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栄通記

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2007年 02月 06日

44) 時計台 「教育大院生修了制作展」 ~10日

○ 平成18年度 北海道教育大学大学院美術教育専修修了制作展

 場所:時計台ギャラリー 3階全室
    北1西3 札幌時計台文化会館・仲通南向き
    電話(011)241-1831
 期間:2月5日~2月10日(土)
 時間:10:00~18:00 最終日17:00まで

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 全部で10名。西洋画 小倉恵一・笹森衣里・陳栄・山川彩子・山本雄基、彫刻 帳東雨(瀋陽からの留学生)・園田陽子、視覚映像デザイン 板井諒輔・近藤寛史、金属造型 浅川美緒。

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 各人が日頃の制作を持ち寄ったという感じ。しっかりした具象作品群。

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 抜群に気に入ったのが小倉君の「翠の海」、130×227。横広がりの画布にふきと少年を描いているだけ。少年は自画像だろう。彼を包み込むようにふきが蔽っている。海と題しているから母ということなのだろう。そういう母子的関係を離れて、この翠の蓮の世界はおおらかに波打つように画面からはみ出てどっぷりとした深みと広がりをもって僕に迫ってくる。小倉君は自己をモチーフにした作品を描いていたと記憶する。今作もそれに連なるものではあるが、私的世界を超えて画面が横に少しずつ少しずつ歩んで行くように見えた。あたかもこの部屋が100畳の畳の間と錯覚したくなった。本人は左のふきが描き足りないと言っていた。わざと手抜き風にしたのかと感じてたがそういうことらしい。(注:初稿で背景の植物を蓮と説明しました。これはふきと思うので訂正しました。しかし、イメージはどこか蓮のようなものを抱いています。彼は修了論文で蓮のことを博物誌的に論じていました。)

44) 時計台 「教育大院生修了制作展」 ~10日_f0126829_0191056.jpg 山川さんの「記憶の行方」大作。色合い、人物のモチーフ、背景の動物と今までとそんなに変化していません。いつもそうなのですが、動物が可愛いのが気になります。一時、小品にいろいろ試みていましたが、その形跡をとどめません。




44) 時計台 「教育大院生修了制作展」 ~10日_f0126829_0295618.jpg 試みるといえば、山本君は倦まず弛まずいろいろとしています。「いかに、何を描くか。更に言えば何故描くか」ということでしょう。4点の出品。左から「ミニマムユートピア」「侵食グラグラ」「分らないことだらけの遊戯」。
 他に説明してない人がいますが、他意はありません。お許しを。


 

44) 時計台 「教育大院生修了制作展」 ~10日_f0126829_03364.jpg 園田さんの「あいだの風景」。間とは各立体作品の間という意味と脇だとか体に特異な形で接触する空間のことと思います。作品のそういう部分が怪しげなザーメン状に表現しています。

 

 44) 時計台 「教育大院生修了制作展」 ~10日_f0126829_10345194.jpg 留学生の張さんの作品。基本に忠実ですが、まだオリジナルが表現しきっていないようです。りんごも失楽園の象徴でしょうが常套手段で面白みにかけます。市場社会万能の中の個性の表現にまだ慣れていないようです。
 彼は瀋陽出身ということで、喜んでいろんなことを会話しました。札幌に居て日本語の外人とお喋りできるとはうれしいものだ。ことさら、ここで報告するほどの中身ではありません。美術に関して一つだけ。現在、中国ではモニュメンタルな作品が公共空間におびただしく飾られているということです。以前は毛思想に関係した物が多かったと思いますが、対日戦争・反抗記念碑など国家を意識する物が大半だとのことです。日本との違いを随分意識していました。5月に帰国されるそうです。日本、札幌の良きパイプ役も期待したいです。

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 笹森さんの「パレード」。44) 時計台 「教育大院生修了制作展」 ~10日_f0126829_10592391.jpgみぎはその部分図。この部分の顔の表情がなぜだかすきなのですよ。単なる中年好みというなかれ、ですね。


 

 

by sakaidoori | 2007-02-06 23:58 | 時計台


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