネルギー!!
 そしてタイトルが、「なんたってモノクロ」だ!!
 そうなんだ、なんたって個展だ!!なんたって写真だ、なんたって御代田晃だ!!

 僕は嬉しくって仕方がない。別に風俗や性や女に迫っているからではない。とにかく写真を愛している姿に感動した。いつも狙っている、シャッター・チャンスを。いや、もしかしたら見るもの見るもの、全て自分の世界で作りかえたいのかもしれない。だって現実はカラーだ、彼の目は白黒だから。なんたってモノクロ、それが全てだ。
 
 左側の空間からまとまって作品を載せます。被写体の世界がわかるでしょう。御代田晃ワールドもわかるでしょう。僕が興奮して書いているからといって、何も不思議な世界ではない。


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     ↑:②。



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     ↑:③。


 ①、②、③で一部屋構成している。


 次は隣の空間だ。

 壁の方から載せます。


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     ↑:④。


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     ↑:⑤。


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     ↑:⑥。


 ④、⑤、⑥で一部屋を作っている。

 それにしても、⑥の壁の賑々しさは圧巻だ。人が主役だ。もちろん都会だ。都会礼讃絵巻だ、マンダラだ。

 そうだ。忘れる前に書いておきます。この壁は、今展ではついたて風に独立して見える。人が左右の空間から自由に出入りする。しかし、普段は右側を塞いで、二部屋独立仕立てで使用している。開けたのは今回で2度目だ。撮影者は密閉された閉塞感を嫌ってオープンにした。実に風通しが良い。

 気持ちが良いところで、このうるさい作品群を楽しもう。


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 もし、ガチガチ頭のビビットな風景写真家が、御代田晃の作品を見たら敬遠するかもしれない。
 曰く、「どうして額装作品を床に置くの?」
 曰く、「輪郭が緩いんでないかい?」
 曰く、「作品に細かな雨が目につくよ。ゴミでしょう?どうして綺麗に処理しないの?」
 曰く、「どうして・・・?どうして・・・?」

 
 技術的なことは僕には全くわからないが、作品に職業写真家のニオイが少ない。職業人の作品は、仕上がりが何だかんだと言って綺麗だ、抜群だ。一枚の写真としての純度が高い。構図も構図学をわきまえていて破綻が少ない。どこかに一般大衆の目を配慮していて安定感がある。要するに外の目線が内在している。
 御代田晃の場合は、風景作品など逆光好みの光を追究していて、飽くことがない。この飽く無き拘りというか、撮影者自身が納得しないと気が済まない偏狭好みが垣間見える。その拘りが作品全体を貫いていて、個々の作品を越えた御代田晃ワールドという安定感を実現している。何となく輪郭が緩いのも、強烈さを押さえていて、撮影者の今を反映しているみたいだ。
 ハマルと見ていて落ち着くのよ。それに、なんたって何かを求めている態度がビンビン感じる。嬉しい極みだ。

 一方、相当なお金をかけた個展だ。印画紙だけでも、ハンパでない。他にも経費がかかっている。だから、純粋のアマチュアなんだろうか?と、判断しかねる。
 話を進めるために思い切って尋ねた。「プロですか?」「いえ、春から秋まで働いて・・・冬には・・・。お金?写真好きなんですから。仕方ないッすよ。当然ですよ。なんたってモノクロ、ですから」そう言いながらジュースをいただいた。


 情熱に、エネルギーに、拘りに、恐ろしく感動した個展だ。一回だけの掲載ではこちらのエネルギーが消化しきれない。②で個別作品を何枚か載せます。そして、駄弁も追加するかもしれません。




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 ②に続く



 

by sakaidoori | 2013-03-25 01:40 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2008年 12月 24日

863) 富士フォト・サロン 「宮川恵子・写真展 ~してきくうかん」 終了・12月12日(金)~12月17日(水)

○ 宮川恵子・写真展
    ~してきくうかん~

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3条西3丁目 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2008年12月12日(金)~12月17日(水)
 時間:10:00~18:30

ーーーーーーーーーーーーーーー(12・16)

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 (↑:歩道から見える展示紹介写真。)

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 (↑:DM作品。撮影家の写真作品です。左上の茶色の沁みはコーヒーをこぼした汚れです。スイマセン!)

