栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

カテゴリ:(カフェ)北都館( 10 )


2014年 08月 11日

2442) 「佐藤萬寿夫展」 (カフェ)北都館 終了/7月30日(水)~8月4日(月)

     
  


佐藤萬寿夫 
  
        


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
       第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2014年7月30日(水)~8月4日(月)
 休み:年中無休
 時間:水・木・金曜日 10:00~22:00
     (最終日は、~17:00まで。)
     
 

ーーーーーーーーーーーーーーー(7.31)

f0126829_14135289.jpg



f0126829_14151912.jpg




 入口付近のカンター壁面は健康な頃の旧作。






f0126829_142239100.jpg



 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 以上は最近作だ。沢山だ。喫茶店だからといって気を緩めずに大量の展示作品で、やはり元気一杯な佐藤萬寿夫展だ。

 毎年時計台ギャラリーで個展を開いている。今年も数ヶ月前に開いた。厳密にはわからないが、その時とは一新しての発表だと思う。
 元気さ、作品の大きさ、燦々とした色世界はいつもと同じだが、明瞭な変化を見た。そのことを書く前に、作品をグループ毎に載せます。まずは堪能して下さい。




f0126829_14342774.jpg





f0126829_14343992.jpg





f0126829_14344764.jpg





f0126829_1435075.jpg







f0126829_14351482.jpg





f0126829_14352437.jpg





f0126829_14353467.jpg





f0126829_1435428.jpg






 氏は脳梗塞できき手の自由を奪われた。リハビリを兼ねながら、きき手の再起や以前は使わなかった手を使って画作に励んでいる。そして、新道展の会員でもあり、以前は油彩の大作中心であった。現在は描きやすい色鉛筆が中心だ。鉛筆だから細密性や線の流れや勢いとかの線質が作品の特徴をなしている。もちろん、以前の色に対する感性は新たな土俵で中心的位置を占めている。


 二つの変化を見た。

 一つは、センチメンタルさが薄れて、個が強くなった。「誰かと一緒にいる僕」ではなく、「自分はしっかりここに居る。世界は光と色に包まれて弛まずに存在している」という傾向を強めている。

 以前は花瓶にしろ建物にしろ、並んでいる姿は相互助け合い、触れ合いでセンチメンタルなところがあった。描かれている線が、手が不自由ということもありたゆたゆしくて、一層その気分を高めていた。自由に線が描けない。しかし、自由に画けれない中で何とか描こうという時、画家の中で今までとは違った可能性が開く場合がある。正に氏の場合がそうである。「たゆたゆしい線であっても」、いや「たゆたゆしい線だからこそ」表現できる可能性が開けたと思う。

 ということは「たゆたゆしい線」が克服され始めた事も意味する。少なくとも、「たゆたゆしさ」が中心にならないような画家的工夫をしている。そのことが二つ目の変化だ。
 変化は画面構成の輪郭線によく顕れている。多くが直線で区切られている。もともと直線に対する愛も強い画家だった。そういう意味では病気以前の表現ワールドに戻りつつあると言える。
 だが、「たゆたゆしい線」の魅力が減ったのは事実だ。少なくとも今は、ぎこちない線を克服しつつある。その方向で画家として更なる自信を回復し、今の姿を正直に画面に反映させている。




f0126829_15385972.jpg



f0126829_15391681.jpg








f0126829_1540369.jpg



f0126829_15404113.jpg







f0126829_1541147.jpg






f0126829_15414989.jpg






f0126829_15415998.jpg







 今、再起の始めのころ頃の「描く喜びオンリー」の段階を超え始めたのだろう。間違いなく、より主張し展開する「佐藤萬寿夫の世界」だ。






f0126829_15423455.jpg
   ↑:(旧作。) 

by sakaidoori | 2014-08-11 16:07 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2014年 03月 04日

2358) 「塚崎聖子 小品展」 (カフェ)北都館 2月26日(水)~3月3日(月)

   
  


塚崎聖子小品展 
  
        


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
       第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2014年2月26日(水)~3月3日(月)
 休み:年中無休
 時間:水・木・金曜日 10:00~22:00
    土・日・月曜日 10:00~19:00
 

