栄通記

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カテゴリ:アートスペース201( 79 )


2013年 02月 17日

1931)「札幌国際情報高等学校 美術部展」 アートスペース201 終了1月10日(木)~1月15日(火)

札幌国際情報高等学校

   美術部展
  


 会場:アートスペース201 
    南2条西1丁目7・山口中央ビル5階
    (東西に走る道路の南側。)
    電話(011)251-1418

 会期:2013年1月10日(木)~1月15日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(1.12)


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 新年早々、いつも楽しみにしている。遅い紹介だが、仕方がない。お付き合いください。

 受付の高校生二人の話が聞けた。その二人から始めます。



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          ↑:2年 安藤沙希・油彩。


 本人は線描画が大好きとのことだ。同じ受付をしていた仲間が、その作品を見せれなくて残念がっていた。僕も線描画が大好きだ。本当にもったいないことである。

 今作は4枚目の油彩とのこと。
 説明文から・・・。自分の気持ちを正直に表現することにこだわった。だが、「素直さ」は「子供心」であり、でも、今の自分は「子供のまま」でいられない・・・。そんなゆれる自分を表現しているのだろう。だから硬い顔の表情になったのだろう。
 ところで、この作品が道展U21に出されていた。今作と同じはずだが、随分と目立って見えた。その時の作品を載せます。


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 特に賞は頂いていなかったが、輝き目立っていた。髪や新幹線に、パラパラっと味の素のようにしてキラキラ点描を散りばめている。焦点を際立たせて、華やかにしたかったのだろう。そして、点描が好きとのことだから、テンテンテンと自分の得意とする腕運びを重ねたのだろう。「絵画」の進化、変化を楽しませてもらった。


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          ↑:2年 坂本舞、「ひととき」・日本画。


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          ↑:2年 坂本舞、「My own」・油彩。


 単純に「上手い」としか言い様がない。困ったことに、二つの作品とも、「描きたくて描きたくて仕方がなかった」という作品ではない。上の日本画は、指導の顧問が日本画を専門とするので、勉強の一環として描いたものだ。下の作品も、「手の習作」のようなことを語っていた。(下の油彩画は、道展U21で読売新聞北海道支社賞受賞。)
 見せ方がしっかりしていて、器用と言うか、才たけていると言うべきか、頼もしい学生だ。
 絵は好きだし、得意という自覚はあるだろう。絵に対する向学心、向上心。研究心も人一倍強いだろう。実際、努力していると思う。それは良いのだが、やはり、「これを描きたかった」という強い姿勢も見たかった。そして、いつかは「なぜ描きたいのか?」、「描くということはどういうことか?」「絵画って何だろう?」、そんな終わりのない疑問がでてくるだろう。既にこれだけ描ける人だ。進学後は、そういう制作以前の果てしなき課題にも取り組んで欲しい。そして、「描きたいテーマ」を模索して欲しい。
 それはともかく、来年も作品を楽しみにしています。



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          ↑:3年 横田葵、「Cold Stone」。


 色んなものを並べている店の様子と、女性像と、背中のガラスがセールス・ポイントのようだ。
 丁寧に綺麗に描こうという気持ちが強すぎて、食べ物自体の魅力を伝えれなかった。店の中の色という絵のの様子は素晴らしいが、店に入りたい女の子心が今ひとつだった。食べ物自体に迫るには遠慮があったみたいだ。何でもかんでもかいてやろうと欲張ったみたいだ。上手くそつなく描けれるから、全体の構図という「絵画」に走ったみたい。「絵にかいたモチ」ではないが、絵なのにしゃぶりつきたいの、絵なのにガラスの美しさに惹かれたの・・・、いえ、いろんな物を愛して格闘して本物らしく見せる横田葵さん、その画家の姿勢についつい入り込んでしまったの・・・そういう面も出てきたらと思った。



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          ↑:2年 上野雅人、「寂しさの中で見つけた」。


 道展U21、「STV賞」。
 渋く明るく不思議さ一杯の作品だ。上手すぎるからコンパクトになり、表面の表情に目が行き過ぎて、不可思議さが減ったのが残念なところ。でも、それは将来の問題にしておこう。

 ところで、この作品にはいろんなメッセージを読むことができる。全体の空気や存在感。水たまりの波のうねる世界。その水たまりの光り輝く中心点の白い穴の世界。誰もいないということ。寂しさとか、希望とか、思い出とか、情念の世界。いろんなことが垣間見える。僕自身は波の模様が人間の営みのように見えて、儚いようでしっかりしているようで、そういう黒の縞模様が今は気に入っている。



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          ↑:1年 野尻悠介、「雨の夜」。


 道展U21、「北海道知事賞」。

 まったく困った絵を描くものだ。しかも1年生だ。
 間違いなく何かを描いているのだが、何を描いているのかがわからいのが良い。雨の滴れだよ、ボックスかで輝く灯りの行進だよ、暗い世界に明かりが灯っている、闇と光の表現だ、しかも、強烈な画家の視線を感じる。一体何を描いているのだろう?
 僕は雨のような「流れ」に魅入った。青春が凝縮しているようだ。
 不思議不思議、気になる野尻悠介君の眼差しであった。


 
 それにしても、どの作品も素晴らしい。今年は特に良い。具象表現に、色の華やかさにますます磨きがかかった。だから、もっと載せたいが時間がない。もしかしたら②に続くということで。


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by sakaidoori | 2013-02-17 23:33 | アートスペース201 | Comments(0)
2012年 03月 07日

