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栄通記

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2011年 11月 04日

1604) 「甲斐野弘幸・個展」 さいとう 11月1日(火)~11月6日(日)

○ 甲斐野弘幸・個展         


 会場:さいとうギャラリー  
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2011年11月1日(火)~11月6日(日)
 時間: 10:30~18:30
      (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(11.2)

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 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 甲斐野弘幸はすっかり変わった。軽くなった、自由になった、世界が拡がった。

 「マルシマさん、これからは愛と芸術に生きます」
 彼の言葉だ。某ギャラリーでの出会いの時だった、ひごろ暖めていた思いが自然に口から出たのだろう。それは決意表明でもある。
 クサイ言葉だ。酒も入らず、冗談でも軽口でもなく、しっかり立ちすくみ、静かに語っていた。真剣なのだ。   

 実際、結婚してからの作風の変化に注目している。
 過去の作品、その特徴はタイトルが象徴していた。全てが「跫音(アシオト)」だった。「暗い運命のアシオトがやってくる、不安な日々が続いていく・・・」という意味の象徴だった。暗い作品は好きだ。が、そこに闇や震えがないと面白くない。パターン化するほど恐いものはない。自己陶酔というるつぼにはまりかねない。氏にはその危険があった。

 今の画家は、絵を描くことが楽しくて仕方がないみたいだ。いろんな事を試みたがっている。その一つが、画面一杯に「字」を踊らすことだ。書かれた言葉に重きがあるならば、それは「文字」だろう。線や曲線としてみれば「デザイン」だろう。文字との芸術的格闘としてみれば「書」だろう。どれであってもいいのだ。試みだから、甲斐野弘幸が羽ばたく為の一里塚なのだから。


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     ↑:左から、「女神降臨」・「只管打座」。



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 全て水彩画です。
 上のカラフルな作品は絵を描き始めた頃で、古い。明るい色の組み合わせを楽しんでいる。もともと持っていたロマンティック気分が、トンネルをくぐって目覚めたのだろう。原点確認と回帰だ。


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     ↑:「六字名号」。

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     ↑:「DANCE 1」。


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     ↑:「TERRA 1」。

 「テラ」とは「earth アース」で大地の意のようだ。末法臭いタイトルが続くから「寺」だと思った。だが、画境の変化以前の旧作だから、「寺」などという臭いタイトルは付けない。
 それにしても不思議なものだ。意味ありげな重めの仕上がりが会場を引き締めている。他の明るい作品とのからみで、旧作も息を吹き返したようだ。


 「愛と芸術に生きる」。素晴らしい言葉である。高い志である。
 だからといって良い絵が生まれる保証はない。だが、この志無くては良いものは生まれない。残骸の山を築くかもしれない。それはそれでいいではないか。その決意に乾杯をしよう。

by sakaidoori | 2011-11-04 09:28 | さいとう


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