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栄通記

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2007年 12月 25日

440 )コンチネンタル 「油展 2007」 終了・12月18日~12月23日(日)

○ 油展 2007
    北海道教育大学札幌校芸術文化過程美術コース油彩研究室
    岩見沢校芸術課程美術コース油彩第一研究室

 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 会期:2007年12月18日~12月23日(日)
 時間:10:00~18:00(最終日のみ、~17:00)


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 ↑:院2年・松尾道行、「Asupersaturation」・1080×580・油彩。
 実に良い。秀作だと思う。中品で、掛け軸風に縦長で見るわけです。大空に雲が大きく大きく伸び広がっていく。青と白の量塊、バランス、勢いが印象的だ。雲を色々と想像するのも楽しい。否、想像を超えるほど松男君の意欲・勢い・意思が強く伝わってくる。

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 ↑:4年・金吉恵理、「これが私なんだってば」・1190×1190。
 シンプルな色の構成、だが、厚塗りでベタベタとしていて油彩らしい。タイトルもあっけらかんとしていている。タイトル通りに人物像と絵全体を見ればいいわけだ。「そうか、これが君なのか」と応えたくなってしまった。細密描写は見る者の意識を内部に内部にと引っ張り込もうとする。この絵は、厚塗りとシンプルさでぐいぐいと迫ってくる。
 残念なのは顔の額に、沁みのような模様を描いていることだ。絵全体の構成・主張とこの沁みは合わない。タイトルで充分文学的説明をしているのだから、こういうのを描かない禁欲さを維持しなければいけないのでは。
 非常に気持ち良い刺激を頂いた。お気に入りの一点。

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 ↑:4年・齋藤由貴、左の2点・「ここに居たい」・500×1300、右の作品・「息をする」・1300×1300。
 DMを飾った作品。爽やかです、上手です。ブルーな女心が伝わってくる。左の作品、広い浴室での洋式トイレでたたずんでいる感じ。お洒落な色っぽさがあります。次の作品を見たくなる作家だ。

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 ↑:4年・鵜沼範考、「S×D×R」・1800×2700・コンパネ 油彩 コラージュ 樹脂。
 昨年から普通の絵を止めて、自分探しと試行錯誤を重ねている鵜沼君だ。タイトルの意味は「セックス、ドラック、ロック」。ドンドンと突き進んで下さい。チャレンジしていって下さい。


 なかなかバラエティーに富んでいて楽しめた。「栄通記」にも感想を書いた作家もいて、飽きることなく時間をすごした。以下、何点か個別作品と会場風景を載せます。

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 ↑:左側、4年・畠平 知、「マトリョーシカ・マンダラ」・F30・木製パネル アクリル。(背景がピンクになってすいません。)
 マトリョーシカをマンダラに見立てているのが面白い。入れ子玩具のマトリョーシカ、入れ子としての仏画の縦と横との広がり。

 右側、4年・齊藤由以奈、「廻」・410×490・鉛筆。
 最近「3人展」で紹介した齊藤さん。なかなか見せてくれます。


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 ↑:3年・我妻直樹、「after dark」・170×250(35点)・ゼラチ ンシルバー プリント。
 油彩展だが、グループ展で異ジャンルの作品をみれるのは良い事だ。与えられた一角を自分だけで表現できて我妻君も満足だったと思う。

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 ↑:左側、3年・村山聡、「無題」・F100・パネル 綿布 岩彩。
たまたま会場にいた青年にお好みを尋ねたところ、好きな作品と間髪入れず指さした。彼は美術の言語化に強い関心があるとのこと。学校も、学年も、名前も教えてもらった。また何処かで合えるのが楽しみだ。ギャラリーめぐりの楽しみが増えた。
 作品は朱を含めた七色と黒が印象的だ。それにしても具象画で「無題」とは色気が無い。名づける苦労と喜びを放棄しているみたいだ。もったいない。

 右側、4年・坂本健一、「口論を観る」・910×2000・油彩。
 「無題」とは逆に作品もタイトルも物語だ。意外に物語り作品を見る機会が少ないので新鮮に感じた。構成力とインパクトが高まれば、坂本ワールドが単なる物語を超えるだろう。期待したい。

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 ↑:左側、2年・武田紗千、「栄」・F50・油彩。
 右側、3年・上野里美、「冬空」・F120・油彩。


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 ↑:左側、4年・竹内綾、「ぼくらはゆめでできている」・600×720(2点)・パネル 油彩。
 右側、3年・川村真理子、「腫れてゆく輪郭」、1410×2100・油彩。

by sakaidoori | 2007-12-25 16:39 | コンチネンタル


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