栄通記

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カテゴリ:   (大同)( 29 )


2014年 07月 06日

2398)①「北海道版画協会55周年記念展」 大同 7月3日(木)~7月15日(火)

  
北海道版画協会55周年記念展      
  



 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
       南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2014年7月3日(木)~7月15日(火)
 休み:水曜日
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 多数。  

ーーーーーーーーーーーーーー(7.5)


 55回記念展ということで韓国から10名の参加です。そもそも、出品予定者は約40名です。とても細かく紹介できません。この①では、韓国作品のみです。10点もあります。言葉少なく進めていきましょう。


 ざっくばらんな紹介になります。今の韓国版画事情理解に少しでも役立てればと思います。日本との違いも感じたいです。





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   ↑:(韓国作品のある4階の様子。展覧会は3階にもあります。






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 以下、個別作品。




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 対比を楽しんでいるみたい。







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 この作品も、対というか、作品構成を楽しんでいるみたい。






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 激しい色味だ。が、内容の激しさというよりムードの激しさを感じる。







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 シャープな切り口でカッコイイ。






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 写真そのものに見える。技法は「intaglio」。凹版印刷みたいだ。写真を利用した銅版画か?
 技法はともかくとして、モノトーンでのシンプルな表情。機能的な感じと、樹の生命力とが上手く重なっているという印象。


 以上全て写真が重要な位置づけだ。シャープな使いこなしで、都市的雰囲気。都会住まいの現代人に対して、何かのメッセージがあるのだろうか?デザイン的でもある。






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 今展の韓国作品は人間臭さを棚上げにした感じだが、ようやくゴチャゴチャ作品で人間の登場だ。色味が印象的。木によるリトグラフ?







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 エッチングで、「不思議の森」だ。数少ない可愛い作品。僕好みのドローイング密集型だ。その密集の中に何か秘密めいたものがあるかもしれない。







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 ライオンが単に檻の中にいるだけのデザイン状態。軽い遊びなのだろうが、ライオン同様に迫力がない。






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   ↑:(上掲の部分図。)


 版画作品というより、ジャンルを限定しない壁面作品だ。

 ポシェットの「売約済み」シールに見えたが、「希望橋」という標識だった。
 旅なのでしょう。「KIBO」とある。日本の橋でしょう。日本と韓国の架け橋、そのための旅の途中かもしれない?







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 靴が小さい世界に一杯。グルグル回っている、並んでいる。楽しい作品だ。





 以上、「韓国現代版画家協会」作家作品でした。


 全体の印象はというと、写真利用花盛りだ。都会的感性と画題だろうか。
 モノトーンの木版画で、力で押し出す強引な作品を期待した。あいにく無かった。 
 いかにも女性的でバリバリの心象風景もない。同様に、訳のわからない現代美術でもない。
 オーソドックスな正統派なのだろうか?
 


 今展は2週間と長い会期です。15日の火曜日までです。

 後日、②で簡単に日本人作家を掲載します。

 ②に続く

by sakaidoori | 2014-07-06 21:52 | 大同 | Comments(0)
2014年 02月 05日

2339)「New Point vol.11 」 大同 1月16日(木)~1月21日(火)

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New Point vol.11     
  



 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
       南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2014年1月16日(木)~1月21日(火)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 多数。
 (DMを拡大して確認して下さい。)  

ーーーーーーーーーーーーーー(1.21)



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   ↑:故橘井裕、「チェルノブイリからの送りもの (目のないブタ)」(旧作)。




 橘井裕(きつい ゆ)

    1959年 札幌市生まれ
    1984年 金沢美術美術大学・大学院彫刻家修了
    2013年 11月15日 急逝(享年54歳)



 金属造形作家・橘井裕氏が亡くなられた。この会場で初めて知った。
 近年、大作を見る機会がめっきり減っていた。もしかしたら体調不調だったのかもしれない。

 鍋釜などの金属廃品を組み立てて野武士的に、あるいはドン・キ・ホーテ的に「明日に向かって撃つ」、そんな作風だった。随分と泣き笑いをもらった。実直でストレートなユーモア、力強い皮肉精神、我が道を行くという独立独歩行・・・ああ成りたいものだと秘かに念じていた。いつの日か会う機会もあると普通に思っていた。が、訃報にただただ驚くばかりだ。

 もしかなうならば、大作のオン・パレードを広い広い草原の上で見たい。屋外でなければならない。錆びた中華鍋に酒の代わりに羊蹄山の湧き水を注ぐ、満天の青空が良い。それを手向けにしたい。合掌。



 
 本展は多くの作家が参加したグループ展です。以下、会場風景を載せます。故橘井裕氏の作品がある4階から載せます。



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   ↑:(以上、全て4階。)





 次は3階です。若干、個別作品を載せます。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)




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   ↑:髙野理栄子、「Ame」。


 (銅版画でしょう。)
 髙野理恵子が風景を取り込んだ。もちろん実景ではないのだが、抽象気分で世界を徘徊し、何かを構築しよう、高みから眺めよう、イメージが鮮明になれば・・・、そんな作風だったが、たまたまの気分転換か?当分はこれでいくのか?





