栄通記

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カテゴリ:    (カフェ)アトリエムラ( 5 )


2010年 12月 23日

1406) アトリエムラ 「①第6回企画展 [彫彫発止](6名の立体+α展)」 終了・9月5日(日)~12月18日(土)

○    ~第6回 特別記念企画~

   彫彫発止
       (6名の立体+α展)



 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    (宮越屋珈琲石山通店の横を入る。
      狭い仲通の北側。
      民家風のモダンな建物。 
     じょうてつバス停「南14西11」から徒歩3分。
     駐車場3台有。)
    電話(011)590-0050 
 
 会期:2010年9月5日(日)~12月18日(土)
 休み:日・月曜日(定休日)    
 時間:10:00~17:00

 【参加作家】
 荒井涼子 柿崎熙 川上りえ 塩野太郎 清水優 手嶋大輔 

ーーーーーーーーーーー(12.8)

 長い会期だったのに、こうして会期終了後の掲載になってしまいました。僕の拙い写真でも、見に行きたかったと思う人がいるかもしれません。すいませんでした。

 まず始めに会場風景を載せます。そして塩野太郎氏と手嶋大輔氏の作品紹介を初回します。残りの作家は続編(②)として紹介します。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 2人の作品は、現在、札幌市資料館での「資料館をアートする・展」(~26日まで)でも見れます。残念ながらその展覧会の写真紹介が不可なので、今回の僕の紹介で気になる方は見に行って下さい。

 その展覧会は、この2人の道外人や外国人なども参加し、多ジャンル構成で作品展としては充分に楽しめます。
 ただ、企画展としては、「裁判所」を意識し過ぎた本格派重厚そのものです。明るさ軽さや意外性、ポップやアニメやお笑いという現代感覚とは違った雰囲気です。
 そんな中で今回紹介する手嶋大輔の作品は、目立ちたがり屋の黒子という作風で、会場のそこそこに散りばめられています。心地良い息抜きです。模擬裁判所ルームでの「風ニノッテ」シリーズは一見に値します。「空飛ぶスッパマン」ならぬ、「飛んでどうなるテジマ君」です。

 それと、川上りえの「巨大回転五つ星天秤」作品も興味津々です。ただただその大きさをあっけらかんと見るだけです。意味があるのか無いのか?「あ~、作家は大きいのを作りたかったんだな~」という感想です。触って廻せるので、是非是非チャレンジを!一人ではバランスをとりかねるので、恋人なり友達連れには良い遊びになるでしょう。当然、僕は愛妻と廻してきました。

 さて、前置きがながくなりました。



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     ↑:(入り口から。)

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     ↑:(奥からの撮影。)



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          ↑:手嶋大輔(可愛く着色された木彫り作品と、壁面のスケッチ風作品)。


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     ↑:手嶋大輔。左から「コトノハジマリ」・2009年 450×170×70㎜ 木 色鉛筆、「メランコリー」・2010年 380×200×200㎜ 木 色鉛筆 アクリル絵具。


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     ↑:手嶋大輔、「雨」・2009年 200×150×130㎜ 木 色鉛筆。


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     ↑:手嶋大輔。上の2作 「立体のためのドローイング」・鉛筆 色鉛筆。他は「無題」・水彩絵具。


   1977年 福岡県生まれ
   2002年 東京造形だが区彫刻研究生終了

 精神性があるような無いような、どこまで遊びたいのか?そもそも遊びたいのかどうかも定かではない。掴みどころの無い「おかしさ軽さ」の手嶋大輔ワールド。
 あれこれと著名作家の影響も感じるが、それらはこれからの作品自体のそぎ落とし作業の中で、手嶋雰囲気へと昇華されるだろう。
 何とも憎い感覚だ。強い主張では無いのに「気になる」人形だ。もう、彫刻作品と呼ぶには身近に親しみすぎて、それでいて普通に見るには主張の強い存在でもある。

 配布解説文に、高度の木彫り技術の持ち主とある。きっとそうだろう。



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     ↑:塩野太郎


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     ↑:「モノタイプメーカー No.X」・2010年 F.R.P ボルト ナット 木。


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     ↑:全て「モノタイプメーカー」・鉛 石。


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     ↑:中に石が入っていて、ハンバーガーのような「石の鋳型」。


