栄通記

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カテゴリ:   (たぴお)( 153 )


2016年 05月 02日

2507) 「林 教司 EXHIBITION」 たぴお 終了/4月25日(月)~4月30日(土)  

 



林 教司 EXHIBITION     

    

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2016年4月25日(月)~4月30日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)


------------(4.30)

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 当館オーナーの林教司個展。そして、「林たぴお」は4月末日をもって閉館。この日、4月30日は最終日だ。
 今後は、当会館が「ギャラリーたぴお」と名前を変更しないで直接管理運営、新スタートです。
 林教司氏も新スタートです。中央バスターミナルビル地下1階で、「喫茶レ・ノール」を経営する。5月9日が新装開店予定日だ。美術作品がその喫茶店に展示されるのかどうか?いずれにせよ、その様子は報告したいです。
 

 さー、個展会場に行こう!サイゴだ、最後だ、林たぴおの最後だ。



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 先日北海道抽象派作家展に出品した作品が堂々と場を飾っている。久しぶりの自信作だ。
 40年前の作品が向かい合っている。この最新作と最旧作の対比は絶妙だ。
 
 その両者を真っ先に乗せます。



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   ↑:「赫景」・2016年。




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   ↑:「月と羅漢」・1975年(全道展)。



 旧作、20歳代の作品とは思えない出来映えだ。何よりも過去と今の共通性に驚く。「赤と黒」が好きな画家だ。「具象と抽象」、「引いたムードとめらめらと発火するムード」違いはあるが、画家はただ立ちすくんでいるように見える。空気感、緊張感、作品にのめり込むという姿勢と連続性を感じる。20代の情念、思いを変わらずに抱き続けていた。

 だが、時代は変わった。
 彼の属する同世代の男性群、「日本の戦後」の目標を物質的豊かさに求め、ひたすら脇目もふらずに邁進した。世界環境とのマッチングの良さが幸いして、目指す「豊かさ」を手に入れた。一世代遅れの私ではあるが、そういう彼等の努力に感謝しよう。

 林教司はどうだったのか?
 旧作の最初のタイトルは、「待つ」ということだ。あ~、「待つ人」だったんだ、林教司は。何を待っているのだろう?間違いなく、時代の上昇気流の中で生きた人だ。作風の「強さ」がそれを証明している。彼は「鉄の人」でもある。強い男が「突き進む」時代精神に疑問を持ったのか?ためらいがあったのか?

 それでは何を「待っている」のだろう?見果てぬ夢?触れ合い?何かとの合体?
 



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   ↑:「形代(かたしろ)」・1992年(全道展)。



 「元慰安婦、Tさんとの語らい」と説明されている。

 重い画題だ。ムードも林好みの荘重さが充満している。が、どこかユーモラスだ。
 「元慰安婦」に触発されつつも、社会的倫理性とは一線を引いて「絵画」で遊んでいる。
 真っ正面から対峙しつつ、斜に構えるという二段構えの画家だ。





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   ↑:「異郷にて」・1986年。


 おそらく、シュールリアリズムが流行った時の作品か?あるいは美術史を研究する中で、シュールを取り入れたのだろう。
 何を描いても上手い人だし、反逆精神や斜に構える姿勢の持ち主だから、こういう世界も自然なのだろう。だが、氏の持ち合わせている「遊び精神」が、シュールに花を添えることはあっても、こういう息苦しさを長続きさせるには、氏の抱える愛憎の強さが邪魔をするだろう。




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   ↑:「陀羅尼」・1996年。



 「林・マンダラ」。「鉄のマンダラ」と呼ぼう。





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   ↑:「異郷の人」・2015年。



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 林たぴお、最後の作品掲載になります。私の好きな作品です。



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   ↑:「種子シリーズ」・2010年~。





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by sakaidoori | 2016-05-02 21:11 | たぴお | Comments(0)
2016年 01月 13日

2478) 「NOT-KENITHI EXHIBITION」 たぴお 終了・1月4日(月)~1月9日(土)

NOT-KENITHI EXHIBITION
      (能登健一 個展)
   


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2016年1月4日(月)~1月9日(土)  
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)    

------------(1.)


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   ↑:(道特会館前)





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 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 能登健一のポスター展。

 氏が当館のパーフェクトレインボー展用に制作したポスターの集合展だ。ほとんどの作品は見覚えがる。時々再登板もしているので、新鮮という感じはない。しかし、新しい年を迎えて、一人で彼の作品を眺めることは良いことだ。

 僕にとっての「能登ポスター」は、何よりその人柄から離れては見ることはできない。人柄と言っても、会話をしたのは一度か二度、その印象は「優しい人だな~」に尽きる。長らく付き合っての人間観察ではないから、そ
の印象に真実みは乏しいだろう。構いはしない。その笑顔、目配せ、声の抑揚、身のこなし方、会話の間合いと、その優しさにすっかり惚れ込んだ。

 穏やかな人だ。大きなお顔をニコニコさせていた。あんまり人が良さそうなので、「怒ったりしないの?」と尋ねた。具体的な言葉は忘れたが、「怒ったりはしない」と、普通に軽い返事が返ってきた。
 僕はその手の言葉は基本的には信じない・・・、だって人が怒らないなんて考えられないから!・・・

