栄通記

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2007年 11月 05日

388) 王子製紙苫小牧工場・千歳(水明地区)第1発電所

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 苫小牧からは支笏湖経由で帰った。

f0126829_1327354.jpg もう時期も過ぎて紅葉は楽しめない。湖畔の近くに信号機がある。左折すれば湖を通って札幌へ、右折すれば千歳に抜ける。千歳方面に向かうと、右側に「水明共同墓地」の看板があり、ほんの少し進むと左に発電所入り口がある。

 殺風景な広い敷地に車を止めて、見学者用の入り口から真新しく敷き詰めた砂利道を突き進んでいく。施設の建物辺りを左に曲がり、用水路の橋を渡ると、いきなり水力発電所の全容を見下ろすことが出来る。落差130m。支笏湖を水源とする千歳川が細く流れている。ここは紅葉の景勝地でもある。掲載した写真は日当たりの加減であまり良くなくて残念だ。向かいの景色が紅葉したさまを想像して頂きたい。一般の渓谷美は高低差に入り組んだ彩りが、冷たい空気感を伴って迫ってくる。ここは開けっぴろげに映像のパノラマ感覚で迫ってくる。無断立ち入り自由だから、誰憚ることなく水力施設と景色を堪能することができる。

 この日は関係者の作業を見ることも出来た。落水用パイプの注ぎ口の網にかかった落ち葉を棒で引っ掛けてはすくいあげている。瞬く間にリヤカー一杯になり運び出していた。

 建設年月日:明治43・5・28。最大発電能力25400kw。
 この第1発電所の下流にも4個の発電所があるが、規模はたいしたことはない。それぞれ10分の1程度で、ここで遠隔操作が行われていて無人である。全て苫小牧の王子製紙工場に送電され、余力は他の需要家に供給さえている。見学場所に説明版あり、案内音声も聞くことができる。

 苫小牧ー土地あり、水あり、電力あり、樹木あり。港湾条件は明治初期にあっては有利ではないが、技術の進歩に伴い明治末年に至ってはそれほど不利な条件では無かったのだろう。今では1万トン級の貨物も往来する、北都・札幌にも近く急速に発展した地域だ。だが、トヨタは車両のストック・ヤード程度しか現在のところは利用していない。民間の工業活力は苫小牧に微笑まなかった。官主導の苫東大開発は資金を湯水のように使って大失敗した。

 苫小牧は王子の街である。その発展の礎はこの発電所だ。今はひっそりと宣伝用に敷地を解放し、行楽を楽しむことができる。道路と敷地の間にサイクリング・ロードが走っている。パルプの原木を運んだ鉄道跡地であろう。当然私鉄だろう。始めに水明墓地のことを書いた。中に入ってみると、切り払った跡地は広いのだが、お墓は数個しかない。多くは移転したのであろう。
 水明地区ーかつてはパルプ原木伐採と発電所の管理で人里が在ったのであろう。墓地に記された人は、まさしくここで生きていた人達であろう。(11・4)

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 (日が沈むのは早い。午後4時27分。)

by sakaidoori | 2007-11-05 14:03 | ◎ 風景 | Comments(1)
Commented by 根保孝栄・石塚邦男 at 2017-09-02 01:50 x
明治四十三年、王子製紙苫小牧工場が操業に入りますが、
この時期、支笏湖に巨大ヒグマが出没、獣神と怖れられ
ました。啄木が明治四十年北海道に渡り、函館‐札幌ー
小樽‐釧路と新聞記者生活を体験する時期と工場建設の
時期と重なり、それを長編小説にして「札幌文学」など
に発表中です。この中で、千歳発電所の話も出てきます。


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