高橋知佳
[仄見せる心]
会場:JR札幌駅東コンコース・JRタワーARTBOX
中央区JR札幌駅構内
(地上東コンコースの西壁面。東改札口の南側)
問合せ・JRタワー展望室アートチーム
電話(011)209-5075
日程:2012年9月1日(土)~11月30日(金)
(会期中無休)
時間:8:00~22:00
(最終日は、~20:00まで)
ーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)
女の美、強さ弱さ、その内面性・精神性をじっくりと追求している。何よりもその直向きな姿勢が眩しい。
錆色調の鉄で編まれている。破綻することなく、人体に統合されている。まるで細胞の世界を垣間見ているようだ。裸婦だが、官能美は薄い。若い女性が作るからだろう。にしなやかで、どこかはかない。心の中を体の中を、見せたい見つめたい、触らせたい触りたい。
鉄という素材の絶対的堅さや冷たさは、肉体の柔らかさや暖かさとは相反するだろう。ましてや人の見えざる精神性とは相容れないだろう。だが、それは理屈というものだ。作家はナルシストのようにして針金を溺愛しているのだろう。編む鉄の感触が愛おしくて仕方がないのだろう。だから、増殖気味の鉄作品ではあるが、鉄の怖さがキバをむくことはない。全ては作家の夢幻の世界で調和している。
確かに調和が基本なのだが、網目模様の重なりや、あまりにナルシストな雰囲気に浸っていると、何やら作家の幻がこちらに乗り移ってきそう。若さというエネルギーと一緒に。