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   ↑:野村裕之、「絶対に人を殺さないイエローサブマリン -逝ってしまった2人のアーティストへのオマージュ2014-」。



 黄色と良いかたちといい、可愛い潜水艦だ。2人もか・・・。





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   ↑:糸井崇、「無題」。



 現代人と古代人がミックスしたみたいだ。世界は黄色だ。この色は明るさなのか、優しさなのか、無窮の人のありようか。




 

by sakaidoori | 2014-02-05 22:47 | 大同 | Comments(0)
2013年 11月 05日

2290)「第3回 全道展 新鋭展」 大同 10月31日(木)~11月5日(火)

  

  
第3回 全道展 新鋭展    
  



 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
       南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2013年10月31日(木)~11月5日(火)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~16:30まで)

 【参加作家】

ーーーーーーーーーーーーーー(11.3)

 6月に第68回全道展が開かれた。その時の作家の中から選抜された作品展。一般、会友作家のみで、今後の飛躍活躍を期待しての「新鋭展」だ。

 今年の全道展も何回か載せました。もっと載せたかったのですが、相変わらずの中途半端で終わってしまいました。ということで、今展で会員以外の動向が少しは垣間見えるのでは、そんな思いでの報告です。

 4階は絵画のみの展示。その部屋を中心にしての感想記です。3階は立体、版画、工芸などの展示。


 4階の部屋を左回りでぐるっと載せます。


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 地味だな~、見た瞬間の第一印象です。公募本展の賑やかさ華やかさに比べると、実におとなしい。個々の作家は、あり合わせの作品を用意してはいない。しっかりと普段の自分を見せている。それは作品を見ればわかる。それでも、ワクワク感からは遠く、全体が静かに見える。何故だろう?


 お気に入り3点をまずは掲載します。写真説明文の()は出品資格です。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


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   ↑:石本久美子(札幌市)、「画室から」・S100 (会友選抜)。


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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 バリバリの若手作家だと思っていた。作品が発散する実直で強い緊張感、徹底的に精緻に具象スタイルでの臨場感、学生でなければ30歳前後の人と思い込んでいた。
 初めて作家にお会いした。それなりに年配の普通の主婦?であった。モデルは娘さんか?。

 美大を卒業後、30年間はほとんど絵を描かなかったとのことだ。6年前からの再スタート。
 「モノトーンの写真が好きだから、やっぱり絵画も白黒ですね。輪島進一さんもモノトーンですが、あの方は線ですね。私は面なのです。背中を描いています」

 技法の話になった。納得のいくまでキャンバスを白で塗り固める。分厚い白地の上に黒色で人体を描く。間違うと、アウト。重ね塗りでも黒を消せない。緊張感のある白い下地が汚れて、修正不能とのことだ。

 それにしても、その年齢で持続する緊張維持には驚かされる。
 「背中」という言葉にも驚いた。今年の全道展作品は後ろ向きの人物像だった。何かの象徴と思っていたが、明確に背中を描いていたのだ。今作も、ポーズは女性美なりを、やや誇張気味に描いて何かの主張表現と思ったのだが、背中を描くことが目的だったのだ。
 以上、伺った話を中心にしての感想です。この緊張感が何を目指しているのか?今後も気をつけて見続けよう。




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   ↑:小林麻美、「あなたと私の目の前で、無数の今が起伏する」・F20 (佳作賞)。


 久しぶりに本編に登場する小林麻美だ。もっとも、僕のパソコンの壁紙は彼女の今年の全道展出品作品だ。毎日見ているわけだ。ただ、壁紙は作品鑑賞からは遠いということがよく分かった。


 小林麻美ワールド、独特の感覚の持ち主で、その感覚に惚れ込んでいる。だが、画題に肉親が大きく表れ、その存在が強くなり始めた頃から、栄通記への登場が途絶えがちになった。
 僕にとっての小林絵画の魅力は強引な空間表現にあった。彼女の左右の目は斜視ではないが、どこかピントが常人とはズレている感じだ。しかも底なしの強さがある、そこが良い。肉親の情を表現されても、それは画家にとっては必要な行為なのだが、他人である僕にとっては関心外であった。彼女独自の空間感覚は僕の単なる勘違いかと思ったりもした。おそらく、小林時空の中で、画家にとっての大事な人がどんな形で再生できるかを、止むに止まれぬ気持ちで取り組んでいたのだろう。彼女の持っている倫理観みたいなものが、あまりにストレート過ぎで、黙って見ているだけになってしまった。

 
 今作、網膜を描いていた人が、あたかも網(盲)点にギアを入れ替えたみたいだ。新たな空間作りに励んでいる。タイトルが示すように、「時」と「他者との関係性」への拘りを強くしている。長いタイトルは理解してもらいたい作家の我(が)であろう。どこか挑発的な我で、「還ってきた小林麻美」を感じてニンマリした。




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   ↑:西村徳清(羽幌)、「Hejira(逃避行)」・F100 (会友賞)。