 
 札幌駅の熊澤桂子・にんじんを見た後に、久しぶりにここに立ち寄った。


 都会の風景なのだが、トリック撮影に見える。カラーできっちり、びっちり被写体を撮っている。

 赤い太線で覆われた写真がある。オッと目を見張ってしまう。空間がグニャグニャと曲がっていて、何を撮ったのだか分からない。もっとも、写真ということは分かっているから、こちらの目の焦点をいろいろといじっていくと、白いスポーツカー?に廻りの赤い世界が写っているのがようやく判明した。それらはビールとかジュースの赤いケースだった。
 街中の風景が鏡効果で不思議な別世界として姿を出すのに敏感に反応しているのだ。喜んでいるのだ。
 「面白がっている自分発見」、「あらゆるものに感動」と会場の自己紹介に書いている。

 撮影者が不思議被写体を発見して、その作品に僕らが面食らって不思議体験が膨らむのです。

 上のDM作品がその一例です。
 この写真には別の愛着が僕にはあるのです。写っている白いワゴン、我が愛車と同じ。僕の車は鏡で撮らなくても妖しげによじれて余命幾ばくです。

 面白かったのは総ガラス張りのビルを写したもの。
 ガラスだから、空や街の風景が写っている。大きな窓を開けた所が何枚か続けてあって、他のガラスと角度が違うから別の都市風景が写っている。数は少ないのだがこの何枚かは光の加減で、他のガラスよりも鮮明でリアリティー抜群。とても何かを写している風には見えない。他の写しだされたガラスの風景と見事に虚実の世界を捉えている。おまけに写真にはビルを取り巻く空や風景も四隅に散りばめられて、「宮川・トリックワールド」の決定版だ。一枚のガラスには撮影者が上向きでカメラを撮っている姿も映っている!

 他にも雨模様の向こうに写る通行人をガラス越しに、心象風に撮ってあるのもあった。
 間接的に被写体に迫る姿、妻も早速真似をして携帯に収めていた。

 シンプルで解りやすくて楽しい写真展だった。

by sakaidoori | 2008-12-24 16:16 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2008年 02月 06日

519) 富士フォト・サロン 「細田直之・写真展」 終了・2月1日(金)~2月6日(水)

○ 細田直之・写真展
    「水面1メートルから広がるカヤックの世界」

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2008年2月1日(金)~2月6日(水)
 時間:10:00~18:30
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 カヤックによるカナダ北西部の3回の川旅の写真展。
 一人旅、ゆらりゆらりと下って行くわけだ。その目の高さは常に1m。舳先と川面と空と、変化して行く辺りの景色を撮って行く。
 写真家は旅の追体験を鑑賞家に求めている。沢山の写真を撮ったはずだ。だが、極力カヤックから辺りを見るということに拘る。あえて言えば、写真としては似た写真が多くて変化に乏しく感じる。それでキャプションを読んで行く。大きな紙に、大きな肉筆で、決して上手ではない字を読んで行く。長い文章ではない。例えば、
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 そんな文章を読んで行くと青い空と水面の写真に、ふといつもの写真展とは違うことに気づかされる。「川下りか・・どこの川なんだ・・・カンダ?・・・白夜?・・・」会場には地図も用意されていて、撮影者の行路も簡単に分かるようにしてあるのだが、そこがカナダ西部と分かるのだが、なかなか極寒地という事実が伝わって来ない。白夜だとか、森林限界だとか、蜃気楼という言葉を読み進むうちに、ようやく撮影者が何をし、何を写真鑑賞する人に求めているかがやっとおぼろげにわかるようになってきた。

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 ↑:①2004年6月から7月。マッケンジー河から北極海に出る旅。

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 ↑:左側から、②2005年8月~、ユーコン河の支流、ビック・サーモン・リバーの航路。③2007年8月~秋のユーコン河の航路。


