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栄通記

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2008年 07月 30日

708) CAI02 「FIX・MIX・MAX!アワード入賞者展」 7月23日(水)~8月5日(火)

○ FIX・MIX・MAX!アワード入賞者展
    優秀賞=大島慶太郎 笠見康大 鈴木謙彰
    奨励賞=太田博子 織笠晃彦

 会場:CAI02 
    中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 (地下鉄大通駅1番出口)
    電話(011)802-6438
 会期:2008年7月23日(水)~8月5日(火)
 休み:定休日は日曜日
 時間:13:00~23:00

 主催:当館 ギャラリー門馬
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 なかなかハッピーな展覧会だ。
 ブロックむき出しの広い空間は「肉体以前の織笠君、可愛くいやらしくの太田さん、エロスまっしぐらの鈴木君」という部屋になっている。統一テーマなどはない選抜展なのに、「エロス・展」になっている。

○ 織笠晃彦の場合

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 織笠君は札幌市立大学の3年生だ。いささか栄養不良気味の体躯や風貌が、かえって学生らしく美や芸を愛するオタク的青年に見えて、僕には好感が持てる。飛び出そうな目、言わずにはおけない口元、愛すべき青年だ。

 本人の背景の作品は「くる」。今回の力作だと思う。コンピューターで細かく仕上げていった作品の上から、フリーハンドで目やぐるりを装飾している。おそらく、機械による操作での作品化は好きなのだが、機械オンリーになることに盲目的な反発があるようだ。「機械と生理」を処理できないでうごめいている姿に好感が持てた。「デザインー文明の利器ー直筆(生理)的表現」、今後の織笠君をそういう目で関わっていきたい。


○ 太田博子の場合

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 ↑:「ラブシーン」
 非常にいやらしい画題です。この怪しげな世界を刺繍で軽く表現していることに、非常に感心しています。江戸時代の「春画」を見る思いです。こういうのを20代前半の女子学生が表現しているのに驚きます。
 刺繍だから上手くいったのか、彼女の実力だから上手くいったのか今後も楽しみな作家です。

○ 鈴木謙彰の場合

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 ↑:「analgesics」。(「痛みを感じない」?)

 エロスそのものです。何が良いかと云うと、たじろがずに大きく表現していることです。2展1組、8点1組で空間を女を自分自身を見ている。金網をかけたりして、試行錯誤している。今展のテーマはエロスですが、鈴木君の現在の関心がどういうものかが気になります。


 さて隣室の白い部屋はムードを異にしています。映像と絵画ですが、それぞれがあまりに実験にこだわっている感じです。自分自身のテーマと美学的テーマでうごめいている風に見えます。

○ 笠見康大の場合

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 ↑:「夢のひだり」・2008 油彩。
 一応タイトルはついています。僕は彼の絵が今後どう変化するかに興味を持っている。彼の作品は勉学の一里塚だと思っている。今展のタイトルも「夢のひだり」というものがあって、創作されたものではないと思っている。絵画上の問題でカラフルにしたので、たまたまそういうタイトルにしたのだと思っている。絵画上の軌跡と笠見君の心の軌跡がどういう交わりを見せるかに興味を持っている。

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 ↑:笠見君がこういうのを見せるのはいい事だ。


○ 大島慶太郎の場合

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708) CAI02 「FIX・MIX・MAX!アワード入賞者展」 7月23日(水)~8月5日(火)_f0126829_23531155.jpg ガタガタと映写機の音がうるさく地下室に響いている。フィルムが怪しげに回転している。画像はせわしなく色と模様を見せている。何と言っても、映写機そのものを見せる展示だ。大島君はいろんなことを考えて、青年のおもちゃのような機械仕掛けの映写機装置を作る。時代の記念品のようにして作品化する。古き良き時代を懐かしむような大島君の感覚が、その映像作家としての実験的取り組みとは別にして、僕には好感が持てる。
 大島君は映写機のバタバタ音、パラパラ感覚が好きなんだと変に納得してしまう。
 青年のおもちゃ、そして段々と大人のおもちゃになり、「おもちゃ」が表から消えていくのだろう。



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by sakaidoori | 2008-07-30 21:15 | CAI(円山)


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