 ポスターとかデザインというものは強烈な個性発揮という表現体ではない。むしろ、「個」を廃して人畜無害な「優しさ」とか「触れ合い」とか「何となく良い感じ」が重要だと思っている。
 確かに能登ポスターもその範疇に入ると思う。しかし、テクニックの問題としての「優しいポスター」でないのが良い。彼の人格がにじみ出ているのが良い。破滅型造形を愛する僕には、「技術的優しいポスター」のほうが美的解釈には都合が良い。頭で解釈できるから。

 僕の辞書には「優しさ」という字が欠けている。時には穏やかに浸るのも良いものだ。新年だから特に良い。
 能登君、明けましておめでとう。



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by sakaidoori | 2016-01-13 18:38 | たぴお | Comments(0)
2014年 08月 05日

2438) 「面(つら)展」 たぴお 8月4日(月)~8月9日(土)

    



面(つら)展   


    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2014年8月4日(月)~8月9日(土)  
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)

 【参加作家】
 田中季里 林教司 藤川弘毅 丸島均(コレクション) 横山隆    

------------(8.4)




 (以下、敬称は省略させていただきます。)

 今展には、私自身のコレクションが大威張りで参加しています。果たして美術展として合っていたのか?作家作品とのコラボとして楽しんで貰えれば嬉しいです。




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 入口からの風景。
 何だかんだと言って、今日もたぴおは元気だ。夏の暑さに負けず、いきいき印の男女が集っている。




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 なるべく人を入らないようにしたいのだが、それは全く無理というものだ。それでも人物は変にならないように気遣ってシャッターを押すと、いきなりK氏がこちらを向く。

 「オレを撮るなよ!」だ。
 と言いながらポーズをとるではないか。いつになく茶目っ気200%のK氏だ。

 「みんな元気か~!呑むぞ~!」



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 チョット弱そうなガッチャマン、いやオジチャンマンであった。






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 おしゃれな展示だ。間合いを取りながら横一列にスポーンと抜けている。
 オシャレということは、個々の作品の「面(つら)根性」にも影響しかねない。脱臭作用にもなりかねないし、新たな空気感の挿入になるかもしれない。







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   ↑:丸島均(栄通)コレクション。



 札幌在住作家は犬養康太佐藤萬寿夫の二人だけです。
 多くを語る必要はないえしょう。気になった方は大きく拡大して見て下さい。

 入手の一番古いのと新しいのを載せます。



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   ↑:左側、多摩美版画OB展で入手。8年位前か?あまり作品を持っていない頃だった。自宅でニンマリして魅入っていた。もっとも、どの作品も気に入って買うのだから、いろいろと思い出がある。
   ↑:左側、「犬養康太・作」。昨年、個展時に入手。バカでかい作品を出品していて、かなり安くしていた。収納に困りそうだから買うのを止めた。今でも欲しいのだが・・・。





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   ↑:藤川弘毅



 笑い泣きの世界だ。

 「踏まれても、叩かれても、殴られても、デクノボウのようにニンマリと笑って、怒りもせず、モンクなどは何一つ言わず、お腹がすいても『何かが欲しい』などとは絶対に口にせず、ションベン垂れだの、臭いなどと罵られても、ただただアホ笑いしているボク。
 でも時には、チキショウ、チキショウ、コンチキショウと言いたくなるのだが、口に出すことも忘れてしまったので、やっぱり笑ってばかりいるボク」


 素材は海岸での廃棄物、漂流物と聞いている。「面展」があるから探しに行って作った、では無いだろう。普段、何かの役に立つという思いで蒐集しているのだろう。元気の良い人だ。






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   ↑:横山隆



 今展のメイン作品の風格がある。
 横綱土俵入りの「不知火型」を思わせる。両の手を左右に広げて、じわっじわっとにじり寄って四股を踏む。攻撃型と言われるが、美術では胸を拡げて全てを抱き寄せる抱擁型と呼びたい。

 廃墟のような大地の上で、下界を見下ろす変な生き物がいる。変な生き物も、生命力抜群からは遠そうだ。それでも広がる世界に君臨する余裕を見る。


 下の横作品を縦一文字に並べたらどうなるか?今展と同じ作品に見えるか?見えないと思う。この型を選んだ人の美学の勝利だ。





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   ↑:林教司。



 上段の左側3点はかなり古い作品。残りは新作。

 どうしても旧作と新作の比較をしてしまう。出来映えは言わずもがなで新作の方が良い。新作は余裕がある。作品も大きく見えて存在感もある。ただ、遊び心も含めて余裕がありすぎて、「象徴化された人間、画家の手足にぴったり人間」で、更に余裕が高まれば作品としての完成度は高まるが、「人間臭さ」は消えていくだろう。

 旧作、人間がどこか哀れっぽくてひねくれている。ひょうたん太郎が息巻いているのだが、「なかなか上手くいかんな~」とつぶやいている。そんな遊び心を感じる。
 旧作は根性を感じる。人間臭を感じる。たとえ完成度は低くても、愛おしさがある。



