栄通記

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カテゴリ:[美唄]( 7 )


2013年 05月 30日

2079)②「児玉陽美 展 ~上品なまにまに~」 アルテピアッツァ美唄 終了5月16日(木)~5月29日(水)

   
  

児玉陽美 展 

    上品なまにまに
  



 会場:アルテピアッツァ美唄内ストゥディオアルテ
     美唄市落合町栄町
     (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、
      直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。
      どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。)
     電話(0126)63-3137

 会期:2013年5月16日(木)~5月29日(水)
 休み:火曜日
 時間:9:00~17:00
     (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.29)

 2078)①の続き。


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     ↑:「とぶ、とり」。


 ドローイング調のたゆたゆしい世界が流れる。画家はそれを「まにまに」と呼んでいる。会場にはわずかに下がり物が揺れている。それは作品の飾り物で、「まにまに、まにまに」と揺れている。


 以下、上掲の作品の部分図を、人物に焦点をあわせて載せてみます。


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     ↑:「夢のまにまに」。


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          ↑:(上の作品の部分図。)   



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     ↑:「なだらかな季節」。


 以下、部分図。


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          ↑:「やろうと思った」。


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     ↑:左側から、「かがむと見える」、「無題」。




    1989年 北海道深川市生まれ
    2011年 道都大学美術過程デザイン科 卒業
             今回、3度目の個展


 

 在学時の強い個性を知る人にとっては、おとなしくなったと思うだろう。強さも勢いも減ったと。

 画題が一変したのだ。今の絵を見ると、学生時代はギラギラする若い情熱を吐き出していたのだろう。どこかこまっしゃくれて、外の世界にハスに構えていた。女の子だからツメや目頭は立てるけれども、暴力爆発はキライ、でも細腕で殴りたい、だった。闘っていた。

 今は、「夢よ再び」ではないが、とげとげしさよりも、素直に何かに身を持たせて、その流れで進んでみようとしている。どうなるか分からないけれど、見落とした何かを拾っていこうかな、そんな女の子心だ。

 だからといって、弱く表現してはいない。
 絵として、たゆたゆしくとも伸びやかに伸びやかに。そういう絵の拡がる可能性は、自分自身の可能性でもある。今作は自分の可能性展だ。何より正直気分が一番大事、限りなく日常の空気に徹して、日常に小さな旅を持ち込んで、お洒落に自由に・・・やはり、「夢よ再び」だ・・・それはいつか見た夢、これから見る夢、自由という夢。
 僕はそんな風に「児玉まにまに」を楽しんだ。気分はそうなのだろうが、絵画としてどれだけ「高みのまにまに」になったか、これからなれるか?

 見るこちら側も、「学生・児玉陽美」は精算しよう。当面は、「20代、夢をすすむ児玉陽美」の変貌を楽しもう。



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by sakaidoori | 2013-05-30 21:43 | [美唄] | Comments(0)
2013年 05月 29日

2078)①「児玉陽美 展 ~上品なまにまに~」 アルテピアッツァ美唄 終了5月16日(木)~5月29日(水)

  

児玉陽美 展 

    上品なまにまに
  



 会場:アルテピアッツァ美唄内ストゥディオアルテ
     美唄市落合町栄町
     (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、
      直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。
      どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。)
     電話(0126)63-3137

 会期:2013年5月16日(木)~5月29日(水)
 休み:火曜日
 時間:9:00~17:00
     (最終日は、~16:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.29)


 久しぶりの美唄だ。


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 当館の出入り口は2階。非常階段のような螺旋階段を昇って「学校」に入ることになる。
 上の写真は、美術館出入り口からのもの。入ってすぐ左側の教室がインフォメーション。受付嬢もいるが、入館は無料。


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 安田侃常設展示教室。
 ここは2階。そこからの外の眺めが・・・、


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 風景写真が多くなって、やっと肝心の児玉陽美展に到着。

 ②でその作品を載せていきたいと思います。明日に続く。


 

by sakaidoori | 2013-05-29 23:42 | [美唄] | Comments(0)
2012年 04月 10日

1696)「田中由美子・個展 [GIFT FROM THE SEA]」 アルテピアッツァ美唄 終了・10月13日(水)~10月27日(水)

  
○ 田中由美子・個展 

     GIFT FROM THE SEA
  


 会場:アルテピアッツァ美唄 A室B室 
      美唄市落合町栄町
       (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、
       直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。
       どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。)
      電話(0126)63-3137

