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栄通記

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2007年 12月 06日

425)大同ギャラリー 「第52回新道展・受賞者展」 終了・11月29日(木)~12月4日(火)

○ ’07 新道展企画
    「第52回展受賞者展」 
    
 会場:大同ギャラリー・全室
    北3西3 大同生命ビル3F4F・南西角地 駅前通東側
    電話(011)241-8223
 会期:2007年11月29日(木)~12月4日(火)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00)

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 DMによると総勢31名です。お名前は省略します。

 全道展も同じ会場で受賞者展を開いています。なかなか展覧会としては上手くいっているとはいえません。受賞者という枠はありますが、意図的な作家の選択ではありません。総合展、競合展のランダムなアンソロジー展の難しさをいつも思っています。

 そんな中、今展は良い方だと思います。自由さというのか、明るく作品がこちらに迫ってきます。皆さん短期間で頑張っていると思います。これは会場でお会いした画家の言葉ですが、「受賞者展に選ばれることを前提に、本展に関係なく作品を用意しておくといいのでは」、う~ん、凄い意見だ。全く賛成です。本展で人目を引いて、更に精鋭展で注目される作品を出品する、そういうことを戦略的に常日頃準備しておくということでしょう。作品はできてないにしても、心構えはそうありたいものです。

 何はともあれ、気になった作品を載せます。

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 ↑:新会員・澤田和子、「時のひずみ(北の祭り)」。
 爽やかな作品です。色合いが気にいっています。線描もゆったりとしていてお気に入り。新道展を代表するムードの絵画だと思います。

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 ↑:新会友・すとうえみ、「紫音」。
 中央の女性(関節人形?)が悩ましい。挑発的な表情が・・・、口紅の朱がセクシャルだ。思わずチューをしたくなりました。色気があるから良いと言うのではないですが、中品として成功しているのではないでしょうか。まさしく女性を象徴した装飾的デザインですが、これはこれで良いと思いました。 意外にエロスを表現する女性画家は少ないので大事な画家だと思っています。

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 ↑左側、新会友・藤本絵里子、「漂泊」。
 新道展期待の新人でしょう。出す作品、出す作品しっかりしていると思います。作品にコラージュのように円などを貼り付ける画風です。今回は控えめに多角形を多用。本展の作品タイトルは「飛翔」、今作は「漂泊」です。楽しみな画家です。スランプはコラージュ辺りから湧き出てくるかもしれません。スランプなど言うのは余計でした。臆することなくグイグイ先に進んでください。それを見るのがこちらとしては一番楽しい。

 右側、佳作賞・久保田年子、「Sprit」。
 良いですね、画面一杯わくわく漂っています。この中から何が出てくるか、浦島太郎の玉手箱か、人魚に包まれてエメラルド・グリーンを遊べれたら。

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 ↑:左側、今年度の最高賞受賞者・櫻井亮、「残光」。
 期待に違わぬ作品です。明快な具象の世界に、古拙な物語が聞こえてきそうです。古さと新しさとの何ともいえないマッチング。右上に飛行機が描かれています。良い意味でも悪い意味でも、特徴的です。画家にとっては廃墟の風景に戦闘機が必要なのでしょう。物語作家として育つのでしょうか?

 右側、佳作賞・宮崎亨、「マイナスの力に頼る者はいつか必ずマイナスのドロ沼に引きずり込まれる。その覚悟はあるのか」。
 漫画と絵画の融合です。以前の作品は観念的というのか、頭でっかちなところがあったのですが、上手い具合にアニメと共存しているように見えます。それだけ絵自体が上手くなったのでしょう。新道展の参加は最近のことと思います。実に嬉しい。

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 ↑:左側、佳作賞・古木真澄(会友)、「沈黙」。
 まるで、床が鏡の国のアリスの世界に通じているようです。そこにイスが湖面に浮かんでいるようにして描かれています。時計はこういう絵にはよく付いていますね。時の象徴でしょう。この瞑想的な沈黙の世界をどう発展させていくのか、古木さんのこれからの腕の見せ所ですね。

 右側、佳作賞・市川正勝(一般)、「潮風光彩」。
 古木さんの世界に合いそうなので引っ付けて見ました。緑が好きなのですね。本展の受賞作とあまりに似ていて、面白味に欠けます。細密により物の本質に迫ろうとしているのでしょう。絵画的技術のマスターが更に作品の質を高めることになるのでしょうが、それ以上に、作家自身のものを見る根本視力が大事なのでしょう。装飾性を得意としているみたいなので、流れずに追及してもらいたいでえすね。草むらには目に見えない魔物が棲んでいる。どこまで絵というまな板に乗せれるか。

 何と、園部信二(新会員)さんを撮り忘れてしまった。昔の子供達の遊んでいる風景を描くのを画題にしています。今展はメンコ遊びでした。たまたまなのか意図的なのか、メンコの置かれてある床や路面が不思議なゆがみ方に見えて面白かったです。

 澤谷玲子(新会友)さんも忘れてしまった。人のフォルムを影のように大きく描く人で、背景などにコラージュを駆使しています。暗く大きいその影の形や全体のムードがお気に入りで、見始めのころから応援していました。
 今展は人型の部分にジーンズの布を切り裂いて張っていました。どうしてもコラージュが好きなのですね。

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 ↑:新会員、中埜渡美栄加、「北の大地」。
 中埜渡さんの写真があった。よかった。大きな手ですね。あっけらかんとした明るさ。彼女が上手いのか下手なのかは分かりませんが、「絵」であります。

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 (一番上の写真が三階、この写真が4階の風景。)

by sakaidoori | 2007-12-06 14:02 | 大同


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