栄通記

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カテゴリ:[ニセコ]有島記念館( 7 )


2014年 07月 24日

2426)①「夕張市美術館コレクション展」 (ニセコ町)有島記念館 7月12日(土)~9月7日(日)

 



夕張市美術館コレクション展    




 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 

 会期:2014年7月12日(土)~9月7日(日)
 時間:9:00~17:00 
    (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 高校生100円 中学生以下無料(含 ニセコ在住65歳以上) 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(7.19)


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 ニセコ有島記念館での夕張市美術館コレクション展だ。

 夕張市美術館、建物は存在しない。
 2、3年前、大雪で美術館の屋根が崩壊した。結果、閉館になった。失礼な表現だが、2度目の閉館だ。一度目は夕張市が大赤字で財政再建団体に転落した時だ(2007年3月)。その時、美術館は可能な範囲で収蔵品を整理した。そして加森観光が「夕張リゾート」として市内観光施設を再開したが、美術館もその一部に組み込まれて再スタートした。
 雪で展示や収蔵のための館(やかた)は亡くなったが作品はあったのだ。今でも市役所などのロビーを使って展示しているとのことだ。当然、作品はそのまま夕張市内某所に保管している。


 今回、そのコレクションのみによる企画展だ。

 夕張美術館収蔵作品の問題、美術愛好者は施設崩壊後の作品の行く末を心配していたと思う。夕張市がしっかり収蔵しているということを今展で知ることができた。それは今展の意義の一つだろう。


 2番目の問題として、「なぜニセコの有島記念館での展示なのか?」だ。

 この問題は本当はたいしたことではないと思う。今、札幌で徳川時代展なるものを近美で開催しているが、いちいちその開催理由を問わない。それと同じ事だから。普段見れない作品が見れたらそれでいい。ただ、「開催理由という物語」は水戸黄門のご印籠のようなもので、何かにつけ御利益があるかもしれない。
 しかし、史上最高最大の財政破綻地方自治体の美術コレクションが相手だ。何かの「物語」を発信して、今展の存在理由を声高にしたいところだ。

 だから、当日のギャラリー・トークでそのことを確認した。
 曰く、
 「夕張の石炭は発電事業の核でした。ニセコにも、あまり知られていないが王子製紙の水力発電所があります。電力繋がりということで、夕張との共通性を確認します。主に炭鉱に働いていた人達やその生活環境にスポットを当てた作品を紹介します。本展は2部構成になっていて、第一部は夕張市という炭鉱の姿を地元作家作品で見ていきます。第二部では炭鉱マンの作品を離れて、広くコレクションをみてみます」とのことだ。

 「電力繋がり」意外な回答だった。
 僕は、
 「地方美術館の存在理由を風前の灯火のような夕張コレクションを通して考える」とか、
 「展示される機会の少なくなった作品達の紹介」とか、
 「北海道産業の中核としての農業、有島は大地主として農業に深く関わった。夕張は国家のエネルギー産業として石炭に関わった。共に日本近代の牽引車には違いないが、今では歴史的遺産という扱いだ。そのことを今展では考えたい」そんなことを考えていた。

 関係者の開催理由(拘り、物語)を伺ってもピンと来なかった。王子に関わる林業と水力発電か・・・。知らないことを知ったのは事実であり、勉強にはなった。決してこじつけではないが、裏から攻められた感じだった・・・。


 前置きがいつものように特大に長くなりました。
 以下、会場風景です。





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 夕張市美術館に親しんでいた人にとっては懐かしい作品が続くと思います。4人の地元画家によって構成されています。
 次の②で、作家名を記します。




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 この写真に会えてよかった。いずれ詳細に報告します。





 次からは第二部です。




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 次回は印象に残った個別作品を何点か掲載します。4、5日後になrます。
 ②に続く。  

by sakaidoori | 2014-07-24 22:20 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)
2013年 11月 01日

2284)②「第25回 有島武郎青少年公募絵画展」 (ニセコ町)有島記念館 10月19日(土)~11月4日(月・祝)

 



