カテゴリ:大丸藤井スカイホール( 35 )


2016年 01月 14日

2479) 「第22回 みなもの会 新春展(日本画展)」 セントラル 1月12日(火)~1月17日(日)

第22回 みなもの会 新春展 


 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
     電話(011)231-1131
     中央区南1条西3丁目
      (東西に走る道路の南側)

 会期:2016年1月12日(火)~1月17日(日)
 時間:10::00~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1.12)

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 日本画家・中野邦明氏の教室展。

 毎年毎年、新春を飾る展覧会だ。主婦中心の絵画展であり、花鳥風月を基本にしている。丁寧に丁寧に、優しく優しく・・・。刺激的作品群ではない。ゆるりゆるりと新春気分を再確認するには良い場所だ。それに、当方も年をとった。おそらく、この会の平均年齢も少しずつ上がっているだろう。妙な話ではあるが、その辺も淡々と楽しんでゆるゆると時間を過ごすことができた。

 以下、会場風景です。


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 何点か個別作品を載せます。今展の代表作というのではありません。僕の、この日の好み群です。




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   ↑:二宮悦子、「芥子の花」。


 
 花弁の白いラインがグニャグニャしている。端正に描いたラインでない。「生きている」っていうのか、こういう肉筆感が僕は好きだ。そして茎が少し曲ながらどこかにいこうとしている、ここにも生き物の足跡を感じる。




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   ↑:橋爪由起子、「あざみ」。



 やはり、茎が何かを求めて伸び上がっているのが好きだ。
 あざみのトゲトゲした葉っぱも何かを求めて踊りながら上向いている。こういう上向き感が僕好みだ。





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   ↑:中武ナナ、「雪の中の音楽会 -招待状-」。



 あっけらとした挑発感、髪の朝顔も女の心を代弁しているよう、「さ、早く私に話しかけて!一緒に遊ぼうよ」。





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   ↑:草間典子、「マスカット」。



 この薄塗りの淡綠がいたく気になった。控えめな色具合だが、丸い形は大きく自己アピールしている。沈むはずの淡綠が面として全体が目に迫る。端正な丸い形が卵のよう。若い絵だ。





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   ↑:左側、西形礼子、「コスモス」。
   ↑:右側:佐々木ひとみ、「つわぶき」。





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   ↑:山本政影、「故郷の空」。



 花鳥風月の多い中で、工場群にスポットを当てた今風の風景画。おそらくこの街は昔ほど活気はないだろう。そういう港町は道内では皆無だから。しかし、絵は美しく元気に、しかも若々しい。実景ではあるが、心の故郷でもあろう。それは描き手の若き時代でもあろう。絵画は「今」を描いても、どこかに「昔」をよりどころにしているのだろう。




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   ↑:尾崎詢子、「春に咲く」。


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   ↑:(上掲の部分図。)



 白い花と緑の葉っぱだけ。清々しく咲き誇っている。一つ一つの花びらは若き女性、お喋りをする前の慎ましやかな立ち姿だ。その花たちは自身の姿とは裏腹に「今日は団子を食べたいな・・」と呟いているかもしれない。



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   ↑:舟橋萬起、「シャクヤクの芽」。



 鮮やかな朱だ。際だった朱だ。孤軍奮闘だ。
 「元気に良い人だ・・」、タイトル・プレートには『96歳』とある。他の方も勇気をふるって色にチャレンジして欲しいものだ。いや、形にも主題にも。









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by sakaidoori | 2016-01-14 20:27 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2014年 06月 27日

2384)「野口秀子個展(道展会員) 2014」 スカイホール 終了・6月17日(火)~6月22日(日)

   

野口秀子個展 (道展会員) 2014 
       


 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2014年6月17日(火)~6月22日(日)
 時間:10:00~18:00
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(6.19)



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 (以下、敬称は省略させていただきます。)



 爽やかな世界です。風景です。ちょっと高みから見渡して、ふわふわフワフワ蝶々気分、あれこれつまみ食いして飛び回る。何処を飛んでいるのかな?・・・昔は海や港だったかな?青の好きな画家だから、どうしても空と海の風景です。そして野原の綠へもふわふわふわふわ。でも、同じところばかりでは面白くない!今回は街が中心、人がいなくても何やらお喋りが聞こえそう、その街を包む夜空青空ピンクの世界。人生も夢も絵画も楽しまなくっちゃ!色々世界に線であれこれ作っちゃおう!

