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栄通記

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2007年 02月 07日

45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで

○ 道都大学学生作品展 2007

 場所:時計台ギャラリー 2階全室
    北1西3 札幌時計台文化会館・仲通南向き
    電話(011)241-1831
 期間:2月5日~2月10日(土)
 時間:10:00~18:00 最終日17:00まで

 引き続いて、時計台2階全室。
 このギャラリーのピンクの年間スケジュール表には載っていない。会場入り口にも何の展示場だか説明が無い。本当に困ったことだ。

 今週、市民ギャラリーで道都大学美術部デザイン学科、建築学科の卒業展が開かれている。時計台展は在校生、1年・2年・3年の作品展だ。そのつもりで観ないといけない。できることなら、タイトル・プレートに学年を書いて欲しい。実力と年齢が想像できて実に便利だ。

45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで_f0126829_1143424.jpg
 道都と言えば版画のシルクスクリーンが有名だ。ひときわ目を引いたのは1年生の石井誠君の「ロスト・マンディ」(先程まで「ロスト・ワールド」と間違っていました。失礼しました。2/4 10:38)。当然シルクスクリーンだ。45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで_f0126829_12501296.jpg二点出品していて、他の一点のほうが纏まりがあると思うが、この作品のほうが抜群に良い。どこが良いというか、気に入ったかというとしっかり元気よく落書きがあるからだ。構図やデッサンや技法を学んで自己表出が定型化しがちな中で、ついつい書いてしまった線描の自己世界。信号機の横の方に流れて見える箇所、実は下のほうを見ている観客で、人間のシルエットなのだ。若干変えながら、幾重にも丹念にだんだん限りなく小さく消え入るように、沢山の人が連想されるように書き込んでいる。シルエットは定型ひと型でデザイン性が強くて批判的に見る人がいるかもしれない。だが、抑制を伴った自動運動の波は画面全体の作家の構想には意識的に組み込まれてない部分だと思う。描かざるを得ない邪魔な部分ではないだろうか。45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで_f0126829_16374258.jpgもう一箇所の線描群も写真に部分図として載せた。信号機の下の、円い灰色の中とそれを包み込む箇所だ。ひと型と違って、ぐちゃぐちゃとした力強い落書きだ。シルクスクリーンは版の中では簡便な技法だ。技法のある程度のマスターはその人らしさしが無いと形式・様式が目だって喚起力が無いと思う。短期間に相応の習得をした学生が出さざるを得ない物をしっかり持っていることに頼もしさを感じる。ちなみに、彼は一浪をして、浪人時代に同大学の中島ゼミを知り、門を叩き、版の指導を継続的に受けたという。中島ゼミの単なる評価の時期は終わった。絵として如何なる作品群があるのか、どういう個があるのかという具体的評価と、地場の美術のテンションにどう拘わっているかだ。
 石井君を褒めすぎた。不満な点は本人に具体的に語った。先日紹介した落書きマン・藤谷君の作品を是非観て欲しい。触発される事があるかもしれない。

 全体に版はこれからだと思います。テキスタイルにも面白のがありましたが、省略。

 道展に昨年入選した作品を写真紹介します。水彩入選となっているから、アクリル画なのでしょうか。油彩のように見えました。45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで_f0126829_13232895.jpg45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで_f0126829_13261558.jpg









 山田剛弥、右端「E・R・I」               吉田 誠「春を待つ」
45) 時計台 「道都大学学生作品展 2007」 ~10日(土)まで_f0126829_1332569.jpg
 瓜生裕晃、右側「大雪連峰」。かなり北浦晃氏の影響が強いと思います。だから悪いと言っているのではありません。北浦絵画の何に興味を持つのか話がしたいです。僕の関心と通じるものがあるのかないのか。新たな知見を得れるかもしれない。

by sakaidoori | 2007-02-07 13:37 | 時計台


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