第25回 有島武郎 
青少年公募絵画展
   




 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 

 会期:2013年10月19日(土)~11月4日(月・祝)
 時間:9:00~17:00 
    (入館は16:30まで)
 休み:平日の月曜日
 料金:一般500円 中学生100円 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(10.26)


 2283)①の続き。


 前回に続き、作品を纏めてみていきます。始まりは①と重複します。



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 次の部屋に進みます。



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 次の部屋です。
 明瞭に把握していませんが、次の部屋からは中学生作品が多くあるのでは。残り2室です。






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 いよいよ最後の部屋です。四角四面を一枚ずつ載せます。




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 さて、個別作品を何点か載せます。選定に深い意味はありません。



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   ↑:奨励賞 札幌白陵高校1年・中澤綾子、「遠い日の旋律」。


 重たい作品だ。タイトルだけを聞けば、どこか「古き良き頃」とか、「思い出一杯の懐かしさ」を連想しがちだ。
 「遠い日」ではない。あまりにも身近な・・・忘れがたき昨日の出来事・・・その時、音楽が流れていた・・・忘るまじ・・・忘るまじ・・・。




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   ↑:奨励賞 釧路町立遠矢中学校1年・野坂悠乃、「有意義」。



 いわゆる画中画だ。「樹を描いている女の子」が表面の主人公だが、本当の主役は沢山の「窓」だ。空に貼られた「紙」には雲が描かれている。紙をたなびかせながら、3枚も貼っている。「ドア」がある。「隙間」がある。女の子の座っている床の「三角形」、そういう多くの窓に吸い込まれそう。そうなると、樹の回りの白い部分(背景)がぽっかりとした「穴」になってしまい、二段構えにも、三段構えにもなって、何にもない世界を凝視することになる。

 焦点がないような世界、なのに空間をググッと見てしまう。マンガ表現的なので深刻ぶらずに見てしまうが、マンガ手法ならではの優しき空間表現だ。





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   ↑:北海道教育大学附属釧路中学校3年・中谷仁美、「ORANGE」。



 薄塗りで仕上げていて、「あ~夏、さわやか!キュッとオレンジジュースを体に浴びちゃおう、あ~夏、オレンジ、軽く弾けそう」そんな気分だ。
 気分も爽快で宜しいが、大胆なオレンジ、大胆な色使いは人目を惹く。それでいて薄塗りだから嫌味はない。気分の大きな中学3年生だ。





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   ↑:奨励賞 千歳市立東千歳中学校3年・辻谷なな、「夏の収穫」。



 この絵にも驚かされる。収穫物と収穫物の間に、何やら薄気味悪いものがインベーターのようにして蠢いている。収穫物とは異質で、あたかも腐らす存在のようだが、それにも負けずに野菜たちは生き生きしている。むしろ、この変な猥雑物があるおかげで、さらに逞しく見える。
 「生まれいずる悩み」を通り越して、「生まれいずる自己主張」になった逞しい作品だ。色使いも渋い巧みさだ。

 今展の中学生部門で一際注目されるのは、「千歳市立東千歳中学校」生徒の大作群だ。美術部顧問の頑張りと、生徒の意欲が上手くマッチングしているのだろう。




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   ↑:札幌龍谷学園高校2年・水田百香、「まんなか合わせ」。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 薄塗りで中間色に偏りすぎているので目立たない!そこが残念というか気になるところだが、迷宮模様を追求する姿勢には驚く。この「終わりなき闘い」、あるいは「反復する迷宮世界」だからこそ、こういう中途半端な色合いにしたのかもしれない。

 私の手は、強く「まんなか合わせ」をしている。見る人にはちっとも面白くないはずだ。だが私にはこの終わりなき仕草をし続けなければならない。なぜなら画家だから。見る人にそれを強要はしない。」だから見づらい色風味で仕上げたのだ・・・そんな学生の信念を聞く思いだ。