 映画のワンシーン、あるいは漫画の一コマみたい。

 黒い背景・・・そこには階段もあるのだが・・・を背にして、リクルート・スタイルの青年が淡々と歩んでいる。背景は暗いはずなのに、壁は青白い。四角四面を明解にして浮き出している。闇空間での明解な青白さは矛盾しているのだが、絵画はそんなことをきにしない。お構いなく淡々と絵画世界を作っていく。

 先に紹介した石本久美子や小林麻美のような強さはない。だからか、物語性が顕著になる。とは言っても青年に感情移入するような世界ではない。全てが淡々とある。「闇」とか「壁」とかの象徴性も希薄だ。浮遊するでもなく、乖離するでもなく淡々と進んでいく。・・・それを「逃避行」と作家は呼ぶ。



 

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   ↑:尾澤和子(旭川)、「還る川(かえるかわ)」・F100 (会友選抜)。



 ユーモラスで面白い絵だ。ただ、ちょっとひ弱な感じだ。構成とか、空間表現とか、空間処理への意識が強すぎるみたいだ。このムードで、あんまり構えなくて、もっと正直に「還る川」にしてもいいと思うんだが。
 ところで、どこが「還る川」なんだろう?地形図を想定しているのだろうか?海岸とか、湾とか、波とか、雲とかを描いているのだろうか?楽しそうな感じの作品なのだが、あんまり楽しんではいけないのだろうか?自信を持ってもっと闊歩したらと思った。




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   ↑:佐藤静子(苫小牧)、「パンタ・レイ」・F100  (会友選抜)。


 
 何を表現しているのかは全く分からないが、形が面白い。何と表現したらいいのだろう。皿のようなものが浮いていて、どこか所在なげで、それでいてカマキリのような変な物体、それは生き物?

 これを書きながら、「パンタ・レイ」の意味を調べる。なんと、「ヘラクレイトスの『万物は流転する』」とある。絵の分かりにくさは楽しみになるのだが、こういう哲学用語を持ってこられると困ってしまう。この作品ならば「無題」のほうが夢が膨らむのに。それでは作家の思想性が見えなくなるのだろう。




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   ↑:竹生洋子(札幌)、「記憶の人」・S100 (新会友)。



 無骨な裸体が赤ちゃんを小脇に抱えている。微笑ましい作品だ。
 人物造形を追求しているのだろう。ピカソのキュビニズムではないが、この裸体像から普通に赤子への泣き笑いを表現しても良いと思うのだが。




 以下、3階の会場風景です。


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   ↑:阿部榮(札幌)、「大気不安定」・110×90×70㎝ (佳作賞・新会友)。

by sakaidoori | 2013-11-05 01:45 | 大同 | Comments(3)
2013年 09月 27日

2229)「書とやきもの仲間展 雅山房書道塾+陶芸教室どろんこB」 大同 終了/9月19日(木)~9月24日(火)



  
書とやきもの仲間展
 

 雅山房書道塾     +
  陶芸教室どろんこB
   
  



 会場:大同ギャラリー 3階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2013年9月19日(木)~9月24日(火)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
  (DMを拡大して確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーー(9.17)


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 ちょっとボケてしまった。書の部分だけでもチャンと見せます。



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   ↑:右から、伊藤伊佐子、田中ツルコ、鶴間和恵、阿部和代



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 書教室と陶芸教室のコラボというか、合同展です。

 書は樋口雅山房教室。
 たまたま雅山房宅と我が家が近いので、書の話をいといろと伺っています。私自身が全く書をしない。純粋に見る人の立場と、書歴の長い達人との屈託のない意見交換です。こちらは書を知らぬが仏の気分で、「書展の面白なさ」の理由を語るわけです。氏は素人の意見として楽しんで聞いてくれています。勉強&刺激の時間です。
 というわけですから、書中心に紹介します。
 そして、「書展の面白なさ」とは言いましたが、今展は楽しかった。
 墨をゆったりと使って、カスレなどの装飾を配している。力技、強引な心象よりも、のびのび気分で、できるだけ筆の自由さと気分が合致したら、という表現です。確かに師匠の画風の影響も見られるが、それは教室展としての許容範囲でしょう。それに、師匠の具体的な書風はともかくとして、教室は意力よりも筆の自由さを追求しています。ですから、各人の求める個性も充分に出ていて興味深い。もちろん、アマチュア集団ですから、物足りなさもあるでしょう。が、侮りがたいですよ。見ていって下さい。



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   ↑:右から、村上一呂子、大平修子、篠原典子、中村省吾




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   ↑:右から、及川健治、千葉政弘、吉田啓子、中谷明男




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   ↑:(全作)樋口雅山房




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   ↑:樋口雅山房、「無」。


 教室展で師匠の作品を褒めるのはどうかと思うが、この作品は氏の後期代表作と呼びたい。
 「無」どころか。「有」そのものだ。坊主的な遊びや諦念とは無縁で、風流文人画の洒落た感覚からも遠い。木訥さと、やる気旺盛さと、大きさがある。風通しが良くて隙がない。「やるっかない」という仁王立ちの宣言書に見えた。齢七十、いよいよこれからだ。