1648)①「札幌学院大学・写真部 卒業記念写真展 2012」アートスペース201 終了・3月1日(木)~3月6日(火)


○ 札幌学院大学・総合芸術会写真部 

    卒業記念写真展 2012
     


 会場:アートスペース201 5階全室 
      中央区南2条西1丁目7
       山口中央ビル 6階ABC室
      (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2012年3月1日(木)~3月6日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~16:00まで)
             
 
 【参加学生】
 飛内祐樹 橋本葵 平塚まみ 黒坂仁 酒井駿 佐々木聖里子 

ーーーーーーーーーーーーーー(3.3)

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     ↑:(A室。)


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     ↑:(B室。)


 ワンフロアー2部屋を使っての卒業写真展。

 大きめの写真サイズで見やすく、数も多く、一所懸命に丁寧に展示している。好感のもてる写真展だ。
 6人の参加だが、個人別に一塊にしていない。僕の場合、発表者事に感情移入をしながら見ているので、少々見づらい。際だった個性の違いがあれば別だが、学生の写真表現は微差を最大の特徴にしているので、その微差の意味合いが分かりにくいからだ。ただ、発表者事の展示は、頭を悩ませる必要がない。展示する側にとっては面白味が少ないだろう。
 となると、それなりの個性が露わで、ランダムな展示によっても個性は損なわれず、しかも全体でも個を離れた写真表現にする、それがこの手の理想なのだろう。

 さて、微差を楽しむとは言ったが、今展の場合は出品数も多く、見慣れれば個人差はある程度明瞭だ。
 会場では4人の学生との会話ができた。以下、彼らを中心にして簡単な報告記です。


 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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 以上、飛内佑樹
 一目で分かるように、ヨーロッパの建築群だ。建物が好きな撮影者だ。
 二つの事を思った。
 一つは、その歴史的建築写真は力も入っていて、いかにも「僕は建物が好きだ!アー、この石造り建築物、永遠永久に世界に君臨する姿、大好きだ」という気持ちはしっかり伝わる。おそらく、いろんな写真集で見慣れていた建築物を目の当たりにして、撮りまくった事だろう。それは良い。もし、被写体の紹介集ならば合格だろう。一方で、僕らはこういう写真をプロのカメラマンの目を通して随分と見ている。だから、こういう写真群で個性の発揮となると難しい。今作も、撮影者の記憶にすり込まれた「写真群」を再生している感じはぬぐえない。それはそれで学生だから構わない。まさに卒業展だ。

 一つは、あまり「人」を撮るのを得手にしてないと僕は判断した。写真群には全体のリズムを保つ意味を含めて「人の入った写真」もある。たまたまの点景もあれば、情緒表現にもなりそうな「人入り写真」もある。僕はこの姿勢に違和感を覚えた。
 飛内佑樹という学生は建物だけに興味のある人だと判断した。要するに「人」はいらないのだ。ならば、中途半端に叙情を醸し出すような人物被写体はいらないと思う。好きなものを、それだけを徹底的に人に見せる、この一本気な精神が、「オレにとって建物とは何なのだ?」という自覚に繋がると思う。
 写真とは、「自己の情感・思想」と、「被写体の存在力」とのかねあいだと思っている。その両者のバロメーターのどの辺に位置するか、によって個性が定まると思っている。その自覚・自意識を深める為にも発表の徹底心が大事なのと思っている。



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 以上、酒井駿。まだまだ彼の作品は多くあった。

 酒井駿は凄く頑張っている。多くのテーマを散りばめ、大きく沢山発表している。「モー、写真が好きで好きでたまらない、被写体?何でも良いんだ。何でも撮っちゃうぞー」そういう姿勢が伝わる。
 聞けば、写真を始めて2年ほどだ。熱烈猛烈に写真を撮りまくった2年の軌跡展だった。
 こういう人が、「写真部」という恵まれた環境から離れる事は、本人にとっては残念なことだろう。卒業、それは自由な暗室からの離脱でもある。今は恋人体験よりも暗室体験の人かもしれない。

 だが、人はいつまでも学生ではおれない。社会人になったら、自分にあった写真環境を作って欲しい。そして、撮り続けて、良い機会を見つけては「発表」して欲しい。いつの日か、テーマを絞ってドドーンと見せて欲しい。その時には中味を多く語ろう。


 思いの外長くなりました。簡単に②に続きます。

by sakaidoori | 2012-03-07 00:04 | アートスペース201 | Comments(0)
2012年 03月 07日

1649)②「札幌学院大学・写真部 卒業記念写真展 2012」アートスペース201 終了・3月1日(木)~3月6日(火)


○ 札幌学院大学・総合芸術会写真部 

    卒業記念写真展 2012
     


 会場:アートスペース201 5階全室 
      中央区南2条西1丁目7
       山口中央ビル 6階ABC室
      (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2012年3月1日(木)~3月6日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~16:00まで)
             
 
 【参加学生】
 飛内祐樹 橋本葵 平塚まみ 黒坂仁 酒井駿 佐々木聖里子 

ーーーーーーーーーーーーーー(3.3)

 (①の続き)

○ 橋本葵の場合。


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          ↑:「結局ふたりはからっぽだったね」。


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          ↑:「もうすぐ待ち合わせ」。


 物語作家だ。確かにおセンチで女の子らしい、あどけなく可愛いい。ですが、これだけ徹底されるとまいってしまう。一種のナルシズムの世界なのだが、誰でもが持つ甘ったるい思い出に浸りきってしまいそうだ。薄目のモノトーンがいじらしい。
 流れは甘く酸っぱい恋の味で注意を惹くが、肝心の写真構成も悪くはない。特に、切り刻みの構成作品は妄想像が妄想へと膨らむ。
 部分部分に着目して、想像力を膨らませるタイプのようだ。その部分を愛玩物のようにこねくりまわし、皮をなめるように優しく愛する人なのだろう。「男子の本懐」からは遠く、男性諸君にはマネの出来ない持ち味だ。