 写真展では3会のカヤック下りの紹介をしている。
 何と言っても圧巻は①の北極海への旅だ。行程の長さ、時間の流れの長さと関心を持ち始めたら、空と川面と少しばかりの陸の景色が興味尽きない。説明書きを読んでも分からない時は居合わせている撮影者・細田さんに尋ねてみる。尋ねた以上の返事が返ってくる。カヤック北帰行という不思議な旅はおぼろげな姿を少しは輪郭を鮮明にし始める。と同時に、色としての中身が知りたくなり、謎は一層深まったと言うべきかも知れない。
 それは旅人の自慢話でもあろう。だが、何て素敵な自慢話だろう。決して行くことのない北西カナダの河と北極海の話。「太陽の一日の動きの不思議さ、月の話、高緯度にに行けば行くほど、飛行機の飛んでいる姿の奇怪さ、直線上昇からいきなり落下のごとき直滑降・・・」確かに一つ一つのエピソードは面白い。だが本当の面白さは変わり映えもしない日々の行程ーそれは天候や熊などの危険を常にはらんでいるものだがー、淡々と進む時の流れ、その中での撮影者の存在の在り様が写真の手前に見え始めてくることだ。

 まだまだ冒険野郎・細田の旅は続くのだろう。カナダ北西部の極寒地、ユーコン河、ビック・サーモン・リバー、その名を聞けば思い出すだろう。細田直之という名前を。(2・5)

 
 ※次回展覧会の予定→5月12日~18日(日)、札信ギャラリー。
  今回は船旅にウエイトを置いた展示でした。次回は陸地の景色、人やその生活にウエイトを置いた展示になるそうです。日程ですが、細田さんは12日(月)~と仰っていましたが、12日は作業日で、13日(火)~が展覧会ではないでしょうか?

 ※細田直之プロフィール:1967年札幌市生まれ(⇒他はこちら


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 ↑:DMの写真。

by sakaidoori | 2008-02-06 22:24 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2007年 11月 22日

408) 富士フォト・サロン 「ウリュウユウキ 写真展」 終了・11月16日(金)~11月21日(水)

○ ウリュウユウキ 写真展
    旅をするフィルム

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2007年11月16日(金)~11月21日(水)
 時間:10:00~18:30

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 ダーク・グレーの壁に新旧作品・87点の展示。モノトーンの写真に白の額装、何点かを一塊にして、流れるような配置。レイアウトの工夫も見事で、飽きることはない。これだけの作品数を一定の緊張感を維持しながら見せるということは大変なことだ。彼の充実感が伝わってきて、実に好ましい。

 1976年長野生まれ、ということは現在31歳。
会場には本人の「写真と旅」に対するメッセージが用意されている。とても大事な言葉ではあるが、極力無視して作品をかなり長い間眺めてきた。彼にとっての旅とは何か?僕にとっての旅とは何か?そもそも旅とは何か?そんなことに意識が集中した。僕には写真を言葉にするには難しい。なぜ写真を言葉にするのが難しいのだろ。

 「旅」・・・タビと聞いて現代人はどんなイメージが膨らむのだろう。心の旅、レジャー、物見遊山、逃避行、逢瀬、暇つぶし、明日への活力の為のリフレッシュ、日常からの離脱、思い出作り・・・。一人で旅する場合、恋人や不倫の人との二人連れ、気の会った連中とのグループ旅行。
語源的(中国人の考え)には、旗ざおの下に人々が連なって進む様とのこと。旗ざおはその氏族を束ねる精神的な象徴で、霊的な集団行為を意味しているようだ。商売としての隊商、はためく軍旗を先頭に厳かにすすむ旅団、山や川の神に供え物をささげに行く祭りとしての移動、これ等は全て旅であった。

 集団性と神性から切り離され、個人の問題としてウリュウ君の「旅」を目にしている。
 彼の旅は過去的だ。過去に住んだ場所に行き自己確認のようにして写真を撮る。
 旅で出会った風景の写真を撮る。やや曇天風で、ビシッとくっきり撮っていると思う。ぼかしを強くしたり過度な露光もなく、行き過ぎた心象性を表現してはいない。写生と心象の緊張感。
 日々の暮らしの中での写真。電線や建物の内部風景。これらは絵画的造形を楽しんでいるようだ。線や面の織り成す様に自分の心象風景を重ね合わせようとしているみたいだ。「旅をするフォルム」だ。