 会期:2011年10月13日(水)~10月27日(水)
 休み:火曜日
 時間:9:00~17:00
    (初日は、11:00~。最終日は、~15:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.27)

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 半年前の展覧会です。秋深し、紅葉は真っ盛り、景色を楽しみがてら、久しぶりに美唄に行った。某ギャラリーの某オーナーが「良い展覧会だった」、その言葉にも触発された。
 良い展覧会かどうかは分からない。「不思議な展覧会」、あるいは「小学校跡地に合いそうな、逆に限りなくミスマッチのような、静かな心のざわつきを覚えた個展だった。
 あれから刻もかなり過ぎた。細かい印象は忘れた。だが、どうしても心に引っかかるので記録しておきます。

 会場は二部屋、まずは第一室の様子です。ほぼグルリ載せるので、様子は分かるでしょう。


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 空気感の後は個別作品です。


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f0126829_22542571.jpg (←:ゴワゴワした作品の部分図。)


 明るく心地良い空気感、そんあ気分で中にはいると、よくは分からないが異質なような同質なような品々が置かれている。バックボーンの定まった置き方だが、作品の一つ一つはとりたてて精巧というものではない。どこか間が抜けたような、それでいて几帳面にたたずんでいる。

 気分は判断の停止状態。「まっ、いいか。次の部屋に行こう。


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 先ほどと同じような構成だ。だが、白と黒、そして二列の直並びということで、どこかキツイ。『侃の黒い変体だ。黒光りしている。大きいな。なんだか一際目立つオチンチンだ』冗談気分など全然起こらないのだが、どこか全体がユーモラスだ。生真面目さと可笑しさ、几帳面さと幼稚さ、懐古的なのだが過去ばかりには向けない緊張感、『何だかアンビバレンスだな』

 『奥にある白い服、何だか変だぞ』


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 『うっ、まるで死人ではないか、ミイラではないか、死体に着せる服ではないか。この貝殻の形、乳房ではないか、乳首ではないか、するとこの白装束は女か、まさか作家本人なのか・・・』

 この白装束で作家の意図が分かったとは言わない。が、葬送の場と捉えても構わないだろう。それにしても、あたりの空気は淀むことなく透き通っている。明るく送ろうというのか。寒々しさと明るさ、「田中由美子」という作家は、相反するものを同時に楽しむタイプなのか?少なくとも喜怒哀楽を激しく攻めないのだろう。だが、この白装束は激しい。憂いや哀しみ、それらを貝殻たちが包んでいるのかもしれない。タイトルは「海からの贈りもの」とある。海は死人の行くところ、死人は貝になって戻ってくる。残された者には贈りものか・あるいは象徴として「死の往き来」をしているのだろうか?


 振り向いた反対側にも、もう一人の「田中由美子」が立っている。


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by sakaidoori | 2012-04-10 01:07 | [美唄] | Comments(3)
2009年 03月 24日

947)②アルテピアッツァ美唄 「田村陸・展VOL.1 『月とナイフ』・田村七海」 3月15日(日)~3月29日(日)

○ 田村陸・展 VOL.1
    「月とナイフ」

 会場:アルテピアッツァ美唄
     美唄市落合町栄町
    (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。)
     電話(0126)63-3137
 会期:2009年3月15日(日)~3月29日(日)
 休み:火曜日(3月17日、3月24日)
 時間:9:00~17:00
    (初日は、11:00~。最終日は、~15:00まで。)

 ※ 作家在廊予定日⇒3・15(日)、20(金)、22(日)、29(日) 11:00~15:00 

 ※ 次回個展予定 ⇒ 2009年8月3日(月)~8月8日(土) 於・オリジナル画廊

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

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 「4年 田村七海
   題名:月と花にかこまれた少女

  053.gif私は、田村陸の妹の田村七海(ななみ)です。
  どうしても、私もかざりたっかたので
   かきました。おにいちゃんの感想のところに
    私の感想もついでにかいてください。七海(ななみ) 056.gif

 七海ちゃんが怒っているのが目に見えるようです。
 「おにいちゃんだけこんな立派なところで絵をかざってズルイズルイ。七海も絵は好きだもの。七海にだって絵はかけるは。
 『月とナイフ』、なんてこわい題名なんでしょう!やっぱり女の子は花よ!だってかわいいんだもの。花に囲まれた七海の絵をかいちゃおう・・・。私の絵もすてきでしょ072.gif


