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2013年 11月 02日

2287)①「奔別アート・プロジェクト 2013」 三笠・幾春別 9月21日(土)~11月3日(日)※土日祝のみの16日間

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奔別アート・プロジェクト 2013
 
   
 メイン会場:旧住友奔別炭鉱・選炭施設内 石炭積み出しホッパー 
         三笠市幾春別町

 問い合わせ⇒そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター
             電話(0126)24-9901

 期間:2013年9月21日(土)~11月3日(日)
     ※土日祝のみの16日間
 時間:10:00~17:00
 料金:無料

 主催:札幌市立大学
 共催:NPO法人 炭鉱の記憶推進事業団 
 協賛:公益財団法人 福武財団

※ (詳細はパンフを拡大して確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.2)



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 美術展の会場は左側に見える長い建物、石炭積み出しホッパーと呼ばれている。簡単に言えば、鉱山から採った石炭を貨車に積み込む施設だ。
 右側の建物も一連の炭鉱関係施設で、「住友奔別鉱立坑櫓」。地下で採られた石炭を地上に上げる施設だ。残念ながらここは立ち入り禁止。なぜかというと、ここの現在の持ち主は旧住友鉱山の末裔で、立ち入りを認めていないからとのことだ。たまたま積み出しホッパー部分だけを売却した。利用価値があったわけだ。今では無用の長物だが、その売却先が今回のイベントに同意をしてくれた。そして実現できた「奔別アートプロジェクト」だ。

 ホッパーの裏側の中腹部分も櫓の所有者と同じ。だから立ち入り禁止。ここには立坑櫓から積み出された石炭の選定施設があるはずだ。そこで、品種毎に分けたり、クズを消去する。そのクズはさらに山側に運ばれてクズ山になる。選別された石炭は今展の会場であるホッパーに運ばれて貨車に積み込まれる。その貨車は近くの幾春別駅に運ばれて、札幌とか小樽に旅発つことになる。

 最初に開かずの門の立坑櫓の勇姿を載せます。



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 鉄アバラの美しいこと。「合理的なものは美しい」、と誰かが言ったが、まさしくそうだ。



 さー、ホッパーに向かおう。



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 美術作品への入り口は、この建物の右側だ。どでかい「奔愛」の字を目当てに進む。この「奔愛」も作品です。あまりに風景や建物と一体化していて、作品かどうかを関係者に確認をしてしまった。




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   ↑:上遠野敏、「奔愛(Pon Love)」。


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 遠くで見れば鉄作品かと思われたが、近くで見れば張り子の虎のようだ。が、実に立派なものだ。
 ネーミングは、「奔別」の「別」が別れで宜しくないから、「愛」にしたとのこと。理由に関しては、正直感心できない。「別」は「川」とか「沢」の意で、単なる音合わせとしての「ベツ」だ。そんなことは上遠野氏は充分にご存じだが、やっぱり「別」が嫌なのだろう。僕は好きだが。



 この看板文字?を頭に見ながら施設に入って作品鑑賞だ。それは②で掲載するとして、もう少しホッパーの施設周りの風景を載せて①を締めます。



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 施設の2階?に行く渡り廊下が見える。
 昨年の廊下は華奢で繊細、天空に至る回廊のようで芸術作品であった。
 今年の廊下は、堅実そのもので、立派な簡易廊下以上のものではなかった。これが普通の姿だろう。



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 「奔愛」の場所とは反対側からの風景。この広い敷地は、炭鉱時代は丸太が山積みされていたようだ。もちろん地下の通路の支え柱だ。




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 ②では美術作品を順番に載せて行きます。

 会期は11月3日(日曜)までです。

 続く

by sakaidoori | 2013-11-02 23:53 | [三笠] | Comments(0)
2012年 10月 29日

1850)③「奔別(ポンベツ)アート・プロジェクト」 三笠・幾春別 終了9月22日(土)~10月28日(日)