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     ↑:「単身用の蔬菜を作るための機械」・2010年 ブロンズ ボルト ナット 大根。(大根の鋳型。)
     


   1985年 東京生まれ
   2010年 筑波大学大学院芸術専攻彫塑領域終了


 全ては「型」です、「鋳型」です。凹んだ中には「ハンバーガー」なり「石」なり、何でもござれだ。異様な重厚反復増殖機械でもあり、「鋳型」に重きがあるのか、「装置」に重きがあるのか、ブラック・ユーモア的作風。

 動植物や食べ物の「鋳型」を作るのだから、当然「人の鋳型」も作る。それが資料館に展示されていた。今展や資料館での作品を見る限りでだが、上手くいっているとは思えなかった。作品には洗練さよりも武骨さが強くて、あたかも作品そのものを見よという空間だからだ。展覧会場でただ並べられだけでは、何かしら魅力が減っているのでは。これみよがしのインスタレーションでは、作家のアイロニーなり遊びの魅力を減らしそうだが、魅力ある見せ方が課題だと思った。
 まだ25歳という若さだ。ギャラリーを振り払って街に出るタイプだろう。どういう見せ方をするか?それは彼の芸術思想と不可分だと思う。今はとにかく作ることに楽しく追われているのだろう。出てくる出てくるアイデアの泉状態だろう。

by sakaidoori | 2010-12-23 14:33 |     (カフェ)アトリエムラ | Comments(0)
2010年 07月 16日

1299) アトリエムラ・カフェ 「第5回企画展 [PARADIZOO !](パラダイズー展)」 3月7日(日)~7月31日(土)


○    ~第5回 特別記念企画~

   [PARADIZOO ! ]
     (パラダイズー展)


 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    (宮越屋珈琲石山通店の横を入る。
     狭い仲通の北側。
     民家風のモダンな建物。 
     駐車場3台有。)
    電話(011)590-0050 
 
 会期:2010年3月7日(日)~7月231日(土)
     (注意⇒会期が延長されました。)
 休み:日・月曜日(定休日)    
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

 【参加作家】
 浅井健作 河崎辰成 隈部滋子 Simone Miletta(シモーネ・ミレッタ) Silvia Trappa(シルビア・トラッパ) 町嶋真寿
 
ーーーーーーーーーーー(4・24)

 会期が今月の2日から月末の31日(土)に延びました。なぜ延びたかというと、月末が僕の誕生日だから!そんなことはありません。理由はともかくとして、延びたのを幸いに会期中に紹介することができます。と、張り切ったのはよかったのですが、個別作品を撮り忘れたり、キャプションのメモもとっていなかったので、具体的に書くことができない!!参加人数をチャンと把握していなかったので、誰が誰だか、間違って書きそうです。

 というわけで、無難なところで会場風景紹介です。当然ながら興味を惹く作品にも出会えたので、再訪問しての感想記にチャレンジしたいと思っています。


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     ↑:右端の木彫り作品は「浅井健作」さん。生き物の「生」とか「精」を暖かく彫っています。


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     ↑:人体や、宙づりにされた円い物体は「河崎辰成」さん。
 人体の部分部分は金魚すくいの大きさぐらいの、鉄の魚。集積による造形にチャレンジしています。相当のエネルギーを使っているはずですが、収まりが収縮的で普通な感じ。変な奇抜さは必要ないと思うが、もっと大胆というか自己主張があってもいいと思った。

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     ↑:手前の人形の横並びも「河崎辰成」さん。こういうユーモラス精神が一つの筋なのでしょう。その奥の方の壁面作品がはっきりしません。消去法からいくと、「隈部滋子」さんでしょうか?
  なぜ分からないかというと、強く見ていないからです。ここに来る手前で話し込んでしまった。なぜかというと、当館に通われているクロアチア人の素敵な女性と話が弾んだからです。彼女は能弁家で、しかも作品の自己評価を明快に語る。そのケレンミのない一本気が大好きで、彼女と会えるのも当館の楽しみなのです。日本語は抜群に堪能で、早口言葉は強い自己表現の現れでしょう。お勧めの美術語り女(かたりめ)です。


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     ↑:「シモーネ・ミレッタ」さんだと思います。間違いないはずですが・・・。