 ③に続く。少し時間があくと思います。来週の月曜・祝日までです。




   ~~~~~~~~~~~



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   ↑:(10月26日 13:31)




 電車でのニセコ訪問。昼間は好天、窓を走る紅葉も艶やかだった。




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   ↑:(10月26日 19:36)


 電車の外は真っ暗。小雨が窓にくっついている。ガラス玉みたいだった。





 

by sakaidoori | 2013-11-01 21:03 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(2)
2013年 11月 01日

2283)①「第25回 有島武郎青少年公募絵画展」 (ニセコ町)有島記念館 10月19日(土)~11月4日(月・祝)

 



第25回 有島武郎 
青少年公募絵画展
   




 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 

 会期:2013年10月19日(土)~11月4日(月・祝)
 時間:9:00~17:00 
    (入館は16:30まで)
 休み:平日の月曜日
 料金:一般500円 中学生100円 

ーーーーーーーーーーーーーーーー(10.26)


 一日散歩切符でニセコに行く。当展を見るためだ。もちろん、有島武郎の時代を感じる為でもある。


 記念館に行くにはJRニセコ駅から歩くのがいい。有島武郎が自身の農地から駅まで通った道を歩くのだ。ググッとニセコが近い存在になる。歴史の中に自分が入った気持ちになって実に愉快な気分だ。


 前回も載せた行程だが、秋の有島武雄ロードを再掲します。


 駅を出たら、迷わず左に道をとる。線路に沿いながら、川を眺めながら、そして二度目の線路を横断すると視野は広がる。一気に田園風景だ。ニセコアンヌプリが左に構えている。正面には羊蹄山が見えるのだが、この日は雲に覆われて残念なこと、この上ない。


 道を真っ直ぐ進めば、丘にぶっつかる。その丘越えが有島記念館への近道であり、有島武郎の小説の題材にもなった感慨深い踏み分け道だ。



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 丘を登り切ると羊蹄山が目の前だ。有島農場は、ここから羊蹄山の麓まで占めていたという。広い。大農場であり、彼は大地主のの御曹司だった。



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 ニセコアンヌプリだ。田んぼの刈り入れは当然ながら終わっている。





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 当館の入り口風景。


 今回は記念館は一切見なかった。
 絵画展&写真展、そしてニセコ駅近くに放置されている機関車の転車台散策で一日を終えた。




 中高校生の絵画作品を一気に載せて行きます。




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 これから先が本格的な会場。右側に見えるのは写真展のミニギャラリー入り口。



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 それなりに広い会場だが、巧みについたてを配置して、作品を流れるようにして見ることになる。

 


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 中央付近のこのコーナーは今展の優秀作品のそろい踏みといった感じだ。
 その作品をグルリと載せます。



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 以上で全体の3分の2位でしょう。長くなったので残りの会場風景と個別作品は次回の②にします。


 中学生の参加は別にして、高校生の絵画公募展は今展を含めて4展だろうか。高校主催の高文連、全道展主催の学生全道展、今展の 有島武郎青少年公募絵画展、道展主催のU21展。全部発表するとなると、高校生もなかなか忙しいものだ。

 一番華やかなのは高文連か。学校行事だから参加生徒も沢山で、会場も熱気に包まれている。もっとも地区別の展覧会から始まるもので、審査の行程は全道、全国と進む。晴れの全国大賞があるのかどうか?あるとするならば道のりは遠く険しい。

 学生全道展は大作が出品可能だ。古い公募展で、それなりの伝統がある。

 新参ではあるが、U-21展は道展系の美術教員の働きかけもあり、一気に高校生公募展の様相を一変させたみたいだ。展示作品数も三段、四段と限りなく沢山陳列していている。果たして落選作品があるのか?と疑問に思うほど、精力的に学生の作品を受け入れている。

 さて、有島青少年絵画公募展を初めて見た。過去の伝統は知るよしもない。今展だけで判断すれば、参加学校に偏りがあり、中品によるU-21展よりも見劣りはするだろう。おそらく、以前は出品していた高校の多くがそちらに流れた感じだ。今後もその流れを逆転させるのは不可能だろう。なぜなら、地理的にも札幌からは遠いから。高校の美術部顧問の塊が、「有島だ!」と叫ぶことになれば良いのだが、あまり期待できないだろう。
 おそらく、対策というか何かを当館関係者は模索しているだろう。


 「見劣りはする」と書いたが、「面白くない」と言っているのではない。レベルも大事だが、中高校生にレベルのみを求めて見には来ない。関係者の模索を含めて、中高生のいろんな側面を見ることは楽しいものだ。個別作品を語る時に、僕の楽しみ方も伝わればと思っている。



