カテゴリ: 500m美術館( 13 )


2016年 01月 27日

2493) 「次回展覧会の設営風景。その予告と、山崎阿弥の場合」 500m.美術館

 次回 500m美術館 の予告。)
  山崎阿弥の場合
 



 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2015年9月26日(土)~2016年1月22日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:45~22:15(照明点灯時間)
      (最終日は、~17:00まで)
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(1.26)


山崎阿弥 の場合



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 昨日、群青展の用事で会場のアートスペース201に行った。用事が済んで弁当を食べるためにベンチを探した。仕方なく500m美術館まで歩いてベンチを見つけた。次回の展示準備をしていた。それを見ながらの美味しい弁当だった。


 目の前で、若き作家が働いている。ベレーボーを被りリュックをしょい、稲穂が揺れるような姿の作品が仕上がっていく。
 手渡される一つ一つの作品パーツに「はい、ありがとう」と助手に言ってはパチンパチンとタッカーで止めている。作業の手際よさよりも、律儀なお礼姿が微笑ましい。これだけの部品の取り付けだ、何回お礼を言うのだろう。もはやそれは条件反射かもしれない。しかし、感心感心、おおいに感心きわまれりだ。


 道行く老夫婦が作家に尋ねる。「へ~、あんたが作ったの、凄いわね!」「はい、ありがとうございます」はきはきパリパリと返事をしている。

 その後、僕も尋ねる。
 驚くことに作品は全て手作りだ。羽のような部分部分、「機械作りかな?もしかしたら手作り?まさか、だって凄い量だ!」そんな気持ちで弁当を食べていた。その量、ダンボール箱で120個だ。今彼女が取り組んでいる一つのブースに30個使う。そして4ブースを仕上げる。羽のようなパーツを何個作ったのだろう?そのパーツは針のような部品で覆われている。この針のような部品は何個作ったのだろう?おそらく万単位だ。これを小柄できちきちした目の前の女性が作った。
 愛媛出身とのこと、東京在住とのこと、美術畑の人ではなかった2009年位からこういう表現を始めた、音楽をしていた、だからかこの紙でできた作品は音の吸収とか、音のことも意識しているとのこと・・・僕は彼女との会話を適当に書いた。間違いがあるかもしれない。でも作品鑑賞の妨げにはならないだろう。


 彼女彼女とばかり紹介してしまった。「山崎阿弥(あみ)」です。「阿弥」とは不思議な名だ。観阿弥・世阿弥の阿弥号だ。南無阿弥陀仏(仏に帰依する)の「阿弥」、一遍時宗の流れをくむ。彼女曰く、「阿修羅と弥勒です」と。つまり「地獄と天国」だ。この膨大な紙作品に「地獄と天国」気分が内蔵されているのかもしれない。
 綺麗な作品だ。山崎阿弥は何が哀しくてこんなエネルギーを内包しているのだろう。内に地獄と天国を宿しているのか?愉快な女性だった。とてもそんな風には見えなかった。分からないものだ、作家というものは、いや女というものは、と言うべきか。



 おそらく、一日一ブースしあげていくのだろう。設置に4日か?今月の30日ぐらいに何かあるようなことを言っていた。聞き間違いかもしれない。単にオープン日かもしれない。一見に値する根性・情熱・美学です、礼儀良さも。



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   ↑:(山崎阿弥の展示予定スペース。彼女はまだまだ働かなければならない。そえは彼女にとって良いことだろう。私たち札幌市民にとっても楽しいことだ。




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by sakaidoori | 2016-01-27 10:25 |  500m美術館 | Comments(0)
2016年 01月 23日

2488)「SPPPORO ART MAP 展」 500m.美術館 終了/2015年9月26日(土)~2016年1月22日(金)

  

SPPPORO ART MAP 3   




 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2015年9月26日(土)~2016年1月22日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:45~22:15(照明点灯時間)
      (最終日は、~17:00まで)

 【出展ギャラリー】
 多数
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(1.23)

 久しぶりに「500m美術館」を通り過ぎた。

 現場は片付け中だ。というか、会期は昨日までだった。とはいっても、会期後の作品を見るのも良いものだ。みんなどこかに帰りたい帰れない・・・早く来て下さいご主人様・・・そんな子供たちを見る感じだ。


 そんな中で、一所懸命に撤去中の作家と四方山話をすることができた。以下、簡単な報告です。



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 水石清輝君。札幌市立大学デザイン学部デザイン学科3年生だ。

 僕は増殖系の作品が好きだからどうしても気になる。一方、アンチ・ヨーロッパだから、このルネッサンス一本調子の風景は好むところではない。しかし、こういうのは画題でいろいろ言っても始まらない。特に水谷君はデザインの学徒だ。ヨーロッパは学問をせねばならぬところだ。

