2011年 01月 18日
○ 七里知子・個展 manima 会場:ギャラリー ミヤシタ 中央区南5条西20丁目1-38 (南北の中小路の、東側にある民家) 電話(011)562-6977 会期:2011年1月5日(木)~1月23日(日) 休み:月曜日(休廊日) 時間:12:00~19:00 (最終日は ~17:00まで) ーーーーーーーーーーーーーーーーー(1.15) 七里知子さんはタイトルに拘る。 会場風景で作品を見てもわかるようにイメージ性の強い作風だ。だから、「何かを描く」という世界とは少しずれる。それでも、明確に何かを描いているという自覚があれば、その何かを見つめ絵画化(視覚化)すればいいわけだ。 (絵描きが常に自覚的に絵を描いているわけではない。作品=作家ではないのだ。それでも絵を継続的に画けるから「絵描き」だと思っている。) 七里さんの場合は、とにかく絵を描いた。さて、私は何を描いたのだろう?何を主張したいのだろう?と自分の絵を見て思案する。何とか言葉にしたいわけだ。自分自身を納得させたいわけだ。他人にも作品を仲立ちにして対話をしたいわけだ。そういう言語化を通して、改めて自分の絵画探求の道標にしようとしている。 今展はそういう言語探求の一成果だ。 タイトルは「manima」、「(波の光の)まにま、間に間、気ままに気ままに」と、とりあえず理解しよう。 以前、「ドーナツの穴を作るために」という個展をした。「ドーナツを描くのではない、ドーナツの穴を描く」と言う主旨だ。だからといって画面にドーナツがあるわけではない。「穴への意志」を比喩的に語ったのだろう。理屈っぽくて間接的だ。 「ドーナツの穴・・・」に比べたら「まにま」とは何てストレートで素直なのだろう。 「・・・。 現在までの個展のタイトルを辿っていくなかで、 自分が表現したいそのものは、何かと何かの間に存在する それらの不思議さ、現象であったのではないかと気づく。 ・・・」 タイトルの事ばかりを語っては意味をなさない。 新機軸にたった作品の印象はどうだろう。 僕は「間(ま)」よりも「重なり」を思った。色調は一色だが、いろんな色を輪郭明快に重ね合わせて、それらに動きを持たせている。「波のまにま」ではなく、「重なる雲、動く雲、明るく明るく」だ。描きたい事が明確になった元気さだろうか。画材の粒子と粒子の間(ま)への拘りは発色の強さとなったのだろう。 だが、明るさは闇があった方がより明るく深いだろう。面と面が立体的に水平的に重なり触れ合う輪郭という世界。輪郭は絵画上の方便かもしれないが、「間」の凝縮する所には違いない。それは「七里・まにま」とどんな風にフィットするのだろう。 面と色の重なり具合の強さ、そういう個展であった。 小品になればなるほど、心を静めてしっかり具体的に描いている感じだ。薄く綺麗に、植物のように生き物のように。
by sakaidoori
| 2011-01-18 11:13
| ミヤシタ
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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