栄通記

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カテゴリ:新さっぽろg.( 8 )


2016年 05月 14日

2522)「上田健太郎の自分世界展」 新さっぽろg. 終了/5月4日(水)~5月9日(月)   

上田健太郎
   自分世界展



 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
      デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
     電話・花田(090)9439-7921

 会期:2016年5月4日(水)~5月9日(月)
 休み:
 時間:10:00~19:00   

ーーーーーーーーーーーーーー(5.7)


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 2年前に当会場で初個展だった。その時は確か「厚別」がテーマで、「厚別の名所旧蹟、健太郎お気に入りの場所」、みたいな事をイラストで楽しく発表していた。

 ただ、「楽しく」と書いたが、初個展でもあり、また「厚別の名所」に拘りすぎて・・・だいたい、世間様一般が『凄い!』というような地点が厚別にあるとは思えない。だから郷土愛とか、マニアックな個人の思い入れに着目するのだが、残念ながら少し控えめな感じがした。

 「前回、楽しく描いたつもりだったが・・・う~ん、イマイチ突っ込みが足りなかったか!」と、本人が思ったかどうかは知らないが、「前回を越える、もっともっと自分らしく」というリベンジ展だと思う。だからだと思う、タイトルが「自分世界展」だ。「厚別なんて、そんな小さな枠では納まらないぞ~」という意気込みだ。


 今回、色も豊富になった。人物もアップで作品が大きく見えた。ブラックユーモアありで、いろんなアプローチを試みていた。
 一見ニギニギしく楽しそうなんだが、意外に動きを感じなかった。おそらく、絵の中に三角関係とか、激しい2項対立とかがなくて、静かに場面が構成しているからだろう。


 次の2作品はジョークがきつくて好きなタイトルなんだが、批判精神が旺盛になると、色調がおとなしくなる。もったいないと思う。ジョークを仕草だけでなく、色でも遊べば華やかになるのに。

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   ↑:左側、「宝(国宝)の山」
右側、「共存歓迎」。




 次の2点は本展の代表作かもしれない。


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   ↑:左側、「近頃の六六魚(ろくろくぎゃ)変じて九九鱗(くくりん)」。
   ↑:右側、「漆黒の向こう側」。



 抜群の色出しで、イラストの画題としての楽しみを越えて、青という色の魅力で作品を立ち上げている。「青に浸る自分だけの世界」だ。こうなると作品の中にいろんな要素は不必要だ。

 こういう作品が、自然に出てくる上田健太郎ワールドだろう。一点を見つめる、しんみりと作品の世界に沈み込む、一人夢に耽る。しかも輪郭線はまろやか。小さな世界で、ふくよかに包み込んでいく。男の一人遊びだ。

 しかし、この青い世界だけでは「遊び心」は満たされない。男の理性や知性も騒ぐ。しかも、上田健太郎は真面目な人だから、その遊び心も前頭葉(思考)に捕まってしまい、試行錯誤しては自由さが怪しくなる、200%の伸びに達しない。


 一点を見つめる人だ。そこからシンメトリーという調和と安定感の中で世界が広がる。
 だんだんでてきた健太郎ワールドだった。次は、もっともっとの健太郎節だ。



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   ↑:左側、「縄文のビーナス現る」。
   ↑:右側、「土偶菩薩」。





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   ↑:左側、「桜金魚の季節」。
   ↑:「ただ、包むだけ」。

by sakaidoori | 2016-05-14 19:01 | 新さっぽろg. | Comments(0)
2013年 09月 30日

2234)②「漆山豊展」 新さっぽろ 9月25日(水)~9月30日(月)

  


漆山豊 



 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
      デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
     電話・花田(090)9439-7921

 会期:2013年9月25日(水)~9月30日(月)
 休み:
 時間:10:00~19:00 

※ オープニング追悼コンサート ⇒ 初日 18:30~ 草舞弦  


ーーーーーーーーーーーーーー(9.29)


 2233)①の続き。



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 僕には「最後の晩餐、その後」に見えて仕方がなかった。

 真ん中に座る主人公、周りの白装束の男達は、先を進む子供達に戸惑い、主人公に何やら相談したそうな風景だ。
 画家は、こんな絵を描く人ではないだろう。サインも異常に大きいと指摘していた。見えざるものが見えたのだろう。想像で描くには具体的だ。何を画家は伝えたいのだろう?