 彼に将来を尋ねた。明解な応えが返ってきた。「アーティストになりたいです!デザインは職業上ですが・・・」。素晴らしい。本当のところは彼がどうなるかは分からない。分からないがこれほど清々しく明解な言葉が還ってくるとは思わなかった。特に、こういう美術現場で夢を聞けるとは嬉しいことだ。

 月並みですが、ガンバレバンバレミズタニ ミズタニ



 少し不鮮明ですが部分図を載せます。
 作品は何百枚をコピーしたコラージュ、集合体だ。「コラージュ」が水谷君にとってのキーワードのようだ。「コラージュは紙だけに拘る必要はないのでは・・・、映像とか写真とか何でも取り組んでいます」

 作品作りへの情熱は素晴らしい、努力も良い。が、肝心のリアリティーに欠ける。彼がこの作品で道行く人たちに何を訴えたいのか、心を共有したいのか、という情念が乏しい。

 大きな赤い眼!デザイン駅処理だが気になる存在だ。この目の方向性が彼のアーティストとしての方向性と重なるような気がした。
 いずれにせよ、今回は壮大な勉強の場、実験空間だ。



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 以下、何点か現場風景を載せます。



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   ↑:(藤川弘毅作)

by sakaidoori | 2016-01-23 23:32 |  500m美術館 | Comments(0)
2013年 05月 12日

2046)①「質感覚 Sensitivity to Texture vol.7」 500m美術館 4月27日(土)~7月25日(金)

  

vol.7
質感覚 Sensitivity to Texture   


 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m?。)
 電話:(展示設備に関して)札幌市役所 (011)211-2314
     (企画作品に関して)(有)クンスト (011)802-6438
     
 会期:2013年4月27日(土)~7月25日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:30~22:00(照明点灯時間)



 参加作家:
 長谷川裕恭 今儀典 菱野史彦 蒲原みどり 五十嵐淳 高臣大介 渡邊希 吉田茂 Orrorin 風間雄飛 浅野久男 中橋修 門馬よ宇子 吉成翔子 額田春加 ・・・以上、15名。

ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.5)

 15名の作品展。分野は絵画、工芸、空間表現、立体といろいろだ。いろいろなんだけど、余裕を持たせた展示空間で、壁面作品群としてひとまとめにくくれそうだ。そういう統一感が、今展の「質感覚」ともよくあっている。道行く人も、いつになく作品の廻りにたむろしていて、そういう光景も自然に見れる展覧会だ。


 バスセンター前から見た。以下、基本的にはその順番で全部を載せたい。載せたいと言いはしたが、今回は3人だけにします。以後、続編ということで・・・最後まで行きたいです。


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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 この会場は全貌を撮れない。次から次に何が出てくるかを期待しながら歩く。
 
 真っ先に現れたのが額田春加だ。しかもギンギラ全面ピンクが先陣だ。このハイテンション、素晴らしい。今展の始まりでもあるから一杯載せよう。
 それにしても大いに期待している作家を、こういう場所で見れるとは!驚い以上に嬉しくなってしまった。企画者の目配りに感心感心。



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 以上で全作品だ。いつもながらの賑やかさ、ハッピー気分、ブリッコ絶好調だ。



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 自由さ、それ以上のノーテンキな世界だ。色もニコニコひまわりが「ちょっとこっち向いて!」と、媚びを売らんかなの勢いだ。が、絵の表面は粘土を使ったりと、頑固むき出しだ。だからか、暗めの作品もある。暗さは闇との対峙ではないだろう。自己主張の黒バージョンだ。「ブリッコ」と「ガンコ」で街をカッポしている。
 ただただ媚びを売るのであれば、さわやかピンクスカートで春風を跨いでいけばいいのだが、そんな柔は額田春加には合わないのだろう。無事愛がかなっても、「優しく抱きしめて」ではダメなのだろう。「息ができないほど胸を絞り上げて。苦しい恍惚に浸りたいの。何もかも忘れたいの」。

 額田春加-芯の強い人だろう。強い欲望、願望、理想の持ち主なのだろう。絵画に全てをぶっつけている。
 しかし、あんまり強すぎて、当今の男性は近寄ってくれるだろうか?





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     ↑:吉成翔子、「とことん続く」・65×1750㎝×4㎝ 鉄。


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 鉄による一筆カキカキ・ワールドだ。
 「フフフ」としか言いようがない。この長さ・・・何処に行きたいのだろ。・・・どこというアテはないのだろう・・・ただただ遊びほうけて、線を何処までも引いていく。時にはお花を描いたり、山を描いて登ったり・・・吉成翔子の記念碑・落書き絵巻だ。




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     ↑:以下、門馬よ宇子


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 良いですね~。さて、彼女達は何を見ているのだろう?