 ・・・人生は長いか短いか、そんなことには無頓着、野口秀子のお楽しみ航路です、これからも続く一人遊びの足跡展です。




 
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   ↑:「街ゆく風」・20号。




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   ↑:(上掲の部分図。)




 真っ先に展示されている。今展の力作であり意欲作だ。確かに線描ドローイングも得意とする画家だが、これほど思いっきりにチマチマ一所懸命な姿も珍しいかもしれない。しかもニューヨーク気分の横文字なんかもコラージュして、自然派・ノンビリ派を脱皮して、何でもチャレンジする野口秀子だ。





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   ↑:「夕陽の街」・4号。



 今度はピンクと線の格闘だ。色と線が互いに競い合っている。街なのだ、都会なのだ、柔な気分ではだめなのだ。グッと溜め込んで爆発したいのだろう。明日へと続く夕陽のピンクだ。





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 こういうのを抽象画というのだろう。踊っている。





 さて、次はかなりのお気に入りだ。




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   ↑:「かすかな虹」・70×50㎝。




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   ↑:(上掲の部分図。)




 展示前半はとにかく元気でうるさい。野口秀子絶好調だ。

 この作品、どんな感じで制作しているのだろう?技法は?少しは尋ねたが、忘れてしまった。よだれ模様のしたたりを飽かずに見てばかりいた。





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   ↑:「水辺のさんぽ」。





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   ↑:「さがしもの」。



 ゆるいタイトルで、確かにフワフワ気分もあるにはあるのだが、かなり突っ込んだ世界でもある。
 それにしてもこの青、以前とは様変わりした感じだ。それに、建物なりの風景の強いこと、絵画全体が大きく見えた。







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   ↑:(全部)「空文字」・90×90㎝。



 会場中央を飾る3連作。
 野口秀子の線描は直線がメインだ。「直」はどうしても硬く強い主張になりがちだ。実際、今展の画家のスタンスは強い。強いのだがフワフワ気分にさせるのが画家の腕の見せ所で、今回はピンクを多用して良い気分を産んでいる。それに、野口張りの「直」は夢がある。女だからか?




 一作だけ大きく載せます。クリックすれば大きくなります。細かく観察して下さい。




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   ↑:「空文字」・90×90㎝。










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   ↑:「のぼる太陽」・30号。




 でっかい太陽だ。しかし、でっかい地球と思って見てもいい。それにしても今展の野口秀子は大きく見えた。大きいことは良いことだ。





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   ↑:「めぐりあい星」・8号。




 今度は青の円だ。これも大きい。

 この辺りの作品は夜空気分だ。田舎から見上げる空ではない。街です、人集う賑やかな塊が画面を支配している。





 なぜかしら長い報告になってしまった。僕の好みがわかろうというものだ。

 いよいよ最後のコーナーだ。気分は朝な昼なの拡がる宙、桃色気分。



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   ↑:左側、「さくら色の空」・8号。右側、「雪まど」・3号。








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by sakaidoori | 2014-06-27 09:03 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2014年 02月 04日

2337) 「豆本のキコキコ商會 大寒の新作発表会&原画展」 スカイホール 終了/1月28日(火)~2月2日(日)

   




豆本のキコキコ商會 

  大寒の新作発表会&原画展
    




 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2014年1月28日(火)~2月2日(日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~18:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(1.28)


 会期中に報告して、少しは宣伝になればと思ったのですが、既に終了。いつものことです。展覧会風景だけでもお伝えします。「豆本のキコキコ商會」という名前をほんのチョッピリでも記憶の回路にしまって下さい。そして、いつもの栄通記のようにゴチャゴチャと語る展覧会ではないでしょう。豆本中心の紹介です。


 まずは会場風景から。入口から左廻りで載せます。
 本は豆本だから小さい、原画も小振り。だからのんびり展示。
 とにかく、いろんな『豆本』を見て下さい。見る方もアイデアが拡がればと思います。