ーーーーーーーーーーーーーーー(2.28)



f0126829_922633.jpg





f0126829_933715.jpg





f0126829_935531.jpg
 




 構図も画質感は重厚、画題や画風は西洋風、そして本格的な大作中心作家だ。



 塚崎聖子、道展所属で毎年大作を一点は間違いなく見れる。
 定期的に時計台ギャラリーなどで個展を開催。そういう時は大作中心で明快な構図と重厚な画質感、西洋好みの画風に接することができる。
 他にもグループ展に積極的に参加し、普段とは違ったことにチャレンジしている。何をチャレンジしているかというと、とにかく構図や画質感の重厚さがウリの塚崎聖子だが、他にも変な格好で踊る少女を描いているのだが、そういう正統的普段着をちょっとわきに置いて、悩みつつも何やかにやと励んでいる。

 以上は大作の話だが、今展は小品揃いだ。今会場では大作中心は無理でしょう。だから見る側は小品は自然なのだが、描き手にとっては話は別だ。これだけの小品そろい踏みは初めてという。小なりとも一点は一点、随分といろいろと描いた。


 例によって西洋的画題が中心なのだが、心象風の山水画もあった。こういう作品を見ると、画材や技法はいろいろあれども、やはり日本人の美意識は隠せないものだとしみじみ思ってしまった。





f0126829_120636.jpg





f0126829_1202138.jpg






f0126829_1234077.jpg
   ↑:「車窓の景(冬木立)」。





f0126829_1235243.jpg
   ↑:「さぼてん」。







f0126829_22204172.jpg
f0126829_2221920.jpg
   ↑:左側、「パルテノン」・F6。
   ↑:右側、「メテオラ」・P8。



 右側の作品、海を赤にしているのがセールスポイント。青では普通だし燃える思いが伝わらない。そこで激しく赤だ。水平ラインもバサッと直線!





f0126829_223759100.jpg
   ↑:「パルテノン」・P20。



 箔を使っている。西洋を日本美で包んでみた。





f0126829_22381094.jpg
   ↑:「メテオラ」・F10。








f0126829_22254480.jpg
   ↑:「モンパルナスの木馬」・F3。






f0126829_22294191.jpg
f0126829_2230272.jpg
   ↑:左側、「薔薇のある卓上」・P8。
   ↑:右側、「秋の卓上」・F4。


 (左の写真はピンボケです。すいません。)

 塚崎聖子は建築的造形美が好きだ。びしっと直線の輪郭でどっしり、その中で生きものなりが適度に動く。上掲の静物画も卓上という背景はゆるぎない建築美、その中で静物が存在感を示して動きを見せている。






f0126829_22451545.jpg
   ↑:「夏の終り」・F6。



 可愛さいじらしさあどけなさ・・・後ろ向きの貧しき少女か?オーソドックスな美学だが、やはり捨てがたい魅力だ。




f0126829_2246425.jpg
   ↑:「冬のうさぎ」・F12。



 木立が金箔で輝いている。この鷹揚とした佇まいがセールスポイントだ。その木立の中を剽軽な姿で少女が歩いている。チクタク、てくてく、ぼーんぼん・・と口ずさんでいる。




 

by sakaidoori | 2014-03-04 23:03 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2014年 01月 28日

2326)「風の彩・本田滋 絵画展 《風色の街・ハミングの歌》」(カフェ)北都館 終了1月22日(水)~1月27日(月)

   



風の彩・本田滋絵画展
風色の街・ハミングの歌
  
        


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
       第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2014年1月22日(水)~1月27日(月)
 休み:年中無休
 時間:水・木・金曜日 10:00~22:00
    土・日・月曜日 10:00~19:00
 

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.28)



f0126829_8335525.jpg




f0126829_8345057.jpg





 ひどいものです。閉店3分前に店内に飛び込んで、作家に遅れた詫びを一気にまくし立てながら、視線は慌ただしく作品を追いかける。見慣れた作風なのですが、「おっ、今回はシックに決めてきたな。なかなかイイゾ・・」なんぞと意識が駆け巡っていく。流し見だけ、確認するだけで充分ということで今回は納得すべきなのだが、「写真、いいよ」との作家の言葉だ。またまた慌ただしき作品撮影だった。その間、わずかに5分!まったく、失礼極まりない時間を過ごしたわけだが、長い人生の巡り会いだ。多々あるわけではないが、「マァ、イイカ」です。