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 故門馬よ宇子女史の遺作展だ。関係者がどうしても今展に並べたい、そういう震い立つ身構えを感じる展示だ。
 この連作が「質感覚」だと言われれば、僕には意味不鮮明だ。おびただしい写真群、それらは生活のアクであり、時を閉じこめ回顧し、家族を見つめ、自分との対話の痕跡だろう。おそらく、門馬よ宇子の日々の生活の有り様、作家生活を「質感覚」として捉えているのだろう。作品のあれこれではなく、作家自身の体質・生理、強さ弱さ、粘着さと諦念、そんなあれこれが「質感覚」なのだろう。それを丸ごと歩道空間に投げ入れて、ここの空間の変質を楽しんでいるのだろう。

 強烈な作品群です。通りすがりに見て、「さようなら」では心にわだかまりが残る。もう少しお付き合い下さい。



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 ②に続く。 

by sakaidoori | 2013-05-12 06:12 |  500m美術館 | Comments(0)
2013年 03月 14日

1972)②「SPPPORO ART MAP 展」 500m.美術館  2月2日(土)~4月19日(金)

  

SPPPORO ART MAP    




 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2013年2月2日(土)~4月19日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:45~22:15(照明点灯時間)
      (最終日は、~17:00まで)

 【出展者】
 犬養ギャラリー アートマン・ギャラリー サロン・コジカ ハナアグラ ギャラリーたぴお ト・オン・カフェ スカイホール CAI02 ギャラリー創 「より(i)どこ オノベカ」 六花文庫 「ギャラリー門馬 & ANNEX」 ギャラリー・レタラ 札幌宮の森美術館・・・14ギャラリー。 
 


ーーーーーーーーーーーーーーーー(3.3)

 1965番①の続き。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 14出展者の中で、前回は7ヵ所を載せました。残り全部を載せます。



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     ↑:「CAI02」。


 500m美術館の有力なスタッフ、「CAI02]だ。
 ここは「現代美術」を標榜する場で、「現代美術作家、あるいは現代美術人」の養成にも努めている。
 そういう場だから、何を此処が見せてくれるかは気になるところだ。残念ながら、僕の注目を無視して作家紹介レベルのオーソドックスな展示だ。可もなし不可もなし。
 これではいけない。「現代美術とは何か?」を積極的に指し示す行為をしなければいけない。彼らの理念を提示しなければいけない。「アッと驚くタメゴロウ、ではなくとも、何じゃこれは!これが美術か?アートか?ここまでするかCAI02!」。罵りや喝采をもらうような行為をしなければいけない。例えば・・・。止めよう。それは彼らの問題だ。





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     ↑:「ギャラリー創」。


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 2007年にオープンした。オープン以来の展覧会DMを、細い一本道のようにしてパネル化したもの。

 この道がいつまでも続くように、そんな願いがあるのかもしれない。






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     ↑:「コミュニティー & レンタルスペース より(i)どこ オノベカ」。


 初耳の場所だ。きっと何かをしっかりとしているのだろうが、あまり街中で広報活動はしていない。地域密着型か?展示は自己紹介的なものだから、まさしく展示を見てここを知ればいいのだろう。
 知名度の低い団体の、自己紹介的な展示だった。気になる方はパネル紹介を直に堪能して下さい。





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     ↑:「六花文庫」。


 おー、六花亭の宣伝スペースだ。

 六花亭お馴染みの包装紙が壁一杯だ。一枚の紙では目立たないが、ここまで貼れば宣伝効果も抜群だ。きっと通りすがり人も、「何故だか知らないが、六花亭の包装紙が飾ってあったよ」と、宣伝してくれるだろう。

 もっとも、包装紙はイントロだ。六花亭は「六花文庫」という名で全国美術作品公募をしている。展示中のボックスに入る大きさがアート作品募集企画だ。その受賞作品がこの中に入っている。(僕は今回見ていない。次回にゆっくり見よう。)
 アイデアは良いが、なかなか箱の中まで通行人は見てくれないだろう。「六花亭宣伝」は申し分ないが、「六花文庫受賞作宣伝」はイマイチで、次回?の課題だろう。

 最後に一言。「六花亭」はエライ。道内の企業人!「文庫」でも、「メセナ」、「支援」、「応援」でも何でも構わない。美術を利用して自己宣伝し、美術での社会関係強化をもっともっと考えて欲しい。




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     ↑:ギャラリー門馬 & ANNEX」。


 日本画家・水野剛志による、ギャラリー紹介絵巻。
 ト・オン・カフェに次いで、たった一人での登場だ。画家が「ギャラリー門馬」を描いている。自然と一体化したギャラリー、そこでの作品や訪問客との集いをアット・ホーム的に表現している。

 素晴らしい。薄い色調で目立たないのが欠点だが。本格日本画の下絵、あるいは構想として見た。とにかく、今展における唯一とも言える肉筆意欲作だ。こういう作品が多くあると思っていた。やっと出会えてホットした。


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 残り全部の紹介と張り切ったが、ここで一端止めます。③では残りの2ヵ所と全体の感想文です。





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     ↑:(大通側からバスセンター前に向かっての撮影。)


