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2009年 06月 02日

987) ②音威子府・砂澤ビッキ館 「清武昌・個展 ~会場風景」 終了・5月1日(金)~5月24日(日)


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     ↑:①「18歳の叫び」・F50 (18歳時)。

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     ↑:②「秘密」・F80 (19歳時)。

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     ↑:③「溢れた嫉妬」・F100 (18歳時)。

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     ↑:④「嫉妬の終わりに」・F150 (19歳時)。


 大作は2点だけ載せるつもりだったが、結局は全点載せてしまった。

 画面は暗く、画題やタイトルを見ても分かるように青春の悶々ととした気分を表現している。色は暗いが、しっかりとした描写力、安定感のある構成で、覇気迫る恐さはない。こういう大作に仕上げきれるまでに、自分を見つめ画きあげきったという青年の胆力に感心する。

 画題やタイトルが示す不安感や人物などの描写力よりも、不定形な形の方が僕には魅力的だ。それらは②の「秘密」は別にして、大作には正面からは取り組んでいない。小中品の方でいろいろと試みている。


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     ↑:⑤共に「不安の形」・F10 (19歳時)。


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     ↑:⑥「不安の形」・F50 (19歳時)。


 いずれも人の形をま~るくデフォルメして「不安」を表現したものと思うが、僕には「不安」よりも、形そのものが面白い。

 清武君は人物の「目」をしっかり画く。絵の漂うムードは自殺した深井克美を思うが、深井は目や口に異常な反応を示す。目や口は外部の事物を内に取り込む場だが、深井の場合は目にガラスを刺したりして取り込む事を拒否する。
 清武君の目は物を見る画家の目だ。青年らしい素直さや、引っ込み思案な退(ひ)いた目でもあるが、強く物事を見ようとする成長する「目」を感じる。
 それらの「目」は人体らしい不定形な存在の中で、しっかりと自分の位置を占めている。不安でない「目」だから、絵そのものに不安感はない。この不安定な形が、今後どう発展するかと思うと楽しい。
 一方で、彼は写実力があるから具体的な形をかなぐり捨てて、形そのものを追及する画家になるのだろうか?暗い絵だが赤系の色も巧みに使っている。今は影で乱舞しているだけだが、いつ彼の心の中の色の世界が叛旗を翻して、燃える地獄絵を画くかもしれない。

 あれやこれやと今後の事を考えてしまった。


 会場は砂澤ビッキを記念した美術館です。「祈り」ということで、全館が構成されているのではないでしょうか。昨年初めて訪れて、「栄通記」でも写真紹介しました。天塩川が近くを流れ、山間の少し開けた所にあります。風景も飽きる事なく堪能できる素晴らしい美術館です。
 清武昌君はおといねっぷ美術工芸高校を昨年卒業したばかりで、現在は道都大学に通っています。門立ちの個展をビッキとともにできるとは羨ましい学生です。

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     (↑:美術館から歩いて数分の所にあるJRおさしま駅。建物は錆びてはいるが、中は綺麗な駅舎だ。)
 
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 電車がやってきた。駅に着いた。音威子府を目指して出て行った。

by sakaidoori | 2009-06-02 11:34 | [音威子府] | Comments(1)
2009年 06月 01日

986) ①音威子府・砂澤ビッキ館 「清武昌・個展 ~会場風景」 終了・5月1日(金)~5月24日(日)

○ 清武昌・個展
  ~From 18 to 20 years old

 会場:アトリエ3モア
    (音威子府・砂澤ビッキ記念館)
    音威子府村字物満内55(地域名・筬島)
    電話・(01656)5-3980
 会期:2009年5月1日(金)~5月24日(日)
 休み:月曜日(休館日)
 料金:200円
 時間:9:30~16:30

ーーーーーーーーーーーーーー(5・20・水)

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     (↑:赤い屋根が個展会場である「アトリエ・3モア」です。)

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     (↑:左壁の箱に入った彫刻作品はビッキ・作です。)
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 大作を飾るには少し狭い部屋かもしれないが、その狭さが青春のムンムンとした気分を充満させている。
 会場風景を多めに載せましたが、わざわざの音威子府旅行ですから構わないでしょう。青年画家にとっても記念すべき個展だから。

 
 個別作品と印象記は②に続く。

by sakaidoori | 2009-06-01 20:10 | [音威子府] | Comments(0)
2008年 07月 18日

693)音威子府②「アジアプリントアドベンチャー ビッキー美術館」 終了・7月1日(火)~7月15日(火)