奔別(ポンベツ)
   アート・プロジェクト 



   
 メイン会場:旧住友奔別炭鉱・選炭施設内 石炭積み出しホッパー 
         三笠市幾春別町

 問い合わせ⇒そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター
             電話(0126)24-9901

 メイン会場の期間:2012年9月22日(土)~10月28日(日)
              ※土日祝のみの13日間
         時間:10:00~17:00

 料金:無料

 主催:NPO法人 炭鉱の記憶推進事業団 
 協賛:(財)文化芸術による福武地域振興財団 公益法人・太陽北海道地域づくり財団 他 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.27)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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 札幌市立大学の参加学生達による作品解説。彼女達の左側にある、上遠野敏・「もっと遠く飛ぶために」を語っている。


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 こんな感じでホッパー内をだらだらと散策しながら歩いていく。全長100mだ。


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     ↑:冨田哲司、「Irreversible」

 ホッパー内片づけで出てきたゴミを白く塗りつぶしている。
 見てもわかるように、炭鉱時代のゴミではない。ここはレールと石炭とトロッコしかなかっただろう。だから、昨日まで使っていた現場ならば、朽ちたところでたいしたゴミは集積しないだろう。だから、人為的巨大造作物が管理されずに放棄されたならば、「人為によってゴミの山になる」、そんなことを言いたいのか。ゴミを隠れて投棄する人の行為を告発したいのか?
 タイトルはリバーシブルの反対語で「取り返せない、取り消せない」の意だろう。どうしてあまり使わない英語をタイトルにするのだろう?明快な意志と主張とメッセージを持つ作品だ。しかも分かりやすい。なのに、知らない英語だ。いや、知らないのは僕だけで、氏の頭の中は英語が渦巻いているのだろう。 
 それはともかくとして、社会派冨田哲司であった。



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 「ご安全に」は「1年3組」による作品。当時の炭鉱現場内での合い言葉とのこと。福島や九州の炭鉱では何て言ってたのだろう?


 写真で見てもわかるように、上部の四角く区切られた穴から製品石炭が落ちてくるのだろう。下にはレールに並んだトロッコが待ち受けている。石炭の落ちる音や、あれこれのレールのきしむ音で騒然としていただろう。当然、粉塵も凄いはずだ。構内は無人に近いはずだ。まさしく重厚長大な近代産業の喧噪さ力強さだ。無人とは言ったが、オペレータなどの作業員も適当にいただろう。その時の話が聞きたいものだ。


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 その石炭の落ちる姿と音を作品化したのが、高橋喜代史・「ホッパー・サウンド」だ。彼らしい、児童的な笑いとふざけ心と、どこか生真面目な作品だ。生真面目なところに冷や汗というか、センチな気分のにじみ出ている時の作品は好ましい。大きくしたい意欲とは裏腹に、小さくたたずむ作家を感じるから。

 そんな氏の大きさ、小ささを感じていたら、本当に小さな作品があった。


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     ↑:高橋喜代史、「no titole」

 高橋喜代史の小さきセンチメンタリズムだ。ロマンティシズムと言ってもいい。
 欧米のモダン・アート作家のパロディーを氏は多く手がけている。それはそれで良いとはおもうが、こういう人間・高橋の涙と笑いのほのぼのとした小市民的「幸せ」感情が作品ににじみ出たら、と思うことしばしであった。そういうのが見れて、僕自身大いに幸せ気分に浸ることができた。



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     ↑:kennsyo、「skin/texture」

 おー、ケンショーだ。ヌードだ。女の裸だ。
 「何で、ここにヌードがあるの?」と聞かれたら、
 何の意味もない。ケンショーはここにヌードを置きたかったのだ。しかも大きく大きく目立つように。「ケンショーがここに来た」という証拠だ。「誰もがここに来た証を刻めばいい。オレは暗きヌードを並べるのだ。美しいとか美しくないとか、この場に合うとか合わないとか、そんなことはどうでもいいのだ。オレはヌードのケンショーだから」