 通行人はなかなか足を止めないが、それなりに流し目で楽しんでいる。

 それと、地下通路というのはなぜかしら左側通行だ。「左側通行」が人の生理にあっているのだろう。
 そういう意味で、500m美術館は大通側からの通行人に焦点を合わせた展示にするべきだろう。(ところが、当展示はバスセンター前駅からは直近で、大通駅からは遠い。)今展、各ギャラリー紹介文は展示の左側だ。おそらく、左側通行を意識した配置だろう。(というか、美術館展示などは左側進行を基本として組み立てている。)
 それでは、全体配置はどうなのか?僕はバスセンターから紹介している。どうも、絵の進む方向とはちょっとちぐはぐだ。キャプションの位置による作品の流れ、人の流れ、生理的な流れともささやかな違和感があるようだった。それはいいとして、作品自体のダイナミックスさを展示は生かしているのか?今展は顔見せ展覧会(ギャラリー紹介が主目的)だから、展示の山谷を気にしてはいけないのだろうか?

by sakaidoori | 2013-03-14 09:54 |  500m美術館 | Comments(2)
2013年 03月 10日

1965)①「SPPPORO ART MAP 展」 500m.美術館  2月2日(土)~4月19日(金)

  

SPPPORO ART MAP    




 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2013年2月2日(土)~4月19日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:45~22:15(照明点灯時間)
      (最終日は、~17:00まで)

 【出展者】
 犬養ギャラリー アートマン・ギャラリー サロン・コジカ ハナアグラ ギャラリーたぴお ト・オン・カフェ スカイホール CAI02 ギャラリー創 「より(i)どこ オノベカ」 六花文庫 「ギャラリー門馬 & ANNEX」 ギャラリー・レタラ 札幌宮の森美術館・・・14ギャラリー。 
 


ーーーーーーーーーーーーーーーー(3.3)


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 (当展のパンフレットでは「アートスペース」として出展者を紹介しています。全て「ギャラリー」と記します。深い意味はありません。慣れ親しんでいるからです。問題はないと思います。)


 地下鉄大通バスセンター前から、大通へ向かって地下歩道での展覧会。
 今回は札幌市内のギャラリーに呼びかけてギャラリー単位での参加を募った。おそらく、多くのギャラリーに声をかけただろうが、今回の賛同者は14ヵ所だ。
 いろんな事情で今回は見送ったのだろう。あえて想像すれば、企画に積極的に反対、主催者やこの空間が嫌いだから不参加という積極的反対派。ギャラリーの表看板を表沙汰にする気がない、どんな形で参加したらいいか分からない、何となく今回は遠慮しておきます、という曖昧な不参加型。他にもいろんな事情や考え方があるだろう。それは仕方がない。この数に関係者はどんな気持ちだろう?

 「集まった集まった大成功」、とは思っていないだろう。「意外に反対されちゃった」というのが僕の認識だ。「500m美術館」に反対な人達がいるのも事実だから、こういう結果になったのだろう。公費を使って民間グループが実質的に運営しているのだから、反対は起こるものだ。僕は、余程悪いことをするのでなければ、美術現象には基本的に何でも賛成だ。もちろん、反対意見は言う。
 今回の企画の良いことは、主催者が、それぞれのギャラリーに足を運んで、彼らにとって普段は交流のない人達と接することができたのではないかと思うからだ。配布パンフレットには、「・・より充実したアートマップ作成に向け・・・」とあるが、マップ以前の問題がある。ただ単に電話をかけて、「あんたのところのギャラリー、地図の載せてもいいかい?」という事務的な問題ではない。「500m美術館」は嫌いだが、「それはそれ、これはこれ」という関係を持つ努力をすべきだろう。

 それにしても今展、多くのギャラリーが不参加だ。市民ギャラリー、資料館ギャラリー、テンポラリー・スペース、喫茶法邑、ギャラリー粋ふよう ギャラリー・エッセ 時計台ギャラリー さいとうギャラリー 大通美術館 富士フォト・サロン 道銀らいらっく アートスペース201 北専アイボリー NHKギャラリー ギャラリー・ミヤシタ カフェ・エスキス 石の蔵、・・エトセトラ・・・書くのが面倒だ。そして、これらもチラシのアート・マップに入れて欲しかった。入れるぐらいは各ギャラリーも許可してくれるだろう。

 逆に参加したギャラリーを見るとそれなりの偏りを思う。当展運営の大きな柱の一つがCAI02だ。はっきり言えばここが好きな所が大半だ。もちろん、そんなことに関係なく参加したギャラリーもある。札幌は大きな街だが、所詮地方だ。社会関係の濃淡、好き嫌いがあるのは当然だ。「それはそれ、美術は美術」として、大きく緩やか輪が生まれたらと思う。