 キツイというか神経質な線描で、「棘や毒素」と「人間」をどう成り立たせるかに関心があるみたい。まだ試行錯誤中で、そういう意味では描き手の生理が正直にでているとは思うが、まだまだ「思い」の段階で、これからより形をなしていくのでしょう。キツサ前面よりも、ユーモラス的根性が勝っていくのかな?日本漫画や動画にも触発されたみたい。
 ピンポイントの作品を次に紹介したい。


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     ↑:「シルビア・トラッパ」さん。

 これはもう、日本の若い造形作家と言っても疑われないでしょう。大地の泥から生まれたような人物はどこかヒョウキンで、その人物を主人公のようにして犬などがベタッと寄り添っている。動物の仕草は余りに意識がご主人に引っ付きすぎて、一体化したくてしたくて体をとろかしたいみたい。
 優しくて愛おしい雰囲気なのですが、「女の子」的な甘っちょろさが何とも弱々しい。弱々しいのだが、あまりに気分が赤裸々なので、「あ~、困っちゃうな~、女の子も男のも、女性でも男性でも、二人でいる時の気分はこんなものかな」、そんな親近感が涌いてきます。

 両外人の作品は、圧倒する凄みはないけれども、愛すべき存在です。


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     ↑:町嶋真寿

 この作品は入り口に門番のようにドッカリと控えていて、間違いなくビックリするでしょう。上の写真は2階から撮ったもので、檻の中の黒ライオンみたい。本当は鉄牛です。見知った作品ですが、こんな所で再開できるとは嬉しいものです。「牛君、元気だったかい!永久の住み家を早く見つけなよ」

by sakaidoori | 2010-07-16 10:32 |     (カフェ)アトリエムラ | Comments(4)
2010年 02月 27日

1211) ①アトリエムラ 「第4回企画展 [Three Pairs !]」 11月1日(日)~2010年3月5日(金)

○    ~第4回 特別記念企画~

   Three Pairs !]

 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    (宮越屋珈琲石山通店の横を入る。
     狭い仲通の北側の民家風のモダンな建物。 
     駐車場3台有。)
    電話(011)590-0050 
 
 会期:2009年11月1日(日)~2010年3月5日(金)
 休み:火曜日、第4水・木曜日
 冬期休館:2009年12月22日~2010年1月9日(土)    
 時間:10:00~19:00
     (最終日は、~17:00まで)
 注意 ⇒ 次回企画展より、定休日と開館時間が変更になります

 【参加作家】
 阿部典英・阿部美智子  三木俊二・かとうかずみ  平野尚幹・品田かなた
 
ーーーーーーーーーーー(2・26)

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 3組男女のペアー展。
 阿部夫婦、三木夫婦。平野・品田組は?若い二人です。どういう関係かは想像で楽しみましょう。
 その男女の味、ベテランの味、若手の味、男の味、女の味、道内・道外の味と、いろんな人の味の組み合わせをを企画者は用意したようです。たったの6名なのに意欲満点の企画者です。

 さて、わずか6名と言っても、個人的趣味のブログ紹介となると公平対等にはできません。見慣れない人中心にいきましょう。


◎ 平野尚幹(なおき)の場合

   1984年 新潟県生まれ
   2007年 東京造形大学彫刻専攻・卒業
   2009年  同大学造形研究科修了

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     ↑:「水面への畏怖」・鉄 鉱物油 2009年 1100×900×500㎜。

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     ↑:「嘘の花」・鉄 2009年 800×900×800㎜。「陽の境界」・鉄 珊瑚 2009年 500×500×500㎜。

 会場中央の「くたびれた犬」が目を惹く。犬をあざ笑うかのような「逆さのアヤメ」、「カラス」がそれらを見守っている。象徴的なタイトルと合わせて、一編の無言劇のようだ。その無言劇、僕には冷ややかな優しき傍観者の空気を感じる。
 確かに、「犬」の姿は痛々しい。「それでも生きている、生きねばならぬ」という叫びにも似た苦吟が聞こえてきそうだ。部分部分の表現はリアルで凄みがある。だが、全体が円くて循環運動を起こしそうで、心地良い動きと優しさも感じる。
 しかし、「吊されたアヤメ」はのっぺらぼうだ。僕はこのアヤメが自画像に思える。タイトルは「嘘の花」、「嘘」さというリアルはなく、ただそこにぶら下がっている。そこが僕には傍観者の位置に見える。
 「花」を自画像に見るか、「犬」を自画像に見るかによって、この無言劇の展開は変わるだろう。両者を自画の裏表と見れないことはない。その場合、カラスが和解の象徴になるのだろう。だが、それでは物語が平板過ぎる。
 作家はもっともっと苦しまなければいけない。既にそれなりの技術の持ち主だ。1984年生まれだから、制作時は25歳位だ。眩しいくらいの若さだ。安易な解決は不要だろう。解を求めすぎる気がする。