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   ↑:左側は旧作。一所懸命に綺麗に顔に線刻を施している。一所懸命に、一所懸命に。
   ↑:右側は最近作。素材はあり合わせも樹木の表皮。 








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   ↑:田中季里。



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 青の好きな田中季里、海の好きな田中季里、浪の好きな田中季里、では人間は好きなのか?物語が好きな人だ。海のように語りも人も大きくなりたいのだろう。ドブ~ンと波に洗われては生まれ変わり、物語を一つ身に付けては大きくなりたい。
 淡い水色鉛筆の物語だった。




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   ↑:(2、3年前の旧作)銅版画。(丸島コレクション)


 鉛筆画もこれくらいの大きさが見たい。そして安く売ってファンを一杯つくったらと思う。宣伝などの下手な人だ。どんな作品でも売れる値で処分して、ガンガン前に進めばと思う。過去作は見ない。30歳までは描きまくらないと。作りまくらないと。処分していかないと。作品を他人様の夢にしてあげないと。

by sakaidoori | 2014-08-05 15:52 | たぴお | Comments(0)
2014年 07月 12日

2408) 「BOOK'S ART 9th」 たぴお 7月7日(月)~7月12日(土)

  



BOOK'S ART 9th  


    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2014年7月7日(月)~7月12日(土)  
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)

 【参加作家】
 タカダヨウ 藤川弘毅 林教司 田中季里  

------------(7.10)




 (以下、敬称は省略させていただきます。)




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   ↑:(会場入口からの撮影。)



 入口正面、厳かな背表紙の行列にしばし唖然とする。




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   ↑:林教司




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 カラーコピーだ。同じ物がが貼られているだけだから、重たくはない。が、白く静まりかえった空間で、異様な主張を発散している。作家は林教司だ。「鉄の人・林教司」がひさびさに重たく土俵を仕切っている。確かに空箱ですらない単なる紙だ。ビデオの内用に深い意味があるのかどうか?そんなことよりも、いかにも「洋物だ-」というもったぶった意匠も気に入ったのだろう。

 実在と非在の主張?虚実の横断?もったいぶった遊び?

 きっと、その全てだろう。それよりも、林教司が「何かと闘いたい!」そんな衝動が起こったのではないか。「どうだ、カッコイイだろう!」と言うかもしれない。が、本当は自分がこのコピー群、その背景の実体に勝てるかを自問自答しているのかもしれない。芸術は何はさておいて自分との勝負である。





 その右側は--



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   ↑:タカダヨウ



 最近のタカダヨウは赤い毛糸を愛用している。不純な血液というイメージだ。過剰な増殖にも、神経系の無限連鎖にもなりそうだ。どこまで激しくするかとか、空間との兼ね合いも探求中だ。

 今回、頭とその頭髪に見えてしまった。誰かの小説で、素戔嗚尊が頭の髪の中でいろんな動物を飼っているという物語を思い出した。この場合、「赤い頭と赤い髪」は生きる営みの場だ。生命賛歌だ。
 不気味さの中で「人間とは」に拘っている作家だ。ざっくばらんな赤い毛糸、どこかだらしないが、その塊から何かが産まれそう。良いものかな?悪いものかな?




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   ↑:林教司





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   ↑:藤川弘毅


 「純血の人・タカダヨウ」の次は、廃棄物造形の藤川弘毅だ。今回は清潔感たっぷりの白衣装だ。この清潔感が何やら怪しい。なぜなら、「廃棄物」と「清潔」は似合わない。何より作家・藤川弘毅の趣味とも違うだろう。



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 今作、「白の人・藤川弘毅」ではあるが、「記録の人・藤川弘毅」だ。薬などのレッテルを綺麗に閉じている。何の病気か?それはこの際関係ない。今までの藤川・廃棄物作品は、出所も名も知れぬ所有者からの贈りものであった。ゴミかもしれないが、「もう一度光を」という優しい心根(表現者根性)としての作品であった。が、今回はこれらの所有者は藤川弘毅、本人だ。つまり、ここには作家本人が白いバインダーの中に居る。一つ間違えば、本当に白い人になっていたかもしれない。そのことを淡々と白く記録した作品だ。










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     ↑:林教司




 これは驚きの秀作だ。重たく格好良く、美術館収蔵レベルでしょう。多分旧作だと思う。

 本の作り方が見事だ。紙には点字本みたいな穴が暗号のように敷き詰められ、女が飾りのようにして貼られている。コーティングされた本は、捨てられても捨てられても、朽ちることを拒んでいるようだ。
 ある朝送られてきた秘密命令入りの本みたいだ。「君の使命は×月×日、某大使館のミスターXを拉致すべし・・・、写真の女を使え、殺すべからず・・・、あと数秒でこの本は自動的消滅する」。

 重厚な遊び本だ。芸術家の過剰にして沈鬱なるエネルギーのはけ口だろう。吐き出し行為だ。ただ、林教司はカッコマンだから、汚い嘔吐は好まない。場末に光る十字架を目指している。