 今展の企画感想が長くなってしまった。


 さて、バスセンター前・駅からギャラリー単位で載せていきます。個別作品やそれらの感想は限りなく後回しです。そのギャラリーの参加特徴を簡単に書いていきます。



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     ↑:「犬養ギャラリー」。

 堀成美とジャマニの2作家をセレクトして出展。
 明るくて、「ギャラリー屋さんの始まり始まり」と、呼びかけているみたいで微笑ましく気持ちが良い。
 実は、僕は犬養ギャラリーにクレージーを期待している。だから、今展の二人セレクトも当館らしいが、もっと暗くてオタクな「イカレ系」を見たかった。



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     ↑:「アートマン・ギャラリー」。


 東京の長谷川リョー、小樽の平塚ケイ素、二人のライブ・ペイント作品。

 一番元気の良いスペースだ。全部がこれでは道行く人も疲れるかもしれない。逆に元気が出るという通行人もいるだろう。いや、それを信じてハチャメチャ系は公共空間で露出度を高めなければならない。「ならない」と思う、「must」で元気虫を振りまいて欲しい。



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     ↑:「サロン・コジカ」。


 武田浩志といその けいの2作家セレクト展。いその けいは、丁度今展の開始時期に、当館で個展を開いていた。そのギャラリーでのホット感覚を、そのまま地下歩道に持ってきたのだろう。
 困ったのが武田浩志だ。昔も彼の展示をこの場所で見たことがある。かなりのスペースだった。そのときもそうだが、目立たない。う~ん、こういう空間での「目立つ」ことが彼の課題として浮き彫りになる。
 それにしても、このスペースは「ギャラリー・コジカ」のネーミング・セールスになっている。



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     ↑:「ハナアグラ」。


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     ↑:(上掲の部分写真。)


 「ハナアグラ」とは、4丁目プラザを中心にして道内作家作品の展示販売店。今展は、店舗で扱っている作家達の作品展という形式。全体の当展占有面積は今展では一番かもしれない。
 見る方としては顔見せ展のようなもので、結果的にはインパクトが弱くなった。「セレクトなんてできませ~ん。皆なすきで~す」ということか。



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     ↑:「ギャラリーたぴお」。


 自己紹介文に、「当館の本来の姿は抽象絵画・立体です」としっかりと明記している。当館オーナー所属の北海道抽象派作家協会の同人や当館スタッフをセレクトしての出展。
 スッキリして気持ちが良い。抽象絵画とデザインとは、何て仲がいいのだろう。



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     ↑:「ト・オン・カフェ」。


 小池大介という一人の若手写真家だけの紹介。この徹した態度は素晴らしい。
 写真作品は自然賛歌、人間礼讃のハッピーなものだ。北海道的被写体は公共空間にあまりに合い過ぎて、実に素直なブースだ。



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     ↑:「スカイホール」。


 文房具店ということで、若手の紹介。そこで選ばれたのが道展U21の学生達。
 佐藤菜摘が見える。彼女の個展がこの火曜日から道銀らいらっくで開かれる。本編に掲載できるでしょう。



 以下、②に続く

by sakaidoori | 2013-03-10 15:43 |  500m美術館 | Comments(2)
2012年 12月 04日

1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金

  

The Wall Street Diary


by NADEBATA INSTANT PARTY
中崎透 山城大督 野田智子
   




 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年12月1日(土)~1月25日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:30~22:00(照明点灯時間)
      (最終日は、~17:00まで)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(12.1)


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 感心してしまった。500mという長さを、一つのテンポ、一つのリズムで延々と表現している。16日間という日記仕立てで、日々の移ろいを、何を訴えるでもなく、ここをじっくり見たというのでもなく、「北国・札幌」を強調するでもなく、淡々と、まさしく空気のような一人語りが続いている。その執着しない姿勢に感心してしまった。執着はしないが、500mも表現し続けたことにも感心してしまった。表現された内容よりも、「空気人間」のような、「無味乾燥風な」、フンワカした感性と歩みながら自然に交流したこと、そこが今展で注目したことだった。


 「一人語り」と書いたが、3人のユニットによるものだ。「日々の移ろい」と書いたが、彼らは今展制作のために札幌に来た。いわゆる、滞在制作型作家活動であり、制作過程そのものが作品であり、作品完了した時が「札幌よ、サヨウナラ」だ。

 百聞は一見に如かず、始まりを載せよう。作品の始まりは日記の始まりでもあり、全ての流れはこの繰り返しだ。


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 最後に方眼紙のような紙が3枚、それぞれの文章か?やはり日記風のメモ書きが添えられて「一日」が終わる。

 その青いメモ紙、最終日のものを載せます。


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     ↑:(11月30日・金より。)




 その翌日は



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 その翌日は


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 ・・・・


 無音無窓の空間で、これらの作品をこういう風にして見ても面白くないであろう。しかし、ここは地下鉄に絡んでの通りすがりだ。札幌人が気ぜわしく歩む通路で、その歩む人のペースに合わせて、何とかして自然に振り向いてもらおう、「僕等の空気感を伝えよう」とするものだ。展示内容で通行人に波風を立たせることを意図してはいない。いや、始めっからそんな意図は持っていない。自然な装いとしての美術展示、でも目を止めたならば、無味乾燥の歩みの中でも何かが沈殿するだろう、そのことを信じている集団なのだろう。