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   ↑:右から、中村省吾、大平修子、岡山裕見子




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 この2点は今展の華でしょう。大きく載せます。

 まず、栄通好みから--。



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   ↑:千葉政弘、「夢」。


 寝ぼけ眼の夢ではない。ゆったりとまろやかな感覚の宇宙、それが書けたら!という夢見る心境だ。
 残念に思うのは、右下の左に下がる線が少しぎこちない。最後の一筆になって力が入ってしまった。いや、力が入るのは良い。その力が筆先の自由にならなかった。
 この少しばかりの堅さも可能性の証だろう。



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   ↑:中谷明男、「天高気清」。


 まさしく、その字の意味するごとく、「天は高く澄み渡り、天を包む万物の気は清きかな」でしょう。
 この字は上手すぎた。綺麗すぎた。
 これだけ書ける人は5枚、10枚と見せないといけない。その結果、少々アラは見えても構わない。例えば資料館ギャラリーで、小なりとも個展をすべきでしょう。額装にお金がかかる?額装無しでしてみましょう。すっぴんの「中谷明男」だ。陶作品を一緒に並べてはいけない。とりあえず、「書」を見せることでしょう。




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 最後に、自分好みのおおらかな字を載せます。



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   ↑:左側、鶴間和恵、「飛驚図写」。


 智永の「千字文」からです。原書は教科書的な実直なものでしょう。
 始まりの「飛」が堅かった。それではイカンと、残りの三文字で大きく美しく決めた。


   ↑:右側、及川健治、「照見五蘊皆空」(般若心経)・隷書。

 鶴間さんとは逆だ。気持ちよく三文字を書いたが、残りが狭まった。止めるわけにはいかないと、それなりに上手く納めた。
 しかし、安定した太さで気持ちよく丸まっている。かなり書いたことだろう。そして、自慢の一作だと思う。

by sakaidoori | 2013-09-27 23:12 | 大同 | Comments(0)
2013年 09月 13日

2203)「浅川茂展 『遠い日々の心象Ⅱ 1984年-2013年』」大同 終了/8月29日(木)~9月3日(火)

  


浅川茂 

遠い日々の心象Ⅱ 1984年-2013年」 

        


 会場:大同ギャラリー 3・4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
       南西角地 。)
    電話(011)241-8223

 会期:2013年8月29日(木)~9月3日(火)
 時間:10:00~18:00
      (最終日は、~17:00まで) 

ーーーーーーーーーーーー(9.3)

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 大地を描くということはこういうことか。ただただ一点を見続けて描き続けている。

 画家は帯広在住だ。同じ道内だが、札幌の画家と何と違うことか。油彩特有の重み深みを追求し、生き様としての大地と、画家としての人生を限りなく重ね合わせている。

 ある意味で古典的世界かもしれない。
 ここにあるのは「大地-自己」だけだ。他人の関係するところではない。
 確かに画家は、より良い絵画を求めて修行僧のように研鑽し、絵画仲間(彼にとっては修行同士か!)もいるだろう。各種公募団体に参加している。そういう仲間や、他人の評価は気になるだろう。だからといって立つ基盤に変わりはない。大地あるのみ、風土あるのみ。時の流れに身を任せつつも、あえて絵画の中で時空を止める強引さ、瞬間への自己埋没。そして絵画としての時の流れ。
 明治以来の日本独自に発展した日本洋画の姿がある。強き情念の発露、それは同時に個我のロマンでありポエムとしての絵画だ。

 この信念に心震える。それは見る自分自身への問いかけでもある。「私はこれで良いのか・・・、信念はやはり必要か・・・」。
 よそう。彼と私とは人生が違うのだから。私は彼を知りはしない。ただ、礼賛とも鎮魂とも思える大地への態度、無骨で緻密な詩情を愛でるだけにしよう。



 (制作年のない作品は近作です。)



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   ↑:「流れ-留まる」。


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   ↑:「深い河」。





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   ↑:「赫(あか)い風景」。



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   ↑:「沈黙する地」。




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   ↑:「何処へ (1990年)」。






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by sakaidoori | 2013-09-13 10:36 | 大同 | Comments(0)
2013年 07月 20日

2100)②「HANA展 2013」大同 終了7月11日(木)~7月16日(火)




HANA  2013         


 会場:大同ギャラリー 3・4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
    電話(011)241-8223

 会期:2013年7月11日(木)~7月16日(火)
 時間:10:00~18:00
      (最終日は、~17:00まで) 

 【参加作家】
 阿部正子 伊藤洋子 かつや かほり 白崎博 末永正子 田中緑 中野信子 中野邦昭 長谷川雅志 深山秀子 林玲二 別府肇 水戸麻記子 三宅悟・・・以上14名。  
    
ーーーーーーーーーーーー(7.11)


 2092)①の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


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   ↑:(3階の第1室。)




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   ↑:全て、伊藤洋子。以下の個別作品3点も伊藤洋子。