◎ かとうかずみの場合

   1950年 京都生まれ
   1974年 愛知県立芸術大学絵画科卒業
   1976年  同大学・大学院修了
             多数の海外旅行経験の持ち主。

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     ↑:おおむね左から、「かぐわしき朝の」・油彩 キャンバス(以下同じ)、「しばしがほどたたずむ」、「ふきかよう風のまにまに」(一番の大作)、「こえさやけくきこゆ」、「ほがらしにしろを」。


 これは抜群に面白い。味わい深く、興味尽きない作品だ。
 異様に真っ白に塗られたキャンバス、役者の化粧顔の出発点みたい。その縁取り部分だけに作家は気分良く模様を描き込む、ただそれだけの油彩画だ。若い女学生の気楽な出品作品と間違えそうだ。
 朝カーテンを一気に開ける。白い光が射し込む。画家には光や風景が色と音楽になって飛び込むのだろう。「さー、ここから1日が始まる。何を描こう。白地を描いちゃった。気分を縁に描いちゃった。あー、これ以上キャンバスに描くのはもったいない。見る人よ!後は貴方が好きに描いて下さい」
 作家からの優しきメッセージだ。

 それにしても女性は怖いとつくづく思った。何のてらいもなく、スポンと「心」という器を広げる時がある。この作品には何の悩みも感じない。それでは作家が日々ノーテンキに夢うつつに生きているかというと、そうではないだろう。外面は普通の女性だろう。だが、芸術においてあたかもご自身が「無垢の存在」として振る舞える。それを見る僕は何の違和感もない。なかなか男にはそれができない技である。

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◎ 品田かなたの場合

  1983年 新潟県生まれ
  2007年 東京造形大学彫刻専攻・卒業


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 彫刻科を専攻したのに、壁面作家にいち早く転向?のようです。そうはいっても、作品は赤を基調にしているし、モザイク状でもあるから、作家には立体として見えているのかもしれない。かつての「立体主義」の現代版などと共通するのかどうか?タイトルから画家の気持ちを推し量れば、「色」を知り、「心象」を写し、「記憶」をつむぐ、そんな感じでしょうか。

 おそらく心の中の「物語」が膨らんできて、一個一個の立体作品では追っつかなくなったのでしょう。一つの作品に思いを閉じこめるのではなく、生まれては消えるかもしれない「痕跡」を一つでも多く描き残したいのでしょう。今は「赤」と勝負の画家の姿です。いつかはこのモザイクに円も形も登場するのでしょう。
 会場にはドローイング集もあります。若い人には好まれると思う。ウサギのシリーズがお気に入りでした。
 こういう作家は、流れを不定期的に見つめていくと、もっと楽しめると思う。



 長い会期なのに、残りはたったの2週間。長い会期は必ず遅く行くという悪い性癖、ようやく昨日の訪問です。
 ですが、2週間の展覧会と思えば、遅い紹介でも早い紹介と言えなくもありません。見て損のない企画展です、是非是非・・・。
 (残り3人、会期内に会場風景だけでも載せたいと思っています。)

by sakaidoori | 2010-02-27 11:44 |     (カフェ)アトリエムラ | Comments(0)
2009年 08月 09日

1061) ②アトリエムラ 「第2回企画展 Girls美Ambitious!」 終了・5月17日(日)~8月7日(金)

○ 第2回 特別記念企画
    [Girls美Ambitious!] 