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 ★展示内容

   ・「隔月刊オルティンドー」原画展示

   ・新作豆本・原画展示
     小林重代「心の底で~4 何度も言おう」
   
   ・新シリーズ 「職人豆本」新作10作品同時発売

   ・原画豆本展示
     末木智佳子 末木重久 他

   ・他


 以下、一部作家名を明記しています。いろんな作家の豆本たちです。編集上、作家中心の掲載ではありません。豆本自体を楽しんで下さい。






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   ↑:隔月刊「オルティンドー」



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 次は小林重代(しげよ)のスケッチなどの原画と豆本。



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   ↑:(以上、小林重代)。










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   ↑:(豆本、末木智佳子)。









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   ↑:新シリーズ、「職人豆本」。 




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   ↑:豆本と原画。木村環







 久しぶりに見る木村環だ。随分と彼女の作品を見たので、頭にこびりついてしまった。あたま・・に・・ひっ・つ・く・・・・それは環ワールドだろう。






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   ↑:原画、末木智佳子






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   ↑:末木智佳子、「きこきこぼうや」。




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   ↑:(上2点は末木智佳子。)





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by sakaidoori | 2014-02-04 14:00 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2014年 01月 28日

2327)①「第17回 多摩美術大学版画科OB展」 さいとう 1月28日(火)~2月2日(日)

第17回 
多摩美術大学版画科OB
  
             


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
     電話(011)222-3698

 会期:2011年1月28日(火)~2月2日(日)
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~16:30まで)

※ ミニ・パーティー ⇒ 2/1(土) 17:00頃~

 【参加作家】
 いけやりょう 石原誠 伊藤あずさ 上田政臣 御囲章 小川了子 Sulley 三瓶光夫 竹腰桃子 友野直美 中嶋咲子(mocha) ネモトサトコ 岡田育美 川田竜輔 川村紗耶佳 佐治直魅 阪てるみ 濱田路子 早川純子 保坂洋平 吉川奈菜子 山口菜摘 佐竹邦子 
 岩永りぼん 前田純平 宮崎文子 庄司光里 南館麻美子 吉見律子 他
・・・29名?。 

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.27)


 例年大所帯だが、今年は特に賑やかだった。賑やかなのは良いことだ。それに、道内出身者もそれなりの参加者なのだが、純粋に道外作家も多くて、普段の札幌市内版画展とはちょっとばかし雰囲気が違う。特に今日は初日だ。関係者もニコニコで浮き足立ち、作品の若さと重なり上々気分が会場を覆っていた。そんな代表選手のようなネモトサトコさんを紹介しましょう。


 (以下、敬称は省略させていただきます。)




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   ↑:ネモトサトコと彼女の作品群。




 彼女の作品は後でかたることにしましょう。会場全体風景から始めます。



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 即売用の小品&商品作品群です。
 ちょっと立ち止まって紹介します。確かに気軽な小品ですが、全館の作品傾向なりが伝わるでしょう。「若くて軽くて良い気分」、が僕の印象だ。



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 気になる作品がかなりある・・・困った、というか・・・毎年、安めを狙ってお気に入りを見つけているのだが・・・。
 上の写真風景、値段表示は?と思った人がいるかもしれない。そうなんです。忙しくて、ようやく見やすい位置に価格用紙をペタペタでした。


 会場風景を続けます。



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 ようやく全体の終了だ。個別紹介は明日します。果たして何人掲載できるのだろう?あまり期待しないで下さい。

 ②に続く

by sakaidoori | 2014-01-28 23:56 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2013年 12月 05日

2323)「果澄 個展」大丸藤井セントラル 12月3日(火)~12月8日(日)

       
  


果澄 個展     



 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2013年12月3日(火)~12月8日(日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(12.4)



 小柄な少女が丸い顔を膨らませ、太い目の玉でギラギラと暗い森を見る。そこのパワーを内に内に溜め込む・・絵画にエネルギッシュに重たく発散する。若いから明るくあどけなく・・・そういう果澄ワールドだ。
 