 展示の多くの写真には、確かに「空気感」はある。その感性は現代若者らしさなのだろう。だが、「これが札幌の空気や地場」だ、「これが僕等の触れた札幌だ」と思うと、正直寂しさもある。個性のない風景ばかりだ。興奮冷めやらぬ場もあるだろう、と指摘したい。だがだがだが、他者の目というものは存外正直なものだ。こうして選び抜かれた彼らの風景、それはやはり札幌なのだ。とりたてて空気の淀むような、胸騒ぎするような、あらぬ磁場を発する場ではないのであろう。

 そして、普段着のようにしてあちこちを旅するのだろう。日常に昨日までとはチョット違った、ささやかな関係性をまき、密やかな足跡を残して去っていくのだろう、この3人ユニットは。


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     ↑:(作家の中崎透と山城大督。どちらがどちらだか聞き忘れてしまった。すいません。



 長い会場だ。エンドレスな繰り返しという感はあるが、①で終わるのは惜しい。②では写真等、メイン作品を紹介したいと思います。
 やや遅れて②に続く



 

by sakaidoori | 2012-12-04 17:16 |  500m美術館 | Comments(0)
2012年 10月 17日

1831)④「日常の冒険 -日本の若手作家たち(石倉美萌菜の場合) vol.3」 500m 終了5月12日(土)~7月27日(金)

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○ vol.3 日常の冒険 

  ー日本の若手作家たちー
 


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 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年5月12日(土)~7月27日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:00~22:30(照明点灯時間?)



 参加作家:
 今村遼佑(京都府生) 今村育子(札幌市生) 山本聖子(京都府生) 進藤冬華(札幌市) 西田卓司(札幌市) 藤倉翼(北広島市) 田中巧起(栃木県) 石倉美萌菜(札幌市) 狩野哲朗(仙台市) 鈴木悠哉(福島県福島市) 清治拓真(新潟)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.31)

 11名の作品展。
 1783)①、1786②番の続き。(以下、敬称は省略させて頂きます。)


石倉美萌菜の場合


 現在、CAI02で石倉美萌菜個展が開かれている。彼女特有の勢いは影をひそめている。無手勝流の手法は相変わらずだが、何とも物足りない。が、今の彼女の心境を見るには良い機会かもしれない。
 その個展を語るつもりだが、その前に既に終わった企画グループ展のでの作品紹介を先にします。
 (今展は既に終了しました。現在の500m美術館は過剰をテーマにした展覧会です。)


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     ↑:「(無題)」・2012年3月~ 50×1100㎝ スチレンボード 新聞紙 コピー用紙 アクリル絵具ほか。


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     ↑:(3月11日 63.4㎏。)


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     ↑:(3月18日 63.2㎏。)


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     ↑:(4月22日 60.0㎏。)


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     ↑:(5月5日 59.4㎏)


 昨年の震災関係の新聞切り抜きをベタベタと貼り、震災以降の作家の体重を棒グラフにしている。肌着スタイルの横向き人物像も適当に配して、見た目の単調さをカバーしている。何より絵画作品らしくなった。日々の食事メニューなどのメモもある、作品の味付けだ。
 震災という非日常、それを伝える新聞の日常、それらとは関係なく進む体重という日常、それらは交差することなく、それでも「交させたい」という意志、だが積極的意志をひとまずは棚上げにした作品だ。

 良い作品だと思う。単純で分かりやすいのが良い。新聞のベタベタ貼りなどぞんざいだが、事件に」対する未消化な作家自身をストレートに表現していて好ましい。怒るでもなく、祈るでもなく・・・そういう知的な石倉美萌菜を感じる。

 が、妄想、破廉恥、男欲しいの石倉美萌菜がこれでは寂しい。今展の会場は札幌市公認の地下空間だ。得意のくだらない精神、妄想丼で発表するのを意図的に避けたと思った。そういう計算打開態度は宜しくない。もっともっと「石倉美萌菜」らしい作品を期待してしまった。それにしても、場によって極端に表現を替えるほど彼女は器用なのだろうか?そもそも妄想雰囲気の無いのはどうしたことか?震災という事件が官能を麻痺させてしまったのだろうか?