 過去的ロマンを秘めながらウリュウ君は旅を撮り続ける。現場主義としての写真は記録と過去性を宿命的に帯びている。その宿命を「旅」として自己の作品の総合タイトルにするのは、写真という行為を全面的に受け入れているのだろう。「今見ている」という現在と写真の過去との反復がウリュウ君の明日への旅になるのだろう。(11・17)

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 ↑:会場の外、屋外の路上から撮った写真。ここは屋外とドア一つ隔てて直結しているのですが、外からは中が見えないように工夫されています。唯一覗ける狭い空間に全作品の映像を一齣を長くしてノンストップで流しているのです。呼び込み用であるのですが、グリコのおまけでもあり、内と外で二度楽しめるわけです。なかなかの展示工夫です。

by sakaidoori | 2007-11-22 13:46 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2007年 09月 26日

326) 富士フォト・サロン 「駒井千恵子写真展」 9月21日~9月26日(水)

f0126829_116041.jpg○ 駒井千恵子写真展
    野に山に誘う「花のギャラリー」

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2007年9月21日~9月26日(水)
 時間:10:00~18:30

 富士フォトサロン・札幌が移転しました。既に9月の初旬のことです。直ぐ近くで、西武百貨店の南向かい側です。隣にコンビニがあります。

 いつも何のあても無く行くのです。今回は北海道の山の花の写真です。
見慣れたお花畑、見慣れた写真・・・・なのですが、不思議ですね。一枚一枚は何の大仰なところも無く、普通なのです。どこがどういう風に良いのか上手く言えないのですが、写真との距離感が縮まってきて、親しみがもてるのです。女性の優しさといえばいいのでしょう。決してスナップ写真などではないのですが、写真から伝わる自然な空気感、自然との触れ合い、花を愛でる気持ちが心地良いのです。

 この会場では、ほとんどブログ用の写真を撮ったことが無いのですが、何だか自然に会場風景の掲載をお願いして、気さくに許可を頂きました。本も一冊買ったのですが、途中の雨に気を取られて、某ギャラリーに忘れてきたのです。その本に書かれた作家の言葉などを引用しようと思ったのですが、今は手元に無いので細かい紹介は出来ないのです。
 会場風景を何枚か紹介します。やはり、連続的に写真を体感してもらわないと、優しさは解りにくいと思います。

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by sakaidoori | 2007-09-26 01:23 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2007年 07月 20日

265) 富士フォト・サロン 「フォトファン作品展」・写真 終了(7月18日まで) 

○ 第5回  フォトファン作品展

  場所:富士フォトサロン札幌
    北2西4 三井ビル別館1階・北向き
    電話(011)241-7366
 期間:2007年7月6日~7月18日(水)
 時間:10:00~18:30

 久しぶりに立ち寄る。
 風景を中心にしたグループ展。一人1点だろうか。淡々と見ていく。2点が気になった。お願いして個人用に写真を撮る。

 一枚は風景画。冬に摩周湖を見て、振り返った時の山並みの写真。冬の気だるさを強調したかったのだろう、少しぼやけ気味で、雪の白さに空模様のピンクが混ざっている。湖の前後左右に山が並んでいるのだが、はっきりと山名を確認できない。湖は屈斜路湖だと思われる。自分の目でこの景色を確かめに行こう。(「元日の朝、摩周湖を取り終え、振り向くと・・・。」、遠藤茂雄 撮影。)