 会場風景を見て下さい。栄通氏言うところの、エネルギッシュさと重たさに着目して下さい。



 入口は--


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 入口からの右側--


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 入口からの左側--


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 衝立で仕切られた入口側と奥の部屋--


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 メインの奥の部屋です--


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   ↑:「鯨森」。





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   ↑:「トムラウシ」。



 青の好きな画家だ。澄み渡る空色、ではなくて宇宙的な黒い青。沖縄の珊瑚の海色、ではなくて日本海的というか深海的な黒い青だ。

 北海道の人間は比較的淡泊だ。が、絵画となるとなぜかしら淡泊は飛んでいき、べったり感が強い。果澄もそうだ。

 果澄絵画はべったり感というか重いのだが、若き新鮮なエネルギ-を隠さない。マグマ溜まりの中で生き物がピチピチしている。「あ~、若さだな~」と、うっとり見とれてしまった。


 やはり圧巻は上の2点だ。

 大きい。
 大きいことが好きだから画題も「鯨」で大きい。
 もっとも「鯨森」は大通公園の8、9丁目辺りを指す言葉だ。なぜかしらそこだけが鬱そうとした自然の相を残し、「鯨の森」と呼ばれていた。今は完全公園化で、その面影はない。
 果澄はその地形近くの美系専門学校を卒業した。1987年生まれの人だ。現在26歳か?森の好きな画家の卵が、今は無き森の跡地に夢を膨らませていたわけだ。
 そして、鯨だか森だかへんてこりんな「鯨森」が誕生した。


 もう一つの大作は「トムラウシ」。大雪山系の名山・トムラウシは有名だが、その山の意味ではない。
 画家は「トムラウシ=花が沢山咲くところ」と語っていた。素晴らしい解釈だ。果澄版「銀の滴ふるふる」だ。北海道の大地に花を見て、咲き乱れ舞う姿を夢見ているのだろう。「トムラウシ」は理想郷なのだろう。それはまさしく彼岸花だ。

 (地名研究家の山田秀三氏は、自信なく「トンラ・ウシ [tonra-ush-i] トンラ(一種の水草)・が生えている・もの(川)」と解釈している。)


 人物は皆無だ。果澄ドリームには男女の綾など吹っ飛ぶのだろう。基本は八百万的な山川草木、生きとし生きるものへの愛だ。ただ、柔な愛は欲しない。小さな愛と夢物語をドドーンと絵画で花開かせて、みんなでを大きく抱きしめ合うのだろう。




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   ↑:「背美鯨と空」。




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   ↑:「羆と森」。




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   ↑:「きぼうの樹 -ハミングバード-」。




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   ↑:左から、「名もなき花」、「向日葵」。


 この両点は異色だ。「明るさ」全開だから。間違いなく暗さを好む画家だ。ただただ明るいだけでは不満だろう。でも描く。世界を拡げるために。




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 ブックス・アートのような、ボックス・アートのような作品がある。大きい心を描く人だが、根っ子はこういう宝物ような小さな世界で遊んでいるのだろう。使い切った感じの古物が好きなのだろう。だから箱だ。気持ちが一杯になって言葉も生まれる。だから本だ。



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by sakaidoori | 2013-12-05 14:15 | 大丸藤井スカイホール | Comments(2)
2013年 08月 19日

2156)「日本美術家連盟北海道地区 アーティストによる拡げる表現展」スカイ. 終了8月13日(火)~8月18日(日)

   
  


日本美術家連盟北海道地区企画 

   アーティストによる拡げる表現展
  



 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2013年8月13日(火)~8月18日(日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(8.17)


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 ボックス・アート作品が沢山あって、それ以外の壁面作品との2部構成という感じの展覧会。

 それで、ボックスアートのみの掲載です。深い意味はありません。阿部典英風にまとまったボックス・アートに触れることができたからです。おそらく、阿部典英氏が「ボックス・アート」の手ほどきをされたのでしょう。

 それぞれの作家は自分自身の表現様式を既に持っています。「慣れない?ボックス・アート、でも面白そう。チャレンジしようかな」、典英氏を導きの糸にして楽しんだのでしょう。その姿を掲載したいと思います。


 ボックスが並んでいます。なんだか夏気分から始まり、だんだんと秋深しという展示です。

 だらだらと写真が続きますが、お気に入り作品に出会いますように。爽やかな夏の影が気に入って、ついつい多めの写真掲載になりました。




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   ↑:清水淑枝、「砂漠のバラ」。


 箱の中のバラのような塊、サハラの砂が生んだ石です。「砂漠のバラ」と言われているかもしれない。
 ググッと重たく感じる作品だ。



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   ↑:石森迪恭、「やさい」。


 リアルな野菜だ。ブロンズ?重たい野菜だ。きっと高い野菜だろう。



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   ↑:小林さと枝、「シンメトリーからの脱出」。


 楽しみの一環としてのボックス・アートなのに、作家自身の制作上の課題をテーマにしているみたいです。そうなんです。作家は一所に留まってはいられない。脱出、飛躍、跳躍です。