 ②に続く。会期は来週の月曜・祝日までです。一日散歩切符で「ニセコの旅がてらの学生絵画展鑑賞」、なかなか余裕のある楽しみ方だと思います。




      ~~~~~~~~~~~~~~~




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 鑑賞を終えての帰り道。雨模様だ。




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 簡単な帰り道なのに方角を間違えてしまった。おかげで有島農園関連地域に接することができた。来年の夏はこの辺りをなめるようにして歩こう。

by sakaidoori | 2013-11-01 00:13 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)
2013年 09月 26日

2227)④「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)


 2191)①、2200)②、2226)③の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 少しのんびりした報告になりました。一気に残り4名の作家掲載を目標に進めていきます。



◯ 會田千夏の場合


   1980年 北海道札幌市生まれ
   2003年 札幌大谷短期大学専攻科美術専攻油彩コース修了
   2005年 多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了


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   ↑:右側、「くだものやさん」・(公募展出品作)1997年(高校時代) 803×1167㎜ キャンバス 油彩。
   ↑:左側、「旅の入り口」・2002年(大学時代) 1940×970㎜ キャンバス 油彩。



 高校時代の出品作、明るくって楽しい作品だ。カラー・ウーマンだったのだ。

 僕は大学時代の3人グループ展で、ちょっとドロドロとした鉛筆ドローイングの印象が強烈で、彼女の七色でハッピーな世界をあまり気にしないようにしていた。どんなドロドロした世界かというと、左の作品の上の方の表現だ。



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   ↑:①(上掲作品の部分図。)


 この部分図のグロテクスさ、秘密めいた作品が印象深かった。
 いま、この作品をよく見ると、服の部分はしっかりと七色で汚れている。


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   ↑:②(上掲作品の部分図。)



 具象をそぎ落として、この①と②の表現が次から次へとふかまっていった。そこに線描も加わり、次は何が出るかと、ますます楽しませてくれる現在進行形の注目作家だろう。


 数ある作品の中から、今展は以下の作品の持参だ。作家の気持ちがどの辺にあるのか、そんなことも楽しんで下さい。




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   ↑:(右側の大きめの3点)「katari-jima」シリーズ、2009年 ボード 油彩。



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   ↑:左から、「katari-jima 2009.6.8a」、「katari-jima 2009.6.8」・2009年 ボード 油彩。






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   ↑:「portrait」シリーズ、2011年~2013年 ボード 油彩。



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   ↑:「portrait 2011.3.13」・2011年 900×900㎜ ボード 油彩。



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   ↑:「portrait 2013.1.15.a」・2013年 900×900㎜ ボード 油彩。



 明るくてハッピーなんだが、どこか秘密めいたムードが潜んでいる。そこも會田作品の魅力だろう。




◯ 浜地彩の場合



    1980年 北海道札幌市生まれ。



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   ↑:「光を求めて」・(公募展出品作品)1997年(高校時代) 530×730㎜ 紙 水彩。



 画家にとって記念すべき作品だ。
 今展の多くの作家が、有島公募展入賞に励まされたことを記している。言葉には昨日のような響きがあり、新鮮そのものだ。背筋を伸ばして読んだ。
 それは彼等がまだ、その頃の若さの延長上にいるということか?原点の持つ重みか?




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   ↑:右側、「ゆらぐ私の心」・(公募展出品作)1998年(高校時代) 727×606㎜ キャンバス 油彩。






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   ↑:「記憶を泳ぐ」、2013年 6点1組 石膏粘土 発砲スチロール ドライフラワー 木材 パラフィン紙。




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 浜地彩はいろんなことをしたいという。溢れるアイデアを一つ一つの形にしたいのだ。