 「七海ちゃんへ。
 とてもきれいな絵だとおもいます。いっしょうけんめいにかいたのですね。
 この少女は七海ちゃんですね。花に囲まれてしあわせそうですね。
 これからも、おにいちゃんにまけないぐらい、絵をたくさんかいてください。
 『太陽の下でおなかいっぱいケーキを食べる女の子』、そんな楽しい絵もみたいです」

 

 田村陸君の小学時代の作品を少し載せます。

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 「ガメラ」です。両の掌にどっしりと乗るくらいの大きさです。
 彼の小学時代は恐竜が友達だった。おそらく沢山の落書きやスケッチを描いたことでしょう。

 下の写真は用意されていたスケッチブックからです。
 丁寧な絵です。淡い色です。画面全体に気を配っています。
 一点を凝視するタイプではなく、全体に感覚が及ぶ人ですね。描かれたもののどこからでも物語が生まれるのでしょう。それらを丁寧に丁寧に拾い上げるんでしょう。

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by sakaidoori | 2009-03-24 10:17 | [美唄] | Comments(2)
2009年 03月 23日

946) ①アルテピアッツァ美唄 「田村陸・展 VOL.1 『月とナイフ』」 3月15日(日)~3月29日(日)

○ 田村陸・展 VOL.1
    「月とナイフ」

 会場:アルテピアッツァ美唄
     美唄市落合町栄町
    (国道をJR美唄駅を通り過ぎて北に進み、直ぐに「美唄国設スキー場」方面に右折。どこまでも続く一本道、スキー場への途中の右側。)
     電話(0126)63-3137
 会期:2009年3月15日(日)~3月29日(日)
 休み:火曜日(3月17日、3月24日)
 時間:9:00~17:00
    (初日は、11:00~。最終日は、~15:00まで。)

 ※ 作家在廊予定日⇒3・15(日)、20(金)、22(日)、29(日) 11:00~15:00 

 ※ 次回個展予定 ⇒ 2009年8月3日(月)~8月8日(土) 於・オリジナル画廊

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

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 木造の旧校舎2教室を利用しての個展。
 田村陸・君は中学を卒業したばかりの、そしてこの29日で15歳になる少年だ。
 案内を頂いた。個展を見るのは楽しみにしていたが、感想記を書くのには不安があった。この年齢の作品を個展として大量にみるのは初めてだ。彼自身も個展は初めてだし、そんな少年がどんな風にまとめきるかに疑問を持っていた。統一性はなくても多めに展示して、彼の意欲や可能性なり、少年一般の心根に触れることができればそれでいいと思っていた。

 正直にいって驚いている。二部屋を異なるアプローチで演じきっている。もちろん、個々の作品の未熟なのは当然であって、そんなことは鑑賞する上で問題ではない。表現したい何かが伝わり、共に感じあえればそれでいいのだ。

○ A室

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     ↑:①

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     ↑:②

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○ B室

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          ↑:会期中のライブ・ドローイング作品。未完成。


 (どうも、何枚載せても写真では上手く伝わりそうもない。)

 田村君は自分だけに見える世界・感じる世界を絵にしようとしている。それを妄想とも空想とも我々は言うのかもしれないが、本人にとってはリアルな現実であり、それを何とか他者と共有したいと願っているのだ。それらは刹那の世界であっても物語として展開している。作品を取り巻く彼だけに見える世界(物語)があるから、展示をするのにあれこれと悩む度合いが少ないのだろう。経験を積まないと見えにくい「作品の相互関係」が、おもちゃのような感覚で存在しているようだ。作品が他者になっていないのだ。

 A室は公式な部屋だ。
 現時点での自分だけの世界を何とか完成形として絵にした作品群だ。画家の世界だ。それは「青・闇夜の世界」あるいは「羊水の世界」と言えるだろう。具体的に描かれた一つ一つは物語の登場人物であり主人公だが、絵としてはそれを包み込む青をいかに出すかがテーマだと判断した。絵描きとして出発の段階から描かねばならないテーマを持っている人だ。色をマチエールとして発展させるのか?独自な色彩感覚で突き詰めていくのか?闇夜(羊水)を青に捉われずに描いていくのか?長い旅路の始まりがここにはある。描かれた物・事・人がそれをサポートするのだろう。だが、青に拘ってばかりもいられない。物語は次から次へと誕生しているから。それらとも絵として、あるいは他の表現として付き合わなければならない。生む喜びと苦しみを思う。