 あまりに惚れ惚れする本だから、少し頁をめくってお見せしましょう。



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 さて、残りの入口左側です。




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 ここは田中季里のコーナーだ。

 まるで林教司との2人展だ。呼応し合っている。闘いではない。林教司の背中を見て、自分の引き出しを手広くしようとしている。自分を見つめるきっかかにしている。

 個別作品は「本」だ。それがテーマだから。本質は「波」との戯れみたいだ。
 大きな波小さな波、寄せる波引く波、面白い波変な波、可愛い波恐い波・・・「林本には負けそう。でも、波なら私のものよ。だって、いつもいつも見ていたから」。


 以下、写真を載せます。いじらしき波達を見てやって下さい。




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   ↑:田中季里


 以下、上掲の部分図。



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 手だ。可愛い手が泳いでいる。何かを掴もうとしている。





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   ↑:田中季里




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by sakaidoori | 2014-07-12 10:12 | たぴお | Comments(0)
2014年 03月 18日

2374) 「抽象派小空間展」 たぴお 3月10日(月)~3月22日(土)

  



抽象派小空間展 


    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2014年3月10日(月)~3月22日(土)  
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)


------------(3.15)


 ギャラリーたぴおが少し模様替えをした。その様子をお伝えします。


 会場を左回りに載せます。最後の会場写真に注目して下さい。




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 ほとんどが佐々木美枝子・作品です。






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 入口ドア付近に仕切りができた。壁面積は広がったが空間は狭く区切られた。会場を見渡すことができなくなった。代わりに休憩所のような空間が生まれた。この仕切り壁、可変式と思ったがそうではなかった。
 奥の方に事務コーナーを設けた。




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 さて、展示の方だが「佐々木美枝子ワールドを囲んで」という雰囲気だ。
 てっきり小品構成のよるコーヒータイム展覧会を予想していたが、悩ましきピンクの佐々木ワールドに面食らってしまった。

 今回はリニューアルたぴおの紹介に徹しましょう。以下、作品を見ていって下さい。




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   ↑:右側、宇流奈未。左側、佐々木美枝子




 宇流奈未、いつ頃の作品だろう。もうすぐ北海道抽象派作家協会展だ。彼女はその同人になったと聞いた。きっと意欲満々で臨むことだろう。





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   ↑:以上、佐々木美枝子



 相変わらず不思議なピンクだ。こうして並ぶと怨念気分は薄くなった感じだが、それでも可愛いとか可憐とかは少し違う。「軽い気分、リズム」と呼べればいいのだが。






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   ↑:三浦恭三



 左側は生まれたてのミジンコで、右側は春の三浦・ファミリーランド、そんな春待ち気分の良い気分。






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   ↑:今庄義男


 顔を洗ってすっきり気分の「古里(コリ)」だ。








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   ↑:後藤和司



 織物の中で春を楽しんでいるみたい。










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   ↑:林教司



 銅版画みたいです。渋い。林ファンならば手元に置きたくなる。





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   ↑:名畑美由紀



 北海道抽象派作家協会の同人です。今年はどんな作品で・・・いや、どんな姿勢で臨むのでしょう。いつもいつも期待している人です。なかなか期待には応えてはくれませんが、楽しませてはくれます。





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   ↑:鈴木悠高



 「黄色の人・鈴木悠高」。ですが、最近は黄色離れしています。人生は長い。絵画道も長い。いろいろとさ迷わなければならないのでしょう。

by sakaidoori | 2014-03-18 16:52 | たぴお | Comments(0)
2014年 02月 26日

2354) 「LA`TAPIO -Ⅱ- Exhibition」 たぴお 1月27日(月)~2月15日(土)

   
      



LA`TAPIO -Ⅱ- Exhibition   
   


    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2014年2月17日(月)~3月1日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
      (土・日は ~18:00、最終日は ~17:00まで。)

 【参加作家】
 阿部啓八 今庄義男 宇流奈未 大林雅 後藤邦彦 佐々木美枝子 田中季里 名畑美由紀 西澤宏生 能登智子 林教司 三浦恭三 横山隆・・・以上、15名  

------------(2.16)


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 (以下、敬称は省略させていただきます。)




 訪問した2月16日は設営日。いち早く飾り付けも終わり、身内だけのパーティーだ。呼ばれたわけではないのだが、何となくたぴお訪問、そして席を同じうした。



 いつになく壁びっしりの作品だ。作品が等間隔で目に迫ってくる。まるで、何も考えないで「あいうえお展示」みたいだ。もちろんそんなことはない。作品の大きさ、色合い、ムードをあれこれ思案し、関係者の美学が反映されているはずだ。

 会場を左回りに見ていきます。
 沢山あればあったで、真っ先に目にする作品があるものだ。そんな作品に足を止めながら載せていきます。




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   ↑:右側の3点、宇流奈未
    ↑:左側、後藤和司




 宇流奈未は燃えている。昨年、北海道抽象派作家展に参加した。馬鹿でかい作品で臨んだ。そして新道展にも新規参入だ。作品を生みたくて生みたくて仕方のない時期だろう。生んだ作品は見せたくて見せたく仕方がないのだろう。
 今年も北海道抽象派作家展に参加する。またまた馬鹿でかい作品を期待しよう。何と言っても会場の市民ギャラリーは広い、高い。場と格闘する姿を見せてもらおう。