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   ↑:亀井由利、「生きる」。


 遠くから見たら、「何だろう?」。そして近づけば注射器です。作品の全体印象は病まっただ中には見えません。きっと注射器さんにお世話になったのでしょう。それも随分と。ついつい「さん」付けして呼びたくなります。



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   ↑:伊藤光悦、「hot spot」。


 海への鎮魂でしょう。何に対する?
 沈んでいく・・積もっていく・・・黒の世界・・・それでも・・・。



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   ↑:宮地明人、「母子像」。


 綺麗な作品なんですが、綺麗さに反して変な作品です。ちょっとエロチックに感じますが・・・そして、「母子像」。さて何を表現しているのでしょう?




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   ↑:渡辺貞之、「明日の独裁者の頭脳」。


 これはもう、タイトルの通りに楽しみましょう。皮肉と冗談と告発として。




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   ↑:鈴木秀明。左から、「貝の夢」、「コンポジション」。


 「破壊」と「蓄積」をテーマにしている作家です。ですが、何て可愛くてあどけないのでしょう。きっと、心地良い気晴らしになったことでしょう。




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   ↑:、鉾井直作「振れ愛(B)」。


 普通なんですが、単純素朴な主張にハッとします。



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   ↑:松木眞智子、「Memory」。



 バラと想い出はよく似合う。




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by sakaidoori | 2013-08-19 16:01 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2013年 08月 18日

2153)「大島潤也 展 ~terminus post quem 2013~」 スカイホール 8月13日(火)~8月18日(日)

  


大島潤也 展 

 terminus post quem
 
     2013
 



 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2013年8月13日(火)~8月18日(日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(8.17)


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   ↑:(作品の表面。包帯でしょう。)



 大島潤也がでっかい作品を作った。とうとう来たか。この巨大な大島ワッコを屋外に置きたいのだ。モニュメンタル(記念碑)的にどこぞにドーンと置く、いや、浮遊させる、それを作家は夢見ている。何もこけおどしが目的ではない。「存在」あるいは、「存在する」とは何かがテーマなのであろう。空間を切り裂いて、ある量魂で「存在」をアピールさせる。何が見えるかを作家自身が確認したいのだろう。とうとう大島潤也の心は個展のみの試みで満足する段階を越えようとしている。

 だからといってグループ展の中で、自作の「存在感」を示す気にはなれないのだろう。近く開催される屋外展・ハルカヤマには参加しないから。むしろ、他者の作品は邪魔と思っているかもしれない。「コラボは必要ない。俺の空間と存在だけが大事なのだ」


 どでかさ以外はいつもと同じだ。素材も、手法も、展示の仕方も、似た形式だ。飽きもせずに何かに拘り、何かを主張したくてチャレンジし続けている。何にチャレンジしているか?

 以前は、海底に沈んだスクリューのようなものを作っていた。どこか鎮魂的だった。黒いぶら下げ物があったりして、それらは墓柱を匂わせた。季節柄、いつもこの盆時期の個展だから、どうしても末法的に彼の作品を見てしまう。表現のメインは「存在、総体、この空間を成り立たせていること」なのだろう。決して「鎮魂」という情緒性はメインではない。包帯を使うぐらいだから、「人間臭さ」も彼の問題の中にはあるはずだ。が、「存在」と「情緒」の関係を不問にするのが今の彼のスタンスだ。
 
 まずは「存在」だ。「大きな俺の世界を、どこか外に置きたいな!せめては高くて広い建造物の中に置きたいな」

 思えば洋人達は教会でそれらを経験している。それが巨大ビルの内装に応用されている。
 我が大島潤也を満足させる時があるのか?
 