 今展のミニチュアのような作品は、額に納まって上品だが、これからのための大いなる実験場なのだろう。
 沢山作ることだ。質を問わずに量を積むことだ。質を忘れて無我夢中になることだ。エネルギーを留めないで、常に吐き出せばいいのだ。見えなかったアイデアまでも、ぞろぞろと湧いてくるだろう。あんまり溢れて大変になるかもしれない。その時ハタと考えればいいのだ。

 今展の浜地彩は「原点と“これから”」を見せにきた。

 

by sakaidoori | 2013-09-26 15:40 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)
2013年 09月 26日

2226)③「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)


 2191)①、2200)②の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)






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 この標識を左に回る。



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 左の方に記念石柱が建っている。
 ここからが旧有島農園か?
 真っ直ぐ歩けば小さな川と橋があり、その先の右手に記念館が見える。



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 途中にある橋の名前は「吉川橋」。どなたかの名前が出所か?
 そこから見た「第2カシュンベツ川」。「カシ・ウス・ベツ。、仮小屋の・在る・川、の意か?
 上流を撮ったと記憶するが、下流に見える。





◯ 林こずえの場合



   1984年 北海道江別市生まれ
   2007年 「東北芸術工科大学 卒業・終了作品展 2007」出品
   2009年 東北芸術工科大学芸術工学研究科修士課程芸術文化専攻 こども芸術教育研究領域修了  


 
 概ね、時系列で展示しています。


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   ↑:右側、「母のぬくもり」・(公募出品作品)2001年 910×1160㎜ パネル 油彩。



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   ↑:「あざやかに ちりばめる」・2007年 800×800㎜ 木版 鳥の子紙 水彩絵具 カラーインク。

  



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   ↑:「視界を包む」・2009年 600×600㎜×10点 木版 鳥の子紙 水死絵具 カラーインク コーヒー。



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   ↑:(全て)2013年 大きな作品=410×410㎜ 小作品=250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。


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   ↑:「類 Ⅲ」・2013年 250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。


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   ↑:「無限」・2013年 250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。


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   ↑:「断片」・2013年 250×250㎜ 鳥の子紙 モデリングペースト 水彩絵の具。



 現在、29歳ぐらいの画家。
 当公募展の出品作(高校時代)、大学時代、現在と、その緩やかな変化を見ることができる。油彩、木版、水彩画と技法上も変化している。もっとも、技法の変化などは、今展のために意識的に並べたものかもしれない。

 初期の生き物への暖かい接近、特に肌への優しさが特徴だ。そして全体を心地良いムードで包み込む。
 大学時代からは具体的な形は消えた。決められた形に拘らないで、心の織りなす色や形を追求しているみたいだ。それでも、なんといっても「優しく心地良い」が信条だろう。それを細胞の極小として、あるいは宇宙大の無限の拡がりとして取り組もうとしているみたい。そういう視野の中で、単なる優しさを越えたいのかもしれない。




◯ 河野健の場合



  1973年 北海道苫小牧生まれ
  1996年 愛知県立芸術大学美術学部油彩専攻 卒業



 概ね、時系列の展示です。



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   ↑:「人物」・1990年(第2回当展出品作・高校時代) 1167×910㎜ キャンバス 油彩。


 現在、39歳ぐらいの画家。

 自画像と思いきや、友人の肖像画だ。男らしく凛々しい姿だ。「理想の男」を画家は見たのかもしれない。

 初期の作品とは不思議なものだ。その後、画家は人物のみを描き続けている。あたかも画題の子供が自画像のようにして登場してくる。モデルは自分の子供かもしれないが。「家族の中のお坊ちゃん」に拘り続けている。

 その「お坊ちゃん」は、どこか覚めていて周りの空気と一体になろうとはしない。「家族の断絶」とまではいはないが、「家族内関係、自分の位置、自分は立派に大人になれるのか」を常に問うている。そして、未だに児童のままの姿だ。モデルがその年齢だからかもしれないが。