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   ↑:後藤和司、「Miau '13」。



 金魚かな?ミジンコかな?何となく水の中みたいだ。そして何かと何かの巡り会い、変な形をして。
 描かれた形が遊んでいるように見えるから、全体のイメージも和やか感はある。が、「緊張する青」は、ただただ遊ぶという心からは遠い。





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   ↑:右側の3点、佐々木美枝子
   ↑:左側、後藤啓八




 「執念のピンク・佐々木美枝子」と呼んでいる。ピンクを可愛いと呼んではいけない。決めつけてはいけない。そういう人は佐々木美枝子を見よ。その作品に「可愛い」などと言えば刃が飛んでくる。僕はそこに執念を見る。女の性(さが)を見る。画家魂を見る。
 果たして今作はいつの制作か?知らない。それでは今の姿か?今の画家だ。


 阿部啓八も好きな画家だ。が、展示場所が悪かった。佐々木美枝子作品ばかりに気をとられて、氏の作品を楽しめなかった。






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   ↑:右側の2点、斎藤邦彦
   ↑:左側の2点、大林雅




 今回の斎藤邦彦は渋い。緊張感とほのかな華やかさも氏の持ち味だと思っている。今回は目立たず騒がず何かを待っているみたいだ。


 いつもの大林ワールドだ。生きものがみんな集まってちょっとグロテスク、でも見慣れればそれほどでも。






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   ↑:右側の2点、横山隆
   ↑:左側の2点、三浦恭三





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   ↑:横山隆、「やがて」。



 「やがて」、「人は死ぬ、朽ちる」ということだろう。その姿をどう見るか。はかない?むなしい?自然な姿?再生への奇跡を信じて?




 横山隆は「滅び」に関心がいく。
 三浦恭三は生のリズムを楽しんでいる。生あればこそ色も形も韻も律も生まれる。まだまだすべきことがあると闊歩している。






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   ↑:右側の2点、今庄義男
   ↑:左側の2点、名畑美由紀




 今庄義男は定番の「古里(コリ)」だ。いつみても落ち着くし懐かしい味がする。





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   ↑:名畑美由紀、「無題」。



 いつになく爽やかで綺麗な出品だ。

 というか、この種の綺麗な作品は、もともとの彼女の持ち味だ。その方向を一端は封印する感じであれこれとチャレンジしている。
 何をチャレンジしているのか?確かに何かを求めてなのだろうが、あらぬ世界の理想郷ではないだろう。自分の中の未知の世界を掘り下げて暴いて、自分自身を生まれ変える、知らない自分の魅力を見つける、そんな行程なのだろう。結局は既存の美(価値)に落ち着くのかもしれないが、やはり試みなければならないのだろう。佐々木美枝子とは違った意味で「行動し執念の人・名畑美由紀」かもしれない。




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   ↑:右側の2点、西澤宏生
   ↑:左から2番目、林教司
   ↑:左側、宮部美紀。





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   ↑:西澤宏生、「大浦天主堂」。



 教会だ。同時に「顔」に見える。暖かく笑みを浮かべて廻りを包み込んでいる。ちょっと可笑しく、ちょっと背筋を伸ばして、そこにたたずんでいる。見上げることなく出入りしたくなる教会だ。




 林教司がいつもとは違う絵の出品だ。交差点のような、交通標識のような・・・何かにインスピレーションを得たのだろう。そのメモのような作品だろう。さて、どんな感じで大きくなっていくのだろう?






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   ↑:右側の2点、宮部美紀
   ↑:左側の2点、田中季里




 宮部美紀、面白い絵を描くものだ。渋い世界にうねうねと漂っている。沈むのか浮かぶのか?うねうねを楽しんでいる。




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   ↑:田中季里、「spuare」。



 田中季里、当館の秘蔵っ子だ。 
 やっぱり夢を見ているのだろう。ロマンを求めているのだろう。
 三角三角・・・三角という窓が一杯ある。窓の向こうをうっとりと眺めているのだろう。三角という窓にも恋をしているのかもしれない。





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by sakaidoori | 2014-02-26 11:44 | たぴお | Comments(0)
2014年 02月 10日

2342) 「LA`TAPIO 」 たぴお 1月27日(月)~2月15日(土)

      



LA`TAPIO 
   


    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2014年1月27日(月)~2月15日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00 

------------(2.8)



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   ↑:(作者不詳)。




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   ↑:(共に情景の部分図。)




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 渋い、、、渋い展覧会だ。

 誰もいない日、ただただ黙ってそこにいるといい。

 釘打たれた生命樹、男根。何とも激しき背景!!血潮の刺青。青ざめた皮膚もある。
 だから静かにそこにいるといい。
 背筋を伸ばして過ぎ去りし日を思え。
 衰える生命力に過去が激しく迫りくるはずだ。
  うるさい!うるさい!!何てうるさい赤だ、青だ。静かにしろ。オレの人生だ、構うな!

