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栄通記

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2007年 02月 11日

54) コンチネンタル 「はしどい展」 (終了)

○ 第44回 はしどい展  北星学園女子高等学校美術部  

 場所:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 期間:2月6日~2月11日(日)
 時間:10:00~18:00

 高校美術部展。1年生8名、2年生6名、3年生5名の出品。顧問は全道展の波田浩司さん。

 100号以上の大作がびっしり詰まっている。なかなかの力作ぞろいだ。何といっても伸び伸びしていて気持ちがいい。高校展の場合、展覧会の出来不出来は顧問の先生の普段の指導法がかなり影響していると思う。今展は見ていて楽しい、ということは波田さんの指導が良いのだと思う。

 とても全員は紹介できないので、入り口正面の目だった5作品の写真紹介をします。
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 右側、「涸れた涙」(昨年の第48回学生全道展奨励賞)3年 佐々木ゆかさん。画面全体に漂うブルーなムード、人物はモデルはいるのでしょうが自画像でしょう。醜い顔、ちゃぶ台の様な浮き上がったテーブルに酒ビンとグラス、ベッドに横たわる男、高校生が描くには想像を駆使していると思う。「涸れた涙は終わったのですか?」と聞いてみた。小さい体、絵のような長い髪をして、屈託なく「はい」という返事。これからはもっと明るい色を使いたいと言っていた。この絵にほんのちょっぴり見える赤はおっかなびっくりだという、確かに遠慮がちだが画面が引き締まって気持ちが良い。明るい色、大胆な構図、いろんなことを試みて発表して何が描きたいか、どう描きたいかという悩みの大海に船出して下さい。


 左側、「群青に染まる」2年 竹澤祐里さん。薄塗りですが大きな画面に手を抜いたところが無く、全体の完成度では一番だと思いました。そこが出来の良さとは別に不満なところ。おそらくバランス感の良い人なのでしょう。メリハリが欲しいな。心の襞のような壁、深く沈むような床、希望の象徴のようなパラソル、窓の外は・・・・・絵の技術的向上心と同時に自分自身の探求が更なる絵になると思いました。
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 左、「みち」2年 山本頌子さん。何といっても、この大きな人がいい、大きな顔がいい、大きな腕がいい。意がそこに行き過ぎて、背景の建物が積み木になったのが残念だが、欠点より一大長所を褒めたい。人を更に大きく見せるのに髪の上部を少し切って描くと動きや勝手な想像ができて楽しめる。タイトルの「みち」は建物の前の道で、人物に薄く描かれている心の道で、その先に希望の花が咲いている。2年生だ、次回も大胆に、あるいは緻密に次の作品を仕上げてください。
 中、「紐帯のイデオロギー」3年 辻麻美さん。一目で昨年のデ・キリコ展に影響されたのがわかる。僕もあの展覧会には感激した。注目点は僕と辻さんとは違うだろう。しかし若い人が巨匠に影響され自分なりに描こうとする姿に好感を持ちます。おそらく、マネキンを自由に使いこなして他人が表現しない世界を描いていることに驚いたのでしょう。辻さんはマネキンが好きなのだ。マネキンの形、腰の辺りの肉感、一所懸命なのだろうな。
 右側、「「Beaming」2年 布施聡美さん。ビーミング:輝く、喜びに満ちた。若い女性が体をくねらせて輝いている、街が輝いている、空が山がつられて輝いている。

by sakaidoori | 2007-02-11 23:33 | コンチネンタル


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