 B室はより自由な部屋だ。
 紙と鉛筆があれば落書きができる。その紙や鉛筆をいろいろ変えて、絵を楽しんでいる。
 僕はこの部屋が好きだ。A室は他者との交流を許さない自分だけの面持ちがある。B室には画家や詩人やいろんな先輩、同輩と田村陸君から交流しようと目配せをしている。詩もある、線描もある、不思議な形もある、ビルもある、ナイフという自画像もある、習ったばかりの技法もある、気楽な女の子の裸絵もある。全てが距離を詰めて友達として廻っている。

 僕は見えない世界というものをあまり持っていない人種だ。だから、彼の秘部には接近できないだろう。だが、絵などの作品とは付き合えるだろう。
 陸君のお母さんが会場におられた。ついついつまらない会話の相手をしてもらった。有り難うございました。
 そして、会場には小学4年生の妹、七海(ななみ)ちゃんの絵が一枚あった。「私の絵の感想も書いて下さい」とあった。②に作品を紹介します。少し待って下さい。


 「月とナイフ」、おそらく月とは女性(母、妹、異性)であり物語の一方の主人公。時に子宮や太陽や冥界にもなるのだろう。ナイフ、田村陸だろう。それを凶器・狂気と理解するか優しき月の影と理解するか?
 また会えるのを楽しみにしています。

by sakaidoori | 2009-03-23 23:55 | [美唄] | Comments(4)
2009年 03月 22日

942) 美唄 「ピパの湯・ゆ~りん館  北浦晃・作品」 

 ピパの湯・~りん館
 場所:美唄市東明町3区

ーーーーーーーーーーーーーー(3・22)

 アルテピアッツァ美唄に「田村陸・展」を見に行った。帰りにゆーりん館で温泉入浴。以前にも行ったことがあるのだが、暗闇の遅い時間で、ただ入るだけで終わった。
 時間もあるので館内を散策する。建物は吹き抜けの二階建て。二階が温泉施設だ。左右に二つある階段と壁に挟まれた通行の少ない回廊をすすむと、4点の北浦晃・静物画があるではないか。その先の突き当たりの壁にも大作の風景画がある。左側は光が燦々と入る吹き抜けの休憩コーナーだ。
 施設に失礼の無い範囲内で写真を載せさせていただきます。

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     ↑:北浦晃、「美唄・楓ヶ丘」・1992年 130.3×162cm(F100号)。

 風景画を描き始めた頃の作品ではないでしょうか。木々の周りを枠で囲い、装飾模様が風景を覆っている。この手法はそれ以前の大きな静物画の手法の残滓で、風景画への移行期の作品に多く見られる。絵そのものは明るく、新たな展開への画家の喜びが伝わる。
 この絵に表現された日本画的様式美が氏を袋小路に追いやった。それを乗り越えて本格的風景画家になられたのだ。長き画業で何度危機に会い、画風を変えられたことか。今では以前には拘りで描かれなかった画題にも積極的に取り組まれている。旺盛な作画生活の日々を過ごされている。
 頻繁に発表されている画家です。次回の個展も報告したいと思っています。


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          ↑:「祝花」・1991年。

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          ↑:「卓上の林檎」・1984年。

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          ↑:「林檎五つ」・同上年。

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          ↑:「冬の窓辺」・同上年。

 特に1984年の静物画は緊張を強いる。林檎の形、その影、林檎そのものの存在感、全体の構成美と骨格の力強さ、風景画を描く以前に氏が追求していた一端が想像される。一言でいえば絵に高い精神性を求めていたのだ。それは日本画の伝統であり、日本人の美意識の大きな柱の一つだ。狭い狭い箱庭における禅の修業を感じる。
 それにしても素晴らしい。僕はもっと小さな絵でこういう作品を知っていたから、再会を喜ぶばかりだ。
 妻は北浦・作品にこういうのがあるのを知らなかった。驚きで顔の崩れること、風呂に入る前にオーラの湯気が上がっていた。

 (近々、「田村陸・展」を載せます。)

by sakaidoori | 2009-03-22 22:40 | [美唄] | Comments(0)
2007年 09月 03日

310)美唄・二ヶ所 「北浦晃・油彩画展」 8月31日(金)~9月6日(木)