 若干、作品説明も伺ったが、全部忘れてしまった。以下、写真を見ながらあれこれと思い出し、わずかなりとも言葉を繋げていきます。



 まずは今展一と思われる意欲作、大作を2点。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)



f0126829_929276.jpg
   ↑:「春待ち港」・F40 アクリルガッシュ。



 空と、黄色と青と白の構成がセールスポイント。それらと都市の工場群との響き合いが楽しき語りになって、本田滋という都市風景画家の心根がポロンと出た感じだ。

 激しさや勢い過多も本田ワールドなのだが、最近はその傾向がめっきり減った。作風に落ち着きが加味されていく感じだ。



f0126829_9453648.jpg
   ↑:「早春のマリーナ」・F40 アクリルガッシュ (第38回二輝展 奨励賞)。


 画面中央、おそらくボートなのだろうが、よくわからないのがセールスポイント。「何となくボート」と解れば充分なのだ。白装束や風体の不思議さで、単なるボートというリアルな絵画性から離れていって、イメージの遊びに誘いたいのだろう。そこが評価されたのかどうかは解らないが、氷になったようなようなボートに愛を感じてしまった。






 店舗内正面には柱時計がある。その両脇の2点を載せます。光というか、ぼやけ感、白味の効果を確かめている感じ。本田風遠近感とか、チャーム・ポイント表現になっている。


f0126829_955513.jpg
   ↑:「オレンジ色の風」・S8 アクリルガッシュ。


 街路樹の枝や葉の重なりをモノトーン風の白味で強調し、流れと一瞬の切り抜きになっていて、人が小走りで・・・どこに行くのかな?





f0126829_9551639.jpg
   ↑:(記録不備)。



 画面の両脇や上下を白くして、絵画を窓からの風景にしている。画面は盛り上がってタワーへ、向こうの彼方此方へと楽しく進んでいく。手前の木々は人の行進のよう。リズム、リズム!本田ステップ、ステップと冬の白い世界で画家は遊んでいる。





f0126829_1095558.jpg
   ↑:「春近し控訴院」・F10 アクリル (アートホール東洲館主催「十号公募展」・佳作賞)。


 窓です、窓です。幾重にも格子状に窓が重なっている。それは確かに閉じ込められた世界には違いない。だが、暗くならないところが本田滋らしさだ。
 向こうの木々(人生)と語らっている。自問自答か?しっとりと、我が人生を悔いるでもなく、ことさら高ぶるでもなく、淡々と見つめている。見る自分に見られる自分、それを見つめる僕らでもある。




f0126829_10211273.jpg




f0126829_10261584.jpg






 以下、小品コーナーです。コンパクトに巧みに本田エッセンスが詰まっている。



f0126829_10221579.jpg




f0126829_10222955.jpg




 以下、全て「S5号」です。



f0126829_1032681.jpg


f0126829_10324596.jpg






f0126829_10331322.jpg


f0126829_10473924.jpg







f0126829_104863.jpg


by sakaidoori | 2014-01-28 10:48 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2013年 10月 22日

2273) 「久山春美 日本画展 『日々の彩り 2』」 (カフェ)北都館 終了/10月14日(月)~10月20日(日)




  

久山春美 日本画展
    「日々の彩り 2」
 
        


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
       第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2013年10月14日(月)~10月20日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.19)


f0126829_11141654.jpg



f0126829_11144343.jpg





f0126829_1118592.jpg




f0126829_1119914.jpg





 店内には作品が一杯一杯!明るく、可愛く、健康的、ちょっと未完成もあるかな?ちょっと不思議空間もあるかな?古風で正直な小娘気分の、素直な個展だった。

 こういう作品をゴチャゴチャ言っても始まらないのだろう。
 本日22日は秋晴れで爽快な日だ。そんな天気に負けないような、若い日本画家の良い気分を載せていきます。
 「えっ?」
 「普通の静物画じゃん」
 そうです。でも、そう仰らずに、普通に爽やかに楽しんで下さい。