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 これも不思議な絵だ。日本にない白壁がモチーフにみえる。
 画家は「白」に異常なものを発見したのだろうか?



 展示は綠の世界へと続きます。植物と綠の晩年と言ってもいいのでしょう。静かに見ていくことにしましょう。


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 DMに使われた作品。2008年作です。”08.2.10”のサインがあります。



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 2012年作。”012.7.6”のサインがあります。



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 綠が続きますが、白も特徴的です。こうして続けて白を見ていると、老境の心理を宿しているのかもしれない。





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 絶筆です。どこかゆとりのある幻想画です。ゆとりはあどけなさにも通じ、ふんわりとした不思議さにも包まれている。
 綠を主体にして、光と黄色、白い建物・・・樹木越しの風景です。理想郷でしょうか?

by sakaidoori | 2013-09-30 07:00 | 新さっぽろg. | Comments(4)
2013年 09月 29日

2233)①「漆山豊展」 新さっぽろ 9月25日(水)~9月30日(月)

  


漆山豊 



 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
      デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
     電話・花田(090)9439-7921

 会期:2013年9月25日(水)~9月30日(月)
 休み:
 時間:10:00~19:00 

※ オープニング追悼コンサート ⇒ 初日 18:30~ 草舞弦  


ーーーーーーーーーーーーーー(9.29)


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 今年の6月に亡くなられた漆山豊さんの追悼展です。82歳とのことです。

 画歴の長い画家です。そして表現手段も絵画だけでは納まらないと聞いています。そういうベテラン作家の追悼展では、作品の選定が大変だったとお思います。
 それに、私自身がそれほど氏に関して詳しくはありません。ある時期にギャラリーたぴおのグループ展で親しんだだけです。

 今展の紹介は氏を偲んでという意味もありますが、近作中心の作品展として充分に楽しめます。年配作家の間では、相応に知られた作家だとは思います。最近は発表する機会も少なく、若い方にとっては無名の画家に近いかもしれない。
 一部の方以外は、氏の最近の画風を知らないことでしょう。しっかりと絵を描かれておられたのです。明言はできませんが、最近作およびこの7、8年の作品が中心です。「画家・漆山豊」の最近の絵画を見る機会にして下さい。


 以下、まず纏まった形で全作品を載せます。若干の説明を記しますが、間違いがあるかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。
 また、ほとんどの作品には制作年を画いていません。タイトルもです。

 間違いなく、今後も「漆山豊遺作展」は開かれると思います。その時にはより説明できればと思います。




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 右側のポートレートがご本人です。

 続く3点はかなり古い作品です。

 次の横長の作品が絶筆です。

 一番左はいつ頃かは不明です。なぜあるかといえば、この建築的な世界が漆山豊氏の基本だからでしょう。僕は氏の生業をしりませんが、建築に関係していたかもしれません。




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 直線を主体にした抽象画群。
 この頃の作品は僕もギャラリーたぴおで親しんでいます。ですから、7、8年以前でしょうか?「漆山豊」といえば、僕にとってはこういう世界です。構築的で、線の緊張感と鋭さ、それでいてリズミカルで愛おしい色です。小品としては抜群のできとして見ていました。



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 花の作品で飾っています。晩年は花を描くことが多かったとのことです。




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 建築的な緊張感のある生命体から、身の回りの生き物へ眼差しを向け始めたのでしょう。




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 しかし、花の後のこの白い緊張感!後で全作大きく載せます。特に、真ん中の人物群は作家にとっては異色でしょう。人を描くだけでも珍しい。遺族の方が、作品の由来を語っていましたが、鬼気迫る作家の体験(幻覚?妄想?)が隠れているようです。