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   ↑:左側から、「六月のバラ」、「夏彩」。



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        ↑:「華鬘 『慈光』」。


 日本画家・伊藤洋子の作品群。「日本画家か。やっぱり花か。綺麗ですね」と、僕の写真を見る人は思うかもしれない。それで終わるかもしれない。

 が、僕は無茶苦茶驚いた。水彩の方は自然体というか、気持ちよく筆が進んでいる。日本画の方は、もちろん「美」がテーマなのだが、こちらも気負いがなく流れに身を任せている。
 確かに小品かもしれないが、こんなリラックスな伊藤洋子を知らない。どこか知的で、何かを出さないところがかつてはあった。有り体に言えば、「高雅で思わせぶりな詩情」から、「等身大の思い」へと移行気味だ。
 清楚というか気持ちが良い。大作もこの方向で進むのか?都会の好きな画家だ。この花心とどう調和させるのだろう?





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   ↑:末永正子


 清楚な伊藤洋子の次は、爛漫絵画の末永正子だ。



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   ↑:末永正子、「景」。


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 いつものように賑々しい作品を3点出品している。

 本来、大作中の大作にしても良いはずの「景」だ。収まりよくちょこんと並んでしまって、大いにもったいない。童画風の線描をどんな風に生かしたいのだろう?隠し味か?爆発のための武器か?自由そのものか?

 広い会場ではあるが、多人数の作品展ということで遠慮したようだ。思うに、時々「遠慮」をするのが悪い癖で、それはグループ展ばかりに参加しているからだと思っている。300%弾けた作品が描けないからだと思う。周りとの関係で「枠」ありきが先行していて、それなりに納めてしまう。もしその枠に気持ちが収まらなくなったらどうするのだろう?そんなことはないのだろうか?もっともっと弾けたい騒ぎたいと絵は訴えているように僕には見える。

 何も絵画は弾けるばかりが全てではない。小品、中品、大作とそれぞれの味がある。が、僕は末永正子の大作中の大作を見たい。この壁一面を覆う末永正子HANA。




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   ↑:田中綠


 いつもとは違い軽やかな感じ。まとまり過ぎかな?と思ったが、原因がわかった。田中綠は現在ギャラリー ミヤシタで個展を開いている。やはり、個展会場の作品を中心に彼女を語るべきだろう。
 早速見に行った。1階2階と全館展示で、質量ともに意欲満点だ。是非是非皆さんもご覧になって下さい。7月28日(日)まで。




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   ↑:阿部正子。左側から、「宵待草」、「ナナカマド」。



 ともに見た記憶があるが定かではない。加筆をして深みを加えたようだ。
 今回は体調不調とのことで、静かに参加して、心を落ち着かせて、自分の作品を他人との中で確かめているようだ。

 伺えば、来年はこの大同ギャラリーで個展をされるとか。一瞬、我が耳を疑った。
 明るく華やかで平面的な作品を、かつては描いていた。ある時から明るさは殺し気味で、深みを追求し始めた。現在進行形で、新たな境地を獲得すべく悪戦苦闘している。その経過は毎年の道展を見ればわかる。まだまだ個展を開く気分ではないと思っていた。
 きっと何かが吹っ切れたのだろう。欲ばりな女性だ。悪戦苦闘の一里塚を披露したくなったのだろう。それも自分自身なのだから。期待しよう。



 もう少し載せたい作家がいるのですが③を書けるかどうか・・・。

by sakaidoori | 2013-07-20 18:49 | 大同 | Comments(0)
2013年 07月 16日

2092)①「HANA展 2013」大同 7月11日(木)~7月16日(火)




HANA  2013         


 会場:大同ギャラリー 3・4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
    電話(011)241-8223

 会期:2013年7月11日(木)~7月16日(火)
 時間:10:00~18:00
      (最終日は、~17:00まで) 

 【参加作家】
 阿部正子 伊藤洋子 かつや かほり 白崎博 末永正子 田中緑 中野信子 中野邦昭 長谷川雅志 深山秀子 林玲二 別府肇 水戸麻記子 三宅悟・・・以上14名。  
    
ーーーーーーーーーーーー(7.11)

 昨年まではギャラリーたぴおで開かれていた有志テーマ展。今回は会場も広くなり、気分一新のハナ展だ。テーマは同じなのだが、一人一人が随分と頑張っている。

 テーマは「HANA」だから、一応「花」であり植物が絡んだ作品が大半だ。でも、もともとが自然をテーマにした作家が多いので、花の美に媚びた作品はない。一人一人の今の心境と、その関係性、絡み合う緊張は、実に楽しめた。画家・三宅悟氏の呼びかけ展なのだろうが、質の高い企画展として見た方がいい。

 会期は今日までなので、とりあえず簡単に①として報告します。それと、多人数の作家ですから、多くは載せれないでしょう。



 会場は3階と4階。


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   ↑:(以上、3階。)



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   ↑:(以上、4階。)



 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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   ↑:(右側2点の植物風景画は三宅悟。他は三戸麻記子。