① 北浦晃・油彩画展
    「北海道の風景・美唄の風景」

 会場:美唄市民会館大会議室(2F)
     美唄市西4条南1丁目4-2・広い敷地内の大きな建物です。
     電話(0126)63-2185
 会期:2007年8月31日(金)~9月6日(木)
 時間:9:00~17:00
 主催:美唄市教育委員会

※ 絵葉書「スケッチ美唄」第1集・第2集の原画16点も併せて展示します。

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 いつもの低い天井にシャンゼリゼがぶら下がり、ぞんざいな展示パネルに北浦絵画が並んでいる。

 個展とは作品全体が作家の精神の反映だ。展示方法によって作家が語りたいことが現される。昨年までに「版画」、油彩のテーマ別「人物」、「静物」、「風景」と一通り全画業を振り返ることが出来た。今春、記念展として室蘭で個展をされたのでどういう視点で展示されるのかと楽しみにしていた。「美唄」にスポットを当てて50年を振り返り、中品を中心にこの1,2年の風景の近作の展示になっている。

 入り口から左回りにおおよそ時系列・技法別の展示。
 プロローグとしての高校時代(53年前)の素描4点(写真①)、油彩1点。絵画中心以前の版画時代(40年前)の作品2点(写真②)。
 本編は1993年の風景画から始まる。作者本人による作品解説が用意されている。写真③、「8、美唄・楓ヶ丘・S」・F100号・1993年。「紺という色には、青葉茂れる・・・とでもいった、どこか青春時代を思わせるものがあった。・・・奥の平らな所に、高校で3年間同じクラスだった大栗君の家があった」。写真④、「9、樹林秋景」・F30号・1993年。「・・・冬の『日勝峠』ばかり描いていた時期のもので、色彩のいまの作品に繋がるものがあって大事な作品である」。前者の絵、モデルの女性ではなく大栗君のことを語っている。この辺のズレが面白い。君称だが、モデルが大栗さんなのだろうか?後者の絵、まさしくこの頃はこういう絵ばかりを描いていたようだ。美唄市役所2階の狭い通路にびっしりと同じような絵が飾られている。ここから脱出して今日の「風景画家」・北浦世界が誕生するのだ。この時、これ等の作品がターニング・ポイントなのだ。
 1993年~2004年までの油彩画7点が並ぶ。

 そして、今展のメイン、昨年と今年の11点が並ぶ。明るく楽しい絵が多い。衰えた視力をカバーするように色で語ろうとしている。雪の白も季節のせめぎ合いでなく、白そのものを楽しんでいるようだ。風景に託す観念的抽象画から音楽的・童画的色彩を帯びた色と形の造型世界を追及しているようだ。桜のピンクが3Dの様に前後にちかちかして、立体的で綺麗だ。

 最後は絵葉書第1集・第2集の原画16点が二段組に飾られている。第1集は一年がかりで美唄の四季と場所を追っている。第2集は一気に描き上げたもの。前者は作家の喜びが溢れ、後者はより緻密に「絵画」としての物語に仕上げている。どれも道が描かれ、道を走る自動車は自画像のような後姿をしている。面白味には欠けるが大胆な構図の道の絵などがあり、絵葉書であっても、何かを企てているようだ。(全作品41点。)

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 ↑:左側、写真①「美唄市役所裏」・25×34・1954年。
 右側、「冬のポプラ」・版画・15×44.5・1967年。

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 ↑:左側、写真③。右側、写真④。

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 ↑:「17・芦別岳(空知川の岸辺)」・F50・2007年。 
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 ↑:「22・朝の樺戸連山」・P20・53×73・2007年。 
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 ↑:「20・(室蘭市)幌萌町の桜」・S20 /73×73・2007年。
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 ↑:「25・菱沼の岸辺」・P80・97×146・2007年。

※栄通記の記事
182) 室蘭 「北浦晃個展」・油彩画 終了(5月13日まで)
150)案内: 室蘭 「北浦晃個展」・油彩画 

② 北浦晃・風景画小品展

 会場:喫茶「あぶみ」
     美唄市大通西1条北1丁目1-29・しろした病院隣、国道12号線沿い西側。1丁西側の確か公園に沿って市の無料公共駐車場があります。
     電話(0126)62-7780
 会期:①と同じ
 時間:10:00~18:00

by sakaidoori | 2007-09-03 17:09 | [美唄] | Comments(0)