 ○ 平塚まみの場合。


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     ↑:「あめの軌跡」。


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     ↑:「ありふれた明かり」。


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     ↑:「smile」。

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 素直に被写体を見、半歩近づき、内側に取り込んで、膨らましている感覚。ちょっと大きな気分になる。優しく強く見ようとしているが、もっと黒に魅力がでれば、その膨らむ感覚が拡がる気がする。もう少し強い色合いの方が、撮影者の直向きな目が引き出されるのではと思った。


○ 佐々木聖里子の場合


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      ↑:「ハレルヤ」。

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     ↑:「京」。


 脇を締めてコンパクトにピシッ、と撮るタイプのようだ。接写や望遠や変な角度からは撮らない。真っ直ぐな物を真っ直ぐに向き合って撮る、そんな人に思えた。
 それにしても、桜の連作は明るく楽しい。撮影者の正面心が、桜の花の可憐さとマッチしている。乙女心が青空で開花しているよう。



○ 黒坂仁の場合

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     ↑:「楽器 on Japan」。


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 強い黒だ。楽器を撮る事によって、写真で作曲しようとしている。アクセントの聞いた、にぎにぎしさ一杯、それでいて調和のとれた音楽だ。
 強い主張の作品ぐんでもある。明快な意志力がこの作品の魅力だろう。


 どの作品も、自分の今を表現していて面白かった。撮影者の顔なり、心根を楽しむ事ができた。卒業後も、何らかの形で「他人に見せる」作品づくりです。是非是非。

by sakaidoori | 2012-03-07 00:00 | アートスペース201 | Comments(0)
2011年 05月 29日

1575)②「MADE IN HOKKAIDO 2011 『北海道から世界へ!』」 アートスペース2 5月26日(木)~5月31日(火)

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○ HIGH PRIDE ANIMAL presents.

  MADE IN HOKKAIDO
           2011

   北海道から世界へ!
      


 会場:アートスペース201 
      中央区南2条西1丁目7
       山口中央ビル 6階ABC室
      (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2011年5月26日(木)~5月31日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
             
 
 【参加作家】
 多数。

ーーーーーーーーーーーーーー(5.27)

 1574番①の続き。


立体作品の部屋


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          ↑:竹中良尚


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 くるみを輪切りにして卵形に作ったもの。「クルミ割りロクロ」といった感じだ。
 これまた、ピース作品同様に何かの賞を上げたい。遠目には、ただぶら下げられているだけで自己主張していない。近づけば近づくほどにビックリしてしまう。アフリカン・アートみたいで非日本的な見た目だが、細やかさ器用さは日本人だ。。
 作品は興味深いのだが、グループ展で見せるとなると難しい。何よりも目立たない。しかししかし、根気よくマイペースで続けて欲しいものだ。


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          ↑:こうた


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 いや~、この下がり物は最高だ。
 宙に浮いている仕草が実にはまっている。パッチワークの色づかいも上手い。縁取りのはみ出しが、人形をいっそう生き生きさせて、小憎らしい技だ。夢膨らむボリューム感でもある。飛んで跳ねてくるくる回って、すっとんきょうの「こうた・ワールド」だ。
 そして、この「こうた」、てっきり男性かと思ったら女性です。よかった。こういうのを作れる男性も、ついに現れたかと困っていたところだ。ちょっとボーイッシュに「コウタ」と呼ばれたい呼びたい、やんちゃな女性かな?


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          ↑:ウリュウ ユウキ


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 ご存じ、旅する撮影者・ウリュウ ユウキ。

 スナップ写真のぶら下げいいのだが、中を歩けるぐらいの簡単な回廊にして欲しかった。倍くらい増やして、なんとなく「ウリュウ迷路」にして作品を見たかった。少し遠慮気味の展示であった。



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          ↑:コガラ リョウスケ と hapo の合作?


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          ↑:左側から 長谷川史織、?。

by sakaidoori | 2011-05-29 17:09 | アートスペース201 | Comments(0)
2011年 05月 29日

1574)①「MADE IN HOKKAIDO 2011 『北海道から世界へ!』」 アートスペース2 5月26日(木)~5月31日(火)

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○ HIGH PRIDE ANIMAL presents.

  MADE IN HOKKAIDO
           2011

   北海道から世界へ!
      


 会場:アートスペース201 
      中央区南2条西1丁目7
       山口中央ビル 6階ABC室
      (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2011年5月26日(木)~5月31日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
             
 
 【参加作家】
 多数。

ーーーーーーーーーーーーーー(5.27)

 「エゾから北海道から、世界へ発信する」、をコンセプトにした若者のグループ展。志は壮大だ。美術、芸術、アートは誇大広告的表現になりがちで、それはそれとして展覧会を楽しみたい。

 てっきり賑やかで、若者風ハチャメチャ気分になるのかと思ったら、意外にオーソドックスそのもの。しかも、当館6階全部を使うには控えめでもある。これだけの人数での展覧会は初めての経験なのだろう。企画者、参加者を含めて手探りな感じで、そして、「チャンと発表し合おうぜ」と仲間に呼びかけているようで、そういう意味では初々しく、先を楽しみにしたくなる。