 もう一枚。縦長、白黒の室内風景。子供がリビング・ルームの床に新聞を広げて、綺麗にびっしりと埋めている。カメラ目は2階に上る階段からで、手前の左右が壁で塞がれ、新聞紙が末広がりに床を埋めている。中央よりやや向こうに子供がしゃがんで新聞を並べていて、向こうの窓から淡い光が子供を背後から照らしている。窓際にある小さいテーブルも新聞紙が蔽っている。静かな子供だけの世界。この子供は何のために新聞紙を広げているのだろう。何かをするためというより、床を何かで埋めることに、いや、ただ時間が止まっているような場所で自動運動のように並べることに興味があるようだ。たたまれた新聞をゆっくりと一枚ずつ大きく広げて、きちきちに綺麗に並べていくこと。感情の起伏などない。一枚だけずれて床が少し顔を出す。風の無い部屋、引っ掛けたのだろうか。もし誰かが、「○○君、何しているの?」と、聞かれても、ふと顔を上げて定まらない視線を向けるだけだろう。「手伝おうか?」と声をかけても、首をゆっくり振るだけだろう。この後、少年はどうするのだろう。更に一枚一枚重ねていくのだろうか。自動運動。逆に片付けていって、初めからやり直すのだろうか。永劫回帰。
 不思議な写真であった。どこか他の方の作風と似合わない感じがした。被写体の子供か、あるいは撮影者自身が心を病んだ体験のある人のようだ。おそらく後者・・・・。子供の自閉的な一人遊びのような作業に限りない慈しみ、愛情を感じたのだろう。「本当に私達は大丈夫なのだろうか。大丈夫でありたい。たとえ無意味な作業をしているようでも、差し込む光を信じたい。信じよう。共に歩けるならば一緒に歩こう・・・・。」撮影者が静かな部屋にカメラの目で声をかけている。(「please・・・Love and Peace to children」、中山直子 撮影。)


 以下は富士フォトサロン、HPより

 「5回目となるフォトファン作品展。
 今回も被写体やカラー・モノクロを問わない幅広い作品の展示です。写真を撮る人だけにとどまらず、世の中のたくさんの人に感動と撮影者の思いを伝えたいと思います」





 

by sakaidoori | 2007-07-20 11:06 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)
2007年 05月 13日

180) 富士フォトサロン 田井裕写真展」 ~5月16日(水)まで

○ 田井 裕  京の華「舞妓・芸妓」写真展

 場所:富士フォトサロン札幌
    北2西4 三井ビル別館1階・北向き
    電話(011)241-7366
 期間:2月16日~2月21日(水)
 時間:10:00~18:30

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 舞妓・芸妓は綺麗だ。綺麗とわかっている写真展はあまり興味が沸かないのだが、最近ブログを始めた関係で「写真家の目」が気になって、ランダムに見るようにしている。会場に入るとそんな事は忘れて個展として楽しむことが出来た。

 会場はいつに無く華やかだ。着物を着た妖艶な女性がいる。後ろ向きの和服姿が写真と重なり、会場にリズムと動きが生まれている。作家は懇切丁寧に、少し慇懃なくらいに写真の説明をしている。僕よりいくつ年上なのだろうか、どこにお住まいなのだろうか、北海道ではない、関西でもない。写真を見ながら、自然に聞こえる作家のあれやこれやの話題が面白くて、なかなか会場を辞することが出来なかった。長くいると、写真がますます面白くなってくる。

 舞妓・芸妓は綺麗だ。だが、田井氏はおもねることなくキッチリと写真を撮っている。自分を黒子のようにしている。舞妓達は座敷が仕事場だが、化粧をして和服を着た瞬間から見られる存在としてどんな場所に居ても自己を意識している。そういう存在を、あたかも黒子のようになり彼女達の周りにいることを許され、一挙手一動に目配せをしている。ほとんどは数少ないシャッター・チャンスの中から生まれたものと思うが、長年のつきあいのなかから、「美の収まり所」が感知できるのであろう。ほとんどの写真はアップで被写体に迫り、やや中央をずらして表情、仕草をとらえている。髪の黒、背景の黒、暖簾の黒、着物の黒、黒がやけに目に飛んでくる。女の美、和服の美、京の美、伝統の美をカラー写真なのに黒を見せることによって引き出している。

 会場には舞妓と芸妓の違いなどを説明したパネルがある。舞妓は14歳ぐらいから20歳前だとのこと。前者は自髪だが、後者はかぶり髪など初めて知った。同じ大きさで50点ほどあっただろうか。田井氏の丁寧な応対を見るのも楽しいものです。16日まで。掲載写真は7枚組1000円の販売用の葉書から。小さな写真では当然ですが良さが伝わりません。

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by sakaidoori | 2007-05-13 22:33 | 写真)富士フォト・サロン | Comments(0)