 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    電話(011)590-0050

 【参加作家】
 ASADA 曾田(アイタ)千夏 竹内明子 麻生知子 松隈無憂樹 三木サチ子 

ーーーーーーーーーーー(8・6)

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 学生が1名、道内出身者が2名、東京造形大学関係者が5名、全員が美術大学卒業あるいは現役。現住所は日本各地。20歳代が4名、30歳代が2名で全員が女性です。


 以下、年齢の高い順に載せます。

○ ASADA (アサダ)の場合

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     ↑:左側、「the2-16wld (ASADA's maternity dress collection)」。
     ↑:右側、「骨まで(ASADA's ceramic underwear collection)」。

   ・1971年 神奈川県生まれ。


 何とも勇ましい作品だ。
 「少女よ、大志を抱け!」、そんなことは当たり前なのだと言いたげだ。
 「女よ!闘え!鎧をまとって裸で闘え!!」と、同性を鼓舞している。男を挑発している。


 焼き物に着色して、ビキニ・スタイルのコスチューム。硬くて重い。
 性器から妖怪が出ている姿などはアニメやマンガでお馴染みだ。しかし、こうして等身大にして、販売スタイルの女性用コスチュームを目の当たりにすると、一本取られた感じだ。見てしまえば「これも在り!次はどう攻めてくる?」と聞き返して、こちらも防御を固めよう。

 サイケ調、装飾過多は日本美との競合を思う。作品集には床の間に飾っていた写真があった。
 作品が外に向かって発展していくとしたならば、装飾やデザインを大胆にし、展示方法の工夫によって現代消費社会とトリッキーに追走するしかないだろう。追走とはいってもあらん限りのパワーが必要だろう。

 写真の左側の作品、マタニティー・ドレスだ。作家の妊婦状態での体形が埋め込まれている。飾りじゃないドレスとの一体感。防御に攻撃に、このパンツはたくましい。


○ 三木サチコ(①に紹介済み)。

○ 曾田千夏(アイタ チナツ)の場合

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     ↑:左側、「katari-jima 2009.5.11」。

   ・1980年 札幌生まれ

 地元作家の曾田千夏。ファンも多いと思う。
 淡く物憂げなカタリジマだ。かつての勢いは影を潜め、ファンタジックとの境界をたむろしている。


○ 麻生知子の場合

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     ↑:「焼きとうきび」。

   ・1982年 埼玉県生まれ

 北海道をイメージした作品だ。嬉しいですね。
 どこか昔懐かし、というイメージ画というかアニメ風だ。焼きとうきびやジンギスカンやビールは作家のレトロ趣味に溶け込んでいる。大仰な絵でなく、等身大の日常用語絵画を目指しているのだろう。大作はより物語の強い絵かもしれない。絵本も好きかもしれない。

 ところで、作家は実際に北海道に春先に来て、帰られたと思う。少ない期間かもしれないが、北海道のイメージをより広くしてくれただろうか?ジンギスカンにビールに焼きとうきびだけではあまりにも寂しい。そういうレッテル風景で満足できる作家ではないだろう。


○ 武内明子の場合

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     ↑:「窓が寒い日」

   ・1983年 熊本県生まれ。

 面白い絵だ。タイトルを読まないと何を画いているのか分かりにくい。もっとも、「無題」でも構わないのだが、それでは作家の方が心落ち着かないだろう。
 本州の若い画家の今風のスタイルだろうか?淡く丸みを帯びた面の世界、児童画的亡羊感たっぷりだが、しっかりしたボリューム感がある。静かに惹きこませる作品だ。和みもする。こちらも等身大のイメージだ。

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     ↑:「藻岩山」・2009年 パネル ミクストメディア 297×420mm。

 こういう藻岩山を描いてくれるとは嬉しいものだ。
 一応は風景を画題にしているようだ。物を描くというよりも、場の空気に感応して、心を画くという感じだ。小さくてもキラリと光る何かをつかもうとしているみたい。



○ 松隈無憂樹 (マツクマ ムウジュ)の場合

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   ・1985年 東京都八王子市生まれ、札幌育ち。


 心の中の虫と闘っているみたい。

 普段はその虫たちと遊んだりお話ししたりしている。外からみれば空想的な一人遊びをしているみたい。ところが、本人にとってはあまりにリアリティーのある虫なのだ。いろんな虫がいる。はしゃぎ虫、笑い虫、ふさぎ虫、憂鬱の虫、怒り虫・・・綺麗な虫もいる、気に入らないからあまり関わりを持ちたくない虫もいる。