 誰もいない日、ただただ黙ってそこにいるといい。





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 今展は収蔵作品を中心にしてのものでしょう。田中季里意外は物故者やベテランたちです。ググッと重量系でまとめたようです。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)




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   ↑:左側、今庄義男。右側、故 竹田博





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   ↑:林教司














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   ↑:(作者不詳)。



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   ↑:(情景の部分図。)




 上の赤い絵と同じ作家でしょう。
 旧ギャラリーたぴおの古き常連でしたら、作家が分かるかもしれない。さて、想像力を巧みにして、どなたが描かれたと思いますか?激しき独特な世界です。故八木保二氏という意見があるそうです。違う感じがするのですが・・・。






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   ↑:今庄義男



 ちょっと古い今庄ワールドでしょう。現在、氏は「古里(コリ)」シリーズを継続しています。今回、2作品がありますが、どのあたりに位置づけられるのでしょう。氏はすこぶる健在です。今度お会いしたら、その辺りをうかがいましょう。






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   ↑:田中季里、「海におもう」。



 海の好きな田中季里。当館の秘蔵っ子作家です。大きく成長してもらいたい。






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   ↑:故竹田博、「雑事のコンポジション」・2005年。




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   ↑:(情景の部分図。)  




 旧当館のオーナー竹田博氏です。晩年の作品です。「構成」と「ユーモア」と「生への執念」がテーマでしょう。
 久しぶりに見る竹田ワールドです。2007年11月28日に亡くなられました。既に7年が過ぎました。早い。










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   ↑:林教司、「種子’12」・2012年。




 「種子 シリーズ」、私自身も好きなシリーズでした。「鎮魂」と「挽歌」がテーマだと思っています。当然、祈りににた「再生」の意も込めて。







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   ↑:三浦恭三



 躍動感があり若い絵だ。近作と聞きました。充実の三浦恭三です。

by sakaidoori | 2014-02-10 12:36 | たぴお | Comments(0)
2014年 01月 29日

2328) 「山下敦子個展 『清清濁濁』展」 たぴお 終了/1月20日(月)~1月25日(土)

   



山下敦子個展 
清清濁濁(せいせいだくだく)」展
   


    


 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2014年1月20日(月)~1月25日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、18:00から宴会です。)

※ パーティー ⇒ 初日 18:00~ 500円 

------------(1.25)


 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 まず、会場正面からの様子。



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 赤が眩しい。
 今展一の大作を載せます。木枠を取り払ってキャンバスが薄くストレートに貼られている。なめし革のよう。



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 会場右側は・・・
 


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 中央から右側は描き殴り風のドロドロ派的抽象画。


 ここまでの中から個別作品を載せます。まずはお気に入りの2点から。




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 迷える子羊みたい。
 あるいは全体が「目」で、その中にくるくる目玉が揺れているみたい。



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 ドロドロピンクだ。黒い模様がいろんな形になって目の前をうろうろする。



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 会場左側は・・・・



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 写真有り、山下敦子キャラのエビフライ有り、即売用の小物有りと、普通感覚と遊び心だ。






 右側が非日常的な情念剥き出し。左側は写真による日常の切り取りや、キャラやイラストによる軽いおちゃらけモード。それは、いつものようになんでもありの元気の良い山下敦子だ。ただ、今回のように両者を一緒にして大きく見せるのも珍しいかもしれない。

 赤黒抽象画と写真やキャラ、その関係はどうなっているのだろう?見る人は同時に公平に好んでいるのだろうか?作家は自然に両者を渡り歩いている。僕らも作家のように自然に赤黒抽象画とエビフライをスイッチの切り替えなしに楽しめるのだろうか?

 僕の場合は、抽象画の方が断然好きだ。今回はピンク黒や目玉一杯抽象画なども入ってきて、興味津々だ。どこか女性的な感じもして、男のドロドロ美学とは違った可能性を感じたりする。それにしてもエビフライのノーテンキなアホさ加減が微笑ましい。


 共に面白いのだが、断じて同時に楽しむ事はできない。作品は並立的に鑑賞できないが、真逆なことを平気でやり過ごす作家に対しては感心の眼で見つめている。 
 誰だって二つの心はある。二つの気持ちを愛している。激しさと静寂、知性と痴性、愛と憎しみ、深刻さと馬鹿笑い、世間体と身内意識、生と性・・・だが、概ね使い分けをしている。紳士が公衆で美人を見てよだれでは絵にならない。ググッと我慢せねばならない。この「我慢」というのを山下敦子は嫌いなようだ。全てを等しく愛し尽くして、あっけらかんと微笑む。個々の作品ではなくて、全体でまぜこぜ精神を発揮して普通人に「あんた、大丈夫かい?深刻ぶりながら馬鹿笑いしようよ!」と山下ウインクだ。

 寺山修司は言った、「書を捨てて街に出よう!」。
 山下敦子は言う、「エビフライを食べながら街を赤くしよう!」





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by sakaidoori | 2014-01-29 17:28 | たぴお | Comments(2)
2013年 11月 26日

2313) 「林 教司作品展」 たぴお 11月25日(月)~11月30日(土)

  



林 教司作品展  

(1986~1995)全道展作品 (小品)女、花、果実を描く  

    

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2013年11月25日(月)~11月30日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで。)