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 小さい作品を載せます。


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※ タイトルの「terminus post quem」、よくわからないのですが、「それ以後」という意味かもしれません。もしそうならば、作家自身の今展への強い意思表示かもしれない?

by sakaidoori | 2013-08-18 15:09 | 大丸藤井スカイホール | Comments(2)
2013年 06月 01日

2082)「2013 横山文代油彩画個展 《北海道・好きな風景の中で》」 スカイホール 5月28日(火)~6月2日(日)

  

2013
 
横山文代油彩画個展 

  北海道・好きな風景の中で 



 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2013年5月28日(火)~6月2日(日)
 時間:10:00~19:00
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.30)


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 毎年個展を開いている。本格油彩風景画だから、相当なエネルギーだ。当然、元気の良い人だ。今年もその姿を見ることができた。個展の印象を画家本人と話すことができた。作品をともに凝視しあった。実に嬉しいことである。

 写実度の高い作風だ。堅実な風景画家である。描写力は年々高まった。が、個性重視の立場からすれば、この自然の似姿と、作家本人との位置関係に物足りなさを感じる。ただ単に自然を描きたいのかと。
 自然描写が中心で、個性に重きを置いていないのならばそれはそれで構わない。所詮、絵画は作家の産物だから。結果がこちらの好みと合わないだけの話だから。
 だが、彼女の中には「強い私を見て」という、明快な自己主張があるはずだ。この主張がまだまだ弱い。自然力の中で埋没している。


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     ↑:「息吹」。


 明るい。自然光が好きな人だと思う。しっかりと自然の表層を描く、に徹している。川の作品が目立つが、「流れ」が今の心の反映みたいだ。「流れ流れて、どこどこ行くの」という軽い気分もあるようだが、大作「息吹」を見ていると、流れそのものの美しさや強さにぞっこん惚れ込んでいる。主張がある。
 それはいいのだが、全体を見ると、手前半分と上部半分がバラバラな絵になっている。そのバラバラさが不思議な統一感になればいいのだが、それは至難だ。上部の自然全体の魅力と、手前の自然を見つめる画家の位置が全く無関係で、本心はどちらかと問いたくなる。

 この作品に限らず、彼女の風景画の水平線や地平線、それに準じる横断線はほぼ真ん中を走っている。つまり、彼女は立ち姿でいつも真正面を見ている。横拡がりの大らかな態度だ。その視点にのっとって、彼女なりに部分部分にこだわって強く描く、流れもその水平線を壊さない。

 多分、二つの性格を持っているのだろう。あまり出しゃばらないオーソドックスな社交性。それでいて、粘着的で強いガンバリマン。この二つが絵に反映されるのは当然だが、重点を見定めないといけない。その力関係を作品の中で試さないといけない。欲張りな人だから、切らずに全てを入れようとしている。
 絵は嘘だから欲張るのは当然だ。欲張るべきだと思う。大いなる欲望は、普通にしていては成り難しだ。もっともっと絵画という嘘を信じるべきだろう。



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     ↑:「風が遊ぶ丘」。


 きっと、丘のウエーブラインに心惹かれたのだろう。醸し出す空間に和したのだろう。だから、強くて細かい描写はとらなかった。
 しかし、「中央地平線ありき」だから、絵が縮こまって見える。あたかも雲を描きたかったみたいだ。
 普通に、丘やウエーブを大きく描けばと思った。


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     ↑:「風にのって」。


 絵画の焦点も比較的作品の中心におく作家だ。地平線の中央横断と重なり、すべてが真ん中に行こうとしている。「中央を見ろ」だ。生一本な正直な画家だ。そこが横山文代・自然の魅力なのだが。



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     ↑:「青い池」。


 今年の北洋カレンダーだ。



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     ↑:「秋のオブジェ」。


 手前のヤブに頑張っている。きっと、このヤブを描きたかったのだろう。なぜもっと大きく描かなかったんだろう?