 こちらが強い場合はいやな虫を解剖して、その体内をのぞいてみたりもする。
 逆に、ふさぎ虫に心が占領されたら、ただただ丸ばかりとか、四角ばかりとか、意味の無い絵を画く事に耽ってしまう。
 ・・・、そんな風に松隈・絵画を見た。名前は「憂いる樹の無い人」とあるが、ちょっとしたはずみで憂い100%になるのではないか。テーブルに置かれた作品集のドローイングは、そんな虫たちとの語らいの日記のようだ。

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by sakaidoori | 2009-08-09 18:15 |     (カフェ)アトリエムラ | Comments(0)
2009年 08月 09日

1060) ①アトリエムラ 「第2回企画展 Girls美Ambitious!」 終了・5月17日(日)~8月7日(金)

○ 第2回 特別記念企画
    [Girls美Ambitious!] 


 会場:アトリエムラギャラリー <札幌>
    中央区南13条西11丁目2-12
    電話(011)590-0050
  
 会期:2009年5月17日(日)~8月7日(金)
 休み:火曜、第4水・木曜
 時間:10:00~19:00

※ オープニング・パーティー ⇒ 初日 19:00~20:00。

 【参加作家】
 ASADA 曾田(アイタ)千夏 竹内明子 麻生知子 松隈無憂樹 三木サチ子 

ーーーーーーーーーーー(8・6)

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 最終日近くに初めてアトリエムラに行った。

 古い民家だが、見事に今風に改造している。
 ギャラリーの位置は2.5階、頭上から光がサンサンと注いでいる。南向きの明り取りが細長く横に並んでいる。三角天井、柱や梁は会場を狭くきっているのだが、部屋の清潔感と光と重なりあって飾りにもなっている。
 四角四面の部屋に満足できない作家にとっては、ワクワクするかもしれない。立体による空間造形やインスタレーション作家には一見に値するだろう。
 (訪問が遅くなったことが悔やまれる。)
 
f0126829_1294893.jpg 喫茶室はわずかに階段を降りたワン・ルーム、ぐるりに美術資料などが並び、大きな円卓テーブルが一つだけ。
 そして、1階は単に入り口とスタッフ・ルーム。  
 玄関先には2台分の空き地があり、白い長方形の枠がギャラリーの入り口と思いがちだ。そこを開けた時、関係者が作業をしていた。今は倉庫のような空き室で、入り口は普通の玄関を開けて入ることになる。


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 作家は若き女性ばかりの6名。(以下、敬称は省略。)

 上の写真の立体作品は三木サチコ。部屋の様子がわかるし、普段見慣れない作品だから彼女中心に載せます。


○ 三木サチコの場合

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     ↑:「butteryry」・FRP 塗料(以下同じ)    。



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     ↑:「sorry≒thanks」・2009年 950×350×350mm。



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     ↑:「bean」・2009年 300×150×150mm。



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     ↑:「sprout」・2008年 500×350×350mm。 


  1974年 群馬県生まれ
  2001年 東京造形大学(彫刻)研究生修了

 昨年の芸森の「高橋コレクション・展」の会場にぴったりだ。何ともいえない幼児性は「ネオトニー」だし、仕上げ具合の綺麗さ巧さは彼等と共通している。実際、その時の加藤泉・作品は同じ腹から生まれた男兄弟のようだ。


 グロテスクで可愛い生き物たちだ!

 「目」に対する感覚が独特だ。目は心の窓というが、彼女の場合は目が五感の全てになっている。目・口・耳・鼻・肛門・尿口・産口と人体と外界を結ぶ穴を「目」が分け隔てること無く機能しているのだろう。男の文節的思考に対して、目に象徴化させて全てを全体的に受け止め、感じ、表現しようとしている。目と皮膚が生きものの証のようだ。

 作品の目は泣き笑い喜びの涙をたたえている。目に何かが刺さったように見えるが、目が何かを出したり産んでいると見たほうがいいようだ。
 作品を見た瞬間は「目に刺している」という感じで耐えがたいのだが、人形の仕草の愛くるしさ、裸の可愛さ、肌の艶やかさや美しさをみていると、「非人間的な生きもの」に対して感情移入が起こってしまい嬉しい戸惑いにふけってしまう。作家の「裸」の感受性に驚いてしまう。



 (全体の感想と簡単な個別作品は②に書きます。)

by sakaidoori | 2009-08-09 12:40 |     (カフェ)アトリエムラ | Comments(0)