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栄通記

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2007年 08月 20日

299 大丸藤井セントラル  「大島潤也展」・立体 終了(8・14~8・19)

○ 大島潤也展

 会場:大丸藤井セントラル 7Fスカイホール
    電話(011)231-1131
 会期:200年8月14日~8月19日(日)
 時間:10::00~19:00(最終日は18:00まで)

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 発砲スチロールで出来た壁面作品が壁ぐるりを囲み、板を黒く塗った物が真ん中で集中的にぶら下がっている。どことなく仏教的な香りがする。

 壁の作品、作家のイメージは何だろう?おそらく花だろう。僕は4年前の初見以来、船のスクリューに見えて仕方が無い。船体からバラバラに引き裂かれ、朽ちて静かに暗い海底に横たわっている姿を連想してしまう。決して悲惨な姿ではない。一つの仕事を終えて、終の棲家の海で静かに暮らしているのだ。鉄は陽に晒せば錆色で、触ればボロボロと崩れるかもしれない。けれどもここは、海の底。黒い姿でふっくら膨らんでもう一度回りそうだ。

 大島さんは完形を避けているようだ。たとえそれが花形であっても、花弁の一枚が欠落している。そして、そこからもう一度花びらを咲かせるような造型を好んでいるようだ。平安美学に朧(おぼろ)月をことさら愛でる歌がある。赤々と輝く満月に、かすみ雲がかかった月を賞賛するのだ。欠落の美学か。それともいつもいつも完璧なものは見れないので、たとえ霞がかかっていてもそれを連想しながら愛でようという貴族の知恵の美学なのか。
 大島さんは完形を崩すことによって、遊び心や新たな可能性を探っているようにみえる。

 壁の作品は発砲スチロールだ。ある程度の大きさ、形に削り取って、その上に砂や粘土や(ギブス用の)石膏ガーゼなどを貼り付けている。彫塑作品だ。しかし、作家は油彩画家として出発した。壁面作家の志から離れ切れなくて、どうしても作品を壁に取り付けたいのだ。作品を支持体に見立てて、あれやこれや着色したり、コラージュしているのだ。変な表現だが、絵の具が20cmほど盛り上がっていると理解したらいいのだろう。厚くなった為に壁に作品の影が誕生した。影も鑑賞の重要な要素になった。白壁に黒い影。今展は色をほんの少しちりばめている。画家心がうずくのだろう、壁の白と墨の黒ばかりでは・・・・。

 仏の台座のような花。決して完璧な姿ではないが。墓柱のようなぶら下げ物。本人は全体を一望できないための飾りと説明している。残暑の残る野外から別世界に導かれた一時を過ごすことが出来た。

 下がり物の下で、子供達が走り回っていました。

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by sakaidoori | 2007-08-20 18:28 | 大丸藤井スカイホール


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