 展示は3部屋に別れている。左の部屋は壁面作品、真ん中の部屋は融合展的な空間構成展、右の部屋は立体作品と明快な区分だ。この明快さが展覧会を落ち着いた気分にさせている。真ん中が一番充実していて、おそらく当館の特徴を知っている経験者達だろう。ということは、この部屋に企画作家がいるのだろう。
 左右の部屋の壁面(平面)と立体作品の部屋は顔見せ展のようだ。特に立体の部屋は個々の作品が面白いのに、発表意欲をセーブしていて残念だった。

 見た順番に部屋毎に紹介します。


・ 左側の壁面作品群の部屋

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          ↑:久保芙美子

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 70㎝位の真四角の大きさに、びっしりビーズを埋めての作品。このエネルギーは凄い。今展の努力賞、敢闘賞だ。栄通賞をあげたい。千個単位、いや万個単位のビーズ数だ。
 ただ、今回はビーズでそれなりの大きさの作品を作ることで精一杯のようだ。色合いとか、意匠とか、展示構成までの余裕はなさそう。丁寧でオーソドックスな文様だから初めての大きさなのだろう。久保芙美子の情念なり美意識を展示全体で大らかに大きく取り組んで欲しい。ということは、もっともっと意識的に作らないといけないのだろう。大変だが、大いに期待しよう。


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          ↑:コニシ ダイスケ

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 秀逸な作品だ。大道張りの光サンサンだ。明かりの強さは白昼夢だ。人間社会に低みから高みから進入している。やはり大道張りにこそっと女性も入れて男のロマン臭も漂っている。
 かなりの大きさの作品にして、しかもセレクトされた展示を見たい。今作は、あまりに一点一点が小さすぎた。しかし、この小ささは素晴らしい。力のある証拠だろう。


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          ↑:佐々木ゆか

 未来展にも参加している作家。大作で出せるのが公募展作家の強みだ。
 左側、自画像だろう。パーティーでの顔顔顔なのに、背景色も表情もイマイチ芳しくない。佐々木ゆかの、この暗さに引っかかるものがある。公募展作品が色燦々、明るい笑顔丸出しでは絵にならないのだろう。人間を通して絵の精神性を表現したい時、コミカルな笑顔は邪魔なのだろう。
 しかし、こういうグループ展の場合、日頃の公募展ではできない表情にチャレンジしてはどうなのか?こういうグループ展は公募展的約束や美学を外から見つめる良い機会だと思う。


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          ↑:佐野穏郁

 「目」の前にある狭い世界、そこを見つめるボク・・・。こちらが作品を見て楽しむには材料不足で残念だ。



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     ↑:左側 荒木由聖
       右側 時原美里



・ 真ん中のインスタレーション的空間


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 北海道と言えば広大な大地だろう、このちの大地と言えば、熊だろう、鹿だろう、野生だろう。しかし今は「野生」という言葉は死語かもしれない。それを弔って・・・、そんな感じの展示だ。


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          ↑:佐々木宏通


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          ↑:西川亜由美。

 昨年、某専門学校を卒業された方だと思う。卒業時に仲間とグループ展を開き、その様子を本編にも載させてもらった。こうして会えるとは奇遇でもあり、嬉しいものです。



 予想に反して長くなったので切ります。
 残りの立体作品の部屋は、②として続けて載せます。

by sakaidoori | 2011-05-29 11:21 | アートスペース201 | Comments(0)
2011年 04月 30日

1520) 「Bisen OBの彩展vol.4 ~彩 irodori~」 アートスペース201 終了4月21日(木)~4月26日(火)

 
○ Bisen OBの彩展 vol.4 

    ~彩 irodori
 


 会場:アートスペース201 
      南2条西1丁目7・山口中央ビル5階
      (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2011年4月21日(木)~4月26日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(4.26)

 今年の美専(北海道芸術デザイン専門学校)の卒業展を見た。明るく大きく元気一杯だった。嬉しくなって本編に記した。
 その学校の卒業生展だ。当館6階全室を使っている。その規模の大きさに感心した。
 まず、3室の会場風景から始めます。


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          ↑:(以上、A室。)


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     ↑:(以上、B室。)


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     ↑:(以上、C室。)





 ご覧の通り作品は小振りだが、それは仕方がない。本展の目的は、学校卒業後も好きな絵を描き続けよう、互いに見せ合おう、知らない人にも見てもらおう、そして画こう。そういう画く励みの為の展覧会だからだ。

 訪問した時は最終日で、在校生が沢山いた。賑々しいことはいいことだ。それに、在校生にとっても画く刺激になるだろう。先輩を直に知る、同じ志を持つ年上の人との会話は興奮度が違うだろう。

 さて、今展のテーマは「春・初夏」、21名の参加者だ。
 自分好みを中心に、何人かの紹介になります。部屋に関係なく、ランダムにいきます。


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          ↑:片村早花、「おのまとぴあ」。

 今展一のお気に入り。普通に爽やかで明るい気分になってしまって、還暦近い男性としては少し恥ずかしくもあるのですが、やはりチャンと自分好みを伝えていきたいと思います。
 これは絵日記ですね。一年365枚とはいかないでしょうが、絵週記50枚あれば最高だ。
 「おのまとぴあ」、宮沢賢治の好きな擬声語です。喜びの「アッ」、驚きの「アッ」、哀しみの「アッ」、怒りの「アッ」、心からの「アッ」。静かに「アッ」、大きく「アッ」、優しく「アッ」、心から「アッ」・・・そんな「アッ」と絵との絡み合い、女の子の100葉の心模様があればと思う。


