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栄通記

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2008年 10月 09日

779) 市民ギャラリー ②「第50回 学生美術全道展」 終了・10月4日(土)~10月8日(火)

○ 第50回 学生美術全道展

 会場:札幌市民ギャラリー ・1F全室
     南2条東6丁目 (北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年10月4日(土)~10月8日(火)
 時間:10:00~17:00
  
ーーーーーーーーーーーーーー(10・8)

 撮り収めた写真群を見ながら、栄通好みを5点に絞って②では紹介したい。


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     ↑:奨励賞・登石莉彩(札幌北海高校・3年)、「納屋の明かり(晩夏)」。
 今展一番のお気に入り。
 とりたてて大仰な所は一つも無い。納屋の内壁もただ黒っぽく描くだけ。明かりが入る納屋の入り口も、景色の青を普通に青く描くだけ。光の強弱もそれほど強くない。ただ、入り口の輪郭が怪しげにカーブしているのが素敵だ。そうして見ると、多くの輪郭線はうねっている。普通の内と外の風景なのに、ただただ輪郭線のカーブだけで絵全体が別の世界の風景を描いているように見えてくる。
 普通の絵を描いて、普通に見えなくなる絵が好きなのだ。


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     ↑:柴田玲奈(札幌西高校・2年)、「黄昏アンブレラ」。
 古典的なシュール感と、大正ロマン主義のような時代錯誤的美が良い。色のメリハリがベタベタしていて、自分の色を出そうとしているのが良い。
 色のくどいコスチュームを着て、大通公園を散歩したいのかもしれない、夢の中で。その時、歩む道は坂道の方が良い。アップダウンは日常を忘れさせるから。素敵な世界への入り口かもしれないから。


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     ↑:奨励賞・三浦萌(札幌大谷高校・3年)、「うーる」。
 上手な絵です。気持ちの良い絵です。心温まる絵です。写実力を含めて、絵全体のムードを出す表現力に感心させられます。
 可愛い顔。大人が可愛い顔を描くと説明し過ぎというか、感情過多な思い入れが見て取れて、それほど感動することは無い。高校生の絵だから認めたくなるのか?
 そもそも道内の著名な油彩画家がそのテクニックを駆使して「可愛い顔」を書くことがあるのだろうか?リアルさの追求に「可愛い顔」は似合わないのだ。何故だろう?


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     ↑:川上茜(釧路東高校・1年)、「4才4ヶ月」。
 色だけで大きく描いています。力強さには欠けますが、このボリューム感はグッドです。
 描く対象に愛情を込めているから描き上げることが出来たのでしょう。描くほうの気持ちを離れて、描かれる事物それ自体の魅力を豊潤なボリューム感で描き続けて欲しい。


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     ↑:高橋李(札幌啓成・2年)、「teacher」。
 印象派のような作品です。顔の表情が乏しい気がしますが、画面全体が華やいでいて、「先生」を見つめる高橋さんの憧れを感じます。「美しくて若い先生、その先生の素敵な絵、先生のお部屋は色が一杯でお花畑のよう!」。
 大きな画面、手を抜くこと無く丁寧に描いています。


 時間が過ぎてもう一度5点を選んだら、納屋と猫以外は変わるかもしれない。
 北海高校と、おといねっぷ高校が非常に目立っていました。他の受賞作や彼等を載せないと、今年度の特徴を語ったことにはならないでしょう。
 時間を作って③で紹介したいと思っています。

 (下のタグの項目の「学生美術全道展」をクリックすれば、昨年の記事が見れます。)

by sakaidoori | 2008-10-09 12:37 | 市民ギャラリー


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