 高校時代に描いた「高校生」、いつになったら絵の中の坊やは「高校生」に成長するのだろう?いつになったら、しっかりと自画像を描くのだろう?そして、「家族」が永久の問題であっても、いつになったら「社会」が絵画に顔を出すのだろう。



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   ↑:「castanet」・2004年」 1145×1120㎜ キャンバス 油彩。





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   ↑:2005年~2010年 キャンバス 油彩。



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   ↑:「こどもの時間」・2010年 727×1167㎜ キャンバス 油彩。






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   ↑:2011年~2012年 キャンバス 油彩。



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   ↑:「door mirror」・2012年 333×606㎜ キャンバス 油彩。




 ④に続く

by sakaidoori | 2013-09-26 10:08 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)
2013年 09月 12日

2200)②「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)


 2191)①の続き。



 8名のセレクト企画展です。有島武郎青少年公募絵画展(以下、「有島展」と略します。年齢は推定。)の第1回から第22回出品者からの選定です。今年の秋に25回展が開かれる。

 単なる有島展回顧展ではなく、「現在活躍中」だから近々の出品作家は除外したようだ。
 第22回出品の一番の若手は加藤翠で、今春の大谷短期大学部の修了展に出品していた。もしかしたら現在は短大生から大学生になっているかもしれない。21歳くらいだから飛び抜けて若い。
 一方、記念展の意味をこめて第1回出品作家から河野健を選んだようだ。現在40歳ぐらい。当然、今展の最長年者だ。
 なるべく平均して選ぼうとしたようだが、自然に10回展辺り、30歳前後の作家が多くなっている。

 絶大なる期待をこめての選出ではないだろう。あまた居る作家達の中で、企画者の何かの基準で選ばれたのだろう。

 僕はもう少し小規模な展覧会を予想していた。が良い意味で裏切られた。各自が自分の基準でミニ個展にしている。その各自の考え方による出品態度が面白い。作家からのメッセージも良い。
 そんな風だから、企画者の顔は「選定」に終始していて黒子的で見えない。選定に重要な役割を果たしたと思われる当館の学芸員も似たような年齢だ。同世代の息吹を確かめているのかもしれない。


 以下、展示順に書き綴っていこうと思う。最後まで載せたいが、期待しないで下さい。


加藤翠の場合 


   1992年 札幌生まれ。21歳?
        第17~21回出品。(中2~高3か?)


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   ↑:(全て)2013年 キャンバス 油彩。  



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   ↑:(全て)2013年 キャンバス 油彩。



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   ↑:(右側の6点は)ALL YOU NEED IS LOVE」・2013年 紙 スチレンボード インク 1030×725㎜。




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   ↑:左側、「ALL YOU NEED IS LOVE」の6点組の1枚・2013年 紙 スチレンボード インク 1030×725㎜。  
   ↑:右側、「THE STOOP」・2013年 キャンバス 油彩。


 一方は、描き殴り風で、青春むき出しの自分を痛めつけるような作品。
 一方は、ピンクを基調にして「ハッピー マイ ライフ」、「生きるって最高!」、とノーテンキに表現している。もっとも、食という生理行き過ぎに「本当に幸せなの?」と尋ねもしたり、「食べ過ぎは体に良くないよ、オバカさんねミドリちゃんは」、と注意する世話人もいるかもしれない。

 今展では、他の作家達は有島展に出品した作品も展示している。加藤翠は、全て今年の作品で、「今を、今のみを見ろ」、というスタンスだ。過去を見せるには若すぎる歳だ。

 油彩の薄汚さに目を背けるか?ポスター風によるリアルな表現力に注目するか?好みや意見の分かれるところだろう。
 こういう二面性は大好きだ。二面性といったところで、「静と動」とかの反対物ではない。過剰で生理むき出し精神の2つの顔に過ぎない。絵にした場合に、一本調子の展示にならなくて好都合だ。


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   ↑:「EDUCATION」・2013年 キャンバス 油彩 530×455㎜×2点。



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   ↑:「.JP」・2013年 キャンバス 油彩 610×720㎜。





新見亜矢子の場合


   1979年 北海道蘭越町生まれ
         第6~8回出品。(高校時代の出品)
   2003年 北海道教育大学大学院教育学研究科修士課程修了
 