f0126829_1252129.jpg
   ↑:左から、「夏の華」、「紫(ぶどう)」。


 入り口で、真っ先に見る作品だ。このまるまるとした大きさ、画家の気持ち良さがそのまま膨らんで伝わってくる。それにしても、こんな風に大きく描く画家だったのか?実際、この2点は他とは違う感じだ。特に左側の花の作品。小品だから可能だったのか?きっと、彼女の画風の一側面が他に邪魔されずに強く表にでたのだろう。




f0126829_12152329.jpg
f0126829_12153556.jpg
   ↑:左から、「小さな春」、「夏の庭」。



 まるまるした作品の次は、線描というか、点描というか、コロン描というか、湧き出る湧き出る夏気分だ。もっと正直に言えば、「小さい幸せ発見」だ。




f0126829_1225374.jpg
   ↑:「りんごふたつ」。


f0126829_1226838.jpg
   ↑:「きいろい花」。



 いろいろと表現するものだ。

 彼女は昨年もここで個展を開いた。テーマは四季だ。
 今回は「夏」。随分と明るい絵が多い。夏気分だから明るいともいえるが、そればかりではないだろう。ようやく、社会人として描くことと、働くこととを、上手い具合に両立し始めたみたいだ。





f0126829_1127994.jpg




f0126829_17134230.jpg




f0126829_179321.jpg





f0126829_17191346.jpg
   ↑:「紫陽花」。



f0126829_17195871.jpg
   ↑:「湖」。



 入り口から奥へと、いろいろとムードを代えながらの展示だ。楽しき夏心百景だ。





f0126829_17212521.jpg
f0126829_17214117.jpg
   ↑:左から、「青い池」、「(?)」。



 一番奥に鎮座する2点。こんな気分で50号位を描きたいのかもしれない。「明るく爽やか、でもそればかりではないよ」、そんなチラリズムがチラチラ輝いていて、自分の心をどんな風に膨らますかを確認しているみたい。




f0126829_1728781.jpg
   ↑:「台北」。


 台湾台北は不夜城だ。夜市と呼んでいたか、深夜0時でも健康的に酒を飲み交わし、食事をしている。そんな賑々しさは絵画からは伝わらない。日本人にはいたって好意的な街だから、異空間とリラックスムードが混在した絵になったのだろう。「台北」と呼ぶには迫力不足だが、久山春美という真面目な女性が、台北に取り組んだ姿勢が良い。外国に行って、普段とは違う感覚を絵に残す、画家らしい。



f0126829_17412077.jpg
   ↑:「ワルツ」・紙本彩色 57×57㎝ 2008年。


 DM作品。ちょっと旧作。愛着があるのだろう。果たして今回の新作はこの絵に勝ったか?どんな変化が生まれたか?作家自身がしげしげとあれこれ感じていることだろう。勝負や変化よりも、今も描き続けている姿にうっとりしているかもしれない。それが一番だ。



f0126829_17461559.jpg
   ↑:「サークル」。


 この作品も旧作の部類とのことだ。確かに、以前はこんな感じがあった。何となくクエッションがあって、そこが好きだった。




f0126829_17494433.jpg







f0126829_1835596.jpg


 「夏の次は秋ですよ」と、言いたいのだろう。確かに、憂いを感じる空気になった。でも、絵は楽しそうだ。


 

by sakaidoori | 2013-10-22 18:21 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2013年 09月 02日

2183) 「宮地明人 小品展 -それぞれの情景-」 (カフェ)北都館 終了・8月26日(土)~9月1日(日)

  

  

宮地明人小品展 

  -それぞれの情景
 
        



 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
       第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2013年8月26日(土)~9月1日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (土・日曜日は、~19:00まで。最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(8.31)


f0126829_1012924.jpg



 
 宮地雰囲気、宮地カラーをしんみりと浸ってきた。

 持ち味は描写力と独自の雰囲気。セピアとは言わないのだろうが、一気に別の世界に運び込んで、美と詩情を醸し出す。

 今展は小品ばかりだ。
 いつもの大作は若い美人が主役だ。どうしても男のロマンとして見てしまう。もちろんそれは、画家の異質の一つだから仕方がない。だが、それと同時に「何か」を追い求めているはずだ。
 そういう意味で、若い乙女に引っ張られずに、画家の世界を楽しめた。




f0126829_10285536.jpg




f0126829_1029936.jpg
   ↑:「ポプラのある風景」・F6。



 自然な緊張感があった。



f0126829_10311265.jpg
   ↑:(キャプションなし)。


 豆腐と皿と闇、あまりない画題だ。ロマン派画家としては豆腐はそんなに描いていないだろう。質感と、豆腐自体の重みの動きを表現したかったのか。そこに闇だ。高橋由一を思い出した。