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     ↑:「秘密の花園」。



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     ↑:「自由な旅人」。

by sakaidoori | 2013-06-01 10:26 | 大丸藤井スカイホール | Comments(2)
2013年 05月 16日

2056)「蝦夷鹿と木 クラフト3人(鹿・原ななえ)」 スカイホール 5月14日(火)~5月19日(日)


 
蝦夷鹿と木 クラフト3人  

鹿・原ななえ 木・清水宏晃 木・菊地聖
 



 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2013年5月14日(火)~5月19日(日)
 時間:10:00~18:30
      (最終日は、~17:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.14)


  即売を兼ねたクラフト3人展ですが、「鹿」の紹介のみです



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 鹿皮の販売をしていた
 鹿の皮だ。鹿皮なんて特別興味もなかった。というか、動物のなめし皮などをじっくり見たことがない。初めて一枚物の鹿皮を眺めた、見た、触った。薄い、柔らかい、優しい。「これが鹿なのか」、と思うとワクワクしてしまった。

 というわけで、美術表現の素材としての鹿皮、クラフトの生地としての鹿皮、自然を考える人にとっての鹿皮、理由はなんであれ、常設のお店とは違って、気楽に鹿の皮を触りたい方、興味のある方!是非、足を運んで下さい。今回はそういうお知らせの記事でした。



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 これが丸ごと鹿一匹の皮の塊です。肌色がかった皮が一番実物に近い色だそうです。なめす時のタンニンの色味が付いているから、厳密には生の色ではないでしょう。他は着色してあります。

 オスジカはメスを求めてオス同士で闘うから、それなりに傷ついているよ。・・・契約猟師さんが、堂々としたオスジカを狙っているから、メスジカの在庫は少ないです・・・コジカの皮ですか?はい、これですよ。ちっちゃいね。オスジカとは違って柔らかいですよ、新鮮です・・・と、担当の原なおみさんが歯切れよく語ってくれた。勢いがあって楽しい人だ。

 金額は立方㎝(㎝3)で、そんなに高くはなかった。もっとも、僕が買うにしても、ただ飾るだけでしょう。
 
 鹿皮商品もあります。オーソドックスに鞄ですね。文庫カバーとかもありました。縫いは普通のミシンで大丈夫。縫い心のある人は、一皮買って、何かにチャレンジしてはどうですか。

 常設店は、札幌市中央区南6条東1丁目2番1F あぐら家具企画内の 「ディアパーク(Deer Park)」 です。


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by sakaidoori | 2013-05-16 00:05 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)
2013年 03月 17日

1977)「どんぐり会展 第103回北海高等学校美術部」 スカイホール 3月12日(火)~3月17日(日)

  

 
第103回北海高等学校美術部 どんぐり会          


▶▶ 創部100周年記念展
▶▶川本ヤスヒロ退職記念展



 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール
      中央区南1条西3丁目
       (東西に走る道路の南側)
      電話(011)231-1131

 会期:2013年3月12日(火)~3月17日(日)
 時間:10:00~18:00
      (最終日は、~16:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーーー(3.16)


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 例年の高校美術部「どんぐり展」の領域を越えた展覧会だった。
 美術部顧問・川本ヤスヒロ先生退職記念展、創部100周年記念展と、華やかで賑やかだ。とにかく今展の熱の入れようがわかるというものだ。
 
 しかし、見る方は大変だ。記念展作品と高校生作品とはムードが全然違う。大人の作品を注視すれば高校生の方はおざなりになりそうだ。高校生作品に注目すれば、大人の作品は無視しがちになった。
 本来は全体を報告すべきだが、あまりに多義にわたるので高校生作品を中心に報告します。


 とりあえず、会場全体の流れを載せます。


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     ↑:(入り口そばの会場左側。)


 高校生の作品コーナー。やや窮屈だが、逆に高校生らしさを感じた。
 以下、右廻り。


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 「川本ヤスヒロ」展示コーナが狭い入り口から垣間見える。相当に気合いの入った個展だ。細かく紹介できないのが残念。おって、全体像だけでも報告します。


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 どんぐり会OBの在校時代作品が続く。今では著名な作家達ばかりだ。高校時代作品あなどりがたし、そんな思いで見た。招待作家作品も小品で登場する。


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     ↑:(在校生作品。)


 ぐるっと会場を回って、出入り口の右側に再び現役高校生作品。)



 北海高校どんぐり会は顧問の川本ヤスヒロ氏の影響もあり、絵の具一杯で勢いと力勝負だ。何故か版画も強くて目を惹く。


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          ↑:1年 池上瑠莉、「夢に浮上する島」・30号 油彩。