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     ↑:イラストレーション専攻 40期卒 初参加・涌井彩子、(始まる、成長をイメージする)。

 ジグソーパズルに組み込まれた、ちょっと不思議なムード。成長途上の妖艶さを妊んだ、空を見上げる娘心、そんなイメージを抱いた。次回はどんなピースがこの絵に継ぎ足されるのだろう。大きく大きく壁一面に拡がりたい、絵がそう言っているみたいだ。



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     ↑:イラストレーション専攻 39期卒 4回目・まつお あやの

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               ↑:「むれ」。

 輪郭のスッキリさ、色の重なるあでやかさ、そして単色の明快さ、そんな色のハーモニーを楽しみ、ちいさな紙の上のフリーハンドを楽しみ、一つ一つの作品ができていく。
 特に「むれ」が好きだ。ピンク地のツブツブの群れ、ツブツブの小さな窓、春です。


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     ↑:イラストレーション専攻 40期卒 初参加・早坂海治、「Obey daydream In Nil」。

 無意識界を楽しんでいる。


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     ↑:早坂海治

 やはり湧き出るイメージを愉しんでいる。しかしこの胆力、集中力は素晴らしい。粘着的に時間を忘れた没我状態なのだろう。若い描き手ではあるが、絵画に取り組む魅力、怖さ、凄さを垣間見ることができた。


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     ↑:イラストレーション専攻 40期卒 4回目・小林龍一、「」。

 しっかりした描写力によるハッピーな作品だ。この絵がもっと大きかったら、あるいは他の架空の動植物が絵巻物のようにして登場したら凄い迫力だ。この部屋一杯を龍一・ワンダーランドにしたら。



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     ↑:イラストレーション専攻 40期卒 4回目・KOICHI、「Awking」。

 ドーンと旅立ちましょう、ドーンと!



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          ↑:イラストレーション専攻 40期卒 初参加・ スズキ ラン

 満々開の春です。これ以上の幸せはない春です。
 「1987年生まれ、札幌市内デザイン会社勤務、トイカメラにはまってま~す」とのことです。
 次は夏をお願いします。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 この日の風景。

 いつになく早寝をして、いつになく早起きをした。「早起きは三文の得」、など信じたことはない。朝寝坊・サボリマンへの愛のメッセージだろう。以下、三文の得の為の早朝ショット。



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 4:26。近所である東北通りの朝の風景。


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 5:28。日の出。久しぶりの御来光だ。良き日でありますように。

by sakaidoori | 2011-04-30 23:32 | アートスペース201 | Comments(0)
2011年 02月 10日

1456)②「ヒトリヨガリノ2人展 『カフェテリア』」・アートスペース201 終了・2月4日(木)~2月8日(火)

○ ヒトリヨガリノ2人展

     カフェテリア
 


 会場:アートスペース201 
     南2条西1丁目7・山口中央ビル 6階C室
     (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2011年2月4日(木)~2月8日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:22~19:00

◎知北梨沙×舞踏◎ 2月4日(金) 19:22~ ×羽山瞳 
              2月5日(土) 16:22~ 
              2月6日(日) 13:22~ 
              2月8日(火) 19:22~ ×羽山瞳
              
 
 【参加作家】
 チキタリサ 羽山瞳 齋藤ちい(ゲスト)

ーーーーーーーーーーーーーー(2.5)

 (1450①の続き。)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 前回は知北梨沙と齋藤ちいの舞踏を報告した。
 今回は羽山瞳の写真です。



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 羽山瞳は舞台のスタッフとして張り切っていた。
 しかし、写真作品はそんなに張り切っていなかった。悪くはないのだが、良くもない。

 舞台の背景装飾としての写真作品群だ。言葉を添えたり、流れる並べ方に詩情を込めている。実際、写真そのものも心象を風景にオブラートしたような雰囲気だ。だからか、これぞという自慢の一群なり目を惹きつける強さには欠けている。「心象気分の風景世界をそれとなく楽しんで下さい」と、見る人にほほ笑んでいるみたい。それは羽山瞳のサービス精神なのだろう。ほほ笑みを感じるから、こちらも何となくクリスタル気分でフワーッと見てしまう。本当に微笑みあってまた合いましょうという展示目的ならば大成功だ。

 僕は違うと思う。おびただしい数のスナップ写真だ。自分の部屋を暗室にして焼き付けもしている。単なるサービス精神だけではこうはいかない。とりあえずは数で勝負!それは良い。その後が良くない。被写体に対する距離感が一定で、安心距離に思える。近づいたり遠ざかったり、高みから低みからとフットワークに欠けている。展示は流れているが、作品には動きが乏しい。
 例えば知北梨沙を撮るのに、ググッと迫って唇に指先にと迫ってはいない。羽山瞳好みの朽ちた壁を大きく背景にして、壁と戯れる場を遠くから撮ってはいない。被写体と同姓なのに、何を遠慮しているのだろう?
 風景スナップも一枚一枚は面白いのに、作品群の一枚にしてしまっている。際だって良い一枚が無いのではない。ある作品を際だたせようという努力を避けている。
 彼女自身のサービス精神が仇になって、強く心象を見つめ見せる、強く風景を見つめ見せる、という基本的な努力を避けている。
 舞踏の知北梨沙は舞踏に開眼して「ヒトリヨガリノ舞踏家」を進んでいる。
 ここは一つ、「ヒトリヨガリノ写真家」になろうではないか。次回は大きな作品を見たいです。


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by sakaidoori | 2011-02-10 23:49 | アートスペース201 | Comments(0)
2011年 02月 07日