 間違いなく試みだろう。小品ばかりの個展にはこういう例外的な作品があるから面白い。やっぱり、小なりとも個展だ。



f0126829_10361597.jpg
   ↑:「柳葉魚」・SM。


 魚も珍しい。無理な動きがないだけ宮地・ワールドだ。
 「生きる」という「生命力」に詩情を織り込む画家だ。「生」には「死」がつきものだし、そういう生命観をモチーフにしているのだろう。
 ただ、僕自身が「生死」とか「命」を語るタイプではない。それに画家は限りなく若い。やはり静かな中にある「健全な生命力」に魅力を感じる。




f0126829_1044725.jpg




f0126829_10473316.jpg
   ↑:「マルメロ」・F6。



f0126829_10484448.jpg
   ↑:「sense」・M10。



 今展では唯一大きめで本格的女性(美人)画だ。
 若い美人を描く人だが、可愛くとか、笑顔はあまりない。ややこわばったきつい表情が多い。
 外面より内面を表現したいからだろう。視線、頬の貼り具合、髪型の勢いなどで、微妙な感情の起伏を、一色に近い宮地カラーで惹きだす。しかも詩情を綾なして。




f0126829_10581072.jpg




f0126829_10585018.jpg
   ↑:「ラズベリー」・SM。



 物の集積・群集も珍しい。同じものが密集すると、画家はマジシャンになる。表向きの美と同時に醜も現れる。美醜、明滅、清濁、そして生死・・この作品はそこまで書くとオーバーになるが、その余韻を感じる。



f0126829_1192810.jpg
   ↑:「窓」・F0。




f0126829_11114012.jpg




f0126829_11115718.jpg
   ↑:「向こう側」・F3 。



 画題をタイトルにすることなく、「窓」、「向こう側」というあらぬ命名だ。窓の向こうの見えそうで見えない、無さそうで在る世界を絵にしたいのだ。



f0126829_1117633.jpg
 




f0126829_11171531.jpg


by sakaidoori | 2013-09-02 11:40 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2013年 07月 27日

2117) 「菅原美穂子パステル画展 ~蒼の中へ~」(カフェ)北都館 終了7月8日(土)~7月14日(日)

   


菅原美穂子パステル画展 

   蒼の中へ
        



 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
      第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2013年7月8日(土)~7月14日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (土・日曜日は、~19:00まで。最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(7.13)



f0126829_20242290.jpg





f0126829_20244953.jpg






f0126829_2291853.jpg   ↑:(良い表情で、良い光景です。僕のカメラがもっと良かったら、とついつい悔いてしまった。)






f0126829_22121635.jpg






f0126829_22122927.jpg




 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 驚いた。通路状のカフェに作品がびっちりだ。菅原美穂子はパステルによるイメージ画だから、どちらかというと「癒し系」と書いても大過ない。そんな作風だから、作品数もほんわかムードに納めるのが普通だろう。

 全くこの頑張りよう、素晴らしいとしか言いようがない。本当に「癒し」を前提に書き進めて良いのだろうか?

 画題はほとんど人物で、人物しか描いていないと言ってもいい。
 描き方に二通りあって、愛情を込めて大きく人物を描く場合。
 人物もいるのだが、異様に余白をとっている場合。
 
 余白の多い作品の方が好きだ。「何か出てこい、湧いてこい、生まれてこい」と、心の中で呼び込んでいるみたい。そしてパステルの色も見るたびに強くなっていく。「この絵を見るみなさ~ん、幸せ気分になってね、何か良い思い出に浸って下さい」ではない。どうも、自分自身と対話しているようだ。自分の思い出の人、その人を見つめている。「会いたい。このパステルのもやの中から顔を出して!だから、もやってても強く描きたい」、そんな願望を感じてしまった。