◎ 移動開催

 会場:ダイニングバー イソムニア 
      中央区北10条西16丁目1
      電話・(011)640-6400

 会期:2013年12月3日(火)~12月15日(月)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:30~23:30


------------(11.25)

 回顧展です。個展というものが常にそうであるように、リ・スタート展です。

 やはり記念すべき個展だ。画家が自己を省みると同時に、見る側は「林教司とは何であったか?」を刻むものであった。特に、40年前の大作は印象深い。「この時点でこの作品!これ以上を描くということはどういうことか?これ以上が描けたか?・・・」

 初日は個展を祝ってのオープニング パーティーだ。その様子を伝えるような会場風景になりました。関係者各位、ご寛恕を。


 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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 氏はおびただしい作品を残していたはずだった。実に残念なことだが二、三年前の豪雪で、保管していた建物は崩壊し多くが消滅してしまった。今展の作品は、そういう中で生き残った作品群だ。

 ではあるが、初期の大作をこうして見ることができる。お伝えしたい。



  1947年     室蘭に生まれる
  1965年(18歳) 独学で油彩を始める
  1967年(20歳) 第1回個展(室蘭丸井デパート)
  1970年(23歳) 室蘭美術協会公募展初出品 協会賞・同会員
  1974年(27歳) 全道展初出品・入選 
  1977年(30歳) 自由美術展入選   
  1989年(42歳) 全道展会友推挙
    (年齢は全て推定。)



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   ↑:「月と羅漢」・1973年(26歳) 120号。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 静かな作品だ。深い世界だが、極端を排して淡々としている。それは羅漢に託した「老い」の姿だ。進でも退くでもなく羅漢はたたずむ。太い両手両足は別の存在のようにして自己主張している。確かに顔は前を向いて前傾だが、一人の目は閉じられ、一人の目はこちらをにらみ返している。諦念と不遜さ。赤いマントは身を包み、自身の素肌、生の精神を塞ぎ込んでいる。赤をはぎ取れば醜く卑小な体があるだけだろう。

 それよりも何よりも黒くて暗い。全面が暗いから、かえってトコトン手前で暗さは留まっている。その留まる踊り場に二人の羅漢は身を守るようにたたずんでいるのだろう。その先に暗さを見るのは自分の仕事ではないと悟りきっているようだ。「先に進めるか!」と、一人の羅漢はこちらに投げかけている。当然、その羅漢は画家自身であり、投げかける相手は社会であり己自身だ。己己己が羅漢にも黒にも赤にも手足にも、幾重にも重なっている。

 暗い先に画家(羅漢)が見つめているもの、それは月に照らされた希望かもしれない、悟り(死)かもしれない、この安定した闇夜とは異質な混沌かもしれない。
 まるで以後の林教司の活動はその闇夜を突き抜けて、先を見定めようとした悶えだったのかもしれない。人生的要素や絵画的要素が装飾されて作品は姿を変容していった。不可思議な象徴としてのシュールな世界、曼荼羅的完璧を求めてのシンメトリー、その曼荼羅は姿を変えて抽象へ向かう。一方で、男の性(さが)は女へ向かい、ロマンと見果てぬ夢に華を咲かせて昇り詰めては、急展開にも落下しかねない。落下や格闘は血への闘争だったかもしれない。父へ、母へ、愛人へ、知己への愛憎・・・。

 その全貌を今展で見ることはできない。ただ、この闇夜の緊張感を維持しながら作品は間違いなくある。その緊張感を乗り越えたかどうか!
 まだまだ林教司は生きる。26歳時の傑作を乗り越えることはできないだろう。だが、そこには観念的「老」があった。今、「老い」という年齢に達した。本当の「老」の傑作を、生き様を楽しみにしよう。






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   ↑:「足音」・1988年(41歳)。


 いわゆるシュールリアリズム。
 どう見ても良いのだが、僕の画題の解釈を記しておきます。

 男根を意志でへし折り、反吐を吐き、両足をくにゃくにゃにして、横たわりへたばった人物画だ。
 一つの断末魔とも言える。が、両側の黒い部分は人の体をなしていない両足と頭だが、中央の王道は明るい綠で、希望のドアの前で横たわっている。たとえ折れて血を噴出しそうだが男として存在している。「不信」を背にして「自信」が立っている。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)







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   ↑:「異境にて」・1986年(39歳)。



 シュールな作品だが、空の青や海の青はそのものズバリの清々しさだ。タイトルは故郷「室蘭」を詠っている。
 やはり故郷とは離れて懐かしく想うものだ。離れれば良きことのみが想起する。もちろん、人にもよるが嫌なことが詰まった場でもあろう。が、そういうのを忘れた時には綺麗な作品が生まれる。果たして氏にとっての「故郷」とはどういうものであったか。この綺麗な海空、そして象徴化された岸壁(岬)と不可思議な物たち・・・。







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   ↑:「Water seed (水の種子)」・1999年(52歳)。



