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栄通記

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2010年 12月 27日

1409) テンポラリー 「野上裕之展 『鳥を放つ』」  12月21日(火)~1月16日(日)


○ 野上裕之・展  

      「鳥を放つ
  


 会場:テンポラリー・スペース
     北区北16条西5丁目1-8
     (北大斜め通りの東側。
      隣はテーラー岩澤。)
     電話(011)737-5503

 会期:2010年12月21日(火)~1月16日(日)
 休み:月曜日(定休日)、元旦
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(12.25/26)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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          ↑:(入り口からの風景。)

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 野上裕之が愛すべき犬を持ってきた。

 スクッと四つんばいになって、上空を仰ぎ見ている。視線の先にはガラス窓があり、ガラスを突き抜けてその先を見つめている。昼は昼で、夜は夜で、いつもいつも空を見つめている。何をするでもなく、何かを考えているわけでもなく、つっかえ棒のような細き足を大地に立て、丸太のような首に支えられて、ただただ上空を仰ぎ見ている。

   夜鷹になりたがった犬だろうか?
   星になりたがった犬だろうか?
   目のない顔に涙を見るべきか?
   遠い未来を透し見ているのか?
   過ぎ去りし日を垣間見ているのか?
   よき未来、よき過去を持つ犬だろうか?


 視線と語り合うかのようにして何かが浮いている。
 どこか遠いところから舞い降りて、星のように浮かんでいる。
 それは作家の夢みた宝物だろう。まるで人魂のようにして群れている。
 見つめられる2階の窓に、付かず離れず二つ並んでいる。
 それは作家のクリスマス・プレゼントのよう。


    ~~~~~~~~~~


 野上裕之の作品を見るのは三度目だ。基本的には立体の具象作家だろう。しかも、自画像作家である。今展の犬も自画像以外の何ものでもない。現在の自分自身の心境と、存在確認だ。

 立体作家の場合、作品と空間との関係で、その作家の主義主張に近づくことができる。
 例えば、作品そのものにウエートがある場合。会場なり空間は作品を引き立たせるためにある。
 逆に、作品の主張はまったくの便宜的な場合。その作品が会場に置かれた時に、その空間の変容やゆがみ、更に空間に立ち会う鑑賞者をも取り込んだりする。

 野上裕之の場合は、空間に自画像的作品をおいて、自身の強さや拡がりを確認することだ。確認とはいっても、常に上位にありたい自己投影の場でもある。要するに上昇志向の意欲満点の青年である。

 今展、何やら肩の力を抜いたような「自画像空間」である。犬の視線は上昇志向ではあるが、焦点があるのか無いのか判断がつかない。それは決して迷いではないだろう。今までとは違った「上昇志向」の目なのかもしれない。

by sakaidoori | 2010-12-27 23:26 | テンポラリー


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