1450)①「ヒトリヨガリノ2人展 『カフェテリア』」・アートスペース201 2月4日(木)~2月8日(火)

○ ヒトリヨガリノ2人展

     カフェテリア
 


 会場:アートスペース201 
     南2条西1丁目7・山口中央ビル 6階C室
     (東西に走る道路の南側。)
     電話(011)251-1418

 会期:2011年2月4日(木)~2月8日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:22~19:00

◎知北梨沙×舞踏◎ 2月4日(金) 19:22~ ×羽山瞳 
              2月5日(土) 16:22~ 
              2月6日(日) 13:22~ 
              2月8日(火) 19:22~ ×羽山瞳
              
 
 【参加作家】
 チキタリサ 羽山瞳 齋藤ちい(ゲスト)

ーーーーーーーーーーーーーー(2.5)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 今展の最大主旨は知北梨沙主演の舞踏公演だ。その為の会場構成であり、会場構成の一環として羽山瞳の写真展がある。

 初めに会場風景を載せます。公演前から演技者の知北梨沙は舞台をくるくると徘徊して、気分は演技モードだ。そのそぞろ歩き姿も写っています。
 流れで舞踏のコメントを添えていきます。
 最後に羽山・写真紹介とコメントです。


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 お客にコーヒーを注ぐ、そしてしずしずと無言無表情で立ち去っていく。
 白昼夢あるいは夢幻境の世界だ。ほとんど能の世界だ。かぶり物の花冠も浮世離れしている。いい顔隠しだ。非と虚と凶の前触れでもある。

 そして会場照明は消え、本格的に明と暗の光が織りなしていく。


 物語は一人の少女が真昼の健康的な日常の明るさを演じ、その少女のもう一人が夢現の影の世界を演じていく。演じる二人は一人の乙女の表と裏、明と暗、昼と夜。二つの世界は交じり合うことなく交差し、ねじれ合い踊りとして時間が流れていく。自分の狭い世界に満足している。自己耽溺でもある。

 表の健康少女を演じる齋藤ちえは絶好調だ。地の素顔をそのまま舞台で演じているのか、うらやましき素振りだ、笑顔だ。発散型の熱演だ。
 主役のチキタリサは、ポッキリと折れそうな細い体を内に内に引き込む体の使い方で、常に丸く丸くのたうち回る。己の存在にいつも不満な様子で、ひきこもり夢幻境を演じている。


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 互いが互いを知らないはずなのに、なぜか向こうの世界の己の存在に気づいてしまった。気づけばそれは嫉妬の対象以外にはありえない。知るということは独占することだ。独占とは相手を消すことだ。知らない世界で楽しんでいる相手(自分自身)を許すことはできない。嫉妬は憎しみに、憎しみは狂気に、狂気は殺人へと真っ逆さまに堕ちていく。

 残念なのは二人の格闘シーンを真っ暗闇で演じたことだ。激しいドタバタ音は会場にとどろいてはいるのだが、二人の生の格闘シーンを見ることはできない。舞台効果として暗闇演技も悪くはないが、演技修行中の二人だ。ここは是非とも荒れ狂う醜態をさらして欲しかった。当然照明が激しく明滅しているだろう。


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 横たわる二人の乙女・・・エンディングだ。わずか15分だが、良いものを見た。脚本、音楽、衣装、照明と本格的だ。コーヒーにお菓子に投げ銭もさせないという徹底的なサービスであり虚構を築こうという強い意志だ。全ては羽ばたく為の訓練、準備であり土俵作りだ。素晴らしい。


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 齋藤ちい。君の仁王立ちは美しかった。大地に足が食い込んでいた。


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 知北梨沙。昨年の印象は憂いを引きずったシンデレラ・ガールだった。舞踏を目指すという言葉に半信半疑だった。失礼した。丸い内向きの動きに磨きをかけて下さい。次も宜しく!



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 火曜日の午後7時過ぎに最終公演です。


 舞踏記に力を入れ過ぎてしまった。
 羽山瞳の写真記は少し後れて書きます。

 (②に続く。)

by sakaidoori | 2011-02-07 21:51 | アートスペース201 | Comments(0)
2011年 01月 11日

1423)「第2回札幌北陵高等学校美術部校外展」・アートスペース201 1月6日(木)~1月11日(火)


○ 第2回 
  札幌北陵高等学校美術部校外展
 


 会場:アートスペース201 
    南2条西1丁目7・山口中央ビル5階
    (東西に走る道路の南側。)
    電話(011)251-1418

 会期:2011年1月6日(木)~1月11日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~16:30まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(1.9)

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     ↑:(1月9日14:07。創世橋から北の創世川風景。この景色を見ながらアート・スペース201へ。)


           ~~~~~~~~~~


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 昨年に引き続いて2回目の当館での美術部校外展。まだ伝統なり慣習というには早すぎますが、年始めの「気分一新お披露目展」として続けて欲しい。
 そして、隣室は札幌国際情報高校の作品展だ。将来への大いなる野望を抱いた合同展ではないのだが、結果的には楽しき交流展になっている。他の高校、あるいはOB・OG、顧問先生の展覧会などでアートスペース全館が埋まればと思う。無理のないささやかな年始のお祭りになればと思う。同時がダメなら、「1月のアートスペースは高校生美術展」というのはどうだろう。何らかの形で高校関係の作品展が毎週開催だ。