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   ↑:三戸麻記子、「SANRU」。


 戸惑って見てしまった。いつものミトラマ(三戸麻記子)調の饒舌さは密やかだ。代わりに愛の表現が大きなテーマだ。
 人魚のお腹や腰のあたりはふっくらとしていて、妊娠に見える。中央下に描かれた百合の花も、何かを象徴するかのようにして輝いている。マスクマン(男の象徴)はただただ見守るばかりだ。生の誕生か?ご本人が妊娠か?とも思ったりしたが・・・、その辺りは後日わかるだろう。単なる画風の変化かもしれない。

 色も緑主体、遊び心も抑え気味。いつもの派手心を抑えて、何かに直向きになっている。



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   ↑:別府肇


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   ↑:同、「『ビカクシダ』E.Dに」。 


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   ↑:同、「かおりゆく/とき」。


 今春、氏の作品を資料館ギャラリーで初めて見た。一原有徳張りの抽象版画だった。その人が、こういう「花」を出品していることに驚いた。
 細かい内部へのこだわり、そして全体へのやさしさ、そんなことを思った。今回は具象としてのリアルさだが、抽象であっても感覚は同じなのだろう。気になる部分、そして全体へのこだわりは。



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   ↑:長谷川雅志


 今回の長谷川雅志は強い。作風自体はたよたよしい○○模様の増殖と、その○の切り抜きで成り立っている。透けても見えるし、そんなに目立ちそうもないのだが、なぜだかいつも目立つ。そして、今回は黒も強く、線も刺さり込んでいて、元気のいいことこの上ない。もちろん、洒脱な自由さがそれらを支えていて、増殖行為が醸し出す異様な雰囲気を和らげている。


 情景の作品は4階からぶら下げている。ということは、日頃は高すぎて見にくい上部の模様を4階でバッチリ見ることができる。


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   ↑:長谷川雅志、「種霞」。


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        ↑:(上掲の部分図。)



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 辺りを吸い込み溶け込ませる清々しい面持ちだ。ご本人の白髪も、いい感じに作品に華を添えている。



 ②に続く。

by sakaidoori | 2013-07-16 10:24 | 大同 | Comments(5)
2013年 05月 31日

2081)①「第8回 しんか展」 大同  5月30日(木)~6月4日(火)

  

  
第8回 しんか展   
  

 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2013年5月30日(木)~6月4日(火)
   ※ 2日(日)は、14:00~ 
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 主催:しんか展プロジェクト
 後援:札幌パイロットクラブ

ーーーーーーーーーーーーーー(5.29)

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     ↑:(3階の風景。)



 午後6時の閉館というのに、6時10分に行ってしまった。当然×なのだが、お願いして写真だけ撮らしてもらった。とても鑑賞したとは言えない。だから個別作品の感想記も書けない。
 もう一度行って、しっかり見てきます。

 折角写真を撮ったのです。以下、会場風景と作品群として紹介します。


 あっ、「しんか展」の説明を忘れるところでした。
 知的に障がいのある人達の公募美術展です。ですから、作品発表は、参加者自身の積極的意思に基づいてのものばかりではないかもしれません。関係者が「見せたい」、「交流したい」、「彼らが美術を通して積極的に社会参加して欲しい」というものでしょう。

 そして、「しんか」に三つの思いを込めて展覧会は成り立っているのです。

 ・真の芸術性を競う場になって欲しい。
 ・この美術展に応募する毎に作者の芸術性が深まって欲しい。
 ・作品が正当な評価をうけることで自信をつけて欲しい。


 アールブリュットと言えばいいのでしょう。そんな言葉に関係なく、ちょっと風変わりな作品、でも何だか気になる作品に出会えるでしょう。少なくとも僕はそうです。楽しみましょう。
 「美術」をいろんな角度で見て感じて考える良い機会です。当然、「人間の表現」再考の機会です。


 3階と4階で展示。
 3階は子供っぽい楽しさが一杯だ。
 4階は受賞作もあって、人目を惹く作品が多い。

 3階の作品を紹介します。


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 以上、3階の全作品。


 時間のない中で瞬時に選んだ作品を載せます。


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     ↑:久田真輝(札幌)、「こいのぼり」。


 この口元、思わず笑っちゃった。無限の可能性を秘めた口の穴だ。


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     ↑:工藤拓真(釧路市)、「大仏」。


 チェ・ゲバラを想ってしまった。孤高の存在というか、逞しさと寂しさのミックスだ。



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     ↑:吉田怜央(札幌市)、「旭山動物園号」。


 まったるい円さが印象的だ。もこもこモコモコと電車がいく。気分は弾丸列車だ。這いつくばって豪華客車のお出ましだ。



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     ↑:川西延尚(高松市)、「のぶくんと世界の国旗」。


 この作品に限らず、タイトルの多くは関係者が命名していると思う。
 今作、中央の人物を自画像とタイトル命名者は見たようだ。もし命名者が作家をよく知る人ならば間違いないだろう。
 国旗に囲まれた自分自身、何て眩しいのだろう。ついつい我が身を振り返ってしまう。




