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栄通記

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2011年 05月 06日

1534) ③「多摩美術大学版画科OB展 2011」 さいとう 終了1月25日(火)~1月30日(日)

○ 多摩美術大学版画科OB展
            2011
 


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2011年1月25日(火)~1月30日(日)

 【参加作家】
 石原誠 伊藤あずさ 大久保拓子 太田マリコ 御囲章 小川了子 小田麻子 川田竜輔 小竹美雪 佐竹邦子 澤村佳代子 三瓶光夫 島田北斗 鈴村優 高橋亜弓 竹腰桃子 谷黒佐和子 友野直美 西岡久實 ネモトサトコ 堀田恵理 宮崎文子 渡邊慶子・・・以上、21名。 

ーーーーーーーーーーーーーーー(1.27)

 (1443番①、1533番②の続き。)


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     ↑:ネモトサトコ、左から 「最後の門」・F80 ミクストメディア 2010年、「ふきこぼれ」・F60 同、「山の雲、つむじ」・F40 同。

 いつものように大きな顔で札幌見参だ。かつては同じ画題によるモノトーンの版画作品だった。その時は、憂いの中に華やかさがあった。今は、華やかさの中に憂いがある。華やかさはネモトサトコの体質かもしれない。アンバランスな両目の関係や口の形が作品の窓になって、そのぎこちなさが見る感覚に刺激を与える。アンバランスは目や口だけではないのだろう。体の向きも自然な動きではあるが、腰が浮き上がるバランスをともなっている。鼻も変だ。全てが微妙に変だ。
 変ではあるが大きく勝負するネモトサトコだ。



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     ↑:高橋亜弓、左から 「tobu-no」、61×69㎝ 油性木版(凸凹版) コラージュ 2010年、「微睡」・61×91㎝ 同、「kuumo」・69×90㎝ 同。

 ネモトサトコが顔ならば、高橋亜弓は体だ。ふっくらと膨らました重厚な造形により、動きを楽しんでいる。規則的パズル感覚で裸体は動く。それでも顔は視点の中心だ。人を選べばそうならざるを得ない。だが、気分はどこもかしこもフックラ・ヒップ感を大事にしたそう。オッパイもあるから女性のようだが、女性云々よりも、全てに豊満さを好むのだろう。


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     ↑:小川了子、右側 「神無月」・110×90㎝ リトグラフ コラージュ 手彩色 2007年。

 シュールがかった異様な動きの植物だ。細部は黒が重たい。マグマ溜まりを意力で突破して、そのまま何処かに突っ走るのだ。ミクロの細胞からマクロの宇宙へ。
 今回は旧作の発表だ。それでも大きな作品を札幌に披露した。小柄な作家だが、気持ちは常に大きい。


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     ↑:島田北斗、左から  「S氏に捧ぐ」・74×115㎝ エッチング2010年、「家」・26×20㎝ エッチング 2009年、「教会へ行く道」・29×38㎝ エッチング 2011年。

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 制作年は違うが、全てはS氏への鎮魂歌のようだ。
 人が穏やかに横たわっている。画面配置からすれば異様に大きめに全身像を描いている。点景が彼に和し、その動きで献花しているのだろう。
 教会へ行く道、それはまるで地下の墓所に行くトンネルのよう。児童画的表現は全ての距離感を狂わしそう。近くのものが遠く、遠くのものが近い。教会への道は遠いのか近いのか?墓所までの道は遠いのか近いのか?

by sakaidoori | 2011-05-06 13:39 | さいとう


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