 作品を載せていきます。
 作品は2月の「公募展 道展U21」への出品を予定しています。だから、大半は未完成ということで見て下さい

 その未完成ということを展覧会で上手い具合に利用している。
 作品の横に、キャプションを兼ねて感想を求めている。「この作品をもっと良くするにはどうしたらいいのか。ご意見をお書きください」なかなか面白いアイデアだ。
 それは作品への感想なのだが、作品と同等の展示だからどうしても何を書いているか気になる場合がある。一種の意見交換であり、目に見えぬ作家や鑑賞者同士の交流にもなっている。それに、もぞもぞと壁に向かって何やら書いているのを見るのは楽しいものだ。そんな姿を見ていると、普段は感想などを書かない人までも、読んではついつい書いたりもするかもしれない。
 意見募集以上の事を関係者は期待したかどうか?期待以上の効果、交流展になっていた。


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     ↑:2年・佐々木伽菜、「密集からの始まり」。


 遠くから見ていると、何かがふんわりと降りてきてズンズンと積もり積もっていく感じ。
 下の方の何かには「福」とある。「福袋」を手に入れる為に集まっていることだ。それは絵の説明としては大正解だろう。でも直に福袋を手にする場面を描かなくて、福袋も一緒になって皆なと並んでいるよう。集まり集まり、並び並び、モジョモジョ話し声が聞こえるよう。隣の人は赤の他人なのだが、人が集えば何となく知り合いだ。
 ちょっと不思議な要素があったりして、楽しい絵です。
 2枚一組の作品だと物語がもっと広まりそう。


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     ↑:左側、2年・山田妃美子、「止めて」。

 特大ホッチキスがセールス・ポイント。そこは面白かったが、もっともっと遊べばと思う。膝に載せたホッチキスをリアルに描く事に集中して、背景もぬかりなく一所懸命に描く事に夢中になって、何故ホッチキスだったのかという初心を少し忘れたみたい。
 絵は丁寧に丁寧に描いていて好ましいのだが、その真面目さがカラフルな色の配所や画題の遊び心を生かし切っていないのが残念な感じ。


      ↑:右側、1年・籠田俊、「べらぼうな城」。

 見上げる構図で、雄大さや「べらぼう」というハチャメチャ感を出そうとしているみたい。
 籠田君は構図・視点に満ち足りた感じで、肝心の「城」をべらぼうにすることを忘れたよう。とは言っても、1年生でこれだけ色爛漫で細々描く事は大変だっただろう。でも、褒めてばかり言っても仕方がない。僕はもっともっと「べらぼうな城」が見たかった。べらぼうな心意気から発する、「壮大なべらぼうな城」を。


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          ↑:2年・叶幸代、「仔馬のメルヘン」。

 手前の馬の顔と体の大きさがアンバランスだ、僕はこのアンバランスさが気に入っている。
 叶君のこの馬に寄せる心は二つだ。顔は凛々しく優しく描く事。体はやっぱり馬だもの、大きく力強く描く事。そして絵全体でこの馬をメルヘンの主人公にする事だろう。

 正確無比に対象を画く事は絵ではないだろう。画きたい気持ちを作る事、それを見る人に伝えれたらより良いのだろう。
 意図的に叶君はアンバランスには描いていないだろう。だが、しっかりと気持ちを伝えていると思う。
 馬、可愛くて大きくて強いものだ。そんな馬だった。


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     ↑:左側、1年・鈴木理乃、「sigh」。

 共に顔が大きくて似たような色合いだから、同じ人の絵と錯覚した。別々の学生の作品。

 基本的にこういう顔を強調したり誇張された絵は好きですね。
 「sigh」=ため息。表情が良く描けてると思う。
 こういう意味深のタイトルの場合は背景なり小道具が微妙な意味で存在するのだが、「顔」一点に集約しての作品だ。場面全体が皮膚色で、顔の表情の生っぽさを強調している。少し一本調子な感じだが、顔を見つめる鈴木君の気持ちは好調だ。


     ↑:右側、1年・加藤有香、「無心の少女」。

 ちょっと不気味なシュールさと意味不明な所が好きだ。「背景?ええい、面倒くさい、黒だ!」と思ったかどうかは知らないが、この潔さが良い。
 太腿露わな人は誰だろう?お母さん?何を愛玩するように、その人を見つめているのだろう?その秘密を黒が守ってくれているようだ。


 以下、作品だけ載せます。

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     ↑:左側、1年・小原ゆめ、「しろくろ」。
      右側、2年・笈田夕貴、「ミドリガメと紅葉」。


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     ↑:2年・森脇早紀、「気休め」。

 そうさ、人生は気休めさ。それも良いではないか、ネェ、森脇君。
 難しいテーマだから、絵としてはまだまだだが、ちょっと気になる余韻の残る絵。


 3年生は進学準備の為に、出品はしているのですが、気分は賛助的参加です。


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     ↑:左側、3年・宇田川菜実、「へその緒」。
     ↑:右側、3年・桑原拓也、「Give Me Freedom」

 共にかなり好きな作品ですが、感想は割愛です。とくに「へその緒」は良い。絡まる世界からの「自立」を表現している。


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          ↑:3年・梅川綾、「夏の小道」。

 普通にしっかり「景色」を見つめている。普通にしっかり絵にしている。



              ~~~~~~~~~~~~~


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     ↑:(市街地の風景。よく雪が降ったものだ。綺麗な街だ。)


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     ↑:(大通公園。雪祭りの準備中。足場だけが組み立てれていて、まだ雪は搬入されていない。雪不足との情報だったが、連日の大雪で解消されたのか?)