 おー、強きケンショーを見てしまった。



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     ↑:前川沙織、「夢の窓」

 アイパッドをかざして、連続写真という映像を見る作品。ではツー・ショット紹介します。


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 当日は決行映像によるリアル感を楽しんだのだが、こういう載せ方をしたら、女学生の変化を楽しんでいるみたい。


 ④に続きたいのですが・・・

by sakaidoori | 2012-10-29 11:26 | [三笠] | Comments(0)
2012年 10月 28日

1849)②「奔別(ポンベツ)アート・プロジェクト」 三笠・幾春別 9月22日(土)~10月28日(日)

    

奔別(ポンベツ)アート・プロジェクト 


   
 メイン会場:旧住友奔別炭鉱・選炭施設内 石炭積み出しホッパー 
         三笠市幾春別町

 問い合わせ⇒そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター
             電話(0126)24-9901

 メイン会場の期間:2012年9月22日(土)~10月28日(日)
              ※土日祝のみの13日間
         時間:10:00~17:00

 料金:無料

 主催:NPO法人 炭鉱の記憶推進事業団 
 協賛:(財)文化芸術による福武地域振興財団 公益法人・太陽北海道地域づくり財団 他 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.27)

 作品に入る前に、簡単に施設のことを書きます。

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 1965(昭和40)年、立坑完成時の当時の姿。

 右側の鉄塔が立坑で、現在ボロボロの姿で屹立している。垂直急降下巨大エレベーター施設と思えばいい。これに乗って人が働きに行き、必要な資材を運び、掘った石炭を地上に持ち出す。
 写真の右下に丸太が積んであるが、それは坑道として使われるのだろう。このエレベーターに乗って地下に行く。
 掘った石炭は建物から斜め上に伸びた通路を通って、山際の貯炭場にいったんは運ばれる。写真ではよくわからないが、左側だ。そこから今回の作品展示場のホッパー(石炭積み出し場)に運ばれて、カロリー別(製品別)に精選保管され、写真で見えるレールを通り、近くの奔別駅に運ばれる。
 レールが出入りしている三つのドームがあるが、その建物がホッパーだ。当時は40mで、その後、全長100mに増設されて、現在の姿になった。

 炭鉱自体は1971年に廃坑になり、この施設は炭鉱離職者対策事業体が使用した。仮設住宅を作る会社とのことだ。その後、コンクリート会社に売却されて、今は操業を停止している。そのコンクリート製造施設もしっかり残っている。


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     ↑:(白いイスなどは作品。手前のコンクリート跡地は仮設住宅造作時代の名残か?)


 何も使われなくなってから荒れ放題になり、ゴミの無断投棄もなされたようだ。施設は見てもわかるように、天井もいたんで雨ざらしだ。雨は入る、風は吹き抜ける、大型ゴミも一杯だ。今展の開催は、それ相応の片づけが大仕事だ。実にエライ!片づけて、今後の見学場のメッカにしよう、そのためのイベントという要素もあったろう。

 片づけから始まった美的行動だ。本番のための良きウォーミング・アップだ。どれだけ古き建物と同化したかが、そしてそのことを相対化させたかが問われるであろう。
 吹きだまりという印象も併せ持つ、時代の遺物。めげずに負けずに制作に励んだだろう。作品を見ていこう。


 順番に関係なく、印象度の高い作品から載せます。ピンボケ撮影になりました。見せたい空間を再現できなくて申し訳なく、かつ残念です。


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     ↑:手前の赤くこんもりした部分は、施設内に積もっていた残土。名付けて、「ズリ山と緑」・上遠野敏


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     ↑:今村育子、「さしこむ光」。


 タイトルにあるように、一筋の光を愛する作家ではある。が、そのことよりも作家の強情な意志に感服してしまった。「私はここにいる。しかも浮いて在る。私という存在を見よ!」と言っているではないか。
 浮いた姿が頼りげない存在を意味してはいない。他者をはじき返す独特な主張になっている。

 「私を見よ!私を見よ!私を見よ!」
 
 強情ではあるが、男の持つ闘争心ではない。どこかに他者関知せずという自己本位さがある。そこが良い。全てはそこから始まると思っているから。



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     ↑:マエダセイヤ、「でんしゃ。でんしゃで、んしゃ」