 人物の顔は人形のようで可愛い。このあどけなさがある間は、どうしてもたゆたゆしい。感傷気分が先行する。相当に強い空間、強いパステルになってはいるが。
 それと、輪郭線を細く強く描いている。その辺にも絵の強さの秘密があるのかもしれない。
 「(そこに在るものへの)愛情」、「(想い出という)感傷」、「(いなくなったものとの再会という)願望」、「(絵によって夢をかなえたいという)意欲」、こんな心根の作品に見えた。


 以下、個別作品を載せます。
 沢山撮った。撮影失敗も多くあった。極力撮影順に選んで載せます。
 今となっては原作の大きさもよくわからない。似たような大きさで載せます。色も原画と相当違うでしょう。パソコンですから、それなりの複製と思って下さい。



 
f0126829_22353184.jpg
f0126829_2236532.jpg
   ↑:左側から、「Blue frame 1」、「Blue frame 2」。




f0126829_22435551.jpg
   ↑:「想・・・櫻の頃」。


 菅原美穂子といったら、こういう作品が直ぐに頭に登る。そういう意味では、代表作的な作品。




f0126829_2247466.jpg
   ↑:「浮遊(羊雲の丘)」。





f0126829_22504435.jpg
   ↑:「二月のラブソディー」。





f0126829_2255296.jpg
   ↑:新緑(中庭)」





f0126829_22553457.jpg
   ↑:「(記録ミス)」。



f0126829_22562319.jpg
   ↑:(上掲作品の部分図。)





f0126829_234142.jpg
   ↑:「紡ぎ詩(ほおずき)」。

by sakaidoori | 2013-07-27 23:44 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2013年 03月 10日

1966) 「古畑由里子 油彩画展 ~根室風景☆営み~」(カフェ)北都館 終了3月4日(土)~3月10日(日)

   


古畑由里子 油彩画展 

   根室風景☆営み
       


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
      第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2013年3月4日(土)~3月10日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (土・日曜日は、~19:00まで。最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(3.9)

 会場全景は撮れませんでしたが、何となく風景を載せます。概ね感じはつかめるでしょう。


f0126829_2139730.jpg




f0126829_21402878.jpg




f0126829_21405948.jpg




f0126829_21412838.jpg




f0126829_2144452.jpg




 根室の風景と、身近な物の静物画。そして、青い世界と赤い世界。小品の風景では普通の具象画もあるが、多くは古畑流の赤塗りで印象派的色面処理の構築的絵画だ。


 青色系の風景画は、描き手のリラックスした気持ちよさを伝えよう、風景の一つ一つに重点を置かなくて、空気感を表現したい、心穏やかにやさしく見つめていたい。
 対する赤の世界は、普段の古畑由里子調で、書き慣れている。愛情で包みこみたい、廻りの背景も一緒になって画題への愛を強調している。強く対象を見つめ、フンワリした丸い重量感を持たせ、そして触りたいと、いつものように頑張っている。
 僕は、その赤い世界のウブというか、素直で一本気な愛情表現に好感を持っている。ただ、この赤い世界が一層深化するにはどうすればいいのか、その辺が彼女の課題だと思っている。より乙女風になるべきなのか?逆に熟女の円熟味が出るべきなのか?今よりも、もっともっと人々への愛を強めるべきなのか?
 今回は風景を見つめた。リラックスに青を楽しんだ。この経験も大事なのだろう。


f0126829_2210670.jpg
f0126829_22135210.jpg
     ↑:左側、「納沙布の灯」・SM。右側、「青色の牧草地(湿原沼付近)」・F4。




f0126829_22181646.jpg

f0126829_22183229.jpg

     ↑:左側、「湿原の朝(春国岱)」・SM。右側、「浜松海岸」・P3。


f0126829_22225654.jpg
          ↑:「音根元漁港」・P50。




f0126829_22241487.jpg
          ↑:「根室港夕映え Ⅱ」・F25。



f0126829_22284954.jpg
f0126829_22292100.jpg
     ↑:左側、「枯れたひまわり」・P3。右側、「冬の音」・F10。



f0126829_22331541.jpg
          ↑:「花咲港の営み」・F6。



f0126829_22341294.jpg
          ↑:「コンポートと西瓜」・P6。

by sakaidoori | 2013-03-10 23:03 | (カフェ)北都館 | Comments(2)
2012年 11月 21日

1876) 「久山春美 日本画展 『日々の彩り』」 (カフェ)北都館 終了11月12日(月)~11月18日(日)