by sakaidoori | 2011-01-11 00:32 | アートスペース201 | Comments(2)
2011年 01月 10日

1422)①「札幌国際情報高等学校 美術部展」・アートスペース201 1月6日(木)~1月11日(火)


○ 札幌国際情報高等学校

   美術部展
  


 会場:アートスペース201 
    南2条西1丁目7・山口中央ビル5階
    (東西に走る道路の南側。)
    電話(011)251-1418

 会期:2011年1月6日(木)~1月11日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(1.9)

 2011年、平成23年初めての感想記です。

 2007年にたまたま当美術部の展覧会を見た。そして翌年からこのブログに感想を書いている。いつも会期終了後だったので、今回は頑張って会期中に作品を載せる事にします。後れて②に続きます。

 まずは会場風景から。
 作品は2月に開かれる「公募展 道展U21・展」の為の作品がほとんどです。ですから、未完成の作品ということで楽しんで下さい


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 入って左側。この辺は1年生が中心。静物画などが多くて、まずは基本的な作画姿勢という感じ。

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          ↑:1年・横田葵、「ヴィーナスと花」・油彩。

 生地の質感なり襞模様をを研究中。二つの花びらがお洒落で小粋です。石膏像を楽しく自分好みにアレンジしている。




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          ↑:2年・榎本麻彩、「かなちゃんぎょぎょっ」・油彩。


 ワイルドな赤ちゃんの驚き顔、ピンクの前垂れも大きな大きな妖怪イチゴに見える。対象を大きく捉えるのが得意な学生だ。ザックバランとかではなくて、雪の塊の大きなうねりとか、膨らむ膨らむゴム風船みたいに物の総体(ボディー・体)を把握するタイプのようだ。ワイルド感、膨張感が面白い。そして色は暗めを好むようだ。自己主張の強い絵になりがちで、温和しい女性陣の中で頼もしく感じる。
 ただ、対象の存在感に全神経が行くから、細かく表現したり背景なり余白の処理が苦手なようだ。
 苦手な分野は適当に誤魔化して、得意なことをもっともっと大胆にすればいいのだ。

 ちなみに、赤ちゃんは浮かんでいる無数の哺乳瓶に驚いているとのことです。僕にはお母さんのオッパイが突然6個にもなって、しかも乳首が赤く染められているのを驚いている風に見えた。乳離れ=自立する驚きです。



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          ↑:3年・三上智子、「あしたのビタミン」・油彩。

 画面一杯に手を抜くことなく丁寧に丁寧に描いている。果物達やや背景の世界と作家の距離が近いのでしょう。植物がホントに好きな人だ。優しく果物達の皮膚に触れている。
 あんまり上手だから、ミキサーの普通さにホッとしてしまった。


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 上の4点はどれも一癖二癖と個性があって、実に楽しい。


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          ↑:2年・佐藤友香、「Pray」・油彩。

 少女漫画のヒロインのよう。襞模様を見せますね。そして、ちょっとお茶目な広い背中がチャーム・ポイント。モデルの横顔も満足げにほほ笑んで悦になっている。
 そして、ここは教会です。主人公の一人舞台を引き出させる教会雰囲気、念の入った描き具合です。ある動画なり漫画のシーンが頭に焼き付いていて、その世界にぞっこん惚れすぎて、自分が主人公になったみたい。

 佐藤友香・物語の続編を見たくなった。
 と思ったら、隣の舌出し小娘絵画も同じ学生だった。
 やはり、背景は主人公の物語の舞台であり、やっぱりお茶目なモデル嬢・佐藤友香・君だ。

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          ↑:2年・佐藤友香、「My Dream」・油彩。


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          ↑:3年・泉菜月、「水中炎上」・イラストレーション。

 魚はサンマ(秋刀魚)です。というか、サンマをモデルにした華やかな妖怪世界風。大仰にならずに妖怪国のサンマ標本をつくっているみたい。水彩のボヤケも生かして七変化の色の世界、でも、しっかりと線描もある。学生の懐の広さを感じる絵だ。
 イラスト的だが、しっかりした絵画だと思う。


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          ↑:2年・永岑はるか、「ワンマン建設」・アクリル。

 下地の線描も沢山残っていて明らかに未完成作品なのだ。でも完全具象絵画に拘らなければ、立派な作品だと思う。積み木の辺りを簡単につじつまを合わせた絵にすれば、不思議な絵として通用するのでは。
 何故通用するかといえば、背景の「青」が実に生き生きとしていて、その部分だけでも僕の目を惹きつけるからだ。その青を引き出させるのに、意味不明なに描かれた未完成部分が効果的だからだ。「子供が普通に積み木遊びをしているー変な物が積み木から離れて独り立ちしそうーそれら全部を『青』が夜空の空のように包んでいる。
 特異なムードのある絵だ。


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          ↑:2年・稲田怜菜、「かくれんぼ」・油彩。

 遠くから見たら、煉瓦やランプの部分はしっかりした絵に見えて、青に包まれた部分は写真のように見えて、そのコントラストが不思議不思議です。近寄って青に包まれた塔を見ると、あまりにアッサリとした描き振りに再び不思議不思議。
 ランプの光、青の光具合と「光」を特異とする稲田怜菜・君だ。暖かい光、暖かい黄色だ。


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          ↑:2年・大門夕莉、「Sweet Taste」・油彩。

 感想は②に続く。



 ついつい長くなってしまいました。国際情報高校・美術部ファンだから仕方がない。
 もう少し紹介したいので②に続くというこにします。4,5日先になるかもしれない。



 

by sakaidoori | 2011-01-10 09:35 | アートスペース201 | Comments(0)