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 概ね晩年の作品群でしょう。やはり無機物から植物へと転換しています。




 気になる作品を個別紹介します。展示順に進んでいきます。但し、絶筆は最後にします。


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 幾つの時の作品でしょうか。20代?30代?ロマンチックな瑞々しい作品です。男性画家ならば一度は描きたくなる世界でしょう。若かりし頃の記念碑です。
 こういう作品はいつ見ても飽きることはない。



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 「こういう絵を描く作家は何を求めているのだろう?」
 「もしお話しする機会があるならば、どんな言葉から切り出したらいいのだろう?」
 ・・・
 そんなことを考えて絵を見ていた。この緊張感とリズムが好きだった。それに色が綺麗だ。



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 もし、「一点だけ持ち帰って良いよ」と言われたら、迷わずどちらかを選ぶ。
 果物がこぼれ落ちているから、樹木、あるいは生命樹として描かれたのだろう。そういうシルエットだ。
 が、この形のおおらかさ、ボリューム感は優しく人を包み込む。そして、中は線描で丁寧に丁寧に、それでいて尽きることなき執念で樹を覆っている。「それは葉っぱの集合だよ」というかもしれない。それだけではないではないか!優しくはあるが生命への執念執着を自己規制している姿だ。画家は建築美を愛していた人だ。常に冷静な目が過剰な精神を押さえようとしている。普段は冷静な目も、腕の自由さを楽しんでいるのだろう。



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 白き幻想画だ。下の方の「赤」は何なのだ!幻想を切り裂く現実か?



 長くなってしまいました。

 ②に続く。

by sakaidoori | 2013-09-29 23:39 | 新さっぽろg. | Comments(0)
2013年 05月 02日

2037)「ミュージアム スタンプ展 ~ドクターコン コレクション~」 新さっぽろg. 5月1日(水)~5月13日(月)



  
ミュージアム スタンプ展 

    ~ドクターコン コレクション~
   


 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
       デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
    電話・花田(090)9439-7921

 会期:2013年5月1日(水)~5月13日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00 

ーーーーーーーーーーーーーー(5.2)


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 とにかくスタンプだらけだ。歩きも歩いたり、集めも集めたり、道内ミュージアムのスタンプが322点のそろい踏みだ。

 どんなスタンプがあるか、その一部を見て下さい。



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 (まったく、女子高校生は元気が良いというか、向こう見ずというか、おっちゃんこスタイルでの鑑賞?だ。)



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 ざっと、こんな感じでスタンプが並んでいる。
 ドクター コンこと、三上右近氏のコレクションだ。氏のプロフィールは--

       1964年 北海道北見市生まれ
       1988年 よりミュージアム巡りを始める。


 僕もそれなりに郷土館や資料館に行っているが、今展の何割位を見ただろう?三上氏に拍手喝采、天晴れ賞を献じたい。

 実は、三上氏とは顔なじみで、以前にこれらのコレクションの一部を見たことがある。その時には道外のスタンプもあり、大学ノートにペタペタと押してあった。今展のように綺麗にレイアウトされてはいず、大学ノートも手垢で色付いた感じで、苦労して「ペタッ」と押しているムードが伝わってきたものだった。
 今展のあることも、かなり以前から聞いていた。だから、初めて見る驚きは僕にはない。僕自身も博物館愛好家?だから、ブログを見て頂く方に、「博物館、こんな楽しみもあるますよ」という気持ちでの掲載だ。
 それに、博物館には行ったことがなくても、ここで地元のミュージアムのスタンプを見るのも楽しいものです。郷土愛というか・・・。


 ところで、皆さんがコレクターだっら、どんな意匠で展示しますか?
 今回の三上氏は、なんらミュージアムの説明もなく、スタンプの物語もなく、地域別に淡々と並べている。図柄による類別や、今は使用されていないスタンプ、既に無くなったかもしれないミュージアムなど、あえて深く触れようとはしない。全ては見る方まかせだ。こちらが夢を膨らませてくれるのを願っているみたいだ。