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     ↑:幅中佑氏(札幌市)、「お正月とおかめとかがみもち」。


 何てったって動きがある。絵が動いている、色が気分が楽しさが廻っている。何を描いているのかも分からないぐらいだ。大漁旗のよう。やっぱり風にあおられてぶるぶると旗めいている。



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     ↑:齋藤毅(札幌市)、「2012年優勝パレード」。


 整然と抜くことなくびっちり描き込んでいる。美術の約束事をきっちりと守って、丁寧に丁寧に描きすすめている。色は燦々で、人が一杯だから動きがあるようだが、不思議に閉じられた世界だ。おそらく、絵画としての約束を忠実守っているが故に、どこかで何かが起こりそうな静止画になっている。
 あまりにも破綻なきパレード風景、統御された人工美、それは画家が一人埋没している桃源郷のようだ。


 
 4階の作品を何枚か載せます。3階とはムードを異にして見える。


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 4階の個別作品は②に続く、です。
 上の作品、写真で見ていても何かが出てきそうでワクワクします。もう一度行って、しっかり見てきます。そして報告します。
 (一点だけ載せて①は終了です。)
 

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     ↑:三澤隆(遠軽町)、「あたまの中」。




 

by sakaidoori | 2013-05-31 22:07 | 大同 | Comments(0)
2012年 06月 04日

1784)③「しんか展 第7回」 大同 5月31日(木)~6月5日(火)

  

○ 第7回 しんか展 
 

 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2012年5月31日(木)~6月5日(火)
   ※ 3日(日)は、14:00~ 
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 主催:しんか展プロジェクト
 後援:札幌パイロットクラブ

ーーーーーーーーーーーーーー(5.22)

 1777)①、1781)②の続き。

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 最後になりましたが、受賞作を紹介します。
 最後になったのは理由があって、ほとんどの作品はバランスが良くて、他の作品とムードを事にしている。稚拙な味わいも「へたうま」という言葉があてはまる。要するに上手な作品ばかりだ。


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     ↑:第7回しんか賞日野正和(東京都)、「草の海」

 全体のバランスが抜群だ。しかも勢いもある。「オレは生きているぞー、オマエを食べるぞー」と可笑しく襲いかかる描写が、普通のリアリズムでないのが良い。要するに良いこと尽くしで、知的障がい者作品特有のアンバランスがない。個人的には、そこがちょっと物足りない。特に、全体に破綻があまりにもないのが残念なところだ。僕自身は「破綻」も作品の有力な質と思っている。



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     ↑:左側、冨樫雅彦賞・横尾俊樹(東京都)・「ゲルニカ物語」
     ↑:右側、山下洋輔賞・大庭稔輝(東京都)・「青蛙」。


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     ↑:左側、札幌パイロットクラブ賞・松宮剛介(札幌)、「かぼちゃ」。
     ↑:右側、札幌パイロットクラブ賞・北條貴幸(札幌市)、「トランペット」。


 全て、全体のバランスが良い。部分描写は粘着的描写であったり、稚拙な自由さがあったりして興味を惹くが、あまりに全体が良すぎてビックリする。全ての作品かどうかはわからないが、美術指導を受けているかもしれない。


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     ↑:札幌パイロットクラブ賞・岡村宇宙(東京都)、「夕焼け鉄塔」

 (原作は僕の写真のように明るく発散していない。)
 ピンクなのに渋い。まさしく夕焼け的深みのある渋さだ。その中に「線」が一気に描き込まれている。しかも直線で、描き直し無しだ。一気と言ったが、それは気持ちが一つという意味で、ゆっくりと強く直線を世に降ろすという風情だ。「針金」の持つ細さ、強さという相反する正確を持つ線質だ。この線のムードが画面全体を支配し、ピンクもピンクらしからぬ雰囲気で応えている。線とピンクが織りなす異様な雰囲気の作品だ。



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     ↑:(階上階下の同時風景。)


 3階ばかりを紹介してしまった。
 以下、2階の様子を載せます。


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 お気に入りの作品を3点だけ載せます。


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     ↑:安間博(東京都)、「葡萄棚の世界」

 僕はこういう色合いの世界は好きではない。落ち着かなくて息苦しくなる。だから、こういう色の世界で生きている人を見ると観想世界が全く違うのかと驚くし、感心もする。生理的には意に反するが、こういう色でまとめる人に価値を見いだしたい。


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     ↑:左側、村上咲織(恵庭市)、「さっちゃんのワンピース」。
     ↑:右側、幅中佑氏(札幌市)、「はこだてせんそう」。



 完。

by sakaidoori | 2012-06-04 00:02 | 大同 | Comments(0)
2012年 06月 02日

1781)②「しんか展 第7回」 大同 5月31日(木)~6月5日(火)

 
○ 第7回 しんか展  

 会場:大同ギャラリー 3階4階
     中央区北3条西3丁目1
      大同生命ビル3階 4階
      (札幌駅前通りの東側のビル。
      南西角地 。)
     電話(011)241-8223