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   ↑:(左側から、制作年を
中心に記します。)1995年 「再開」高校2年 第7回出品作、1996年 「漁港」高校3年 第8回出品作、2000年 「風景-秋-」大学時代、2009年 「駅-夕刻-」。


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   ↑:「駅-出発前-」・2009年 キャンバス 油彩 1621×1818㎜。



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   ↑:「風景-農場-」・2012年 キャンバス 油彩 1621×1303㎜。


 今展のタイトルと同じ「再開」から始まる。オーソドックスに自作を回顧している。

 画題は主に風景なのだが、風景画家というイメージはない。都市を相手にしているからか。
 新見色ということで、色合いはいつも安定している。今展でも分かるように、黄色の人だ。
 大作では少し構図を気にしすぎていて、気苦労と堅さを思う。

 駅とか街を描いていたが、素直に動物を描き始めた。「やさしさ」や「自然と生命」に直に向き合うということか。
 最後の農場の馬、真面目な作品だ。駅で見せた遊び心は素直な心に様変わりした。これで落ち着くのか?原点回帰という意味合いか?有島記念展ということで、期するものがあるのだろう。

 個人的には駅に見せた線路などのオモチャ心の方が好きだ。具体的なやさしさがあり身近に感じる。愛情表現は画家の宿命のようなものだから仕方がない。かつての構図画は堅さや形式先行であったが、何かを探る欲望があった。形を変えた、新たな欲望を見たいものだ。

 
 ③に続く





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   ↑:(有島記念館周辺の公園。)

by sakaidoori | 2013-09-12 17:47 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)
2013年 09月 08日

2191)①「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(8.7)


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 8名というそれなりの作家数です。全員を詳細に掲載できないでしょう。可能な範囲内で話を進めていきます。
 
 それと、会場内は撮影禁止です。関係者の承諾を得ての作品掲載です。ありがとうございます。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 
 当館では、中高生を対象にした絵画公募展を毎年開催している。「有島武郎青少年公募絵画展」だ。今年で25回目を迎える。ちなみに今年の会期は「平成25年10月19日(土)~11月4日(月・休日)」だ。昨年までに、延べ5,768人から6,747点の応募とのことだ。

 その中から8名の選抜展だ。どういう基準かはパンフに明記されていない。少なくとも、現在進行形で美術活動中の人たちだ。第1回展以後、年度や性、年齢に偏らないように配慮しているみたいだ。見た限りでは、作風にバラエティーを持たせようともしている。

 幸い、見慣れた作家が多くいて、不思議な感覚で見て回った。

 企画者は作家達に、出品数を含めて強い要請をしていないようだ。作家の出品姿勢に違いが生まれていて、そこが意外に面白い。作品とは違って作家自身の顔なり考え方を感じて好ましかった。
 キャプションにも企画者の言葉は一切無い。各作家自身の言葉で、今展に寄せる思いを読むことができる。ここにも企画者は黒子に徹し、鑑賞者と作家との直接性を期待している。
 「この人達を選んだ。彼等の今後を楽しんでくれ。僕の目に狂いが無ければ、それなりの活躍が今後とも期待できる人たちばかりだ」、が企画者の物言わぬ意図だろう。・


 以下、会場風景を載せていきます。ブース的に仕切られて、上手い具合に個別展示している。ただ、全体写真となると、わかりにくいかもしれない。もう一度個別作家毎に載せますが、まずは流れるように見ていって下さい。




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   ↑:(全作)加藤翠




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   ↑:(全作)新見亜矢子




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   ↑:(全作)林こずえ




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   ↑:(全作)林こずえ




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   ↑:(全作)河野健




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   ↑:(全作)會田千夏




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   ↑:(中央)浜地彩




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   ↑:(全作)佐藤仁敬




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   ↑:(全作)松崎裕哉



 ②に続く

by sakaidoori | 2013-09-08 21:45 | [ニセコ]有島記念館 | Comments(0)