○ アジアプリントアドベンチャー ’08 in おといねっぷ 

 会場:音威子府村内各会場
     電話・役所新興室(01656)5-3311
 会期:2008年7月1日(火)~7月15日(火)
 休み:無し
 時間:10:00~17:00(各会場にて変動あり)
 料金:無料。(ただし、ビッキーアトリエ3モアは無料でも見れるのかもしれませんが、実質的には美術館料金200円を払って美術館全体を見た流れで一室の作品展をみることになるでしょう。また、その方が格段にいいです。)

 ① 音威子府中学校(国道沿いの建物壁面)
 ② エコミュージアムおさしまセンター
    (BIKKYアトリエ3モア)
 ③ 音威子府公民館(メイン会場。外国人招待作家作品展示)。
 ④ 高橋昭五郎・彫刻の家(日本人作家作品の主会場。)
 ⑤ おといねっぷ美術工芸高等高校(玄関先のホールの展示。)
 ⑥ 手塩川温泉ギャラリー(温泉施設とは独立させた通路空間。)
 
 北星信金音威子府支店
 音威子府商工会館 他
 (数字を打った会場しか見ていません。以下、見た順番の報告&感想記です。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・13)

 「BIKKYアトリエ3モア」、素晴らしい公共美術館です。アトリエをそのまま残したかまぼこハウス、旧建築物をレイアウトして近代的美術意匠をふんだんに取り入れた美術館本体、何よりも自然に囲まれた美術館全体の雰囲気は腹の底から訪問の喜びが沸いてきます。自然は確かに素晴らしいのですが、そこに人智の結晶があるから僕を魅了するのだと思います。ただただ自然を誉めそやすのならば、登山の山中にはその魅力はかないません。「人ー作品ー自然ー訪問者」、この関係が素晴らしいと思うのです。

 イベント展覧会は美術館の逆周り無料で見れるかもしれませんが、200円を払って、ビッキー作品を見た後に、会場の最終口で見たほうが良いでしょう。実際、ほとんどの人はそうして鑑賞したのではないでしょうか。この美術館の感想は後日に記したいと思いますが、会場風景と美術館の流れの後で作品を紹介したいと思います。 


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 (↑:かまぼこハウスとその室内の前景。手前に工作機械などがあり、奥には長テーブルを真ん中にして大きな作品がデーンと置かれている)

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 (↑:美術館のほぼ全景。)

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 (↑:会場入り口。始めは細長い通路を淡々と歩みながらビッキー時間に同化されるのです。見慣れた小品ばかりですが、初めて出会う作品にビッキーの間口の広さを思い知ります。)

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 (↑:時間の回廊は祈りの部屋へと誘われます。)

 (前室の祈りの部屋はパブリックな部屋なのでしょう。次室にはビッキーの特大写真を暗がりに展示して、暗闇に格闘する画家を彷彿させます。)
 

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 (↑:作業場と小品の展示場。ビッキーに「25時の○○」という作品があります。明るくはあっても、あたかも真夜中にビッキの夢と戯れているような部屋です。)

 (次室の真っ暗な祈りそのものの部屋を最後に、イベント会場に入っていくことになります。)


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 小室で作品数お少ないのですが、非常に充実した部屋です。しかも、写真・C.G.・立体作品などがあり、「版画とは?」ということも考えさせます。

 
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 この写真作品はイベント作家とは関係ありません。ですが、関係者は「プリント展」を意識しての展示だと思います。
 一見、トリック(合成)のようですが、そうではありません。雪に埋もれた家屋に出入りするビッキーの立ち姿です。ファインダーを拡げれば、普通の写真になるでしょう。白が雪に見えない。暖かく包んでいます。真ん中の模様は樹木の種のようで、フワフワと浮かんでいるようです。実際、「亡き人・ビッキー」を想えば、葬送の一枚と言いたくなります。自然と対峙した作家が、自然に包まれてうらびれた家屋を何事もなかったかのように暮らしているのです。雪を挟んで向こうの世界で。

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 ↑:後藤和子。映像作品と三点の壁面作品。
 この場合、映像が「版」であり、後藤作品全体をプリント表現としてとらえようということだと思います。
 会場は非常に白い。掲載の写真は暗いですがそのつもり見て下さい。
 白い空間に後藤作品の一齣一齣が機械仕掛けのように踊りながら、いろいろな図像を綾なしています。壁面作品(絵画)はそれらの一齣一齣を層のように重ねて、時空を閉じ込めていると見るならば、仮想空間の中でそれらの一枚一枚が離れては重なり結ばれて、絵画の層の中の様子を表現しているようです。
 静かで白い部屋で、小さな映像の動きがとても印象的でした。