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 哀しくも楽しい最新式電車場だ。
 青いゴミ集積場を、それもいつ壊れるかもしれない軌道を、幸せそうに走る電車。


   電車、でんしゃ、デンシャ、
   何を思いて汝は走るか?その道の危うきを知らぬか。
   知らぬは幸せというもの、
   走れ、はしれ、ハシレ、電車よ駆け抜けよ、いついつまでも

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 ③に続く

by sakaidoori | 2012-10-28 11:44 | [三笠] | Comments(0)
2012年 10月 28日

1848)①「奔別(ポンベツ)アート・プロジェクト」 三笠・幾春別 9月22日(土)~10月28日(日)

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奔別(ポンベツ)アート・プロジェクト
 
   
 メイン会場:旧住友奔別炭鉱・選炭施設内 石炭積み出しホッパー 
         三笠市幾春別町

 問い合わせ⇒そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター
             電話(0126)24-9901

 メイン会場の期間:2012年9月22日(土)~10月28日(日)
              ※土日祝のみの13日間
         時間:10:00~17:00

 料金:無料

 主催:NPO法人 炭鉱の記憶推進事業団 
 協賛:

※ (詳細はパンフを拡大して確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.10 日)



 (じょうけいの地図を「写真」にしてみて下さい。かなり古い資料です。現在よりも賑やかに見えます。施設内に見える建物も、現在はありません。その、建物群は石炭遺産に関係ないものもかなりあります。)


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     ↑:(会場入り口付近。)


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     ↑:(奔別立坑。)


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     ↑:(展覧会場の石炭積み出しホッパー。)


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 マスクは神秘的か否か?顔が目そのものになり、会話することを拒み、鋭き前頭葉のみがこちらに迫ってくる。無機質な案内人に徹するならば、実に良い小道具だ。
 神秘的か否かは別として、どんな実顔かを想像したくなる。ナチュラルな黒髪、額、隠れた耳たぶ、鼻型は、唇は・・・。


 彼女、会場入り口の案内嬢に見えるが、このスロープは2階に行くためのものだ。本当の入り口は建物の右側だ。

 が、その前にこのスロープが素晴らしい。作品目録には紹介されていない。単なる舞台装置としての位置づけだ。おそらく、デザイナーが「美術品だ!」と、強く叫ばなかったのだろう。

 ざっくばらんな建て方で、いかにも安普請風だ。が、何とも変だ。・・・。解体の仕方を考えていたら、このスロープの変さがわかった。スロープを安全に作るための足場がないのだ。だから、このままでは安全には撤去できない。つまり、最低限の支えと骨組み、そして歩くスロープのみでできている。歩くため以外の不必要なものは撤去したのだろう。

 イメージは天空回廊だろう。まさに、天国か地獄に至る道だ。
 出所は古代出雲大社かもしれない。神社は高層建築という言い伝えを持つ。果てしない昇り回廊で出入りしていただろうと想像する人がいる。
 あるいは地下をくまなく走り回る斜坑かもしれない。地下迷宮の象徴だ。
 この武骨さは建物の古さや、何にもない広場にあっている。誇示なき姿にアッパレをあげよう。

 実際、ここを歩く人たちを遠くから見ると、天空にお参りに行っている感じだ。登り切ると、その人の姿は消える。どこかに行ってしまった。
 きっと、イサム・ノグチは感心するだろう。

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 階段は後に登るとして、美術品に会いに行こう。

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 札幌市立大の女学生の説明を聞きながら、ホッパー内を歩いた。

 前回の清水沢アート・プロジェクトは、作品が空回りしている感じだった。今回は刺激的な作品にも出会えた。学生作品は確かにたゆたゆしいのもあったが、バラエティーに富んでいた。
 
 「光と闇と音、そしてゴミ」、そんなことを感じながら作品に交わった。



 その様子は②に続く

by sakaidoori | 2012-10-28 01:12 | [三笠] | Comments(0)