 さて、今後の蒐集はどうなるのだろう?地域の拡がりという意味でならば、道外のミュージアム・スタンプ蒐集だろう。海外だってある。
 脚を運ぶのには限界がある。同好の士からのコピーは?まさに博物館ではないが、スタンプ史研究もあるだろう。研究といえば図柄の探求、ミュージアムそのものの・・・あー、研究研究と厭になっちゃう。厭にならないのが好事家だ。どういう方面に幅を拡げていかれるのだろう?第2弾、第3弾の展示を楽しみにしよう。



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 →:(会場で流れている映像シーン。
    北海道開拓記念館常設展の様子。)

by sakaidoori | 2013-05-02 22:49 | 新さっぽろg. | Comments(1)
2012年 05月 02日

1727)「町嶋真寿・個展 『Line -思考線-』」 新さっぽろ 終了・4月18日(水)~4月30日(月)

  
○ 町嶋真寿・個展 

    『Line -思考線-』
 


 会場:新さっぽろギャラリー
    厚別区厚別中央2条5丁目6-3
     デュオ2・5階
    (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
     地下鉄&JR新札幌駅と直結)
    電話・花田(090)9439-7921

 会期:2012年4月18日(水)~4月30日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00 

ーーーーーーーーーーーーーー(4.30)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

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 北海道教育大学金属造形を卒業して、まだ間もない。彼女の個展は見たことはないので、どんな風にまとめるかが気になった。


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 初個展だった。「まとめる」という意味では、「線」というコンセプトで、光に手伝ってもらい、しんみりヒンヤリ気分の空間に行儀よくまとまっていた。だが、町嶋真寿は動物を題材にした誇張美も得意としているし、エネルギッシュな面とボリューム感を見たかった。知的さが災いして、少し会場構成にとらわれすぎたようだ。それに、「鉄」で大きく見せること自体が若い作家には物理的に大変だ。


 作品構成は動物をイメージした立体作品群と、線と光の壁面美学という2面構成。


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 こういう作品が10個ぐらいあって、それらを包むようにして線との饗宴が演出できたらと、夢見た。そんな中で、単なる羅列陳列を越えて、ムラムラするものが生まれたら最高だ。あくまでもメインは立体造形のイメージ喚起力だ。その時を楽しみにしよう。


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 作家は象嵌に拘る。それも首輪の紐のような線だ。それは女性だからか。どこか」ジュエリー的なものを立体の中で遊ばせたいのだろう。僕は武骨派だから、たくましい立体物にお洒落さが初めは馴染めなかった。ようやく近頃は美学の一つとして見れるようになった。


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f0126829_10224293.jpg 線路のレールだ。
 思うに、この感覚でこの部屋の大半が埋まればと思った。そういう意味では、今後の有力な試作品だ。

 当ギャラリーの建物には鉄路の駅舎がある。「札幌副都心、新札幌駅」だ。「フクトシン」、大いに期待されたものだ。官主導の都市作りだったのだが、残念ながら期待倒れに終わった。「終わった」といえば関係者は怒るだろう。だが、それが事実だ。線路としては旭川行きの路線がないことが致命的だった。建物もデュオ1・デュオ2が中心なのだが、なんとも迷路みたいで大失敗作だろう。地下鉄、科学館、スーパー、専門店、駐車場と、距離にしてはすこぶる至近距離だが、なぜだか最短距離で行くのは至難だ。よかれと思った図面屋さんの絵に描いた餅になった。おそらく、日本人の近代感覚の弱さが露呈したのだろう。こういう街作りには、我々は下手なのだ。


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 象嵌が好きだから、線として独立した鉄作品を作りたいのだろう。


 最後になったが、じつは次のの作品を見れたのが最大の収穫だった。古代遺物の模造品だから、オリジナル性には欠ける。だが、こういう遺物を再生できるのが作家なのだろう。



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 作品は「稲荷山古墳(埼玉県行田市埼玉古墳群の一つ。墳丘120mの前方後円墳。)」出土の鉄剣の表側。左側の水色地の鉄剣が実物写真。昭和43年の発掘調査で鉄剣は出土し、昭和53年に保存処理のためのクリーニングで表面から金線が露出し、急遽X線調査で文字が発見されたという記念すべきき銘文だ。作品名は「変わるもの、残るもの」・2012年制作。
 ともに象嵌による金地の文字が鮮やかだ。

