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栄通記

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2014年 03月 10日

2366)②「北海道教育大学岩見沢校芸術課程1年生(8期生)展覧会 『crEIGHT 』」市民g. 3月5日(水)~3月9日(日)

 



  crEIGHT



北海道教育大学岩見沢校
芸術課程一年生(8期生)展覧会
 
                クリエイト展 

  


      


 会場:札幌市民ギャラリー 1階 第1展示室 
      中央区南2条東6丁目
      (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2014年3月5日(水)~3月9日(日)
 時間:10:00~18:00
      (最終日は、~17:00まで。) 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3.7)

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 この日、2014年3月7日10:14。白石サイクリング・ロードの風景。



      ~~~~~~~~~~~~



 2365)①、の続き。



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 ①で会場の様子をかなり詳しく載せました。その続きと、個別作品を何点か載せます。



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   ↑:関沢香奈、「笑顔を、」・銅版画(メゾチント)。



 メゾチント特有の画質感が深く沈む込むようにして手のひらや花びらを包み込んでいる。

 このメゾチントのグラデーションは、静物(画題)の存在感を技法として際立たせるのに秀でている。今作、「存在感」よりも「普段着の優しさ」だ。大きなまろやかな手のひらと、それに乗っかかる花々が、メゾチントの暗い色調から色づいて浮かび上がっている。若々しいすがたで。
 銅版画でこういう優しさ表現もあるのかと関心してしまった。





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   ↑:水上和佳、「chronostasis」・油彩。(一瞬のときめきが重要です。)



 ある風景を見た、その時のよろしき一瞬の印象、その切り抜き絵画か。

 風景の好印象と、自分との関わり(心象風景)を同時に自由連想のようにして取り組みたい。しかし、絵は一瞬の取り込みでも、一瞬では描けない。描く瞬間瞬間が瞬時の印象の連続なのだろうか?しかも描かれたものは微動だにせずに、常に同じ姿でそこにある。そこが絵画の結論にもなっている。ということは、瞬間の中に画家は永劫不変なものをみているのだろうか?
 絵画における「静と動」、「運動と永遠」、「自由と定型」・・・そんなことを若き学徒の溌剌とした心象風印象画を見ながら思ってしまった。







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   ↑:郷六明子 & 菅楓、「創窓」・グリザイユ技法 デジタル 水彩。



 今展は全体にすっきりしていて見やすい。それは、動きが希薄ということだ。全体がすっきりでも、所々に大胆があってもいいと思う。
 例えば上掲の作品だ。小品をモザイク状にあしらえてなかなか楽しい。この小品が100個ぐらいあって、大判で均等分割的に並べるとか、定型を壊してランダムに敷き詰めるとか、展示そのものをもっと楽しかったらと思った。

 表現において「自由」は必須だ。「平等」は関係の政治性だからあまり考慮し過ぎない方がいいと思う。一つの考えでした。





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   ↑:鶴田亜紀、「みらいをかんがえなくてもいいですか?」・水彩 水彩色鉛筆 ポスターカラー。



 「未来?」考えなくってもいいのでは。
 少なくとも僕は考えていない。明日のこととか、約束したりするから気にはするが、明日や明後日は未来ではないのだろう。では来年は?これも未来と呼びにくい。自分がいなくなった後の、家系の心配とか、日本の将来とか、世界の行く末とか、地球の姿とか・・・考えたい人は考えればいい。

 それよりも「りんごちゃん、否いちごちゃん」たちの嘘ごと世界を見る方に多くの時間をそぎたい。




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   ↑:松田みずき、「脱出」・水彩。



 タレタレのドローイングが印象的。この部分以外は迫力不足の感じだが、そのことがドローイングに目を引き込ませる。これはこれでいい。


 海辺のシーンのようだし、タイトルも「脱出」だから津波のことがあるのかもしれない。でも、そんな自然災害のことよりも、目に見えない部分での何かのありようを模索している感じだ。







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   ↑:以上、中村まり子


 ピンホール撮影。授業の一環だ。

 ピンホール、おもしろくて楽しい表現技法だ。撮りたい事象が中心にあり、しかも残像として反映される。意外性も加味されて、イメージが膨らんでいく。

 中村まり子はセルフ・イメージにこだわる。映像に進むのか?







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   ↑:高嶋千晴、「絶対的なもの」・油彩。



 「何を吐いているかわからない。外に出すことは気持よい」、学生のコメント文だ。





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   ↑:浅岡里佳子、「つかめないもの」・油彩 アクリル。




 誰かと抱き合いたいみたい。「つかめない」というよりも、「つかめるのだが、そのままにしておきたい」という愛おしさだ。左下のダークな部分が隠れた隠し味か。





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   ↑:内藤万貴、「異識」・立体 プラダン ブラインド中空ポリか ガラス花器。




 本格的空間造形だ。

 この大学には「空間造形」を学ぶ研究室がある。毎年、資料館ギャラリーで各部屋を利用して、果敢に「空間造形」を試みている。「空間」そのものに問いかけるとか、「空間第一」の作品は少ない。空間造形そのものを試行錯誤している段階だろう。

 今作、見た目には意味不明なところがある。意味を限定した方向に向かわせるのがタイトルだろう。「異織」だ。もちろん、「意識」を踏まえてのものだ。「意識」が内藤・空間に漂い、「異織」になる。空間により変化・変質して空間と新たな関係を結ぶ。(結果、新たな社会関係が、その社会性を今は問わない。)

 その空間はどんな空間かというと、「現代的な機械的光と人工ガラスが錯綜し、普通の生活空間を決定している場」だ。そのことを非生活空間として再現し、親しみとよそよそしさでそこを見る人間、そこに立つ人間に問いかけようとしている。

 少し残念なのは、衝立様式だが、全て身長よりも低い。どこから見ても向こうが丸見えだ。「異織の壁」が生まれない。「壁」の好きな栄通の不満でした。





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   ↑:道順楓



 当日会場の受付をした学生です。他にも沢山の出品で意欲的です。本人は焼き物専攻に行かれるとのことです。授業の一環としての陶作品でした。

by sakaidoori | 2014-03-10 07:10 | 市民ギャラリー


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