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 ↑:清水淑枝、「(ヒロインー序奏/42°の世界 左から冬・夏)」2008。
 この地を謳った作品だと思います。風景を写真として取り込んでいます。
 「冬」の作品、春を待つ春を悦ぶ作品でしょう。後藤さんの映像や絵画の一枚一枚のピースに応えたような画面構成です。後藤さんの場所に捉われないコスモポリタン性に対して、熱く音威子府の自然を讃えていて、不思議な気持ちの良い組み合わせでした。

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 ↑:左から今偉正(こん・いまさ)、「紙の彫刻(鮭)」・2008。蓬田やすひろ(よもぎだ・やすひろ)、「光景」・90×70cm。


 (会場のキャプションや図録にも個々の作品の版に関する情報はあまりありません。少し残念です。
 なおかつ、プロフィールは全文横文字ですから、作家のことを知るには非常に面倒です。不親切です。国際性のあるイベントといっても、この姿勢は支持しません。日本人に日本人を紹介するのに日本語のない文章ほど無意味なものはない。あえて言えば高慢な姿勢です。音威子府の児童・少年が作品を見て、「芸術って外国なんでね」という意識を生むばかりです。1000人にも満たない音威子府の住民が仮に全員が見たとしたら、どれだけの人が作家の画歴に関心を持つのでしょう?何人の日本語の読めない外人がこの地に見に来るというのでしょう?それは日曜日のだれもいない遊園地のようです。)
 
 
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by sakaidoori | 2008-07-18 23:50 | [音威子府] | Comments(0)
2008年 07月 18日

692)音威子府 ①「アジアプリントアドベンチャー 音威子府中学」  終了・7月1日(火)~7月15日(火)

○ アジアプリントアドベンチャー ’08 in おといねっぷ 

 会場:音威子府村内各会場
     電話・役所新興室(01656)5-3311
 会期:2008年7月1日(火)~7月15日(火)
 休み:無し
 時間:10:00~17:00(各会場にて変動あり)
 料金:無料。(ただし、ビッキーアトリエ3モアは無料でも見れるのかもしれませんが、実質的には美術館料金200円を払って美術館全体を見た流れで一室の作品展をみることになるでしょう。また、その方が格段にいいです。)

 ① 音威子府中学校(国道沿いの建物壁面)
 ② エコミュージアムおさしまセンター
    (BIKKYアトリエ3モア)
 ③ 音威子府公民館(メイン会場。外国人招待作家作品展示)。
 ④ 高橋昭五郎・彫刻の家(日本人作家作品の主会場。)
 ⑤ おといねっぷ美術工芸高等高校(玄関先のホールの展示。)
 ⑥ 手塩川温泉ギャラリー(温泉施設とは独立させた通路空間。)
 
 北星信金音威子府支店
 音威子府商工会館 他
 (数字を打った会場しか見ていません。以下、見た順番の報告&感想記です。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7・13)

 この展覧会と天塩岳登山をメインの目的での旅行だったが、他の用事を優先することになったので、音威子府でのんびりすることが出来なかった。不手際も重なって見なかった会場もあり残念ではあったが、展覧会鑑賞としてはそれなりに充分見ただろう。

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 (↑:村内の中心街。黄色い線を右に行けば天塩川が直ぐにあり、筬島までは10k弱の距離。
 中学校や役場は道路右側で、その裏手には天塩川が流れている。川岸を散策できなかったのが心残りであった。次回の楽しみにしよう。)

 深夜未明の到着。道の駅で車泊。5時間ほどの睡眠で、村内の雑貨屋でパンを買っての朝食。壁画を見ながらである。

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 なかなか見事な壁画だ。ピンクの桜が清々しい。今展は「環境」が副題だから、自然をモチーフにしたのだろう。抜けるような表現でそれとなく鳥や蝶やラブ・マークが散りばめられている。

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 時間があったので役所の中やその辺を散歩。再び会場に立ち寄ると学生が作品の仕上げに余念がなかった。はた目には輪郭線を少しばかり描き加えれば完成と思っていたが、なかなか完成しないのが作品というものであろう。

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 尋ねれば、おといねっぷ美術工芸高校の学生だ。デザイン、作画は生徒自身によるとのこと。先生が総合監修兼雑役という役目なのだろう。先生のラフなスタイルと学生の薄青色の正装の対比が可笑しかった。先生から高校での展示も見るように薦められた。何でもない会話ではあったが嬉しいものだ。
 学生は男子ばかり。その時の当番の関係だったのだろうが、昨今は女性の美術活動が目立つので、不思議な感じがした。数時間後にこの場所を通ったら赤い服を着た女子学生が壁画の方に向かっていた。終日、交代で絵を描いていくのだろう。展覧会最終日に養生テープやビニールをはがしてお披露目となるのだろう。


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by sakaidoori | 2008-07-18 19:09 | [音威子府] | Comments(0)