 以上が会場で思ったことだ。
 CAI02の石倉美萌菜個展で彼女に会えた。その辺を聞いてみたら、「妄想が出てこなくなったんですよ・・」とのことだ。実際、今の個展は「私は将来何かを表現者としてするだろう。間違いなくしたい。でも、何をしたらいいのだろう?遊び心はあるんだが・・・とりあえず適当に並べちゃおう・・・今の自分を控えめにみせてもいいのかな・・・」そんな個展だ。あまりに日常の世界にいる石倉美萌菜だ。昔と違い画家の容姿は可愛く綺麗になった、反面、表現にワイルド感が薄れた。これも一つの青春なのだろう。


 (項を改めて、現在の石倉美萌菜・個展風景にいきます。)

by sakaidoori | 2012-10-17 15:12 |  500m美術館 | Comments(0)
2012年 09月 29日

1813) ①「Excessive! 過剰化する表現 vol.4」 500m美術館 8月4日(土)~11月2日(金)

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Excessive! 
過剰化する表現 
                vol.4



 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年8月4日(土)~11月2日(金)  
 休み:無し(年中無休)
f0126829_1842691.jpg 時間:7:00~22:30(照明点灯時間?)

 【参加作家】
 タムラサトル ダム・ダン・ライ 古賀和子 three 村上知亜砂 
 石川潤 小鷹拓朗 斉藤幹男 菊地和広 小川豊 前田麦
 森迫暁夫 高橋靖子
・・・以上、13名


ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.13)






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     ↑:(地下鉄バスセンター前改札口近くからの風景。)



 実に楽しんだ。自分好みの展覧会に出会うと、会場の誰かに声をかけたくなる。通りすがり人も思わず顔を向けている。ついつい誰ということもなく話しかけた。

 こういう公共空間の通りすがり展はとにかく目立つことが大事で、その為にはシンプルなのがいい。シンプルで目立つといえばデザインということになる。過剰という個的肉声の爆発と、デザインという不特定多数への情報発信、なぜかしら両者は「現代美術」というくくりにマッチしている。そのマッチングの良さが今展でも証明されていると思った。なぜ両者の親和性が良いのか?僕なりにその文章化ができればいいが、宿題にしておこう。


 できれば全員集合の全員紹介といきたい。おそらく無理だろう。とにかく始めよう。


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     ↑:three、「Tokyo Excess」、2012年 しょうゆ刺し 水 インク 木材 FRP 1,200㎝×190㎝×65㎝。

 まずは今展一のお気に入りから。
 おびただしい数のしょうゆ差しが、七色に色付いて綺麗におとなしく爆発している。溢れんばかりの過剰な精神を綺麗に見せているところが憎い。
 当然、近代文明への批判はある。だが、この全否定しないしなやかさには感心しまくった。ショー・ウインドーに収まって、優しき群れの絡み合いのようだ。「溢れる精神と群衆、それでも私達は離れられない。過剰なる物質とは豊かさの証だ。これを否定できるのか・・・」と、ピンク異星人達が念じている。

 以下彼らの乱舞を載せます。


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     ↑:タムラサトル、「スピンクロコダイル 他」・2012年 ウレタン 鉄 モーター ゴム 他。


 実物大のようなオモチャ・ワニだ。それぞれが回っている。


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 「なぜワニが回っているのかではなく、ただワニが回っているだけなのです」と、作家は語る。あー、そうなのだ。ただ回って、止まって、また回って・・・それをアホズラして僕は見ている。肛門がプクッと開いてお尻笑いをしてしまった。ただただワニが回っている。何が悲しくてか、タムラサトルはワニたちを回している。回るということが人の琴線に触れるのか?ワニの表情に心が揺れるのか?オモチャのような色に昔が偲ばれるのか?終わり無き回転美術、静かで哀しくもある。


 ②に」続く

by sakaidoori | 2012-09-29 05:49 |  500m美術館 | Comments(0)
2012年 06月 23日

1800)③「日常の冒険 -日本の若手作家たち-(山本聖子の場合) vol.3」 500m美術館 5月12日(土)~7月27日(金)

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○ vol.3 日常の冒険 

  ー日本の若手作家たちー
 


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 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年5月12日(土)~7月27日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:00~22:30(照明点灯時間?)



 参加作家:
 今村遼佑(京都府生) 今村育子(札幌市生) 山本聖子(京都府生) 進藤冬華(札幌市) 西田卓司(札幌市) 藤倉翼(北広島市) 田中巧起(栃木県) 石倉美萌菜(札幌市) 狩野哲朗(仙台市) 鈴木悠哉(福島県福島市) 清治拓真(新潟)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.31)

 11名の作品展。
 1783)①、1786)② の続き。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

○ 山本聖子の場合

 作品は2群。


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     ↑:①「向こう側の厚みについて」・2012年 塩化ビニールシート ボール ガラス 糸 他。


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     ↑:②「空白な場所」・2010年 物件広告間取り図 ラミネート。 


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 この二つの作品が同じ作家とは驚きだ。
 確かに共通点はある。囲われた世界での安定感、透き通るような空気感、どこまでが自分でどこまでが他人かは明快なのだが、なんとなく納得しがたい、そんな所在なさと存在感を両立させている。だが、それは「同じ作家」と指摘された時の言葉であって、両作品に注ぐエネルギーの違いには驚かされる。