 鉄剣の表裏に刻まれた115文字の金象嵌文、古代史解明の資料として大いに利用されている。これだけの文字数だから、いろんな方面からアプローチ可能だ。特に「いつの鉄剣か?」ということでは、鉄剣冒頭の「辛亥年七月記」が歴史学者を驚喜させている。それと、裏面に記された「ワカタケル(獲加多支鹵)大王」が更に更に涙ものだ。多くの研究者は辛亥の歳を「471年」とし、ワカタケル大王を日本書紀の「雄略天皇」と比定している。万葉集は雄略天皇の歌から始まる。要するに、とても大事な天皇と言うことだ。

 ということで、町嶋・鉄剣をパソコン上ですがご堪能下さい。ちなみに、何と書いてあるかを記しておきます。


  (表面)  辛亥年七月中記 乎獲居(ヲワケ)臣 上祖名意富比垝(オホビコ) 其児多加利足尼(タカリのスクネ) 其児名弖已加利獲居(テヨカリワケ) 其児名多加披次獲居(タカハシワケ) 其児名多沙鬼獲居(タサキワケ) 其児名半弖比(ハテヒ)


 オワケの臣の上祖から六代の名が記されている。裏側にはさらに先祖の名前が続き、オワケは上祖オホビコから八代目に当たる。上祖「オオビコ」は「大彦」で、立派な男という尊称だから、実在は疑わしいだろう。
 後代の歴史上の人物とし蝦夷「アテルイ」が有名だ。何だか素人目にも似た感じの自称群だ。同じ東日本人として、名の付け方に類縁があるのかもしれない。

by sakaidoori | 2012-05-02 13:25 | 新さっぽろg. | Comments(0)
2011年 04月 24日

1511) 「NUKILLIZO 沼霧蔵・個展」・新さっぽろ 4月20日(水)~5月2日(月)

○ NUKILLIZO 沼霧蔵・個展 


 会場:新さっぽろギャラリー
    厚別区厚別中央2条5丁目6-3
     デュオ2・5階
    (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
     地下鉄&JR新札幌駅と直結)
    電話・花田(090)9439-7921

 会期:2011年4月20日(水)~5月2日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00 

ーーーーーーーーーーーーーー(4.23)

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 エスカレーター前のギャラリーは目立つ。黒くて何が何やら分からないムードが目の前に突然現れて、通行人の足を誘っていた。
 
 ドロッピング、マーブリング、箸を筆先にしてのドローイングにより、黒地に人体や顔が湧き出るように描かれている。
 主に顔を中心にして画かれている。画面上部をよく見ると、オドロオドロした雰囲気の顔が見える。

 実は、今作はアトリエを借りての公開制作で出来上がったものばかりだ。今展直前、九日間を借り切って、寝食制作三昧の日々であった。公開制作最終日に、その様子を見た。場所はイベント・スペースATTICKだ。百聞は一見に如かず、その様子も近々掲載する予定だ。


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 なかなかの迫力だ。今展の代表作だろう。一枚一枚を見るのもよし、左2枚、右4枚の組でも見れよう、あるいは6枚全体でもいい。例えば「ヌキリゾー版、風神雷神図」として。もっとも、今展のテーマは「閻魔」だ。
 閻魔、地獄の支配者だ。闇夜の象徴として、目に見えぬ力の源泉として、絵画の中で大きく振る舞っている。
 大きく成長したヌキリゾーだ。成長過程の「閻魔・ヌキリゾー」でもある。
 その年齢、技法等々は制作現場で推し量ることができるでしょう。乞うご期待!!