 空、水平線、大地、海、波、卵、女、諦念、挽歌・・全ては抽象化し象徴化され、シンメトリーという美の形を与える。胎内回帰・再生というテーマで世界を覆われる。

 静かだ。
 今展を見て、氏にとっての「静かさ」に強く惹かれた。激しき自己自身の完璧なまでの裏返し。「静と動」、「完璧と混沌」、「諦念と恨み」、「天国と地獄」、「女と男」、後者の情念情動に支えられて前者の桃源郷が開くのだろう。





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   ↑:「陀羅尼(DARANI)」・1996年(49歳)。


 記すのが遅れましたが、氏はお寺の次男坊です。お寺の後継者となるべく、しっかりと修行をされた方です。日蓮の流れをくむ法華宗です。人生色々で、お坊さんになることなく絵画道の人生です。
 ですから、絵画から発する仏教臭は血肉化しているのです。






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   ↑:「種子」・2011年。





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by sakaidoori | 2013-11-26 14:15 | たぴお | Comments(1)
2013年 10月 03日

2240) 「BOX ART 7」 たぴお 終了/9月23日(月)~9月28日(土)


BOX ART 7  

    

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2013年9月23日(月)~9月28日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00
     (最終日は、18:00から宴会です。)

 【参加作家】
 池田宇衣子 田中季里 中嶋夕野 能登健一 林教司  藤川弘毅

※ 注意 ⇒ 参加予定メンバーとは随分と異なっていました。その辺もしっかり確認しなかったので、詳細を記すことができません。

------------(9.28)


 たぴおらしいグループ展だった。

 シブイ!!ちょっと寂しいかな。静かに見れて良いかな。
 皆さんはどう思われるか?


普段とは逆に、左回りで会場風景を載せます。理由はすぐに分かります。




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   ↑:池田宇衣子



 今展は池田宇衣子に尽きると言ってもいい。

 らべるの貼られた箱がびっしり、ただそれだけだ。
 余った靴箱のような、でもかなり違う。
 無印良品をウリにした既製品かな?不揃い感も見え隠れしているから違う。

 あえて中身はみせない。「空かな?」オーナーの承諾を得て一つだけ開けて見る。


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 おー、箱の正体はミネラル・ウォーターのボトル箱だった。
 他の箱もボトルが入っているのかどうかは知らないが・・・おそらく違うだろう・・・不要になって捨てきれないもの達を、綺麗に整理整頓しているのだろう。いや、中が見えないのだ。何の整理だかは分からない。分からないが、整理整頓された容器だ。いささか妖気も漂っている。

 これを美学というべきか?
 女の優しさというべきか?
 もったいない精神とうべきか?
 表現者魂であることは間違いない。

 様在るパターンではあるが、洋式便器がある。レディーメイドということならば、もっと和らいだものでも良いと思う。しかし、あえてパクリ根性を丸出しにして、「美術行為、美術作品としてこれらを見ろ」と、池田宇衣子は宣言している。


 おそらく、今作はシリーズ第一弾あるいはプロローグだろう。
 中身を見せながら第2弾、第3弾と続くだろう。期待しよう。





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   ↑:林教司


 この人にほんの少しの時間を与えれたら、といつも思う。が、今は当館の運営と何やかやで込み入った作品を望むべきではないだろう。
 だが、いつもいつも芸術のことを考えている人だ。ハズレる時もあるが、大当たりの時喜びも倍々に飛び込んでくる。

 こんなことを書いたから、今作が悪いと行っているのではない。私は氏のファンだ。
 ただ、今回は池田宇衣子に圧倒されたのは間違いない。




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   ↑:田中季里






 田中季里は当ギャラリーで修行をしている。
 今回は黒箱の世界にチャレンジした。
 彼女の制作原風景は決まっている。「海」であり、そこから生まれる、「波、青、空、漂着物、エトセトラ」、そして物語が全てを繋ぐ。

 制作動機に「ボックス・アート」という必然性があるのか?物語を詰め込めやすいから、無いとはいえないだろうが、強い動機まで在るだろうか?それに、思考が「箱」的なのかも定かではない。
 が、只今、田中季里は修行をしている。しかも社会に作品を見せながら。作品そのものを越えて、素材に様式に空間作りに関係性と、研究テーマは無数だ。
 今展もその一里塚だ。





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   ↑:東影美紀子



 当館の収蔵品でしょう。
 今展にオーナー好みの華を添えている。





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   ↑:祓川サヲリ



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 先週の展覧会からの継続出品。
 前回は全体を小さく纏めていたが、今回は横一列に伸び伸び展示だ。

 狭い世界にびっしり詰め込むタイプか?
 前回の展覧会でも真っ先に取り上げたが、面白いと思う。できれば適時、当館のテーマ展でも見たいものだ。
 グループ展でも相当量を出品できる。一杯作って、一杯見せて下さい。
  



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   ↑:


 タカダヨウと思い込んで見てしまった。キャプションを見なかったので、現段階では「作者 ?」にしておきます。


 箱が覆われていて、箱の中身なり箱を見せないのが特徴。糸が地上すれすれに垂れ流れているのもセールスポイントか。大地から生き血を吸い、箱(卵)を育てている、そんなイメージ。




 最後に改めて--




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f0126829_11391988.jpg   →↑:池田宇衣子

  
  

by sakaidoori | 2013-10-03 13:03 | たぴお | Comments(0)