   

久山春美 日本画展 

   「日々の彩り
     


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
      第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2012年11月12日(月)~11月18日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (最終日は、~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(11.17)

f0126829_16192612.jpg



 お昼に行ったのでお客さんでびっしりだった。作品はゆっくり見れなかったが、久山春美さんのお顔も久しぶりに見れた。元気で何よりだ。
 作品は素直な自然体そのもの。長く発表もしていなかった、いろいろとあったのだろう。これを機会にマイペースで制作されることを願う。そのうちに意欲作を見せてくれるだろう。まずは楽しい作品との出会いだった。


 以下、個別作品を載せますが、鑑賞と言うより眺めるだけだったので、感想すら書けそうもない。今回は個展の記録以上のものではありません。さわやか気分を楽しんで下さい。


f0126829_1646223.jpg



f0126829_16461967.jpg



f0126829_16471660.jpg
          ↑:「秋の彩り」。


f0126829_16475116.jpg



f0126829_16483318.jpg



f0126829_16485541.jpg



f0126829_1649259.jpg



f0126829_16493682.jpg




f0126829_1650133.jpg
          ↑:「桃二つ」。


f0126829_16504362.jpg
f0126829_16505430.jpg
     ↑:「りゅうきゅうまつ」、「きたごようまつ」。 

by sakaidoori | 2012-11-21 22:21 | (カフェ)北都館 | Comments(0)
2011年 01月 25日

1440)終了「【風の彩・本田滋 展】 《ふり向けば北の街》」・(カフェ)北都館 1月17日(月)~1月23日(日)

○ 【風の彩 ・ 本田滋 展】

   《ふり向けば北の街
 


 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー・北都館
     西区琴似1条3丁目1-14
      (地下鉄琴似駅5番出口。
      第一病院向い)
     電話(011)643-5051 
 
 会期:2011年1月17日(月)~1月23日(日)
 休み:年中無休
 時間:10:00~22:00
     (日曜日は、~17:00まで。営業は20:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.21)

f0126829_1013825.jpg


f0126829_10135194.jpg


f0126829_10141888.jpg






 賑やかさ楽しさを信条とする本田滋さんの個展です。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 イメージ性の強い花や風景を描いている。特に、「都会の風景画」は自由さが際だっている。そこには人為的な建物や車や物がある。いろんな直線や曲線に色がある。何と言ってもゴチャゴチャした雑踏がある。人間を描きたくなければ建物や乗り物を擬人化すればいい。人間を風景として挿入して遊ぶのも絵画的だ。

 自然と向き合いたい時は風景画にすればいい。そこでは樹や草や」山や川は友達だ。風がある、匂いがする、空気がある。目に見えぬ流れは色となって本田・絵画で踊り出す。

 色合い、筆さばき、構築性、構成と、全てが小躍りした姿は確かに本田・絵画の魅力だ。
 だが、氏はアクリル絵画を始めて日が浅い。絵作りの発展途上だ。躍動感を前提にしながら、いろいろと絵画上の工夫を試みている。特に、二次平面の立体化、自己流の魅力を引き出すのに相当励んでいる。そういう意味では今までの全作は試作だ。それは勉強であり、チャレンジする楽しみの足跡だ。しかも、あれもしたいこれもしたいと欲張りだ。「オレ流」だから、良作もあれば凡作もある。
 「凡作」、この言葉は本田絵画にふさわしい。凡にして凡々、ヘタウマなどと褒める必要はない。描きたい絵描きが描きまくる姿だ。そのエネルギーを褒めてはいけない。画家である以上当たり前の行為なのだ。凡なることを前提にしながら、氏の絵画が高まるのを楽しもう。