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 舞踏家・紅月鴉海を画いたもの。ライブ制作最終日に、その舞踏家が作品を横にして演じた。作品は2枚ずつ表現されていて、右側から「這う、立つ、歩く、地に戻る」というイメージだ。まさしく舞踏家は暗闇の中で床に寝そべり、乳房も露わに這い回っていた。アングラ舞踏であった。


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by sakaidoori | 2011-04-24 21:28 | 新さっぽろg. | Comments(0)
2010年 02月 07日

1186) 新さっぽろ 「亀井由利・習作展」 2月3日(水)~2月8 日(月)


○ 亀井由利・習作展

 会場:新さっぽろギャラリー
    厚別区厚別中央2条5丁目6-3
     デュオ2・5階
    (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
     地下鉄&JR新札幌駅と直結)
    電話・花田(090)9439-7921

 会期:2010年2月3日(水)~2月8 日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00

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 新道展・会員の亀井由利さんのデッサン展です。タイトルは習作展ですが、展示構成の主体は鉛筆や木炭によるデッサンです。

 いままで描き貯めていたデッサンの展示と思い込み、量が少ないので少しガッカリ。その辺を確認したところ、最近の作品のみで展示構成したとのこと。今展に限らず、発表は近作主体とのことです。。発表頻度の高い画家です。「今」を見せる、見せたい作家なのです。4月にも絵画主体の個展をされるとのことです。やる気満々です。

 デッサンの小品中心なので、会場風景も静かに見えます。もっとも、静かに見える原因の一つに、作家の現在の心境が反映しているようにも見えます。無理をせず、しっかり「今」と向き合っているのかもしれません。

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 会場は非常に開放的で明るいのですが、カメラは愚かにも壁面を暗く撮ってしまいたがります。以下、沈鬱な暗さが立ちこめる会場風景ですが、頭の中で明るく再構成して下さい。

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 展示の山は幾つかありますが、腕を描いている4枚並びの壁面が一番印象に残ります。以下、その4点。

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     ↑:左から、鉛筆・木炭。

 木炭の作品は獣の手のようになってしまいました。これもカメラ目のひとつです。この「獣手」、思わず自分の手でポーズをとりたくなる。角度が実際とは不自然で、それでいて生きて動きそうなのです。その辺を自分の手で確認したくなるのです。
 左の「白い手」、嘘のないのがこの作品の良き嘘さ加減です。「真っ白な小さな手をいつまでも眺めている。かわりばえしない手、それでもいつまでも眺めている。いつまで眺めれるのか?いつまでも眺めていたい」そんな亀井ポエムが聞こえてきそうです。

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     ↑:左から、「裸婦」・木炭。「少女」・水彩。

 亀井由利さんの少女心の反映でしょう。もちろん、自画像と理解したくなります。理想、願望、それでも私はいる、ということでしょうか?


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     ↑:鉛筆。

 今展は静かに作家の現況と親しむには良い個展です。一方で、作品会場全体に覇気が少ない。対象に迫る意気込みには欠けています。そういう意味では「習作」展という言葉はピッタリです。それは画家の絵心の後退ではない。鉛筆デッサンという技法は絵に比べれば大人しい。その大人しさを利用した、作家の「今」を正直に出してみたのでしょう。
 上の作品、正直に言って、派手さや油彩の亀井らしさが乏しいから面白みには欠ける。
 鉛筆画だから、かなりの集中心で描き上げたはずだ。だが、強い「対象」を描いてはいない。モデルの「若さ・健康美」を描いている感じ。ひたすら皮膚に集中して、リアルに健康美・画家にとっての一つの理想を描いているのかもしれない。明日に向かっての強い心づもりです。

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     ↑:「宝貝」・淡彩。

 女です。素直な女です。こういうのを必ずみせる、それが亀井個展でしょう。


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     ↑:「カモメ」。

 「亀井・カモメ」です。丸く太り気味の形、「亀井・フォルム」です。今展一のしっかりした目線です。前のめりの二本足の立ち姿、人間・鳥です。

 
 

by sakaidoori | 2010-02-07 10:54 | 新さっぽろg. | Comments(0)
2009年 12月 18日

1134) 新さっぽろ 「風の彩・本田滋個展 ≪二十歳の厚別・空見る街≫」 終了・12月2日(水)~12月7 日(月)