 ①は何となくそこに置いてみて、本当にそこにあるのかを確認しているみたい。素材は透明感があれば何でもいいみたい。「存在と感覚」をテーマにしている。

 ②はプラモデル組み立て部品の余り物を、近未来都市空間のようにおびただしく繋いでいる。淡々とした作業だが、実に膨大なエネルギーだ。だが、過剰なエネルギーの発散を意図していない。自分が確認したいことが、たまたま過剰になっただけだ、と作家は応えるかもしれない。
 常日頃、何十㎞も走っているマラソン・ランナーに「毎日毎日凄い練習量ですね!!」と人は賞賛する。しかし、彼はニコリともせずに、「ただ走っているだけでが・・・」と、戸惑う。『何を驚くのだろう?ただ走っているだけなのに。昨日も走った、今日も走った、明日も走る、ただそれだけなのに。苦しいか?ランナーに感情を聞いてどうするの?』彼は世間にサービス精神の無さにはすまないと思っているが、ただそれだけのことだ。

 僕は山本聖子を喜怒哀楽の乏しいランナーに喩えた。もしかしたら逆かもしれない。激しい気性の持ち主が、その気性のままでは何も見えないと悟って、淡々と振る舞っているのかもしれない。
 前回の今村育子にとっては、閉じた空間は前提であった。そこで「自分とは何か」を試みていた。自分と自分自身との会話の場であった。
 今回の山本聖子は、閉ざされた空間そのものを問うている。「そこはいったい私にとって何なのか」を自問している。存在を見つめる人・山本聖子と綽名(あだな)しよう。

by sakaidoori | 2012-06-23 00:05 |  500m美術館 | Comments(0)
2012年 06月 05日

1786)②「日常の冒険 -日本の若手作家たち-(今村育子の場合) vol.3」 500m美術館 5月12日(土)~7月27日(金)

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○ vol.3 日常の冒険 

  ー日本の若手作家たちー
 


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 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年5月12日(土)~7月27日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:00~22:30(照明点灯時間?)



 参加作家:
 今村遼佑(京都府生) 今村育子(札幌市生) 山本聖子(京都府生) 進藤冬華(札幌市) 西田卓司(札幌市) 藤倉翼(北広島市) 田中巧起(栃木県) 石倉美萌菜(札幌市) 狩野哲朗(仙台市) 鈴木悠哉(福島県福島市) 清治拓真(新潟)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.31)

 11名の作品展。
 1783)①の続き。(以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:  今村育子「窓の外、あるいは中」・2012年 サイズ可変 カーテン ライト 他


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 札幌在住?の今村育子。「チラリズムの人・今村育子」と呼んでいる。
 「見せる、見せない、見たい、見たくない」、そんな風に見る人に誘いかける人だ。見る人の心にスイッチを入れたい、それで見る人と空間を共有しながら、何かで結ばれたい。そういうインスタレーションを得意としていた。
 最近は「自分」に拘っている。自分と自分とで会話をしている。遊び心が消えたから、他者へのサービス精神としてのチラリズムも消えた。他人の目が入る隙間がなくなった。

 今作も自己確認のような作品だ。「可愛く灯る今村育子の部屋」として楽しめればいいのだが、そんな感じはしない。ここには十重二十重に防御壁がある。ガラス張りの密閉空間は絶対に他者は入り込めない。チラリズムとは縁切れだ。その中のカーテンは、皮膚のようにして自己と他者を分別している。その向こうに、目に見えない作家の心のドアを感じる。明かりは他者との交流ではないだろう。「私はここにいる。私はここにいる」と言っているのだろう。ナルシズムにも墜ちれない。チラリズムという交流の窓も閉ざす。明かりとしてそこにいる。明かりになりきれる強情さはある。今はそういう時期なのだろう。

 「強情」といえば、昨年の芸森でのグループ展を思い出す。
 暗くて広い空間だった。その中で時計の針のようにして大きな振り子が左右に振れていた。そこは仕切られた空間で、彼女のためだけに与えられた空間だ。そこに振り子があるだけだ。振り子とは言っても電動ということもあり、一定のスピードで左右に振れているだけだ。この「一定のスピード」が恐ろしく僕の記憶に刺さりこんだ。それは振り子という自画像だ。無テンポ、無リズムの機械仕掛けに「強情な今村育子」を見た。「私を見ろ。私はどこにも行かない、逃げたりはしない、私はしっかり脈打っている、生きている。私を見ろ、見て下さい」

 今回は「振り子」ではなく「明かり」だ。自己存在をアピールしている。不安でもあるのか?わからない。自信の反映とも思えないが、地金の強い人なのは間違いない。
 明かりやカーテンの持つやさしさも良い。できれば、かつての遊び心も加わって欲しい。



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 ③に続く。

by sakaidoori | 2012-06-05 22:33 |  500m美術館 | Comments(0)