 ところで、今展はいつになくコンパクトで温和しい。大きさが真四角(スクエアー)ということもあり、左右に拡がらず、上下に伸びることなく風景がある。色合いや筆さばきなど全ては本田風なのだが、外に拡散するのを阻んでいる。一歩退いた本田・ワールドだ。現在の心境が絵画工夫とマッチした姿だろう。キュッと引き締まっている。これもまた良いものだ。下の作品が今展一のお気に入りです。
 (写真は原作以上に細々している。つくづく写真の嘘と誠を感じ入る。)


f0126829_12572263.jpg
          ↑:「雨模様の手稲」・S8号。

 視点が真ん中に真ん中に誘導される。そこは賑々しい。都会を楽しむ喧噪さ。



f0126829_12373441.jpg
          ↑:「北街通り」・S15号。


f0126829_12392695.jpg
          ↑:「小樽 初夏日」。S8号。


f0126829_124199.jpg
          ↑:「憩いの風」・S15号。



f0126829_12421473.jpg
          ↑:「秋彩(あきさい)の公園」・S8号。


f0126829_1244336.jpg
          ↑:「風に立つ (北広島黒い森美術館近く)」・S15号。



f0126829_12493771.jpg
f0126829_12502058.jpg
     ↑:左から 「紅色の花銀 (小樽にて)」・S8号。「裏参道の路(みち)」・S8号。


f0126829_1303661.jpg




 全ての指揮者は本田滋だ。うるさいほどのダンスだ、リズムだ。絵に静けさを求める人は見ないほうがいい。人間嫌いな人も見ない方がいい。でも、時にはこっそり見るのも良い。



f0126829_1333844.jpg
     ↑:「ストレリチア」・S15号。

by sakaidoori | 2011-01-25 15:45 | (カフェ)北都館 | Comments(1)
2008年 03月 24日

569) 北都館 「本田滋・絵画展  風の彩ー西の風・風力2」  終了・3月16日(日)~3月23日(日)

○ 本田滋・絵画展
    「風の彩ー西の風・風力2」

 会場:カフェ&ケーキ&ギャラリー 北都館
    西区琴似1条3丁目1-14(第一病院向かい)
    電話(011)643-5051  
 会期:2008年3月16日(日)~3月23日(日)
 休み:年中無休
 時間:9:00~22:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

 北都館には初めて行った。地下鉄琴似駅5番出口からはむかいに横断し、細い方の道路に沿ってほどなく、第一病院向かいにあった。
f0126829_2047258.jpg


 細長い店内、左側のテーブルのある壁一面に、びっしりと作品が展示されていた。間隔をとって小品がおとなしく飾られているのでは、という予想は完璧に裏切られた。賑々しさは壁面積に占める作品量だけを意味しない。作品そのものが、奥に行けば行くほどうるさく、楽しくそこにあった。本田ワールドである。

f0126829_2114894.jpg

f0126829_2175757.jpg

f0126829_219412.jpg


 本田さんはゴッホや佐伯祐三が好きだと思う。だが、彼らの命を削ってでも表現したい時の勢い、感情移入の激しさとは異にしている。車、木立、建物を擬人的に描き、溢れるヒューマンを画布の中に散りばめる。筆の勢い、建物の密集としての擬似人間集団、時に遠近法を無視した形の描き方、夕焼けのような橙色と雪の白、それら全体がユーモアに包まれた本田流ヒューマンを表現している。
 見ていて、実に楽しい。絵に対する愛情に揺るぎがない。技術的未熟練を雑な勢いでごまかしているところも感じるが、今展では上手い具合にマッチングしている。作品を密集しての展示が功を奏している。それと、絵風の方向性は変わらないと思うが、他人には分からない工夫を日夜考えているのだろう。精進の「今日」を見る思いだ。
 わが道を更に更に深めて欲しい画家だ。

f0126829_21461627.jpg
 ↑:「秋なずむ」
f0126829_21475846.jpg
 ↑:「語らいの街」
f0126829_21502712.jpg
 ↑:「丸窓の見える街」
 今展の代表作と勝手に判断しました。手前の建物と窓の形、後方右側の青い形の建物の形、実にいい加減な写実で、抽象表現です。絵の中に破綻を作り、別の生命体として絵に立ち表れていると思う。それらを支えるユーモア、いずれアバウトの写真として使わせてもらいます。

f0126829_22451213.jpg
 ↑:「パステル・ダンディー」

by sakaidoori | 2008-03-24 21:10 | (カフェ)北都館 | Comments(0)