○ 風の彩・本田滋個展
   ≪二十歳の厚別・空見る街≫


 会場:新さっぽろギャラリー
    厚別区厚別中央2条5丁目6-3
     デュオ2・5階
    (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
     地下鉄&JR新札幌駅と直結)
    電話・花田(090)9439-7921

 会期:2009年12月2日(水)~12月7 日(月)
 休み:火曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00

ーーーーーーーーーーーー(12・5)

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 当館は今年オープンした新しいギャラリーだ。
 デュオ2の5階の広い渡り廊下を間仕切りしての空間。エスカレーターで5階に昇ったら目の前にある。エレベーターで行っても直ぐにみつかるのだが、いくつもエレベーターがあるのでチョッと見つけづらいかもしれない。その時は食堂街でもある5階を一周すれば簡単に見つかる。

 新札幌のビルディングは生まれた時から、全体像がつかみにくいので有名だ。建築士が知識のあらん限りを尽くして設計して、「これぞ最高!機能的に良くできた!」と自慢したかもしれない。実際は、行きたい所にはなかなか行けないという、お粗末な結果になった。

 そんな不便な場所だが、当館が新名所として市民に親しめる場になればと思っていいる。
 僕も今回で5度目だ。我が家からも自転車で行ける。慣れれば簡単で、気分は僕のテリトリーだ。


 初紹介のギャラリーですから、部屋の全部を載せます。
 (以下、敬称は省略。)

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 ここは明るくて清潔な開放感が最大の特徴です。
 簡易なパーテーションによる壁面。壁というよりも組み換え自由で風通しの良い境界線といった感じだ。境界無きギャラリー、だからいつも玄関は開きっぱなし。


 そこに、「本田滋、厚別・新札幌に見参!」といったムードで、サッソウと登場だ。


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     ↑:「副都心展望」・S60。

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     ↑:「風の彩」・2009年 S60。


 上は今展の目玉の大作。2点ともS60。
 「副都心展望」というよりも、「副都心炎上」だ。
 「風の彩」というよりも、「爆発する色ビルディング」といった感じ。なんとも元気が良い、凄まじい。細かいところは問わない。新札幌の、厚別の魅力を見つめよう、と激しく迫ってくる。


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     ↑:左から、「ホテルの見える路」、「夢のせて」・ともにS6。

 スピード感豊に厚別の街を表現している。


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     ↑:左、「出納邸 (雪印バター酪農 海外より導入)」。右、「雪印バター生誕地」・共にS8。


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     ↑:「テクノロード」・S8。


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     ↑:左、「ロコブリッジ」。右、「スクランブルロード」・共に S8。


 崩壊せんばかりの大作の炎上、本田滋のやる気満々の厚別への取り組みだ。僕は氏よりも厚別の近くに住んでいるのに、その情熱にたじろいでしまう。

 たじろいでばかりはいられない。
 いつもと同じようでいて、いつもとは一味違うスクエアーの小品をじっくり見た。

 上段は対象を大きく捉えている。本田好みの建物の傾きは、存在感と動きの表現だ。真ん中にビシッとどっしりとしている。時の重みも加えたいのだ。

 下段の風景画、見慣れない氏の構図法だ。
 氏の作品は元気さや勢いが特徴だ、ユーモラスでもある。だが、それらは対象を大きく生き生き表現すること、絵の中で「生きている」という訴えでもある。積み木のように組み建てられた「風景」の一つ一つが、どうしたら存在たりうるか?どうしたら絵の中でひとりでに動き出すか?そういうことを追求していると思う。小品群は、それらの追求の痕跡でもあるだろう。

 初めて聞く地名や建物もある。
 僕は札幌の歴史に関心があるのだが、身近な厚別のことをあまりに知らな過ぎたようだ。訪ねる楽しみが増えた「本田滋・厚別展」だった。
 

by sakaidoori | 2009-12-18 22:34 | 新さっぽろg. | Comments(0)