 会期:2012年5月31日(木)~6月5日(火)
   ※ 3日(日)は、14:00~ 
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 主催:しんか展プロジェクト
 後援:札幌パイロットクラブ

ーーーーーーーーーーーーーー(5.22)

 1777)①の続き。


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 以上、①と合わせれば2階の全作品の様子が分かります。(写真をクリックして拡大して下さい。)


 前回はベスト・お気に入りを1点だけのせました。続けて好みを載せていきます。





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          ↑:中澤元志(東京都)、「中生代の記憶」

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 「絵画」としての可能性を秘めている。
 ワニのような生き物が見える。そういう視点で画面を見ていくと、南国的な動物植物が画中に埋め込まれている風にみえる。問題は、中の物の存在のありようと相互関係だ。ゴロンゴロンと膨れて互いに張り合って存在している。描きたいワニを引き立たせるために背景があるのではない。全てが同列に存在し合い、別個の生き物として息づいている。究極的には一線一線が独立している。
 普通、絵画は何らかの上下関係で成り立っている。「画題と背景」とか、「組み合わせと、それを繋ぐもの」等だ。小品の静物画はその代表だろう。「主題」あるいは「コンセプト」という考え方そのものが排他的思考だ。
 そこにセザンヌが多視点・同時存在という革命をもたらした。が、それは描かれていない主題に人を誘う方法でもある。それは計算された構築性ともいわれる。そうなのだろうが、もしかしたら、彼の目は左右のバランスが悪くて、それが原因で多視点構築作品ができたのかもしれない。あとは、その感覚を美術史の流れで表現するだけだ。冷めた意識と、狂った左右の視力が原点かもしれない。

 その言い方からすると、中澤元志の場合は、全体の構築意識は欠落していると思う。想念の世界では部分と部分を繋ぐ感覚が欠落していて、部分連合が細胞連合のように有機的に絡まって成り立っているのだろう。細胞が働く空間という感覚がないから、全ては淡々と同じ感覚で築かれていく。色の濃淡は、絵画構成の工夫ではなく、描くその日なり、その時の気分だろう。結果として、絵にリズムが生まれる。
 画中に分割線がある。浸透膜のようなもので、画家は何ら意に介さないだろう。
 こういう感覚を持つ青年はいると思う。現在の美術教育が個人の乱れた視力を矯正する場合がある。乱れた視力で、新機軸を開いて欲しい。




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          ↑:齋藤毅(札幌市)、「イタリア・ジェノバにて 『開会式入場行進』」

 画家はスポーツの国際大会に参加するアスリートだ。画題は彼が参加した大会の入場行進風景なのだろう。
 行進する日本団は愚連隊風に見えるのが微笑ましい。
 何と言っても明るく清潔感抜群だ。
 行進も面白いが、歩道でのタイルと人物が交じり合った感覚が楽しい。


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          ↑:松本マリ子(北海道遠軽町)、「ラッパと花」


 細胞連合感覚は「中世代の記憶」の作家と似ているのだろう。
 こちらは中心ではないが親分という存在があるようだ。大きな花は自身の分身かもしれない。



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          ↑:松本美千代(北海道遠軽町)、「やじろべえ」。


 「やじろべえ」、足のない漫画ムシだ。何とも愛すべき存在だ。
 どこかが欠落している感じだが、完成形も想定され、その不具合との落差がイマジネーションをちくちくさせる。


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          ↑:佐東宗春(北海道遠軽町)、「ひこうき」



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          ↑:沼澤実(北海道遠軽町)、「なみ」


f0126829_19583172.jpg 「なみ」というか、「うろこ」というか、画家の楽しい部屋だ。食べ物に関係したものが、各パーツには描かれている。おやつの隠し場所?








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          ↑:佃拓海(東京都)、「夜の森」


 可愛い絵だが、ちょっと恐い。「夜の森」、全く具象性には欠けているのだが、大きな葉っぱが夜のしじまで襲いかかってきそう。漫画的怖さと言ったらいいのかもしれない。でも、今の時代は「漫画的描写」のほうが、「オーソドックスなリアリズム」より恐い場合がある。どんなに秀でた描写力でも、ちまたに溢れた場合は普通の世界として接するからだろう。


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          ↑:加藤翔太(東京都)、「東京スカイツリー」。

 これは傑作です。
 実は、何を描いているか分かりにくい。強い色が固まっている、線も負けずに這い廻っている、色と線のブラック・ホール絵画だ。
 こうしてパソコンの画面で見返したら、「東京スカイツリー」を描いていたんだと納得できる。しかし、この建物の魅力を削ぐように他の建物が強烈に主張している。画面下は水面だろう。ここにもタワーがあるのか無いのかはっきりしない。タワーを取り巻きが、タワーを排撃している。タワーもちいさくなっている。
 僕ならタイトルはこうだ、「あー、哀しき東京スカイツリー」だ。まるで呪われているみたいだ。


 次は受賞作を中心に紹介します。 ③に続く。 

by sakaidoori | 2012-06-02 20:00 | 大同 | Comments(0)