 真っ先に目に飛び込んだ作品だ。
 赤、緑と補色を自由に使っている。黒は使わない、ピンクもいらない、好きな色だけで、湧いたイメージをトコトン描いている。不思議なできごと、目立つこと、全体はざっくり、部分部分は女の子らしく宝物のように、そして自由勝手に、が制作の基盤だ。それ以外にはない。その徹底した気持ちが抜かりなく全部にしみ込んでいる。変な世界が生き生きとのたうち回っている。

 変な世界。きっと楽園のような島がイカになり、海でも空でも飛び跳ねる。海は綺麗だ、空も素敵だ、いろんな所に変な姿でロケット発信。変な島はおとぎの国、宝物が一杯、夢一杯。


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          ↑:1年 鈴木綾栞、「浸水」・変形100 油彩。


 シュールなイメージを暗い世界に閉じこめている。暗いばっかりでは厭だから、生き物にはピンクのお化粧を施した。この色づかいはかなり意図的だろう。
 それにしても、変な生き物は色っぽい。腰のカーブが悩ましくも楽しい。学生は色気ではなくて女性の皮膚感をだしたかったと思う。招き妖精だ。だから、絵も暗くは感じない。ただ暗い穴蔵に棲んでいるだけだ。もうすぐ明るい世界に行くだろう。



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          ↑:3年 中鉢健太、「3月11日」・30号 油彩。(左側がぼやけた感じですが、カメラの不手際で、全て同じ色調。)


 とても感心な学生だ。津波が去った震災直後の跡地をしっかりと描いている。乱雑なゴミの世界だ。ゴミの山という事実を描ききるとは、学生であっても画家だ。
 「ゴミの乱雑な世界」、それでは苦しいのでピンクという色で飾った。事実の色ではない。だが、許されるだろう。事実を描いているのではないから。現実を描き、鎮魂がそれ以上の目的だから。それに、絵というものは美しい。いかに細密描写として事実を克明に描いても、枠という整合性・秩序が生まれる。どうしても美化したものにならざるを得ない。そういう「美術作品としての絵画」の中で、精一杯に中鉢健太は描いている。




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     ↑:3年 中北朋花、「心在」・150号 油彩。(中央、ピンクがかって見えるが、全てが濃い赤色。)


 これは凄い。この胆力、しかも画題は心臓か?自画像にも見える。命が在る、私が在る、全てが存在する、この絵を見よ!と吠えている。バクバクと心臓の鼓動が響いている。



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     ↑:2年 木全佑衣、「どうすることもできない仕組み」・S110 油彩。


 「どうすることもできない仕組み」という社会、その社会に襲いかからんばかりの勢いだ。おびただしい数の建物をしっかりと描いている。丸みを帯びていて、決して冷たい感じはしない。綺麗にバラバラにされたひとむれ見たいだ。でも、それらは闘う相手かもしれない。
 都会の空に立ち上がる緑色の妖気。獣がその妖気に絡まりながら、何をしようとするのか。
 野獣派感覚の燃える絵だ。



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          ↑:2年 福田美希、「艶」・15号 油彩。


 タイトルが素晴らしい。「猫」では色気がなさすぎる。




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          ↑:2年 高畠沙月、「現在と過去の混合」・30号 油彩。


 ちょっとタイトルが凝りすぎみたいだが、それが学生の思いだろう。
 この感じで物語にして、字のない絵本にしたらどうだろう。きっと不思議な粗筋になるだろう。奇想天外な夢物語にして欲しい。



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          ↑:2年 高橋怜奈、「黒」・18×20㎝ 銅版画。


 カリカリカリカリと銅版と格闘している。一途に一所懸命にカラスと格闘している。黒に負けずに、鋭き嘴に負けずに、カリカリカリカリと腕に力が入る。カリカリカリカリと。



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          ↑:2年 堀江理人、「雨降る街にて」・50号 油彩。


 綺麗な色だ。ロマンティックだ。「理人」男子だろうか?「レーニン」?青い世界で傘の通行人が主役だ。自画像か?。心はブルー、なのだろう。が、清々しい世界だ。これも一つの青春だ。



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          ↑:2年 利根川美樹、「I like !」・S50 油彩。


 あたしの好きなものが集まっている。沢山沢山、綺麗に綺麗に山のようにして。大事に丁寧に集まっている。 

 

by sakaidoori | 2013-03-17 12:33 | 大丸藤井スカイホール | Comments(0)